個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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仮面ライダーアマゾンズシーズン2 が予想の数十倍エグかった。特に目玉のシーンはトラウマになりそうでした。流石にこの小説でそこまでのエグさは書けないと思います。

感想ありがとうございます。楽しんでいただけるよう頑張りたいです。


第4話 止めてくれ先生その言葉はオレに効く

 

 

「最下位除籍って・・・・!入学式初日ですよ!いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!」

 

そういったのは麗日お茶子さんだった。相澤先生の一言によって俺を含む生徒全員は戸惑うばかりだった。

当たり前だ。いきなり除籍処分なんて文句を言うに決まっている。誰だってそーする俺もそーする。

 

だが、相澤先生は答える。

 

「自然災害、大事故、身勝手な敵たち。いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれている。そういう理不尽《ピンチ》を覆していくのがヒーロー。」

 

‼︎ 理不尽を覆していく・・・・・・。

 

「放課後マックで談笑したかったならお生憎、これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。」

 

周りの生徒たちの顔が強張る。全員の思惑はそれぞれだろう。冷静に分析するもの、積極的なもの、緊張するもの

 

そして・・・・笑っているもの。

 

俺は今まで自分の持つ個性によってあらゆる"理不尽や苦難"を味わい続けてきた。怯えることはない。俺は不敵な笑みを浮かべていた。

簡単なことだ。

 

要するに・・・・・・・・。

 

「Puls ultra《更に向こうへ》さ。全力で乗り越えて来い。」

 

乗り越えていけばいいだけだ‼︎

 

「さて、デモンストレーションは終わりだ。こっからが本番だ。」

 

まずはこの第一関門を乗り越えてみせる‼︎

 

 

 

 

 

だけど、除籍処分だけは勘弁してください。

 

 

 

 

 

種目を始まる前にボールやストップウォッチ、コーンなどを準備しなければならない。

しかし、こちらも同じであり、個性を使用する準備をしなければならない。俺の個性は使用するたびに多量のカロリーを消費するため、個性を長時間使ってしまうとあっという間に動けなくなってしまう。

そのためにも前もってからカロリーを摂取しておかなければいけない。

 

とりあえずカロリーメ○トを口の中に放り込む。ちなみに俺が好きなのはフルーツ味だ。

しかし、種目のことを考えると、見積もってあと4箱以上食べないといけない。

 

「まあ、余裕で10箱は食べれるな。」

 

「何をだ?」

 

と、後ろから声を掛けられる。見覚えのある赤髪の男子生徒だった。

 

「よぉ、天倉だよな。実技試験のときはありがとうな!」

 

「え、あ、い、いやこちらこそどうも。」

 

あのときの良い人だ!覚えていてくれた!しかも同じクラス!

 

「俺の名前は切島鋭児郎だ。よろしくな!」

 

「こちらこそよろしく!切島くん‼︎」

 

っしゃああぁぁぁぁぁぁああ!友達できたぁぁぁぁ!しかもメチャクチャ良い人がだよ!万年ボッチの俺があぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎我が世の春がきたぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎

 

↑友達1人ができたらテンションがやたらと高い人の図

 

あ、あれおかしいな?目から熱いものが出てきたぞ・・・嬉しいはずなのになんでだろう・・・・・。

 

「お、おいどうした?めっちゃ涙出てるぞ?」

 

「い、いやなんでもないよ。突然のことでちょっと涙腺が崩壊しただけだから。」

 

「俺なんか悪いことしたのか⁉︎」

 

とりあえず自分を落ち着かせるため、カロリーメ○トを片手に話題をそらすことにした。

 

「そんなことより種目の準備をしよう。コーンを運ぶの手伝うよ。」

 

「おっサンキューな!にしても相澤先生いきなりとんでもないこと言うよなー。最下位除籍って。」

 

 

最下位除籍。改めて聞くと、心配になってきた。 この個性把握テストによって問答無用でヒーローの夢が潰されるのだ。

 

しかし、相澤先生は言った。あらゆる理不尽を覆していくのがヒーローだと。

俺は相澤先生の言葉を聞いて理解した。もう既に自分たちはヒーローとしての一歩を踏み出している。もう、そこらの学生ではないのだ。

これから先もきっと先生が言ったように苦難を与え続けられるだろう。だからこそこんなところでつまづいていられない。

 

この壁を乗り越えいくのだ。"Puls ultra"《更に向こうへ》

 

俺はこの言葉を一生刻み続けるだろう。

 

 

 

とりあえず切島くんを手伝おう。ヒーローとして友人と助け合うことも大切なことだ。

 

「このコーンここら辺でいいかな?」

 

「Puls ultra」

 

・・・・・・・・・・・・ん?

 

「Puls ultra《もっと 向こうへ》?」

 

「Little ultra《もう少しかな》」

 

「Just ultra《ばっちり》」

 

・・・・なんか流行し始めて合言葉みたいになっているんだけど。

相澤先生の言葉が全然違うところで使われている・・・。

なんだろう。俺が感動的になっていたのがアホらしくなってきた。

と言うか、相澤先生が覚醒した野菜人のごとく髪が逆立っているんですが。

とりあえず俺だけでも黙って準備をすることにした。

カロリーメ○トを頬張りながら。

 

 

 

第1種目の50m走では飯田くんが3秒04というとんでもない記録を出した。個性がエンジンという脚が速い個性だ。全員はそれぞれの個性を工夫し、タイムを縮めている。

 

ちなみに俺は中学の頃の50m走のタイムは【5秒42】である。

とりあえず靴を脱いでから脚限定で個性を発動する。変身している部分の身体能力跳ね上がるので全身はやめておく。そして爪をスパイクのように地面に突き立て、クラウチングスタートをする。

そして、タイムは【4秒02】となった。

 

あれ?上から数えた方が早い順位になった?マジで?

 

 

 

第2種目は握力。中学の頃は53㎏であり、平均よりちょっと上という感じだった。その時はまだ身体を鍛えていなかったので今現在ではどのようになっているのかはまだ不明だ。

素の身体能力はまた後日測るということでとりあえず肩から指の先にかけて部分的に変身し、測ってみることにする。

 

「すげぇ!540㎏て‼︎あんたゴリラ⁉︎タコか‼︎」

 

「タコってエロいよね・・・・・。」

 

測ろうとしていると後ろから声が聞こえてきた。

3つの腕を持った男子生徒が540㎏を叩き出したのを醤油顔の男子生徒と特徴的な髪型をした背の低い男子生徒が驚いていた。

・・・・背の低い方は全然違うことを言っているが・・・。

 

隣のポニーテールの女子学生は万力を使って計測している。

かなり物騒だ。

余談だか、激怒したメスのチンパンジーの握力は572㎏らしい。

・・・・女って怖い。

 

とりあえず俺も個性を発動した状態で測る。

腕をまっすぐ下に伸ばし、肩の筋肉も使うように意識すると握力が伸びるらしい。

あとついでに八つ当たり気味にすると尚更らしいのだ。

 

とりあえず肩から腕にかけて八つ当たり気味に思いっきり力を込めて握ると。

 

 

 

ゴキンっ!

 

 

「・・・・・・・あれ?」

 

 

恐る恐る握力計を見ると見事に壊れていた。

周りの生徒たちも相澤先生も驚いたように見ていた。だが、1番驚いているのは俺自身だ。

 

ヤベェよヤベェよ・・・。やっちまった。

 

とりあえず相澤先生の前まで行き、土下座をした。

 

「す、すみません先生壊すつもりは無かったんです。」

 

「あ、あぁいや大丈夫だ予備があr」

 

「いや、本当に悪気は無かったんです。弁償します、ですからこのまま除籍という流れは勘弁してください。」

 

「いや別n」

 

「本当にすいませんでしたあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!お慈悲を、お慈悲をくださいいいい!お願いします!なんでもしますからぁぁ‼︎」

 

「(・・・・・性格は全く似ていないが面倒臭さだけは父譲りだな・・・・。)まあ、握力計の限界を超えたってことで∞でいいよ。」

 

周りからおぉっ!と声が上がる。

・・・・・・・・・え?マジで?

 

「すげぇ!∞が出た!」

 

「ゴリラ超えやがった‼︎」

 

「どんな握力してんだ⁉︎」

 

「化け物か⁉︎コイツ⁉︎」

 

・・・・∞《測定不能》ってそんなのありなのか?そもそも、いきなりこんな高得点を叩き出せるとは思わなかった。

こうなってくると、反動で後半悪くなりそうなんだけど・・・。

 

 

第3種目は立ち幅跳び。50m走と同じく個性を工夫し、全員が記録を伸ばしている。

自分も個性を全身に発動し、まるで獲物にグワッシャアアと飛びかかる要領で跳躍すると、中々の記録となったが、反対側にいた生徒の半数が悲鳴をあげた。

 

何人かが「喰われるかと思った」や「捕食者される側の気持ちを理解した」、「もう、アレトカゲじゃねーよ」など言っていた。

 

やめてください、泣いてしまいます。

 

「そうかしら、そんなに怖いとは言えないけど。」

 

そう言ってくれたのは蛙吹 梅雨さんだった。この人も切島くんのように俺の個性を見た上で怖がらないでくれている。

・・・・・・女神か⁉︎いや、カエルだけど。

 

蛙吹さんにお礼を言うと、「梅雨ちゃんって呼んで」と言ってくれた。

 

やめてください。別の意味で泣きそうです。

 

 

 

 

 

第4種目の反復横跳びでは、特徴的な髪型をした峰田 実くんが両側に変なボールのような物を大量に設置し、そのボールの弾力を利用し高得点を出した。

 

俺の個性はただでさえ燃費が悪いのに、連続して個性を使いすぎると後半から支障をきたすので個性を使わず素の身体能力ですることにした。

 

結果としては中間あたりでまぁ、ある意味安心できる記録だった。

 

 

 

 

第5種目、ボール投げは麗日さんが∞《無限》を叩き出した。

一体ボールはどこまで行ってしまったのだろうか?

 

とりあえず肩から腕にかけて個性を発動し、思いっきり投げてみる。

すると、記録は思いの外伸びなかった。

 

個性を最初から飛ばし過ぎたのか、ここにきて反動が返ってきてしまったらしい。

とりあえずカロリーメ○ト3箱分を頬張り、次の種目に対して控えることにした。

 

次はいよいよ緑谷くんの番だ。緑谷くんは今のところ目立った記録を出せていない。友人としてとても心配になってくる。

 

「緑谷くんはこのままだとマズイぞ・・・?」

 

「ったりめぇーだ、無個性のザコだぞ!」

 

ん?緑谷くんが無個性?緑谷くんは個性を持っていなかったのか?

あと、爆豪くん、君は人に対して暴言を振るうのはやめなさい。

 

緑谷くんの記録は46m、緑谷くんの記録は平均的な記録だった。

どうやら相澤先生が緑谷くんの個性を消したらしく。

相澤先生は見ただけでその人の【個性】を抹消する【個性】を持つ抹消ヒーロー【イレイザーヘッド】らしいのだ。

 

父さんからイレイザーヘッドというメディアの露出を嫌っているヒーローがいると聞いたことがあるが、先生がそうだったのか。

 

緑谷くんと相澤先生が何かを話し合っている。内容は上手く聞き取れないが、緑谷くんは個性の制御がまだできていないらしい。

 

どおりで記録も伸びないはずだ。個性の制御ができていないのは、赤ん坊がまだ歩き始めたようなものだ。

本来個性は4、5歳あたりに発現する筈だがもしかしたら最近発現したばかりなのかもしれない。

 

俺が考え込んでいると、どうやら話は終わったらしい。緑谷くんが2回目のボール投げを行う。

 

 

 

そして、緑谷くんは大きく振りかぶり投げると

緑谷くんの投げたボールは轟音を発しながら記録を伸ばした。

 

記録は【705.3m】

爆豪くんの記録とほぼ同じだ。

 

しかし、緑谷くんの指は赤く腫れあがっていた。どう見ても重症だ保健室で診てもらった方がいいだろう。

 

 

「緑谷くん大丈夫?指がとんでもないことになっているけど、保健室で診てきてもらったら?」

 

「ああ、これぐらい大丈夫だよ、それより種目の続きを」

 

「どーゆうことだ‼︎こら‼︎ わけを言え デクテメェ‼︎」

 

「うわああああああああああ⁉︎」

 

心配してる矢先いきなり爆豪が何か気に触ったのかものすごい形相で襲いかかってきた⁉︎

やめろ!緑谷くんの指はもうボドボドダ!

 

とりあえず個性を発動し爆豪くんを抑えておく。あとは先生がなんとかしてくれるだろう。先生マジで早くなんとかしてください!

 

「離せ‼︎黒トカゲ野郎‼︎そこどけ、邪魔だ‼︎」

 

「流石に初日から問題起こすのは不味いって‼︎」

 

「うるせぇ!指図すんじゃねぇ!あと、さっきから棘がいてぇんだよ‼︎」

 

「よし、そのまま抑えていろ天倉。やむ得ない場合は気絶させろ。」

 

とりあえず先生から許可が下りたので爆豪くんを抑えておく。

 

「とにかく、いくら緑谷くんが君よりもいい記録を出したからってそんなに怒るなって。」

 

「テメェからぶっ殺されてぇか!」

 

怖い怖い怖い怖いいいい!なんか怒りの矛先がこっちに向かった⁉︎予想の数倍怒られた⁉︎爆発も数十倍の威力になっているし!

 

その後先生が爆豪くんの個性を抹消したのでそのまま個性把握テストを続行。

爆豪くんがこちらを睨んでいたので物凄く怖かった。

ついでに相澤先生がドライアイで、個性が勿体無いことを知った。

 

 

 

第6種目は上体起こし。口の中にカロリーメ○ト含みながらやったら先生に没収された。次は無いと言われたので、体育館の隅でうなだれていた。

何人かに心配されたがショックで次の種目が始まるまではしばらくそのままだった。

ちなみに記録は個性をフルに発動し中々の記録となった。

 

 

 

第7種目は長座体前屈もともと身体は柔らかかったことに加え、没収されたショックがまだ抜けていなかったのか記録がいい感じに伸びた。

ちなみに個性は使っていない。使っても全身の棘が邪魔なだけだ。

 

 

 

最後の種目は持久走。最後だったので個性をフルに活用し全力で行った。

これが最大のミスだった。そもそも俺の個性は燃費が悪いので走っている途中空腹状態になり、酷い結果となってしまった。

 

途中全員が空腹状態の自分と並走しているとき何人かが「喰われると思った」、「栄養補給(捕食)される」、「俺は美味しくない」などと言っていた。

物凄く泣きたい。そして物凄く腹が減った。

 

 

そしていよいよ結果発表、トータル最下位の者が除籍となる。50m走や握力で良い記録を取れたので多分最下位ではないとは思うが、それでも心臓がバクバク言っており、腹からも音が鳴り止まず、周りから物凄く心配された。

 

「ちなみに除籍はウソな。」

 

「!?」

 

「・・・・・・・・・は?」

 

「君たちの全力を引き出す"合理的虚偽"」

 

「ーーーー⁉︎」

 

「はーーーーーーーーーーーーー⁉︎」

 

「⁉︎‼︎!⁉︎??⁉︎」

 

俺は言葉にもならないほど驚いた。

緑谷くん、麗日さん、飯田くんが驚いており、特に緑谷くんがまるでムンクのごとく凄いことになっていたので逆にこちらが物凄く驚いてしまった。(2回目)

何人かはウソだとわかっていたらしい。大半は気づいていなかったが。(自分を含む)

 

 

ちなみに順位は9位であり、意外と上の方だったため安心できた。

初日から色々あった為か物凄く疲れてしまった。

切島くんにラーメン屋に行こうと誘われたので快く返事をしラーメン屋に寄って帰ることになった。

 

ラーメンを6杯おかわりしたことに驚かれてしまった。腹が減っているんだ仕方ないだろう。

 

 

次の日いよいよ授業が始まるので楽しみ。

と思ったが、午前は必修科目で英語などの授業を行う。英語担当の先生はプレゼント・マイクだった。

どうやら入試の時返事をしていたのを覚えていたらしく。

 

「オラオラ!エヴィバディヘンズアップ!盛り上がれー!どうした天倉?入試のときの大きな返事はどこ行った⁉︎」

 

さんざんネタにされ精神的にキツかった。一種のイジメじゃねーか‼︎

そんなこんなで授業を乗り越え昼となり、大食堂では一流の料理を安価でいただける。

 

とりあえず物凄く腹が減ったので、カウンターで料理の注文をしたいのだが

 

「不幸だ・・・まさか財布を落とすなんて、同居人に俺の分の朝食を食われたから昼食を楽しみにしていたのに・・・・。」

 

目の前に不幸なオーラを全開にしている黒髪のツンツン頭の学生がうなだれて物凄く邪魔なんですけど・・・。

どうしよう。物凄く面倒臭そうだけど無視したら罪悪感が、そもそもヒーローとして放っておくのはどうなのだろう。

 

「あのー、もしよかったら奢りますよ?ちょうど5品くらい頼もうとしていたし。」

 

「え・・・・・、いいの⁉︎」

 

とりあえず可哀想なので奢ってあげることにした。

注文した料理を待っていると、

 

「何やっているんだ?上条?」

 

紫色の立った髪で目の下に濃い隈ができている学生が話しかけてきた。不幸なオーラを出している学生と知り合いのようだ。

どうやら黒髪のツンツン頭の学生が【上条 当麻】で、紫色の立った髪をしたのが【心操 人使】というらしい2人とも普通科だ。

 

2人の個性は中々強力で上条くんは"右手で触れた個性を無効化させる個性"という相澤先生に似た個性を持っており、心操くんは呼びかけに応じた相手を洗脳することができる個性だというのだ。

 

【洗脳】敵が使いそうな個性だが、少なくとも俺の個性と比べたらマシな方だと思うし普通にかっこいいと思う。なんというか、コード○アスの絶対遵守の上位互換みたいで凄い個性だ、と言うと心操は褒められることに慣れてないのだろうか?お礼を言いつつ戸惑っていた。

 

心操くんも普通科だが、ヒーローを目指しているらしくヒーロー科の俺を羨ましがっている。

 

とりあえず注文した料理を6回ほどおかわりし続けると2人に物凄く驚かれた。

 

「そんなに食うのか?腹壊すんじゃないのか?」

 

「インデックスみたいな胃袋を持っているやつが他にもいるとは流石に思わなかった。」

 

インデックスとは上条くんと同居している人物らしく、その同居人も大食いらしい。

 

「今度その人に会ってみたいな。」

 

「おいおい、お前とアイツが意気投合しちまったら俺の冷蔵庫の中身が一瞬で無くなる気がするからやめてほしいんだけど。」

 

マジか?本気でそのインデックスって人に会ってみたくなってきたんだけど。その人と行きつけのラーメン屋に誘って行きたくなってきた。

 

 

 

そんなこんなで新しい友人もできて、いよいよ午後の授業。

午後の授業はヒーロー基礎学!ヒーローとしてあらゆることを学ぶことができるのだ。

そしてヒーロー基礎学を担当する先生がなんと!

 

「わーたーしーがー‼︎ 普通にドアから来た‼︎」

 

そう!あのオールマイトである!本当に雄英高校の教師をやっており、今目の前にいるのだ!

 

「オールマイトだ・・・!すげぇや、本当に先生やっているんだな!」

 

「銀時代《シルバーエイジ》のコスチュームだ!」

 

「画風違いすぎて鳥肌が・・・。」

 

「サインください‼︎」

 

あ、やばいあまりの興奮で直球で言ってしまった。だがサインは必ず貰う。オールマイトのアメリカンチックな画風が存在感を出すと言うか感動して涙が出てきそうだ。

 

「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作る為様々な訓練を行う科目だ‼︎」

 

そう、その通りだ俺はこの授業を楽しみにしていたんだ。ちなみにヒーロー基礎学は単位数も最も多い。

 

「早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!」

 

いきなり戦闘訓練か、てっきり救助訓練かと思ったのだが、最初からとばしてくる感じでドキドキしてくる。

 

「そして、こいつに伴って・・・・こちら!入学前に送ってもらった【個性届】と【要望】に沿ってあつらえた戦闘服《コスチューム》‼︎」

 

「おおおお‼︎」

 

ついにきたか!自分だけのコスチュームが!改めて着てみるとなると、緊張してくる。

 

「着替えたら順次、グラウンドβに集まるんだ!」

 

『はーーい‼︎』

 

 

 

雄英には被服控除というものが存在し、入学前に【個性届】と【身体情報】を提出すると学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれるのだ。

コスチュームはただの服ではない。ヒーローの象徴でもあるのだ。

 

俺が要望したのはライダースーツにグローブとブーツそしてベルトだ。

丈夫な緑がかった黒のライダースーツ、コレはちょっとやそっとの攻撃では敗れたりはしない繊維で出来ている。そして黒のガンドレッドグローブとブーツ個性を使っても爪やヒレを出し入れしても破けないような作りになっている。

 

そして最も注目するべきなのが、このベルトである。コレは必要に応じてナイフ、ロープそして伸縮式のロッドなどサバイバルや、救助活動においての小道具となる便利なベルトだ。

 

ただ一つ気になるのは何故か全身に個性を発動した後、服を着ていないんだよな、個性を解除すると服はちゃんと着ている。

なんでだろう?

まあ、そんなことはどうでもいい。重要なことじゃない。

俺はそう思いながらコスチュームに着替え、全員が集合しているグラウンドβに行く。

 

「始めようか!有精卵ども‼︎戦闘訓練のお時間だ‼︎」

 

辺りを見回すと全員個性的なコスチュームばかりだった。

特に八百万さんはなんと言うかレオタードのような露出が高いコスチュームだった。やめてくれ健全な学生に対してその格好はやめてくれ。

八百万さんの性格上なんらかの理由があってこの格好にしたのだろう。しかし切島くんのコスチュームは、ほぼ半裸だ。何故に?

 

と、思っていると全身を緑色のコスチュームに身を包んだ緑谷くんに声をかけられた。

 

「あ、天倉くん意外と軽装なんだね。」

 

「その声は緑谷くん?中々良いコスチュームだね。ウサギをモチーフにしたの?」

 

「・・・いや、オールマイト・・・なんだけどね。」

 

あれ?そうだったのか、確かにオールマイトのV字の髪型に似ているけど。パッと見ではウサギにしか見えないんだよなぁ。

 

「あ、天倉くんにデクくん⁉︎かっこいいね地に足ついた感じ!」

 

「麗日さ・・うおおおおおお⁉︎」

 

「おーなんか、かっこいい。ヘルメット要望しておけばよかったかなー?」

 

「要望ちゃんと書けばよかったよ。パツパツスーツんなった。」

 

本当だ身体のラインがくっきりしている為これはこれで危ない感じがする。

峰田くんがヒーロー科最高と言っていたが確かにある意味で最高だが・・・。

 

「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか?」

 

全身メカっぽいスーツに身を包んだ飯田くんが質問した。

あぁ、俺もフルフェイスのヘルメット要望しておけばよかった。

 

「いいや、もう二歩先に踏み込む!屋内での対人訓練さ‼︎」

 

二歩先⁉︎これが雄英のヒーロー基礎学か。ぶっつけ本番でいきなり対人訓練とは。

しかも敵退治は基本的に外で見られるが実際は屋内の方が敵の出現率が高いのだ。敵だってわざわざ外で目立つ訳にもいかないだろう。

だとしたらオールマイトの言う通り屋内の訓練は必須だ。

 

「君らにはこれから敵側とヒーロー側に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう‼︎」

 

2対2なるほど。コンビを組んでコンビネーションを高めることも考えて・・・・・・・・・ちょっと待て、2対2?コンビ?

・・・・・・・なんだかボッチとしての直感が危険信号を発している。

 

「えっと、先生は全員で21名なんですけどこの場合余ってしまう1名はどうすればいいのでしょうか?」

 

 

「ん?大丈夫さ!天倉少年!この場合1組は3名のチームを組んでもらう!

と、言うわけで!」

 

あ、やな予感。そして再びボッチとしてのトラウマが蘇ってくる。

そしてオールマイトはその言葉を言ってしまった。

 

「それじゃあクジで対戦相手、そして"2人1組のコンビ"を決めてもらうぞ‼︎」

 

 

 

止めてくれ先生 その言葉はオレに効く

 





ボッチとしてのトラウマの一つが2人1組で組むとき相手がいなくて1人だけ残されるだと思います。皆さんはどう思いますか?

感想、評価お願いします。

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