もし革命軍にMAがいたら(仮題)   作:偽ハシュマル

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 息抜き回?です。
 話はあまり進みません。


嵐の前の休息

さてあの戦いの後だが、俺達革命軍は原作とは違い火星で英雄扱いされることとなった。とくに鉄華団の持ち上げっぷりはすごい、勝てば官軍とはよく言ったものだ。これで双子ちゃん達も兄を悪く言われることはないだろう、別の意味で苦労しそうだが。

 無論いいニュースばかりではない、というか悪いのが大半だ。何せ火種はまだまだ燻り続けている。ここからがむしろ本番だ。

 まず、火星についてだがマッキーは今回の戦いで多大な戦果をあげた鉄華団を大きく讃えギャラルホルン火星支部の権限の委譲を約束通り行うことになった。しかし鉄華団は武力極振りの組織のため王どころか政治、経済に関してはお察しの人材が大半なので、火星支部の新江・プロト三佐から仕事の引継ぎを兼ねていろいろと教えてもらっているらしい。それでも最近のごたごたの影響もあってかちょっと前にプロト三佐とオルガを見かけたときは目にクマを作り死にそうな顔をしていた。無論事務仕事ができる数少ない人材であるデクスターさんとメリビットさんも同じ状況だ。

 結局火星の実質的な独立に伴う各自治区のまとめ上げは鉄華団と繋がりの深いクーデリアに丸投げすることになる。現在の実質的な火星のトップは実は彼女なのではなかろうか?オルガも彼女が意見すればなんだかんだそれに迎合しそうだし。

 

 さらに火星の独立に対してはアーブラウは賛成、SAUは猛反発だ。アーブラウ賛成に関しては蒔苗一派が鉄華団というかクーデリアと繋がりがあるのが大きいだろう。逆にしばらく前までアーブラウと小競り合いをしていたSAUの反発は特に強い。残り二国は情勢を見守っている感じだ。

 そしてそのSAUだがめんどくさいことにアーブラウとの関係が今回の情勢変化で逆戻りし一気に冷え込んだ。だからと言っていきなり彼らは攻め込んでくることはない。今はギャラルホルンが内部分裂をしてしまったせいで調停役がおらず、その上革命軍は鉄華団を通してアーブラウ側についている。まぁ鉄華団は選挙活動手伝ったり、天下りしたりとズブズブだしこうなることはSAU側も知ってはいたと思う。

 だが、彼らはあきらめなかった。相手は強力な武力、ならばこちらも武力だ!とばかりにアリアンロッド残党に近づき手を組もうとする。アリアンロッド側も地球での橋頭保、および支援者確保のためこれを承諾。

 ここに新たな冷戦時代が誕生した。しかもいつ噴火してもおかしくない。

 …こうしてみるとラスタルの影響力って本当に大きかったんだな。のちの歴史だと下手をすればバエルよりもフラウロスの方が有名になっているかもしれん。マッキーにはこのことは言わないでおこう、機嫌悪くなりそうだし。

 

 

 

 

 さて、今の私の状況ですが世紀の大罪人となってしまいましたが毎日頑張って生きています。

 マクギリスお兄ちゃんには『お外は危ないんだよ。君は革命の英雄だからね』とちょっと反対されましたがグザファンはお仕事をすることになりました!

 その中で健全な運送会社の人たちと知り合えました、見る物、聞く物、全てが勉強です。

 まだ、この世界に来てまだ日が浅いですが、一つ一つできることを頑張っていきます。

 

 例えばこれまでは、調子に乗っていたらキマリス・ヴィダールに殺されかけたりしました。

 …でも健全な民間軍事会社の人たちのおかげで何とか、大怪我で済みました!

 

 

 そしてプルーマ君のおかげで怪我も治ってようやくテイルソードを振り回して海賊のMSを両断することができるようになったんです。

 

 と言うわけで、とっとと死んでくれ…大人しく処理されてやってくれ。済まないねこれも仕事なんだよ。全く最近は治安が悪くてかなわん、海賊が多くて困る困る。一体いつからここは魔界並みに盗賊がポピュラーな世界になったんだ?おまけにヒューマンデブリの多いこと多いこと。この世界では十数年前に大規模なベビーブームでもあったのか?もしくはいつぞやのルーマニアみたいな国があったとか?

 

 「12機のMSが三分も経たずに!?化け物か!!」

 

 「御頭!あの化け物がこっちに!!」

 

 「何だと!?」

 

 後は母艦をどうにかすれば終了だが、どうしたものか?内部に人員を送り込んで船ごといただければ万々歳なのだがあいにく俺にそんな器用なことはできない。済まないね任務の都合上美人の安全が最優先なんだ。

 と言うわけで後は運動エネルギー弾をブリッジに打ち込んでハイ終了。当たり前だがキマリス・ヴィダールと戦うのと比べればはるかに簡単な仕事だ。

 

 それに非武装の健全な企業の見た目麗しい女性社員達を護衛する仕事ならばいやがおうにも気合が入るというもの。知り合いの民間軍事会社の人たちは会社のトップと仲たがいを起こして一緒に仕事がし辛いらしい。そこでその民間軍事会社の伝手で俺に白羽の矢が立ち護衛することになった。俺も少しは体動かしたいし何もしなかったらニートみたいだし。 

 

 『海賊軍全て沈黙…進路確保完了。プルーマ達倒したMSは回収しておけ。』

 

 後は推進機関を取り付けた作業用プルーマ達にMSの回収を任せるだけ。副収入でこちらもうれしい。俺は普段金を使わないがあって困るものではない。  

 

 「さすがは幸運の鳥。噂には聞いていたけどすごいね。」

 

 今通信をしてきたラフタはついこの間ようやく完治したらしい。俺に会いに来た時は昭宏と手をつないでいた。俺のMAとしての本能が目を覚ましそうだったよ。昭宏との仲が少しは進展したようでリア充し…よかったじゃないかそれに元気そうで何よりだ。しかし幸運の鳥とはなんだ?ちょっと聞いてみよう。

 

 『幸運の鳥?』

 

 「そう幸運の鳥!鉄華団のみんなを守るため戦場に留まったそうじゃない。みんなを守ってくれたから幸運の鳥ってことで。」

 

 「ラフタ的には昭宏を守ってくれた幸運の鳥じゃないの?」

 

 「エーコったら!そんなんじゃないって!」

 

 「いい加減素直になったら?うちのメンバーで知らないのはいないぞ。」

 

 「アジーまで!だからそんなんじゃないって!私はみんなって言ったじゃない!?」

 

 「はいはい分かってますよ。みんなの中でも特に昭宏でしょ。」

 

 あのーラフタさん俺の見た目的にどちらかと言えば幸運よりも不吉を運ぶ方なんですけどもアリアンロッド側からは『黒き凶鳥』とか厨二ネームでよばれてるし。そしてもう一度海賊出てきてくれないかな…今無性に暴れたいんだけど?

 

 「とにかく幸運を呼ぶ鳥だったらその色はだめだよ。というかなんで黒なのよ?」

 

 『私はもともと天使の名を冠した存在だったからな。それが堕転したからにはイメージカラーは黒になる。』

 

 「その堕転というのがイメージ悪いんじゃない?どうせだったら《幸運を呼ぶ青い鳥》とかのほうが良くない?」

 

 『何!?』

 

 「ラフタ青色は今残り少ないんだ。だが紫なら何とか調達できそうだだからそれで我慢しよう。」

 

 「そっかーじゃあそれでいいや。」

 

 『…』

 

 え!?いつの間にか俺色塗りかえること前提になってるの?しかも青紫か…嫌いじゃないがその色を塗って本部に帰ったらマッキーぶち切れ不可避だろうな。美人の頼みでも聞けないものは聞けないのだ。

 

 『済まないが私の所属上その案は聞けない。』 

 

 「えー残念…ケチ!」

 

 だからそんな残念そうな顔しなさんなって!どうせ頼むならマッキーと一緒にいる幼女に頼めってそうすればワンチャンあるから。…待てよこの話をしたらタービンズの皆さんはどんな反応をするのだろうか?オラちょっと気になるぞ。というわけで試してみよう。

 

 『どうしてもというのならば頼みこめそうな人物を一応は知っている。』

 

 「えっ誰それ。もしかしてマクギリス・ファリドとか言わないよね?」

 

 いわねーよ!それ一番駄目な奴じゃねーか!じゃなくて幼女だよ幼女!!

 

 『いや、そうではなくマクギリス・ファリド氏の婚約者であるアルミリア・ボードウィン女史だ。』

 

 「貴族の婚約者?そんな人が話聞いてくれる訳…」

 

 『安心しろ彼女は年相応に素直でいい子だ。まぁ最近はいろいろあってかちょっと不安定なところがあるのですぐには無理だが…』

 

 婚約者の手を刺したり、兄が実は生きてたり、家族と離れ離れになったり…最後のは割と俺のせいだけどいろいろありました。

 

 「年相応?一応聞くけどその人の年齢って?しかもボードウィンって…」

 

 『ああ、そのボードウィンだ。ちなみに年齢は確か11歳だったはずだが。』

 

 「「…」」

 

 ああ!場の空気が凍りついちゃった。タービンズの皆さん的にもこれはさすがにアウトだったかな?いかんこのままではマッキーにひどいレッテルが張られてしまう。さすがにそれがばれたら後が怖すぎる。ここはフォローしておくか。

 

 『いや彼女に関しては別に問題はない。人質として監禁されているわけでも、ましてやマクギリス氏が特殊な嗜好というわけでも断じてないだからそのあたりは誤解しないで欲しい。』

 

 「ならいいけど、小さい子がそんな大変な目に…貴族ってのも楽じゃないんだね。」

 

 「女が苦労するのはどこの世界も同じか…なおさら私たちは頑張らないとな。」

 

 誤解が解けて?何よりだ。まぁ何はともあれそんなこんなで今回の仕事は終わりだ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて戦闘がない時だがその時は俺の役割などプルーマの充電器以外ない。無いがプルーマの功績は俺の功績、俺の功績は俺の功績なのでプルーマを働かせればいい。ここ火星は未発掘の鉱山が多くその手伝いの仕事が山ほどある。さて今日はどんなものがとれているかな?

 

 ・MAの甲殻を手に入れた!

 

 ・MAの足を手に入れた!

 

 ・ダインスレイヴの破片を手に入れた!

 

 

 くっそ!またはずれかよ!甲殻とかは別にいらねーンだよ!それぐらいなら自分で作れるし。尻尾よこせ尻尾!もしくは胴体!あ、完全状態のMAはいいです。そんな緊急クエストはしたくはないので。

 

 「グザファンどうしたの?ねぇ聞いてる?」

 

 『ああ、済まない三日月少し考え事をしていた。』

 

 「あっそ。ところで次は何を植えたらいいの?」

 

 『トマトの次はカボチャだ。ただし距離は開けておけ。』

 

 「カボチャ?それ前植えて失敗したんだけども。」

 

 『それは条件が悪かったからかもしれない。今回は別の方法を試してみよう。まずは土だ、赤玉土6、腐葉土3、バーミキュライト1の割合でやってみよう。』

 

 「分かった試してみる。」

 

 『それでも駄目ならいっそビニールハウスでも作ってみるか。同じ温度、湿度でも火星の気候は地球と同じとは限らないからな。』

 

 もちろん俺自身が働くことも忘れてはならない、戦いしかしていないといざ平和になったときマジで無趣味のニートになり下がりかねん。と言っても俺は今の情勢の都合上そこまで動くことはできない。なのでプルーマの目を借りて自分の考えを伝えて動いてもらう方法をとる。ちなみに三日月だが阿頼耶識のケーブルを限界まで伸ばし、バルバトスの電源を予備だけにしたものをプルーマのホバーで運ぶことで農場でもある程度働けるようにしている。

 

 「しっかし、農作業だとこのケーブル邪魔だな。何とかならない?」

 

 『我慢しろ、もうすぐ父親になるのだぞ。せめて息子が生まれたときボール遊びができるようにはなるべきだ。』

 

 おめーはパパになるんだよ!!それぐらい我慢しろ。あと農業もいいが子育ての本も読んどけ!

 

 「まだ、出来てるかわからないし、そもそも何で男だってわかるの?」

 

 『勘だ…(原作知識とはいえん)』

 

 「勘?変なの。」

 

 『それと今からは子育ての本も読むべきだ。』

 

 「俺字は完全には読めないけどクーデリアに頼もうか」

 

 『それだとアトラも知ることとなるだろ…父親が独自に頑張ることに意味があるのだ。』

 

 「そういうもんなの?」

 

 『そういうものだ。分からない字は私が読んでやる。』

 

 これが今の俺の生活だ。敵を倒して素材を手に入れ任務こなして金を得、鉱山発掘して資源と発掘品手に入れ、野菜を育てて…あれここモンハンの世界だっけ?俺オルフェンズの世界にいたよね?つか俺どっちかと言うとモンスターの側なんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……こいつが《黒き凶鳥》か、予想以上にヤバいな。」

 

 無精ひげと白髪交じりの髪をした四十がらみの男が、大型モニターに映し出された黒い起動兵器の記録映像を見つめながら、愚痴混じりに呟いた。

 いくら機動力が低いダインスレイヴ隊とはいえこうも呆気なく一方的に撃墜される様を見せられては、友軍として複雑な心境に追いやられていた。

 場所は月のアリアンロッドの本拠地の中に、隠れる様にして建設された秘密軍事施設の一室である。

 紙資料や大量のデータを収めたディスクが散乱し、いくつもモニターが点灯している乱雑な研究室には、その男以外にも他の科学者の姿があった。赤の髪と猫目が特徴的な女性である。

 

 「ダインスレイヴ隊の方に先に行ってくれたのはこう言っちゃなんだけど行幸だったね。あたしももうちょっと脱出が遅かったら、宇宙の藻屑だったからね。こいつのヤバさはよく分かってるよ。」

 

「君が生きていてくれたことは我々にとっては何よりの行幸だったよ。ヤマジン・トーカ。奴に対抗できる数少ないキマリス・ヴィダールの調整と整備にはきみ以上の適任はいないのだから。」

 

 「つまり今まで通りあたしはヴィダー…今はガエリオ・ボードウィンの御つきをするってことでいいんだね。でも彼今は多忙の身だから早々戦いには出かけられないんじゃないかな?まぁ時間がある方があたし的には助かるけど。」

 

 「ああ、疑似阿頼耶識の調整しっかり頼むよ。いざという時のために。」

 

 「それでそちらさんはそちらさんでいざという時…いやそっちは必然の時のためか。」

 

 「そうだ。ヴィダールがガエリオ・ボードウィンに戻った今自由に動くことは難しい。ならば我々は我々で独自に奴に対抗できるものを作らねばならない。」

 

 「それがあたしらの大将の意思って訳?」

 

 「それは残されたものが決めることだ。ただあの方ならば何をおいても奴の存在は許しはしないだろうがな。」

 

 「たとえ禁忌に触れるとしても?」

 

 「それが我々の役目だ。禁忌を取り扱ってでも怪物を倒す我々のような《闇》の為すべきことだ。だから君は《光》を支えてくれ。後のことはこちらが何とかする。」

 

 「了解。幸運を。」

 

 しばらくの会話の後女性は部屋を後にした。

 

 「さて、怪物を倒すにはそれ相応のものか…これではまるで厄災戦の再来だな。」

 

 男は机の上に置かれた資料を複雑そうな顔で眺める。そこにはこう書かれていた。

 《リビングデッド師団》と

 

 

 

 




 最後に出てきた名前はまぁお遊びです。なんかやってることは似てそうだし。
 後々そのまま使うとは限りません。

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