結果的にわたしは『世界』の時を止める能力を取り返すことは出来た。
しかし、取り返した。というのは単に奴らのルールに乗って、マナー通りにしただけだ。
こんな屈辱を久方ぶりだ。
このDIOは確実に侮られている。
奴らにとってこのDIOは、そこらの雑魚と同じというわけだ。
奴らが何者かのは分からない。
だが、時を操るなどよりも上位の能力だというのは分かった。
プッチも相手の能力を奪う能力を持っているが、それとはまた違った。
この世の『真実』に介入出来る能力。
もし、奴らの能力が『過去』、『未来』、『現在』全てを支配し、操ることが出来るのであれば。
わたしが望む『天国』への1歩は『真実』を操ることだろう。
そのために必要なものは、わたしが前まで『天国』と呼んでいた時の『加速』。
もう一つは、わたしの時を『止める』能力
そして三つ目は時さえ破壊し、時を『戻す』ことが出来る破壊力を持つスタンド。
上の二つについては、既に考えついている。
だが、三つ目のスタンドはまだ見つかっていない。
時を戻すというのは、『やり直す』スタンドである。
『やり直す』というのは、もしあそこでこうしていれば……という逃げの考えから基本的に人は考え付く。
だが、それでは駄目だ。
そんな考えでは、そんなやわな精神力では時を『戻す』スタンドは生まれない。
本当に追い詰められた上で、諦めない精神力と何かを求める渇望がなければ時を『戻す』スタンドは発言しないだろう。
そんな人間は簡単には見つからないだろう。
しかし、スタンド能力を発現させる『矢』は、そんな人間を探してくれるはずだ。
『矢』は才能ある者を探す道具でもある。
その『矢』を発見した者も気になるが、そちらはプッチに任せてある。
わたしは杜王町にある『矢』の行方を探ることに専念しよう。
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ホル・ホースside
俺はDIO様の命令で杜王町という町に来ていた
DIO様からの命令は、この街にある『矢』とスタンド使いを探すこと。俺の今のコンビはアンジェロという、殺人鬼だ。
アンジェロはムカつくとかいう理由で、DIO様に喧嘩を売ったが瞬殺された後に命乞いをした野郎だ。
普通ならこんな野郎殺すだろうが、DIO様はこいつになんらかの才能をみいだし、『矢』でスタンド使いにして仲間にした。
正直言って、こいつは気に食わねえがこの命令にはこいつ以上にピッタリな奴はいねえ。
アンジェロのスタンド名はアクア・ネックレス。
水に同化出来るスタンドだ。
雨の日に情報収集をさせたら、恐らくこの街中どこからでも、情報を集めることが出来るだろう。
DIO様からの命令を聞いて、こいつをコンビに決めたのは正解だったと思うぜ。
今日の天気予報は丁度雨だ。
これなら、1週間もしないうちに探せるかもしれねえな。
遅れてすいません。