「ええと………君の名はなんて言ったかな?」
「俺の名はホル・ホース……。今からてめえを殺すものの名だ」
俺の役割はこいつに少し本気を出させるだけでいいらしい。
DIO様は言った。俺の精神の爆発が大事だと……。
スタンドは精神力だと言うのは分かってる。
だが、そんな簡単に精神力を高められるのなら、誰も苦労はしねえ。
だが、この状況じゃあ────
「やるしかねえぜ!『皇帝!』」
「無駄だよ『キラークイーン』」
ホル・ホースの銃弾が吉良吉影に迫っていく……。
だが、その銃弾は『キラークイーン』のスピードによって、軽く捕まれてしまった。
「なら、これならどうだ?」
突然吉影の周りに無数のナイフが現れ、その無数のナイフは吉影に向かって飛んでいった。
「無駄だと言ったじゃあないか……」
吉影がそう言うと一気に4体もの『キラークイーン』が現れ、4体の『キラークイーン』がナイフを全て、弾いた。
だが、ナイフを弾いている間に二つ目のホル・ホースの銃弾が吉影に向かってきた。
ホル・ホースは流石にこれは吉影にダメージが入ったと思ったが………
「『世界』時は止まった…………」
何故か吉影に銃弾が当たる前にDIOは時を止めた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
ホル・ホースの精神力には本当にビックリさせられる。
成功率不確定のはずの技をこうも実戦で、成功させるとはな。
銃弾の同時操作………。
それがホル・ホースにとっての一番精神を集中させる時だとわたしは思っている。
スタンド使い特有の質の高い魂がさらに高まる時なのだ。
「その魂を……このDIOが有効活用してやろうではないかッ!」
そう言うとDIOはホル・ホースに近づき、『でその血を吸い、ホル・ホースのスタンドを『世界』で吸収したのだ。
このDIOはスタンドが二つある。
恐らく『世界』がわたしのスタンドであり、もう一つのジョセフのスタンド………『隠者の紫』に似ているスタンドは我が友ジョナサン・ジョースターのものであろう。
だが、わたしには魂の容量は一つしかない。
当然だ。ジョナサンジョースターは既に死んでいる。
ならば、何故わたしがジョナサンのスタンドを使えるのか?
それは……肉体には魂の残り香のようなものがあるからなのではないか?
死んでいる人間の肉体にも精神力の高い人間ならば、スタンドを出せるほどの魂が残るのではないか?
そして、わたしは一つの実験を思いついた。
ならば、スタンドを発現させるほどの精神力を持つ生きている人間の血を吸いさえすれば、わたしのスタンドはさらにパワーアップするのではないかと……。
そしてわたしは────────
「こんなに素晴らしい力を手に入れたぞッ!フハハハハ、感じるぞ……わたしの魂の容量が増えていくのを……このDIOのスタンドが更なる段階へと進化していくのを……感じるぞッ!そして、我が友のスタンド…『隠者の紫!』」
そう言うとDIOはジョナサンの『隠者の紫』と『世界』を同時にだすと──────────
DIOは『隠者の紫』を『世界』に吸収させた。
「わたしはジョナサンのスタンドを吸収することによって、真にこの体はわたしのものとなるッ!……
やはり、馴染むぞッ!ジョナサンのスタンドはわたしの『世界』に本当に良く馴染む………フハハハハハ フフフフ フハフハフハフハ フハハハハハハハハハハハハハハハ フハフハフハフハフハ フハフハハ…」
DIOは高揚した気分で笑いながら、吉良吉影の元に向かわず────
「時よ動き出せ」
時を動き出させた。