少し時間がかかったが、杜王町には着いた。
時を止めた時間を除いたら5分程度か……。
戦車のようなスタンドに追われている女性を見つけた。
女性自身はスタンドには気付いていないようなので、ホル・ホースの言っていたスタンド使いに襲われていた女性かもしれん。
「『世界』時は止まった。この女には肉の芽を植え付けて置くことにしよう。このDIOの下僕となるのだ光栄に思うがいい。聞こえてはいないだろうがな」
わたしは女性に肉の芽を植え付けると、戦車のようなスタンドの元に向かった。
「さっきまでの動きを見る限りでは、こいつは自動追尾型のスタンド。ここまで女性を的確に追えるとはとても強力なスタンドだと褒めてやりたいところだ」
「だが『世界』のまえでは無駄無駄無駄無駄無駄無
駄無駄無駄無駄無駄!!!!!!」
わたしは戦車のスタンドに向かって『世界』でラッシュを放った。
だがその戦車は少し傷がついただけで、まったく効いている様子がない。
そろそろ時間だ。
「時は動き出す」
戦車のスタンドは時が動き出した後も吹っ飛んだが、やはり何も無かったかのように女性を追っていく。
このスタンドは自動追尾型で本体へのダメージがない上に耐久力に優れていると来た。
まさに無敵とも思えるスタンドだろう。
それでも、このDIOの前では無力に等しいことには変わりない。
「このまま時を止めて、殴り続けるという作業を続ければ倒せるだろう。だが無駄な時間は使いたくないのでな」
わたしは戦車のスタンドに向かって『矢』放った。
すると、戦車のスタンドは崩れるように崩壊した。
スタンド自身を『矢』で貫いたら、という実験をしてみたことがある。
試してみたところ『矢』でスタンドを貫かれたものはスタンドが崩壊して死んだ。
ただ自動追尾型のスタンドはスタンドのみが崩れさり、本体が崩れさることは無かった。
これを利用して、戦車のスタンドを崩壊させたのだ。
「さて、ホル・ホース達を一刻も早く探さなければ」
わたしは『矢』を回収しようするために崩壊していく戦車のスタンドに近づいた。
だが…
「『矢』が消えているぞッ!何処へいったんだ。まさか、あれは正確には自動追尾型ではなかったのか…」
もし、あのスタンドが本体としっかりとした繋がりのあるスタンドなのだとしたら。
『矢』は………
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
吉良side
「『矢』が勝手にッ!わ…わしは何もしとらんというのにッ!」
『矢』吉良吉影に深々と突き刺さっていく。
そして、吉影に重なるように『キラークイーン』にもつき刺さっていた。
「『矢』が勝手に吉影に再び………!!」
吉影の『キラークイーン』は『矢』が刺さっていくにつれて崩壊していった。
首から入っていき、心臓の付近を貫いていき、やがて『矢』は『キラークイーン』の右手の部分に収まった。
すると、『キラークイーン』の紅い瞳が光り輝き、崩れていったハズの体はいつの間にか元通りになっていた。
そして────
突然、吉影の周囲の謎の爆発が起こった。
その爆発は吉影を埋め尽くさんとばかりに爆発している。
爆発が収まったころには────
「吉影ッ!!!!!」
既に吉良吉影の姿はそこには無かった。