個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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久方ぶりの日常パート。
サブタイトルから不穏な気配がするがコレは日常パートだ。誰が何を言おうとも日常パートなんだ。




53話 いあ!いあ!

 

 

「期末テストまで残すところ一週間だが…お前等ちゃんと勉強してるだろうな?テストは筆記だけでなく演習もある。頭と体を同時に鍛えておけ。以上だ」

 

 

 先生がそう言い残し放課後の時間へと差し掛かる。先生が教室から出て行った直後、芦戸さんと上鳴君の悲痛な叫びが響く。

 

 

「「勉強してなーーーーいっ!」」

※上鳴21位、芦戸20位

 

「確かに行事続きではあったが……」

※常闇14位

 

「中間はまあ入学したてで範囲せまいし特に苦労なかったんだけどな。行事が重なったのもあるけどやっぱ期末は中間と違って…」

※砂藤12位

 

「演習試験もあるのがつれぇとこだよなぁ〜〜〜~」

※峰田9位

 

「そう言えば峰田君って中間9位なんだっけ」

 

「「きゅーい!?」」

 

「あんたは同族だと思ってたのに!」

 

「オマエみたいなヤツはバカではじめて愛嬌が出るんだろうが!どこに需要あんだよ!」

 

「世界…かな」

 

 

若干、峰田君が偉そうにしているが普通に頭が良いんだよなぁ。

……いや、このクラスでは平均的な順位だけども。

 

 

「天倉はどうだった?」

※尾白8位

 

「……13位」

 

 

13位ッッ!不吉の番号にして忌み数として有名ッ!

唯一失敗したアポロ13号、イエス・キリストの処刑日である13日、タロットにおける死神のカード番号は13!

 

 

「俺、明日死ぬかも……」

 

「考え過ぎだぞ天倉!」

 

「底辺の俺達に対する嫌味かッッ!」

 

「そーだ!そーだ!学力主義反対!」

 

「良いよな、2人は……少し勉強できれば良い点数を取れるものを……。俺の場合、ベストを尽くした結果がコレだよ。補習者で問題児の俺にお似合いだろ…なぁ、笑えよ」

 

(((笑えねぇ……)))

 

「あれって貶してんのか?それとも遠回しに褒めてんのか?」

※切島16位

 

「遠回しに自分を貶してんでしょ」

※耳郎7位

 

 

 そんな俺の呟きに反応したのか委員長である飯田君がこちらへ歩み寄って来た。死にたい。

 

 

「何を言うか!ベストを尽くしたと言う天倉君はとても立派だ!」

※飯田2位

 

「飯田の言う通り俺も天倉は立派だと思う」

※轟5位

 

「そうだよ、元気だして天倉君!」

※緑谷4位

 

 

 続いて、轟君と緑谷君も良かれと思ってなのか俺を励ましてくれる。ありがとう皆、だけど順位が低い人から見ると嫌味になるから逆効果なんだよな。

 

 

「上位陣は人のココロがワカラナイ」

 

「ま、そう言うことになるな……主人公やぶれたり!」

 

 

 峰田君はしてやったらと言う顔で口を開く。……あ、そうだ。

 

 

「八百万さん太めの縄を出して。ちょっと首絞めて来る」

 

「はい……はいッ!?」

 

「ヤオモモを巻き込もうとするな!つうか、今すぐにアイツを止めろ!」

 

 

 放せ!!知ってるんだからな!どうせこの後、勉強したって赤点取った挙句にアクシデントが発生して俺だけ合宿に参加できなくなるってオチなんだろ!

 

 

「仕方ねぇなぁ……、なぁ天倉。これはオイラの秘蔵DVD。これ観ながら勉強すりゃあ1発で覚えられるぜ」

 

「……えっ!いいの⁉︎こんなチートアイテムをヒョイと渡して⁉︎」

 

「せめての情けさ。これで少しはオツムを良くする事だな」

 

「わーーーい!」

 

 

 峰田君サイコーじゃ無いですかやだー!やっぱり持つべきものは友達だよネ!

 

 

「早速再生しつつ勉強して来るよ!」

 

「あっ!天倉テメずりぃぞ!」

 

「独占反対!」

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

俺は駆け足で学校に向かい、教室に着くと同時に峰田君の元へ詰め寄る。

 

 

「峰田君貴様裏切ったなァ!」

 

「うぉぉぉおおおおおッ!どうしたんだ天倉!」

 

「何が観ながら勉強すればだよッ!あんなモノ観ながらやったら色々な意味で洗脳されるわッ!」

 

「な、何を観たんだよお前……」

 

「や、やばいよアレ……感度3000倍とか穴と言う穴とかブロック化とか……うぷっ……やばい。勉強した内容と一緒に朝食が外に出そう……」

 

「ホントに何観たんだよお前!」

 

 とにかく、人が踏み込んではいけない領域だった事は分かる。……記憶を消せる術があったら誰か教えて欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

「……と、言うわけでさ心操君。一緒に勉強しない?」

 

 

昼休み

食堂でお手頃価格の鮭の塩焼き対象を口にする俺の言葉に心操君はしばらく考える素ぶりを見せる。

 

 

「……無理」

 

「ゴフォッ!(吐血」

 

「っと、飯ん時はやめないかソレ」

 

 

 そう言われ、俺が視線を下に移すとバシャリと光に照らされ光っていた白飯に調味料の如く吐き出された血が思い切りかかっていた。

……善処はする。

 

「じゃあせめてオブラートに包んで断ってくれないかなぁ……。最近付き合い悪いけど、どうかしたの?」

 

「あー、いや……(ヒーロー科編入の為にイレイザーから訓練受けさせてもらってるって言うのは気恥ずかしいな)」

 

「……?」

 

「本当に悪い」

 

「いいよいいよ、もしもヒーロー科に入る為に先生から指導受けてる〜〜とかだったら恥ずかしくて言えないだろうし、俺そこら辺は詮索はしないよ……って、どうしたのさ頭を抱えて」

 

「お前…、ワザとか?」

 

「?」

 

 

 

 最近どうも俺は恵まれていないようだ。色んな人と勉強したくてもタイミングを逃したり、断られたりと……。気が付けば放課後の時間となり家への帰路に着いていた。

 

 

「……どうしよ」

 

 

 俺がそう呟き期末試験の対策について思考していると、ふとファミリーレストランが視界に飛び込んで来た。

 

 

「ファミレスか……」

 

 

 すると、見計らったように腹からくぅと音が鳴り食への欲求が強まる。……こう言う所で勉強するのもアリかもしれない。

 

 

「……しゃっ!頑張るか!」

 

 

 俺がそう意気込み、入口の方へ歩いて行くと向かい側から見覚えのある2人組がやって来た。

 

 

「「「あ」」」

 

 

 切島君と爆豪君の2人である。しばらくお互い無言の状態が続きプルプルと震えながら爆豪君が怒りを抑えきれない様子で呟く。

 

 

「……んで、テメェが居るんだコラ、殺すぞ……!」

 

「あ、す、すみまs「おう!天倉も来てたんか!こっち来いよ!」

 

「「⁉︎」」

 

 

切島君、おま……えぇ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご注文がお決まりでしたらベルを鳴らしてくださーい」

 

「……」

 

「………」

 

「よーし!んじゃ勉強すっか!」

 

 

 勉強すっか!じゃないんだよ切島君コラァッ!なんで無理矢理、俺を混ぜたの!?切島君は良い友達って事は知ってるけどコレ、色々とヤバイからね!

 

 

「誰が教えるつった……!」

 

「んだよー!1人くらい増えたって変わりゃしねーって!」

 

 

 切島君の言葉に爆豪は益々機嫌を悪くしていく。クソッ!ヤバいぞコレはッ!このままでは高校生活初の林間学校がパァになってしまう!考えろ……脳味噌を回転させて考えるんだ俺ッッ!

 

 

「(ハッ!そ、そうだ!ここは緑谷君から教えてもらった『馬鹿でも分かるかっちゃん取り扱いマニュアル』の4ページを思い出すんだ!えっと、確か……)そ、そうだよね。流石の爆豪君にも1人で2人に勉強を教える事は無理だよね……」

 

「出来るわ!舐めんなコラ!教え殺したる!」

 

(嘘だろ爆豪君!?)

 

 

 こうして、爆豪君のぱーふぇくと試験勉強が始まったのだった。

とりあえず驚いた事があった。俺の中で爆豪君はマジモノの天才マンで勉強とかはフィーリングで正解しているモノだと思っていた。

 

 

「えっと、…ここはどうすれば良いんだっけ……」

 

「テメェ!そこはこうやって〜〜こうだ!脳に刻んでおけコラ!」

 

「えっ、あ、ありがとう(嘘ォ⁉︎怖いのにめっちゃ分かりやすい!?)」

 

 

 しかし、爆豪君怖いのはアレだが物凄く分かりやすいのだ。もうそこら辺の塾講師のバイトをしたら凄い事になりそうなくらいである。

コレなら、平均点以上取れるんじゃないのだろうか。

そう思っていた瞬間、鼻の奥にツンとしたような刺激が襲い掛かってきた。

 

 

「う゛ッなんだこの臭い……?」

 

 

悪臭の原因を探ろうと店内を見渡すと、ファミレスの入口に3人組の黒尽くめの人物達が入って来たのだ。

 

 

「えっ、黒尽くめ……?」

 

「んだ、アイツ等……」

 

「ホントだ……つーかよ天倉、鼻押さえて何やってんだ」

 

「なんか…ツンとするような…、そんでもって何か燃えた後のような……変な臭いがあの人達から……」

 

「ッ!」

 

 

 強張った表情で爆豪がその場から立とうとした瞬間である。パァンッ!と何かが炸裂したような強烈な音が店内に響き渡った。

 

 

「動くな!金を詰めろ!」

 

「チッ」

 

「強盗!?」

 

 

 そうか!さっきから気になってた悪臭は硝煙か!爆豪君は自身の"個性"による爆破で発生する硝煙の臭いとかそう言うのを知っていたのか!

 

 

「どうする?」

 

「決まってる!」

 

「ブッ潰す!」

 

「なんか想像はしてた!」

 

 

 そう言いながら俺達は"個性"を発動しようと動くが、複数いる黒尽くめの内の1人が店員を無理矢理引き寄せこめかみに拳銃を突きつけたのだ。

しまった!先手を取られた!?

 

 

「動くんじゃあねぇッ!」

 

「ッ!」

 

「テメェ等…雄英生だよな。体育祭知ったんだよ」

 

 

 ニィと不敵な笑みを浮かべる男。まさか俺達の顔を知っているとは思わなかった。ジリジリと隙を伺う爆豪君だが犯人は隙を見せる瞬間すらも与えないように叫ぶ。

 

 

「少しでも動いたらそこに居る奴等に鉛玉ブチ込んで………」

 

「「「?」」」

 

「てっ、テメェはぁぁぁぁぁぁああああああああああああッッ!?」

 

 

 男の声が途切れたと思うとこちらに指を指し腹の底から声を上げ始めた。

……あーーー、ハイハイ。そういう事ね。

 

「爆豪君取り敢えず謝っておこう……?」

 

「なんで俺なんだよ!」

 

「落ち着けって爆豪!まずは心当たりがないか良く思い出すんだ」

 

「オメェも俺が悪い事した前提で話進めんなや!」

 

「ちげぇよ!そこの2人と比べて地味な方のガキだよ!なんでこんなトコに居やがんだ!」

 

 

……えっ、俺なの?

そう思っていると切島君が声を掛けてくる。

 

 

「天倉知り合いか?」

 

「いや、全く」

 

「馬鹿にしやがって……ッ!俺の"個性"見れば分かるだろうがぁ!」

 

 

すると男の身体の至る所から金属製の刃が生えたのだ。

……あっ、ああ!

 

 

「あっ、あなたはッッ!?第1話辺りで主人公()のインパクトを出す為に噛ませにされた量産型(ヴィラン)!?」

 

「覚えてるじゃねぇかクソッッ!」

 

 

 悔しそうに爆豪君みたいな汚い言葉を発した後、敵は俺に向かって叫んだ。

 

 

「テメェはレジからこのバックに金を詰めろ!早くしねぇと人質をブッ殺す!」

 

「えっ」

 

「早くしねぇとコイツの脳梁をブチまけるぞ!」

 

「わぁぁぁぁぁあああッッ!」

 

 

 あー!もう!分かりましたよ!クソッ!えーっと?レジってどう開けるんだ?と言うかこれ完璧に敵の行為の一部を担がされてるじゃん。

……とにかく、状況はマズイ。敵は複数人。見た所3人くらいで1人は他にも隠れている奴が居ないかトイレに向かっている。とりあえず、隙をついて何とかしないと……。

 

そう思いながらレジを適当に弄っているとファミレスから緑色の何かが現れる。

 

 

「旧支配者だ、信仰しろ」

 

「何か来た!?」

 

「早くしろ!さもないと"1D100のSAN値チェック"を強制的にやらせるぞ」

 

「わぁぁぁぁぁあああッッ!」

 

 

コイツも仲間なのか!?

と言うか、信仰ってどう言う事だよ!旧支配者ってなんなんだよーーーーーーッ!

 

 

「金を詰めろ!」

 

「わぁぁぁぁぁあああッッ!」

 

「信仰しろ!」

 

「ふんぐる!ふんぐる!」

 

「金を詰めろ!」

 

「わぁぁぁぁぁあああッッ!」

 

「信仰しろ!」

 

「ふんぐる!ふんぐる!」

 

「金を詰めろ!」

 

「わぁぁぁぁぁあああッッ!」

 

「信仰しろ!」

 

「ふんぐる!ふんぐる!」

 

 

 

ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん──ハッ⁉︎

一瞬、意識があらぬ方向へ飛んでた気がした俺が視線を元に戻すと

 

 

 

「おい、オッサン!俺が先だ邪魔すんな!」

 

「何言ってんだボケ、俺が先だ」

 

「んだとコラテメスッゾオラッ!」

 

「んだとテメスッゾオラボケオッラー!」

 

 

なんか言い争っていた。

……うん、よく分からないけど、緑の方は何か害は無さそうな気がする。

今の内に倒すって言う手もあるけど、まだ見張りもいるし……まだ動く時じゃ無い……よな。

 

 

「すみませーん、取り敢えずお金詰めたんで…、人質を解放してもらっても……」

 

「うるせぇ!引っ込んでろ!」

 

「信仰しろー」

 

「邪魔すんなやオッサン!」

 

「テメこそ邪魔すんなボケ」

 

 

……………。

 

 

「サッサとすっこんでろ!いい加減にしねぇと撃t──ボグォッ!」

 

 

 俺は敵に対してシャイニングウィザードをかましていた。

理由?ムシャクシャしてやった。

どうやら話している最中に攻撃してくると思っていなかったのか、敵は1発でノックダウンしてしまった。

 

 

「テメ──「死ねやァッ!」

 

 

 敵の1人が銃口を向ける直前、爆豪君が待ってましたと言わんばかりに爆破をお見舞いする。俺の行動で呆気にとられていたのか反応しきれず、そのまま爆豪君の爆破連打で床とキスする事となった。

 

 

「切島君!避難誘導!早く早く!」

 

「おう!……ってか、俺の活躍地味だな!」

 

「残るは1人……天倉ァ!ピット器官で伏兵いねぇか調べとけ!」

 

「う、うん。トイレに2人だね」

 

「あ?"トイレに2人"だぁ……、ま、全員ブチのめしたらァ」

 

 

 

 

 

 

「チッ、クソ。油断しちまった…!」

 

「!」

 

「ぶっ潰───」

 

 

 この声は……さっき蹴り飛ばした筈の敵!ピンピンしている!?浅かったか!そんな敵の姿を見た爆豪君が爆破によるターボで接近する素振りを見せたが途中でピタリと止まってしまった。

 

 

「どうしたの爆豪く────」

 

「チッ、こうなったら金だけでも……あ?なんだこの感触」

 

 

 俺と爆豪君が呆気に取られたのも無理はなかった。何故なら今現在、敵がバックと思って掴んだモノ。

それは──────

 

 

「それは、私のおいなりさんだ」

 

「うわぁぁぁあああああああああぁぁあああ!!?!?」

 

「「⁉︎」」

 

 

変態だった。

ブリーフと網タイツを身に付け、女性用の下着を仮面のように付けた変質者だが現れたのだ。さらに厄介な事にブリーフのゴムを交差させ肩にかけるレスリングのコスチュームの彷彿とさせ、エグさが増しており、見ているだけでヤバいと直感できる。

 

 

「だぁぁあああああああああああああああああああッッ!」

 

「どうした!何があった!」

 

「と、とととととととトイレ!トイレにィッ!」

 

 

 すると、敵の1人が出てきたのであろうトイレの扉がギィと音を立てながら開かれる。俺達は再び唖然とする事となった。理由は単純明快である。

 

 

「バビロン!」

 

「トイレからピンクのグルグルがァーーーーーーッ!」

 

「「!?」」

 

 

変態を超えた下ネタが登場を果たしたからである。

頭がとぐろを巻いたソレを彷彿させる形状をしており、下ネタが大好物な小学生辺りの子供達に見せたら確実にNGワードが飛び出す事間違いないだろう。

と言うかピット器官で見た熱源の1つってコレか……。

……い、いやまだイチゴ味のソフトクリームと言う可能性が……!

 

 

「さぁ哀れな子羊達よ、魂の宴を始めよう」

 

(うっわ、台詞!)

 

 

 常闇君辺りが反応しそうな台詞と裏腹に外観がアレなギャップに引いていると、そこからは圧倒的な蹂躙と言う光景が広がっていた。

 

 

「フォォォォォオオオオオオオオオオッッ!」

 

「がぎゃぁぁぁああああ!?」

 

「砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕砕ッ」

 

「ぐ、が、ぶ、げ、ご、がっ、ぎっ、ぐ、お、ごっ、あっ、ぶッッ」

 

「バビロン真拳奥義【ジャマイカの情熱】」

 

 

 片や股間を押し付けられ、片や凄まじいラッシュにより再起不能。ソレを目撃した俺は気がつくと体を動かしポケットからスマホを取り出していた。

 

 

「もしもし!警察ですか!?へ、変態とピンクのグルグル頭がーーーーッ!人を襲ってます!至急!至急!助けてェーーーーーーッ!」

 

 

 

 

 

 

結論から言って、あの変態と下ネタはヒーローだったと言う。

嘘だと言ってくれよバーニィ。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 天倉の通報により敵は全員捕らえ、何とか無事に終わった。途中、緑色のナニカは信仰を求めフラッと居なくなったと言う。そんな天倉達は事件に関する事情聴取を受けていた。

 

 

「……久しぶりだな」

 

「敵連合の時以来ですね、泊さん」

 

「今回は…まぁ、事故だな。いや、あんなヒーローを前にしたらしょうがないな」

 

 

 親しそうに話す天倉と聴取を担当する刑事。彼の名は【泊進之介】。彼等はUSJ事件で関わりがあるが、そこら辺については割愛させてもらう。

 

 

「それにしても…世も末と言う事ですか」

 

「変態仮面にソフトンか………」

 

「「…………」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「考えるのはやめるか!」

 

「そうですね!」

 

 

 そんな彼等はヒーロー社会の触れてはならない部分に踏み込むのをやめる事にした。

しばらくして、開放された天倉。

すると警察署入口前には爆豪と切島が立っている事に気付く。

 

 

「おう、お疲れ!シャバの空気はどうよ!」

 

「いやぁ、良いねぇ……って、切島君はともかく何で爆豪が居るの?」

 

「ともかくって何だッ‼︎居て悪いかコラ!!ぶっこr──キュッとしめんぞコラッ!」

 

 

 警察署の前なのか、みみっちい器の爆豪はコロスに代わる謎のワードを使う彼の姿に切島が笑いを堪える。

 

 

「んだ切島テメ!笑ってんじゃねぇぞコラ!」

 

「ぶっ、くくっ、キュッと!キュッとて!」

 

「うっせぇぇッ!ぶっこr──コロッとするぞコラ!」

 

「ぶぼぉッ!!」

 

 

 更なる謎ワードについに爆発した切島。

もはや漫才と化した絡みに天倉は腹を抱えたくなるほどの笑いをグッと堪えていると謎ワードを連発している彼が天倉の方へ視線を向ける。

 

 

「そっちも笑ってんじゃねぇ!さっさと続きやんぞ!」

 

「え?」

 

「え?じゃねぇよ!勉強に決まってんだろうがッ!やるなら徹底的にだ!赤点取ったらこr……許さねーからな!」

 

「……爆豪君まさか……」

 

 

 その為だけにわざわざ待ってくれていたのか?と天倉は言いかけるが、フッと笑いが込み上げて来た。

 

 

「……ぶっ、ご、ごめん…無理…しなくて…ぶふっ、いいから……んぐおっ、ごめん。腹痛い……!」

 

「ダーハッハハハッ!?すまん!爆豪無理だわ!」

 

「テメェ等ァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……アイツ、友達居たんだな」

 

『ほう、随分と仲が良さそうじゃないか』

 

「そうだな前と違って、1人じゃないみたいだ」

 

 

 彼等の目に映るのは数ヶ月前の彼とは違い、1人では無く楽しそうにしている学生達の姿だった。

 

 

 

 

 

 






 爆豪君は無意識に天倉を一方的にライバル視し、素直になれないながらもついつい手を貸してしまうその姿…嫌いじゃないわッ!

つまり爆豪君はツンデレ。はっきりわかんだn(ここから先の台詞は爆破により消炭にされました)




人物紹介


【変態仮面】

パンティを被る事で変身を行うヒーロー。
下着を被り異形の姿へ変貌する様はまさに仮面ライダーと言っても過言ではないだろう。
決して己が欲望の為に力を振るうのでは無く、正義の為に戦う姿に心を打たれたファンは少なくない。

こんなヒーローを採用するとは世界も世も末だな。



【ソフトン】

 バビロン真拳の使い手であり、アイスクリーム屋を副業として経営。ちなみにピンクのグルグル自体はファミレスでは聖域で修行中に敵と偶然出くわした模様。
実は妹がいるが、妹は普通なので安心して欲しい。

イケボで台詞がカッコ良く人柄も良い紳士なヒーロー。勿論人気もあるが、ピンクのグルグルである。




【泊進之介】

警視庁刑事課巡査部長。
USJ事件の後、天倉と会った事のある刑事。

天倉視点での彼への印象は派手なスポーツカー?に乗り、変なベルトをつけた『こ◯亀』の中川みたいなヤバイ人。
話してみると意外と良い人だった為、打ち解けている模様。

最近、左の薬指に指輪を着けているらしいが……?





【旧支配者】

Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn

太古の地球に君臨した者達の総称。
彼の者の名は【グレート・オールド・ワン】

大いなるクトゥルーの縁者なるも漠々として旧支配者を窺うにとどまりたり。この星に飛来した宇宙的恐怖を象徴するソレはかつてムー大陸を支配し海底に封印された。

この世界において彼等は複数存在し、夢を介し顕現している。
あっ、あぁッ!窓に窓に─────


────居る筈も無く、ただ信仰を集めている緑色のタコのみたいな生物。
ポプテピピックTVスペシャルに出てきた時はポカーンと口が開いた。

最近の彼等はお栄さんと言う少女を筆頭に「鉄棒ぬらぬら」と言う同人誌サークルで信仰を集めていると言う。









おまけ
峰田の秘蔵DVD



『はっ、ぐぅっ、ぐっ……ぐぅぅっ…… こ、この程度でっ……対魔忍を舐めるなぁっ!』

( ゚д゚)

『アハハハハハあああああっ☆いやあああっ!!気持ちいい!気持ちいいっ☆気持ちいいぃっ☆』

((;゚Д゚))ガクガク

『お、お礼ぃ……言うがらぁ……【自主規制】れぇえっ! んごっ!?ンブブブッ』

(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル

『【自主規制】あ【自主規制】んほ【自主規制】【自主規制】ッッ!!』

( ´゚Д゚)・;'. ゴハッ


出演ゲスト『井河アサギ』
※ヒーローとしても有名。


「峰田君貴様裏切ったなァ!」


天倉君には刺激が強すぎた模様。










おまけその2
後日談。きゅーしはいしゃ達と天倉のバイト


『天倉の部屋から見つかった日記より』


X月◯日

 緑色のナニカが再び俺の前に現れた。しかも、ソレは一体では無く複数居たのだ。そいつ等はお前のおかげで信仰が集まった。お前がよければ力を借りると言い、姿を消してしまった。



%月@日


 再び緑色のナニカが現れた。今日はこいつ等の信仰を集める為の手伝いをする事となった。
べ、別に報酬のお金につられたワケじゃないんだからねっ!

……自分で書いてて悲しくなって来た。


※月#日


俺は今日も今日とて白紙を塗り潰す作業を行っている。
お栄さんと言う作家さんの絵に黒で塗り潰す作業だ。

時折、緑色のナニカ達が銃を突きつけて信仰(作業)を止めるな!と言ってくるので滅茶苦茶ツライ。


*月&日


 そう言えば。バイトをしてて気付いたが俺は何を書かされてるのだろうか?緑色のナニカの仲間らしき人である栄さんが「気にしなさんナ」と言っていたが気になる。


〆月◯日


俺の前にあるのは真っ白な紙。俺は今日も今日とて黒く塗り潰す為、この人達に協力しなければならない。
やめておけば良かった。

ただ、ただ俺はコレを塗り潰す作業を延々と続けなければならない。

ああ、クソ、駄目だ、まだ白紙がのこってる

あたまがましっしろに

こんな じごく おれ はしらな



栄さ ん でーた けしやが た





#月〒日





ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるうるるいえ うがふなぐる ふたぐん
ふんぐる!ふんぐる!ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるうるるいえ うがふなぐる ふたぐん!
いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん! いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!

あは、

ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!

いあ!いあ!くとぅるふ ふたぐん!くとぅるふ ふたぐん!ふんぐる!ふんぐる!ふんぐる!ふんぐる!

ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!
たーのしーーーーっ!







ここから先は白紙になっている。















「でっ、出来ました栄さんッ!ベタ塗りやっておきましたッッ!」

「応よッ!コイツはありがてぇ!次のヤツ頼むサ」

「うっわ、まだ残ってる!だーっくそッ!金の為だ最後までやっt「あ」……栄さん?」

「あ、いや、なんかな?パソコンの画面が青く───」

「だぁぁあああッッッ!!?クラッシュしてるぅぅぅぅううううッッ!データが消し飛びやがったよ畜生ッ!」

「お、おれはなんもやってねぇかんな!なんもしてねぇってのにぶっ壊れちまったんだよ!」

「な訳無いでしょうがッッ!」


この後、無茶苦茶、発狂しながら頑張った。





同人誌アシスタントのバイト。
時給1400円。

夏コミで信仰ゲットの為、今日も今日とてベタ塗りだ!
ちなみに作者の栄さんは機械オンチの為、出来る限りパソコンに触れさせないようにしているぞ!

頑張れ天倉!全てはお金の為に!
全国の男性達の下半身の為に!










 最近、クオリティを高くしなければ読者は飽きてしまうと心配してしまう。ジョジョの露伴先生の気持ちがよく分かる瞬間でした。

それにしてもアギト編が『デンジャラスゾンビィ』『警察vs怪人』『アマゾンズ的増殖』『変身シーン再現』『強い(確信)』『覚醒フラグ』と僕の好きなものが詰め込まれていた為、何度も見直しました。

やっぱ、アギトって良いよね…!


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