Roar!   作:渋川 武志

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”青春”
それは人生の中で最も自由で、希望に溢れ、元気に満ち、一度しか巡ってこない季節。

だからこそ!全てにおいて全身全霊!寝ている暇なんてない!!
悩んで泣いて喧嘩して!遊んで無茶して恋して振られる!!


最初で最後の”青春”を思いっきり謳歌せよ!少年少女たちよ!!


SCENE-1 誰しもが一度はあること

安央「(聞こえる・・・・高らかな天使の歌声が・・・

    澄んだ森の細流《せせらぎ》が・・・

    感じる・・・広大な際限なき宇宙を・・・・

    終わりのない・・・・・終わりのない・・・・・終わりがない・・・・?)」

 

安央「(・・・・・やべぇ心臓がバクバクしてきた)」

 

安央「(くぅ・・・・あぁ・・・入っちまった。無限が怖い怖いスイッチ入っちゃった・・)」

 

安央「(ああああああああああああああ)」

 

安央「(ってな感じで大声で叫びたーい・・・。そして少しでもこの恐怖を緩和したーい・・。

    だが今それをすればもれなく2人の妹と弟に殴られるぅ・・・)」

 

安央「(くそ・・・・死にたくねぇ・・・。でも死んでもこの世は終わらねぇ・・・。

    終わりはどこにある?終わったとしてどうなるその後は?えぇ、俺らって何?

    生きるって何?てか宇宙って何?なんでできたの?つかその前の無ってどんな状況?

    くそおおおおお、思ってること勢いよく羅列しても恐怖消えねー・・・・)」

 

安央「(このままじゃ、酸欠で死んでしまう・・・。

    しかし・・コレの厄介なところは答えがないところだ。

    それにわかったとしても恐怖が消えるわけではないことがわかりきっているところだ。

    チクショウなんで人間になんか生まれちまったんだ・・・。

    てか人間じゃなかったら何に・・。

    つかなぜ俺は俺なんだ・・・。今思えば生まれた時から俺は俺だった。

    いや・・・当たり前だけど不思議だ。

    俺は安央。でもそれは親がつけた名前なわけであって

    俺は本当は安央じゃなくて・・・名前のない人間。というか有機物。

    そうだよな・・・、俺って何者なんだ?

    俺は名前に騙されていたのかもしれない・・・。

    みんな名前を取っちまえばただの生き物だ。

    みんな人間という生き物。猫とか犬と同じなんだ。

    ならなぜ人間はここまで進化できた?

    言語能力というほかの生物にないものを発達させた。

    猫とか犬ではそれはできなかったのか?

    というかあいつらどうやって意思を疎通してるんだ

    あいつらにだって意識はあるはずだ・・・・。あるよな・・・。

    そうだよ、なければ動くことだってできないじゃないか。

    あ、でもそれは体内の化学反応と電気信号で起きてるから・・・。

    でもその根源はなんだ?意識だよな?俺たちは脳から信号を送って・・・・。

    でも脳も有機物であって、原子の塊じゃん?

    じゃあ今俺が考えてるような意識ってなに?

    これも原子の働きなのか?じゃあ俺は原子に操られ・・じゃあ原子を操ってるのは?

    もしかして俺らを操作している奴がどこかにいるんじゃ・・・。

    じゃあ俺の意識ってただの電気信号であって俺のものじゃないのか・・・。

    じゃあ俺ってなんだ?

    てか・・・・なんだ?なんなんだよおおおおおおおおおおおおおお!!)」

 

安央「(・・・・・なんか大事なことを忘れてる気がするけど、

    なんかすべてがどうでもよくなっってきた!!寝よ!!)」


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