個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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あ、ありのまま起こった事を話すぜ……!
おれは4月中に次話を投稿しようとしていたらいつの間にか6月になっていた。
な…何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をされ(ry



ハイ、言い訳はもういいので読者の皆さん投稿遅れてしまい申し訳ありませんでした。

なんか評価と一緒に付いていたコメントに「ヒロアカじゃなくて仮面ライダーじゃねぇか」とか「ギャグがパクリでつまらん」と書かれ、モチベーションがただ下がりして執筆が遅れてしまいました。


……うん、僕もそう思った(開き直り)






第43話 長かったD/この後無茶苦茶

真っ白な空間。

だだっ広く、何もないようなその場所に天倉ともう1人、別の人影が居た。

 

「………」

 

「……あ、お久しぶりです。バナナ師匠」

 

 

前回、とんでもない目にあった天倉の前には懐かしい。金色の甲冑を身に纏い、バナナを模した槍を手にした騎士が立っていた。

 

そして「さてと……」と呟きながらその場でファイティングポーズを構え始める。

 

 

「と言うわけでサッサとやりましょうか。どうせ俺が死ぬまで目が覚めないんでしょうし」

 

「ほう、威勢がいいな。……だが、その身体でやれるのか?」

 

「はぁ?なに言って───」

 

 

すると、自分の身体に違和感を感じた天倉はチラリと視線を自分の身体に向ける。

 

するとは右手はぐちゃぐちゃに潰れ、身体の所々には皮が爛れ、肉が抉れ、挙げ句の果てには腹にポッカリと穴が開いていた。

 

 

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああッッ!!??俺の身体が子供には見せられない状態にィィィィィィッ!!??」

 

 

気がつくと、そこはいつものバナナ道場(夢の中)ではなく、見覚えの無い病院だった。

 

病院?何故に?

………確か、頭に血が上って無我夢中でレジスターの養分供給作動スイッチを入れてパンチしたら、なんか自分の手がミンチになったんだっけ?

 

で、その後は空さんに腹パン……と言うか貫かれてそのまま翔太郎さん達が……あれ?もしかして俺、死んでる?

 

するとガララッと音を立てながら扉が開き、そこから見値子さんが果物が沢山盛られている籠を持って入ってくる。しかもヒーロースーツでは無く私服だ。

どうやらあの世では無い事は確かなようだ。

 

 

「──⁉︎ あ、天倉くん⁉︎生きてたの⁉︎」

 

「すみません。泣いていいですか?心にグサっと突き刺さったんですけど」

 

 

なんで死んだ事にされてるの?体育祭の時だってみんなに死人扱いされたし……というか俺に対する一言酷くないですか?

そう簡単に死ぬわけないだろ!

 

 

「え、いや……天倉くん、本当に大丈夫ですか?複数の内臓や骨が酷く抉れて皮が焼け爛れて大火傷の上に右手が複雑骨折+限界が留まってない状態だったんですけど………」

 

 

前言撤回、よく死ななかったな俺。

……あ、そうだ。古明地さんはどうしたんだろう?ちょっと聞いてみようか?

 

 

「あ、そういえば古明地さんは───」

 

「あー、いや……隣。隣」

 

「え?何が───って、うわっ⁉︎」

 

 

見値子さんに指を指された方向に顔を向けると目を開けた状態でブツブツと何かを呟いている古明地さんがいた。

って言うか怖ッ⁉︎目は血走ってるし、瞳孔はガン開きだし⁉︎

 

 

「こ、古明地さーん⁉︎しっかりして!いや、マジで!って言うか目怖っ⁉︎」

 

「───あ……あ、あ……あ」

 

 

次第に目から光が宿っていく。なんか「あ」って言いながらワナワナしているけど一体どうしt━━━

 

 

「天倉さ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛」

 

「イ゛ェ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛!!??」

 

 

古明地さんは急に俺の身体に抱きついてくる。なんかもう。小さな女の子だから良い匂いとか柔らかな肌が服越しに感じるとか色々と危ない感じだが、それ以上に身体中の傷が悲鳴を上げている。

 

 

「よかったぁッ!本当に!生きててッ!!」

 

 

ていうかマジで痛いんだけど⁉︎痛い!本気で痛い!ちょっと、マジでシャレになってないんだけど古明地さん⁉︎

女の子が出しちゃダメな力なんだけど⁉︎

 

すみません!一回離してもらって━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━GAMEOVER

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ヒエッ⁉︎貴方また来たの⁉︎ちょっとエリス!コイツ戻して!例え神が相手でも容赦無く殴って来るから!……え?規則を破る?いいからさっさと生き返らせて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<テッテレテッテッテー♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────ハッ!!??やばい!一瞬、あの世に逝ってた⁉︎青髪の女神にまた会った⁉︎アレって夢じゃなかったの⁉︎

紫色の土管が見えたのは恐らく気の所為だろう。うん、そうに違いない。

 

 

「天倉さん大丈夫ですか⁉︎もしかして気分が悪いんですか?一瞬、泡を吹きながら白目剥いてましたよ⁉︎今から水を持って来ますね!」

 

「ありがと(……古明地さんは悪くない。うん、きっとそうだ。そうに違いない)」

 

 

多分俺が心配だからその場の勢いで抱きついて来たんだろう。

故に、ラブコメのような「よかった無事でギュー」みたいな口から砂糖が出るような場面では無い。

 

……なんだろう。自分で言ってて悲しくなって来た……。

 

 

「ところで天倉くん、怪我は大丈夫ですか?気分が悪いとか大丈夫ですか?いや、マジで」

 

「え……?いや特に大丈夫ですよ?なんならこの場で腕立て伏せ150回しましょうか?」

 

「もうこんなに元気に……⁉︎」

 

 

あの、見値子さん。そんな化け物を見るような目はやめてくれません?本気で傷つくんで。

泣きますよ?本当に泣きますよ⁉︎

 

 

「駄目ですよ天倉さん。例え元気になっても後遺症が残る可能性もあります。これからは私が看病するので安心してください」

 

「えっ?あ、いや……大丈夫だよ?特にそんn──」

 

「駄目です」

 

「ほ、ほら背中から触手生やせるからそんな事しなくt──」

 

「駄目です」

 

「い、いや古明地さんには悪いk──」

 

「駄目です」

 

 

こ、この娘……壊れたステカセのように……⁉︎断固として退かないだとッ⁉︎何故だッ⁉︎何故、こんなバイオハザードに出てくるハンターみたいな奴の看護をしようとするんだ⁉︎

 

………ハッ⁉︎そ、そうかッ!!!

彼女は例えバイオハザードに出てくるようなクリーチャー相手でも助けて貰った恩義を感じて無理をして振舞ってると言う訳かッ!

あり得る……!彼女は精神的に追い詰められている状態だ!その精神的な拠り所が今、俺にしか無い状況となっている。

 

そうでも無ければ、こんな俺の面倒を見ようだなんて思わない筈だッ!そうに違いない!!!

 

 

「古明地さんッ!見値子さんって頼れるヒーローだよねッ!」

 

「え?あ、天倉くん?急にどうしたんですか?嬉しいけど……」

 

「はい。天倉さんも立派なヒーローですよ。私にとって特別な……」

 

 

くっ!!何故だッ!違うんだよ古明地さん!君にとって特別なヒーローはもっとこう……………アレだ。凄いヒーローなんだよ!(語源力皆無)

 

 

「と言うわけで見値子さん。天倉さんは私がお世話するのでヒーローの仕事に戻って大丈夫ですよ」

 

「いや、でも警察の事情聴取が……」

 

「合間を縫ってお世話します」

 

 

……なんだろう。見値子さんって初めて会った時はもっとこう、フワフワした感じのうちの母さんと麗日さんを足したようなキャラだったのに今じゃ全然違うな。

これが俗に言うキャラを守るみたいな感じなのかな?

 

見値子さんはしばらく考えた後「分かった」と呟き果物が盛られた籠を俺の側に置く。

 

 

「それじゃあ、さとりちゃん無理しないでね。それと多分後で警察が来るから天倉くんに迷惑をかけないでね」

 

「もちろんですよ。それに天倉さんに迷惑をかけるだなんて万が一にもありませんよ」

 

 

なんかトントン拍子で話が進んでいってる気が……。

あ、そうだ。聞きそびれていた事があった。

 

 

「見値子さん、事件はどうなったんですか?」

 

「あ、その話ですか?実は─────

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「どうだフィリップ。なにか分かったか?」

 

「うむ……複雑な構造だ……いや、それ以前に僕達の知るものと違う」

 

 

探偵事務所のガレージにウンウンと唸るフィリップと書類の束を手に持つ翔太郎が居た。現在、彼等は警察の協力の元にガイアメモリの売買ルートを探っており製造場所や製作方法を調べており、これ以上自分達の愛する町を汚すまいと奮起しているところだ。

 

 

「しかし、照井竜が言っていたのは本当だった。コレはガイアメモリメモリでは無い」

 

「模造品……いや、偽物ってところか?」

 

「その通りだ翔太郎。これは形状そのものはガイアメモリに極似しているが内部構造は全くの別物だ」

 

 

「ふぅ」と一息つくと作業を止めたフィリップはカメラを手に取りカシャリと写真を撮る。

 

 

「見てくれ翔太郎。コレは『マスカレイドメモリ』だ……が、自爆装置が取り付けられていない。それどころか中毒性の毒素自体が無い。極めて人体に無害なものだよ」

 

「成る程な……つまり考えられるのは、園咲や財団とも関わりがない第三者の仕業か………」

 

 

ポケットからいくつかのメモを取り出し、翔太郎はフィリップに訊ねる。

 

 

「フィリップ新しいキーワードだ。『警察職員』『個性』コレでどうだ?」

 

「よし、やってみよう」

 

 

そう言うとフィリップは真っ白な本を手に両手を広げ意識を集中させる。深い意識の中でキーワードに該当するものを見つけようとする。

 

 

「………駄目だ。他にもキーワードを試してみたが該当する結果が見つからない」

 

「そうか……訳が分からねぇ。どうして警察の職員達がガイアメモリ……の偽モンなんかを持ってたんだ?」

 

「その通りだ。十中八九、洗脳系のガイアメモリ……いや"個性"によるものだと思う……だが何の為だ?照井竜、警察関係者への妨害か?それとも………?」

 

 

フィリップは頭の中であらゆる可能性を模索するが中々答えが見つからない。

 

 

「………はぁ、しょうがねぇ照井の所行くか。まだ霊烏路も目が覚めてないがジッとしているよりはマシか」

 

 

翔太郎は足で、フィリップは頭で各々のいつものやり方で捜索を始める。

これ以上、依頼者とその依頼者を信じ切ったヒーローの為にも2人で1人の探偵は犯人探しに躍り出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

(……進展は無しか)

 

 

ベッドの上に寝転がりながら俺は見値子さんの話を聞いた。

未だに古明地さんの放火の容疑は晴れず、現在、警察署の職員の何人かがガイアメモリによる影響で慌ただしくなっているらしい。

 

何というか、死ぬ思いで助けたと言うのに釈然としない結果だ。

 

俺は怪我をしたがそんなもの放っておけば治るからいい。

問題は彼女だ。友達に裏切られた事がどれ程のショックだったかは俺自身、身に染みて知っている。

 

 

「天倉さんリンゴ食べますか?」

 

「あ、食べます」

 

 

ごほん、古明地さんはその優しい性格故に確実に無理して笑っている。

俺はそう確信している。

上辺は笑顔を見繕って現実と向き合う事が怖いのだ。

 

 

「それじゃあリンゴ磨り下ろしますね」

 

「あ、いやそのままでm「駄目です」

 

 

……ごほん。彼女は俺と似ている。

だからこそ

 

 

「はい、口を開けてください」

 

「えっ………い、嫌です」

 

「開けてください」

 

「あの、だがr「あーんですよ?」

 

 

 

クッソ締まらない!

俺が難しいような言葉遣いで古明地さんの心情を述べようとしているのになんでかなぁ!

 

………ってアレ?今、『あーん』って言った?『庵』でも『餡』でも『啞ーン』でもなく?あのバカップルが行う口から砂糖inゼリー的なモノが潰れる流れる溢れ出るのアレ?

 

 

 

………ゴフッ───!

 

なんて、いつも吐血すると思うな!吐きそうになったがギリギリで留まったぞ───あ、やばい。傷口から血が溢れ出てきた。

 

 

━━pppp

 

 

「……電話?」

 

 

側に置いてあったスマホを掴み画面を見ると『拳藤一佳』という名前が表示されていた。

 

………けけけけけけ拳藤さんーーーーーーッ!!?

 

じょじょじょ女子から電話だとーーーーッ⁉︎

コレは罠か⁉︎罠なのか⁉︎アレか⁉︎女神の悪戯か⁉︎

 

い、いや……しかし、よくよく考えてみたら友達と電話するのは当たり前だよな?うん。当たり前に決まってる。

……よし、出よう!思い立ったが吉日!よーし出るぞ!今すぐ出るぞー!

 

 

………クッ!鎮まれ俺の右手!簡単な事だろ!ただ画面にある通話ボタンを押せばいいだけなんだぞ⁉︎

 

くそっ!ボッチ生活の反動で女子と電話するという事実に拒否反応を起こしていると言うのか⁉︎早く出ないと拳藤さんの好感度が下がって──────

 

 

 

 

「────出ないんですか?」

 

 

 

 

俺が視線をすぐ側に移すとハイライトの失った瞳をギラつかせながらスマホの画面を除く古明地さんがいた。

 

………えっと……?

 

 

 

「どうしました?私など気にせずに早く出てはいかがですか?それにしても拳藤一佳さんですか……素敵な名前ですね」

 

 

 

彼女はニッコリと笑みを浮かべているが、目は全く笑っていない。

ブルリと謎の悪寒に身体を震わせる。

 

え?何、怖いんだけど。

そしてさっきまでの震えが嘘のように止まり古明地さんの突き刺さるような視線を気にしながら通話ボタンを押す。

ちなみに別の意味での震えが発生し始めたのは言うまでもない。

 

 

「……もしもし?」

 

『あ、もしもし天倉?あのさ、ちょっと八百万について聞きたいんだけど……』

 

 

八百万さん?八百万さんと言えば体育祭ではアームストロング砲を渡して来たのがとても印象的だけど……いやそれは関係ないか。

彼女がどうかしたのだろうか?

 

 

「八百万さんがどうかしたの?」

 

『あのさ、八百万って変な宗教にハマったりしてない?』

 

「変な宗教?体育祭では精神統一の為に変な仏像を創造しているのは知ってるけど……?」

 

『あ、いやなんかね?体育祭の時と比べて明るいと言うか……無駄にハキハキしていると言うか……たまに「命燃やしますわ」とか呟いてて………』

 

「何それ怖い」

 

 

いや、別に明るくなった事は精神的成長を示しているからいいと思うんだけどさ、急すぎません?

 

 

『うん、職場体験自体は問題無いけどさ。あ、いやヒーロー活動かどうか微妙なところだけど……って八百万⁉︎何変な儀式始めてんの⁉︎』

 

 

え、儀式?どう言う事?

 

 

『ちょっと⁉︎なんか浮いてない?いや「命燃やしますわ」って言われても……って今度は変な紋章が浮かび上がって来た⁉︎』

 

 

えっ⁉︎何⁉︎そっちで何が起きてるの⁉︎滅茶苦茶気になるんだけど⁉︎

 

 

『あぁ!もう!すまん天倉!収拾つける為にちょっと電話切るねそれじゃ!』

 

 

………えぇ……なんだろう。

俺の知らない所でこう……とんでもない事が起きていると、ハブられている感が凄まじいな。

 

でも、あれだ。耳元で女子の声が聞こえてくるって言うのは……なんか良いな……。

 

 

 

「────へぇ、そうなんですか……」

 

 

 

耳に古明地さんの声が入ってくると同時にゾクリと背筋に冷たいものが走る。

振り向くとそこには首がグキリと傾き笑みを浮かべているが目が全然笑ってない彼女がいた。

 

………あ、成る程。確か古明地さんって心の中を読めるんだっけ?

 

 

「古明地さん」

 

「なんですか?」

 

 

ここは正直に心のままに話すしか無い。そう思った俺は彼女の目をジッと見て一言放った。

 

 

「正直、女子と電話するの興奮した」

 

 

この後、無茶苦茶顔面にグーパンされた。解せぬ。

 

 

 

 







と言うわけで僕の文才がコレ以上、上がらないのでそこら辺を了承してこの小説を読んでくださると幸いです(今更)

まぁ、安心してください。
次回が後半なのでこのギャグのタグを入れてる癖にギャグが入ってこないクソ作者が執筆するオリジナル編(笑)は終了になると思います。



ちなみに『古明地さとり』の性格が色々と歪んでいるのはドーパントに命を狙われ、難癖つけられ殺されかけ、終いには友達と思ってた人物が主犯だったと言う。


ぶっちゃけ、こんな事体験したら精神が崩壊してもおかしくないと思います(クソ作者の考え)
そんな中、最後まで自分を信じて身を呈して自分を救ってくれたヒーローが現れたらそりゃ………ヤンデレになっても仕方ないよね(小並感)


早くオリジナル編を終わらせてヒロアカ本編を書きたいなぁ……。


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