個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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投稿2話目です。もうすぐで戌年ですねぇ。皆さんはどのように30、31日を過ごしますか?
僕ですか?僕はいつも通り家族と共に過ごそうと思います。

今年最後の投稿となりますが、とりあえず

"来年もよろしくお願いします!"



第38話 罪のB/真実を探せ

天倉達は照井竜からにわかに信じられない事を告げられた。古明地さとりが連続放火事件の容疑者という事実に本人も困惑している様子だ。

そもそも放火事件を知らない天倉は照井に詰め寄る。

 

「ちょ、ちょっと待ってください⁉︎どうして古明地さんが容疑者って事になるんですか!!!」

 

「俺に質問するな!!!」

 

「⁉︎」

 

天倉は照井の返事に少なからずショックを受ける。というか理不尽な返事に呆気に取られてしまったのだ。

 

(え?何なんですかフィリップさん⁉︎この人色々とおかしいですよ⁉︎)ヒソヒソ

 

(彼の名前は照井竜。超常犯罪捜査課の警視でありアキちゃんの旦那でもある)ヒソヒソ

 

(ハァッ⁉︎警視⁉︎滅茶苦茶偉い人じゃないですかやだー⁉︎)ヒソヒソ

 

天倉とフィリップはヒソヒソと照井に聞こえないように喋っているつもりだろうが普通に丸聞こえである。照井はそれを無視するかのように再び口を開く。

 

「先日からそこにいる古明地さとりの周囲で謎の発火現象が起こっているのが何件も確認されている」

 

「待ってください。それだけですか⁉︎古明地さんの"個性"は発火を起こすような力はありませんよ⁉︎どうしてそんな……」

 

「我々も"個性"に関する事件だと考えていたが、古明地さとりが【ガイアメモリ】を所持していたという目撃情報を手に入れた。さらに先程古明地さとりの腕に生体コネクタが刻まれているのを確認した」

 

すると古明地さとりはそれを隠すかのように片方の手で反対側の腕を抑える。その表情は精神的に追い込まれているように焦っているように見える。

 

「もしも、古明地さとりが炎に関係するガイアメモリを所持しているならその事件に何か関わって来るだろう。そして今のところその容疑者としての可能性が高い。そうだろ?左」

 

「そんな……私聞いてない!どういう事翔太郎くん!!」

 

「…………俺だって聞きてぇよ!!どうしてこうなった!」

亜樹子は取り乱し、翔太郎は苛立ちを見せる。目の前の依頼人である少女がその事件に関与、ましてやその事件の容疑者とされている。

翔太郎は事件について何か知っているのに加えてこれまでの経験上でガイアメモリに関わっている人物が依頼人というケースも珍しくなかった。だからこそ彼女が犯人だという事を否定しきれないのだろう。

 

 

「……待ってください。やっぱり納得いきません」

 

「お前は…………」

 

しかし天倉孫治郎はそうは思っていなかった。彼女が事件の犯人ではない。

事件の詳しい内容も知らない天倉がそう信じるのは、ただの勘と彼女と過ごした少しの時間。それだけが古明地さとりを信じる根拠だった。

 

「雄英高校一年の天倉孫治郎です。訳あって職場体験で所長さんに指名されてヒーロー事務所では無く探偵事務所に来てしまいました」

 

「何を言ってるんだお前は?」

 

「ヒュ、ヒュ〜〜〜♪」

 

天倉が自己紹介+αに照井は何言ってるんだコイツ?と言った顔をする。その隣にいる所長(鳴海亜樹子)は下手な口笛をわざとらしく吹き、知らんぷりを決めている。

 

「とにかく、古明地さんは事件の犯人じゃないです!……多分。

そもそも古明地さんはそんなことをする人間じゃないです!…………多分………その……勝手に決めるのはいいことじゃないと……思います……」

 

「言った割には随分と自信なさげだな………」

 

天倉は力強く説得しているように見えるが、その様子はまさに竜頭蛇尾。徐々に声の力強さが失われているのがわかる。

それもそうだろう。天倉自身は事件のことを何も知らない。そんな彼がすぐに古明地さとりの無実を証明する事は出来るわけがない。

 

「んーーー……その子の言う事も一理あると思いますよ?」

 

と、照井の後ろ側からコスチュームに身を包んだ女性が口を開く。格好から見るとおそらくヒーローの一人なのだろう。続けて彼女は口を開く。

 

「確かに一番容疑者の可能性が高いのはその可愛い子なんですけど、決定的な証拠であるガイアメモリがまだ見つかってないんですよねぇ」

 

「……確かにな」

 

照井はそのヒーローの言うことに渋々と納得したような様子を見せる。彼女のほんわかとした雰囲気に影響されたのか、それとも彼女自身のスキルなのか、頭の固いであろう照井を納得させたそのヒーローに対して翔太郎は驚いている様子だ。

 

 

「と言う訳で彼らに真犯人を探してもらいましょー」

 

「「ハァ⁉︎」」

 

「アレェー?いきなり話がぶっ飛んだぞぉ⁉︎何故かサラッと重要な事を任されたんですけどー⁉︎」

 

翔太郎と亜樹子はいきなり過ぎる展開に驚き、偶然にも声が重なる。そしてフィリップも「ほぅ……」と興味深そうにそのヒーローである女性を観察している。

天倉はご察しの通りいつも通りにツッコミを担当する。そしてヒーローの女性は再び口を開く。

 

「こちらも連続放火事件の処理を任せられていることに加えて、ヒーローの人手が足りないんですよねぇ。警察の方々に協力は頂いているんですけど、ドーパントの調査などもありますし、それに"凄腕の探偵"ならばこちらとしてもとても助かるんですよー」

 

ほんわかとした女性のヒーローがニッコリと笑みを浮かべ、探偵である翔太郎達に視線を向ける。

すると翔太郎は服装を整え、そのヒーローの手を取り身体が密着するんじゃ無いかと言うほど近づく。

 

「おっと……そこまで言われちゃあ何もしないでいるのは酷だ。 任せてくれよ、俺はどんな時でも依頼を受けようじゃあないか」

 

「相変わらずギザでナルシストなハードボイルドとは程遠い決め台詞ねぇ」

 

「やはり半熟探偵はこうでなくっちゃだね」

 

「あぁ、だからハーフボイルド……」

 

「お前らなぁ……」

 

翔太郎のいかにもキザな台詞に亜樹子、フィリップ、天倉の順にそれぞれの感想を口に出す。

さとりに至ってはジト目でノーコメントと言う翔太郎に最も精神的なダメージを与える反応だった。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

戻って此処は、鳴海探偵事務所のガレージ。

ここに天倉と犯人として疑いを持たれている古明地さとりを含めた探偵事務所メンバー達が集まっていた。

 

「さぁ、検索を始めよう」

 

そしてフィリップはそう呟くと持っていた本を閉じ、両手を広げ目を瞑る。

第三者から見れば何をしているか分からない光景だろう。

 

「それじゃあ、事件のおさらいだ。事件の発端は約一週間前から、そこで謎の発火現象が起き、標的は建物、人問わず無差別に起きている。これに共通するものは全て古明地さとりの周りで起きている事だ」

 

「そうだフィリップ。警察やヒーローの調べでは、発火の原因に繋がるような物質は見つからなかった。犯人がその原因となる物質を隠滅した可能性もあるが、監視カメラではそのような怪しい様子は見られなかった」

 

「そこで火に関わる"個性"によって起こされた事件と推測されたが、古明地さとりの"個性"は火に関する"個性"どころか心の中を読む"個性"どう考えても火を起こせるような力を持ってはいない。だからこそ唯一考えられるのが【ガイアメモリ】による発火という事だね」

 

「その通りだ。それで俺はその事件に関する調査を照井に頼まれたって事だ」

 

2人のやり取りはまさにプロの仕事をビシビシと伝わらせてくるのを天倉は感じる。ヒーローを目指す天倉にとってこのやり取りは裏舞台で起きている仕事だ。

事件をここまで的確に短時間で理解するフィリップもそうだが、風都の市民の1人1人に聞き回り、調査を行った翔太郎に対して天倉は感心しながら2人の様子を見守る。

 

「あ、そういえば気になったんですけど【ガイアメモリ】って一体なんですk━━━あだだだだだだだだだ!!??」

 

「ジッとしてってば!どうしてこんな怪我を黙ってたの⁉︎」

 

現在、天倉は上半身裸で亜樹子に包帯を巻いてもらっている状態だ。

バード・ドーパントとの戦闘の時、背中に受けたダメージが残っていたのだ。

 

天倉の"個性"は仮面ライダーWのような全身をベルトによる外部からの力によって強化させた【変身】ではなく、身体そのものを変化させるタイプの【変身】だ。彼自身の身体能力が高まったとしても、それは生身でドーパントの攻撃を受けた事には変わりない。

ましてや彼はまだ15歳の高校生だ。ハッキリ言ってしまえば無茶のし過ぎである。

 

「大丈夫ですって、これぐr━━━だだだだだだだだだだだだだだ!!!????」

 

どう見ても大丈夫では無い。少しでも背中を触れる度に天倉は苦痛が全身に走り、声を上げてしまう。

目に涙を浮かべながら天倉は質問の続きを話す。

 

「聞くところによると【ガイアメモリ】と【ドーパント】って何か関係があるみたいですし」

 

「……仕方ねぇかフィリップ。検索の途中だが、説明頼めるか?」

 

「しょうがないな……【ガイアメモリ】というのは地球上に存在するデータがプログラミングされたUSBメモリ型のアイテムだ」

 

と、フィリップは目を開き懐から緑色のガイアメモリを取り出す。

 

「基本的にメモリを使用するにはそのメモリに応じた専用のコネクタ手術が必要だ。そのコネクタというのは古明地さとりの腕にあるものだ。近くにいた君ならば既に知っている筈だろうけどね」

 

「……まぁ、そうですけど。と言うか、聞いた感じよく分からないんですけど……」

 

「ふむ、そうだね『強力な"個性"を手にする事ができる』アイテムと言えば分かるかな?」

 

「あ、滅茶苦茶分かりやすいです!」

 

「そうか、ならば話を続けよう。先程も言った通り強力な力を手にする事ができるが、厳密に言えば『その力を扱えるように身体を怪人化』させてしまうんだ」

 

フィリップが説明した通り"個性"を使う多くの人物にはカラクリが存在する。

【爆豪勝己】の個性を例に挙げるとしよう。

彼の"個性"は掌から爆発を起こす爆破となっているが、厳密には手の汗腺からニトログリセリンのような物質を作り汗を爆破させている。

 

このようにドーパントへ変身する事によって身体をその固有の能力を扱う事が可能な構造へ変えられるのだ。

 

「使い方によっては便利そうに見えるが違う。【ガイアメモリ】には精神を侵す毒素が含まれてあり、その毒素は変身者のエゴを増幅させ、自らを制御できなくなる」

 

「毒素って……麻薬じゃあ……」

 

「いやメモリは麻薬よりも厄介な物だ。特に厄介なのはその【ガイアメモリ】による依存性だ。今まで僕達はメモリによって狂って来た人達を見てきたが、ほとんどの人がそのメモリの力に呑まれていた。【ガイアメモリ】は既に販売を停止しているが、大量のメモリの複製品がまだこの風都に存在している」

 

「そうだ。だからこそ俺が……いや、俺達仮面ライダーがその【ガイアメモリ】を1つ残らず処分しなきゃなんねぇ」

 

「……アレ?それじゃあ翔太郎さん達が使っているメモリは……てか、2人が合体して仮面ライダーって…………?」

 

ひと通りの説明を受けた天倉だったが次々と新たな疑問が浮かび上がる。

何故、街を守る為に戦っている翔太郎達がガイアメモリを使っているのか。

何故、翔太郎とフィリップが合体して変身するのか。

何故、変身後に頭が痛むのくわァ!!

(これは関係無い)

 

 

「俺達の持っているメモリは特別製でな、毒素を出来るだけ無くしてドライバーで力を引き出してんだ」

 

「そして、このドライバーは翔太郎の肉体と僕の精神を合体させ2人で1人の【仮面ライダーW】に変身する事が出来るんだ」

 

「仮面ライダー……都市伝説は本当だったんだなぁ……」

 

天倉の目の前には都市伝説として噂されていたヒーローが存在していた。伝説というにはあまり実感できないが、彼等は幾多の戦いを潜り抜けてきたのだろう。頼もしさが伝わってくる。

 

「そういえばさっきからフィリップさんは何をしようとしてるんですか?」

 

「ん?あぁ。検索だ」

 

「検索?Webで事件についてでも調べるんですか?」

 

「違げぇよ。フィリップの"個性"だ。キーワードを入れる事によって犯人やガイアメモリについて特定する事ができんだよ」

 

「え?何その歩くWiki○edia」

 

天倉がフィリップの高性能すぎる個性に驚きつつも亜樹子が資料を翔太郎の元へ運んでいるのを目にする。

おそらくフィリップの"個性"に使う為のキーワードを揃えようとしているのだろう。

 

「あの……俺にも何か手伝える事ってありますか?」

 

「……あーーーそれじゃあ悪いが古明地の様子を見てもらえるか?歳が近いのってお前だけなんだ」

 

「……はい。分かりました」

 

天倉は察した。おそらく自分がここに居ても邪魔なだけなのだろう。翔太郎は天倉に悟られないように気を遣っていたのだろうが天倉には理解していたのだ。

自分にはどうすることもできない。自分は無力なのだと天倉は痛感した。だが、翔太郎の不器用な優しさは確かに天倉に届いていた。

 

だからこそ天倉は何も言わずに自分が今出来ることをやる為に事務所 で待っている古明地さとりの元へと向かうのだった。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「おぉー、お邪魔してますよー」

 

「えっと…………すみません」

 

「…………」

 

現在、天倉の目の前には照井達警察と共に行動していた筈のヒーローがいた。しかし服装はコスチュームでは無い事が分かる。よく街中で見かけそうな服を見に包んでいる為、私服なのだろうと天倉は考える。隣にいる古明地さとりは申し訳なさそうに謝ってくるが、天倉はどうリアクションすれば良いか分からなかった。

 

「さっきぶりですね。どうですか?さとりちゃんの容疑は晴れそうですかー?」

 

「い、いやぁ、どうでしょうか…………まだ情報が少ない感じなのでなんとも言えないんですよ」

 

「成る程。そうなんですかー……あ、私【寧々音根 見値子(ねねねね みねね)】って言いますー」

 

「……あれ?本名なんですか?てっきりヒーローネームを名乗って来ると思っていたんですけど(すっげぇ名前……)」

 

すると、見値子は「あー」と声を漏らすとそのまま話を続ける。

 

「それじゃあ、さっきのはナシで。マキでお願いします」

 

「うん?まき?」

 

「ハイ、マキです。ヒーロー名は【マキ】って言います。可愛いって評判なんですよー」

 

「……あーーーー…………ハイ。わかりました」

 

あぁ、成る程。この人って俺の母さんと同じなんだな・・・と思った天倉であった。そして、これ以上は名前とか性格について、天倉は考えるのをやめた。

 

「それじゃあ、さとりちゃんの事をよろしく頼みましたよー」

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ亜アあああああああああああああああああああああああああああああああああああああなんでこの人は話題を飛ばすんだよおおおおおおおおお頼むからなんでそうなったのか教えて欲しいんだけどなああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!」

キリキリキリキリ

 

目の前の女性の発言によって天倉の胃がそろそろ限界を迎えようとしている。

そもそもこの世界にまともな性格をしている人物なんている訳が無いだろう。いるとしたらそれは人が生み出したただの妄想だ。

 

「えーっとですね。私もさとりちゃんが犯人とは思っていないんですよ」

 

「え?そうなんd━━━ゴh……そうなんですか?(危ねぇ……吐血するかと思った……)」

 

「ハイ。実は私って昔からさとりちゃんと知り合いで最近になってから風都でパトロールする事になったんですよ。風都ってヒーローの数がかなり少ないんですよね。その分、ガイアメモリの事件が多いですけどそこら辺は照井さん達が全部やっちゃっていますけどね」

 

天倉は見値子からその話を聞くと不思議と納得する。彼自身が初めて風都に来て、ヒーローの姿は1人も見かけなかったからだ。

通常では街中には1人か2人のヒーローが事件抑制の為のパトロールをしている筈だが、風都ではパトロールを行なっているヒーローは見かけなかった。

 

「でも、助かりましたよ。このままじゃさとりちゃんが本当に犯人扱いされるところでしたよ」

 

「い、いやぁ、俺は大したことなんてやってませんよ。というか見値子さんの方も良かったんですか?なんか調査とか探偵の方に任せちゃって?」

 

「いいんですよ。私ってそこまで何でもやれるわけじゃ無いですし。協力は惜しみませんよ。それにさとりちゃんの為なら何だってやっちゃいますよ!」

 

と見値子はさとりの小さな身体をギュッと抱きしめる。子供のような扱いをされ、さとりは顔を赤らめているのが分かる。見値子の場合はそんなのお構い無しに抱きしめ続けている。

 

「……天倉さん!」

 

「あっ、いや……お構い無くー(可愛いな……)」

 

「〜〜〜〜〜!」

 

良くも悪くも正直な天倉の心の声にさとりの顔は一層赤くなっていく。

 

「あ、そうそう。そこで、天倉くんにはさとりちゃんのボディガードを頼みたいんですよ」

 

 

「ゴフッ━━━━(吐血⁉︎」

 

「天倉さんーーーッ⁉︎」

 

いきなり過ぎる発言に天倉の胃が逆流し、とんでもない事になった。目の前で血を吐かれたそりゃあ驚くだろう。さとりはそんな光景に対してものすごく驚いた。

 

「ゴフォ━━━━き、気にしないで。ぶっちゃけるといつもの事だがrゴフッ━━━(吐血2回目」

 

「いつもの事なんですか⁉︎病院に行った方がいいですよ⁉︎」

 

「そ、そんな事より、ボディガードってどう言う事ですか?」

 

血を吐きながら天倉は見値子に質問する。何故さとりの身を守る重要な役割を自分がやらなければいけないのか、不思議に思ったのだ。

 

「んーーー、やっぱり【信頼】……ですかね?」

 

「信頼?」

 

「ハイ。天倉くんは誰よりもさとりちゃんが犯人では無い事を信じた。数少ない情報の中、絶望的な状況で天倉くんはさとりちゃんを信じた。だからこそ君をボディガードを頼みたいんですよ」

 

「い、いやいやいやいやいやいや、俺なんかがそんな……」

 

「それに雄英体育祭では3位って言う実力は充分ですしね」

 

すると天倉はピクリと反応する。

 

「知ってたんですか……?」

 

「それはもう知ってましたよ。あんな印象に残るような戦い方をしていれば」

 

 

印象的な戦い方。天倉はそう言われ思い当たるものを頭の中に浮かべる。

 

 

その1.女の子を痛めつける。

 

その2."個性"だがトドメに首を引き裂く。

 

その3.女の子を蹴り一発で沈める。

 

 

「ゴボッ━━━━(吐血」

 

 

「天倉さんのトラウマがーーーーー⁉︎」

 

天倉のトラウマが蘇り再び吐血。バタリとその場で倒れた天倉は白目を剥いている。

さとりはその天倉を肩を揺さぶり正気に戻そうとしている。

 

「天倉さん!しっかりしてください!大丈夫ですよ!その人達も気にしてませんって!」

 

「こ、殺して……優しく殺して……キリングミーソフトリー……」

 

「天倉さーーーーーーん⁉︎」

 

そのままスヤァと眠り(永遠)につこうとしている天倉の側で見値子は相変わらずの表情で話しかける。

 

 

「いやーとてもかっこよかったですよ?最後の戦いなんてもの凄い迫力で妹が大絶賛していたんですよー。あ、サインって頂けますか?」

 

 

 

 

………………

 

 

………………

 

 

………………

 

 

………………

 

 

 

 

 

 

「あ、俺のでよければ」

 

「復活した⁉︎」

 

褒められただけでケロッと蘇る天倉に再び驚くさとり。先程までの瀕死の状態が嘘のように天倉は元気になっている。チョロすぎやしないか?この主人公。

 

「あ、そうそう。それでなんですけど、私の妹に話とか聞くのもいいかもしれませんよ?」

 

「妹さんですか?」

 

「はい。さとりちゃんと知り合いですし、何か話を聞けるかもしれませんよ?」

 

「成る程……確かにそれなら、いいかもしれませんけど……」

 

天倉はチラリとさとりへ視線を向ける。

さとりは何故かドーパントに狙われた。となるとまたドーパントが襲撃してくる可能性が高いだろう。

ならばさとりはこのまま事務所に置いて行った方が良いだろうと天倉は考える。

 

「……私も行きますよ」

 

「え?」

 

だが、彼女は人の考えている事を読むことができる。そして天倉がさとりの身を案じている事も含めてだ。

 

「それに私も一緒にいればしっかりとした証言も手に入ると思います」

 

「……うーん……でもなぁ」

 

「いや、一緒に行くぜ」

 

と、後ろのガレージへと続く扉がガチャリと音を立てて開く。そこに帽子を片手にした翔太郎が出てくる。さらに後ろから亜樹子が続いて出てくる。

 

「立ち聞きするつもりは無かったが、天倉だけじゃあ心配だ。それn「それに依頼はまだ終わってない事だし!」おいっ!勝手に……ったく、まぁそう言う事だ」

 

「……フフ、ありがとうございます。探偵さん達」

 

騒がしく頼もしい探偵達の登場でなお一層笑顔を浮かべる見値子。各々は再び外へ行く準備を進めていく。

 

「……変身……できたと思ったんだけどなぁ……」

 

その中で天倉はドーパントとの戦いを思い返していた。無我夢中でさとりを助けようとしたあの戦い。あの時、天倉は体育祭で見せた変身をした。

しかし、一瞬だけ。すぐに元の状態へと戻ってしまった。何か足りないのだろうか?と疑問に思う。

 

「……まぁ、悩んでも仕方ない……か」

 

天倉はそう一言呟くと吹っ切れたように考えるのをやめた。前までの彼ならば深刻に考えていたのだろう。

だが、今の彼は違う。"対策なら後で立てればいい"そう考えるように彼はなった。

 

今はただ、古明地さとりを守る。そう考え動くだけだ。




今までの小説をサラッと読んでみてリメイクしようかなぁーと思いました。
ぶっちゃけ色々といらない台詞や文、誤字も多く「あぁ、こりゃダメだなぁ」と思いました。
これってリメイクした方が良いのでしょうか?というかこの作品って続けてもなんらかのメリットはあるのでしょうか?

と言うかなんで僕はアマゾンズなんていうヤバい作品とヒロアカを混ぜてしまったのだろうか。

何故良作と良作をかき混ぜて得体の知れない作品を作ってしまったのだろうか?

もうこれはリメイクして書き直すしか、いや、新しく別の作品を投稿するしかないのだろうか・・・・。


〜〜〜〜気晴らしに次回予告

緑谷「次回予告!!」

天倉「もう・・休んでいいかな・・・?」

緑谷「天倉くん⁉︎いきなり瀕死の状態でどうしたの⁉︎」

常闇「奴は幾多の争いにより激しい消耗をして来た。その代償が今になって襲いかかって来たのだろう」

天倉「いや、マジでそろそろ胃に穴が空きそうなんだよ。てかヤバい。死ぬ」

緑谷「死ぬの⁉︎かっちゃんとは別ベクトルのヤバさなんだけど!」

常闇「全く、騒がしい奴等だ。だがお前達だからこそ、その騒がしさは静寂よりも心が安らぐ場を作っていくのd」

天倉「あ、ごめん。そういうの良いから終わらせてもらってもいい?」

常闇「・・・・」

緑谷「次回!!『罪のB/疾走の赤』!!!」

天倉「頭がアレなカラスが出てくるよ」

黒影『頭ガ アレナンダッテヨ』

常闇「・・・黙れ」

緑谷「更に向こうへ!」

緑、天「「Puls Ultra!!」」

常闇「・・・クッ」

アドバイス、感想等がありましたら下さると助かります。
評価の方もよろしくお願いします。

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