個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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仮面ライダービルド1話がとても楽しめました!
所々昭和ライダーや平成一期を連想させますね!
僕のヒーローアカデミアも期末試験が原作とは違い、1組ずつ焦点を当てるように変えている所がとても良いと思いました!

ヒロアカ3期あるといいなー



第31話 この素晴らしい体育祭に終わりを

━━━孤独

 

 

そう感じたのは久しぶりかもしれない。

 

 

高校生になってからは良くも悪くも自分の周りに騒がしいクラスメイト達が居てくれた。

 

 

居てくれたからこそ、居なくなった時。

 

 

初めて大切なクラスメイトだと理解できたのだ。

 

 

 

 

(ここは━━━何処だ?)

 

 

自分の周りには何も無い。いや、何も無い訳ではないが、殺風景だ。視界に映るのは

ただ、ただ、何も無い地平線。

 

だが、こんなにも美しいと思ったのは初めてかもしれない。

 

自分が知っている美しくも怪しげな雰囲気を出す街並みや、地球が作り出した生命によって生み出された美しき自然とは全く違った景色。

 

 

 

━━━━あぁ、なんて美しいんだろう

 

 

 

不思議と眼から頬にかけ熱いものを感じる。

 

 

普通、こんな全く知らない場所で景色を絶賛している場合では無いと言うのに

 

 

悔しいくらい美しい景色に自分は見とれていた。

 

 

 

 

 

 

「━━━ようこそ」

 

 

 

振り向くとそこに居たのは水のよう青く澄んだ美しい髪をたなびかせ、透き通った淡い桃色をした羽衣を身に付けた━━━━

 

 

まさに女神と言っても過言でも無い女性が目の前にいた。

その女性は大理石で作られた椅子に座っており、まるで待っていましたと言わんばかりに笑みを浮かべている。

 

 

 

「━━━私はあなたに新たな道を案内する女神です」

 

 

 

その女性は自分自身を女神と名乗った。

 

信じられない。

 

そのような存在が本当に実現するのか?そもそもコレ自体自分が生み出した夢や妄想と言う可能性もある。

しかし、最近そんなことが何回も続いた為なのか、目の前の風景が夢の類では無い事がすぐに理解できた。

 

そして、新たな道と言う意味も。

 

 

 

「不幸にも亡くなりました。短い人生でしたが、あなたの生は終わってしまったのです」

 

 

 

・・・・・・死後の世界

 

 

 

そう聞いた瞬間、改めて自分が死んでしまったという事実に直面される。

 

 

 

多少の出来事ならば受け入れる事が出来ただろう。しかし自分が死んだと言う事実を肯定する事なんてできる筈が無い。

 

 

 

だが、それと同時に納得してしまう自分がいる。

 

 

 

こんなにも美しい景色に美しい女神。この様な光景は現世で見れるものでは無いのだろう。

 

 

 

 

そもそも自分は何故、亡くなってしまったのだろう。記憶がおぼろげで思い出せない。

 

 

 

 

「あなたはとある自尊心の塊でまるで悪魔の様な人物と激闘を繰り広げ・・・・最後にあなたは・・・・クッ・・・・・敗北してしまい・・・・・〜〜ッッ!」

 

 

 

・・・・・そうか、自分はその様な事を体験していたのか。

 

 

 

今更そんな事を知ったところで意味は無いのだろう。

 

 

 

その事を知ってなのか、女神も言葉が次第に途切れ途切れになり、身体が震えている。

 

 

 

此処は現世では無い。自分はいつの間にか死んだ事を受け入れようと素直に思っていた。

 

 

だが、もしも未練があるとするなら

 

 

 

 

 

━━━最高のヒーローに、皆の笑顔を守れるようなヒーローになりたかったな・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ━━━━感傷に浸っているところ悪いけど・・・・・正確にはあんたの死因は"ショック死"よ」

 

 

 

 

・・・・・・・え?

 

 

 

「あぁ、なんて言うか?最後あんたと人相が悪いヤツがぶつかった瞬間に起こった大爆発の音であんたビックリして、そのショックで心臓止まっちゃったのよ」

 

 

 

 

・・・・・・・え?

 

 

 

「・・・・・ぷっ!!??あははははははははははははハハハハハハははははははははははははwwww⁉︎

ご、ごめん!もう無理!我慢出来ない!って言うかなにアレ⁉︎カッコ良く戦っていたのにww最後がアレって!最後にショック死て⁉︎ブハハハハハハハハハハwwwwヤバイ!ヤバイ!ちょーウケるんですけど⁉︎」

 

 

 

ドスッ!!!

 

女神からの容赦無い言葉が天倉を襲う!!!

 

 

天倉に753のダメージ!!!

 

 

残りHP

2247/3000

 

 

 

「って言うかww生放送www全国に中継してるのにww全国生放送なのにww結末がアレってwwwちょーダサいんですけどーーーーwww

エリスもドン引きするレベルって⁉︎

あーーーーーーーお腹痛いww!」

 

 

『CRITICAL STRIKE!!』

 

 

 

女神からの容赦の無い追撃!!!!!!

 

 

天倉に5103のダメージ!!!!!!

 

 

残りHP

1/3000

 

天倉は踏ん張った!!!

 

 

 

 

やめて!女神からの容赦無いイジメの如き言葉で硝子のハートを砕かれたら、天倉の精神まで燃え尽きちゃう!

お願い、死なないで天倉!あんたが今ここで倒れたら、これからの展開はどうなっちゃうの?

ライフはまだ残ってる。ここを耐えればまだ物語《小説》は続けられるんだから!!

 

 

 

 

「ぷーーーくすくす

自分がカッコ良く死んだと思い込んで、地の文までカッコ良くしていたの物凄く恥ずかしいんですけど!逆に引くレベルなんですけど!」

 

 

 

 

『MAXIMUM CRITICAL BREAK !!!』

 

『会心の1発ッ!!!!!!』

 

 

天倉に9999のダメージ!!!

 

 

━━━━ゴフッ!!??

 

 

天倉は吐血した

 

 

 

「あっ⁉︎ちょ、ちょっと⁉︎いきなり吐血ってどうしたのよ⁉︎わ、私が言い過ぎだからなの⁉︎い、いや、違うから!わ、私の所為じゃないんだからね!」

 

「・・・・こ、殺してくれぇ・・・・・優しく殺してぇ・・・・優しく殺してぇ・・・・・キリングミーソフトリィィィ〜〜〜〜〜・・・・・」

 

「いや、あなた既に死んでるから!て言うか女神に殺しをさせないでくれないかしら⁉︎」

 

 

天倉はここまで毒舌、と言うよりも鬼畜な女神がいるとは思わなかった。

そもそも女神があんなクソな言い方をするとは思わなかった。

 

 

「じゃ、じゃあ生き返らせて下さい。俺、まだ現世でやり残した事が幾多もあるんです。主に食事関連で」

 

「いや、あなたさっきまで最高のヒーローになりたいって言っていなかったかしら?」

 

先程までヒーローになりたいと言っていた人物とは思えない台詞を吐いていた。

人は死に直面すると正直になると言うがまさかここまで意地汚いとは、女神も引くレベルだった。

 

 

「て言うか無理無理。私はあくまで死んだ後を処理する側だから。

そもそも死んだのに意地汚く生き返ろうとするのって凄くダサいんですけど〜〜〜ぷーーくすくす」

 

 

天倉は生まれて初めて「グーで殴りたい」と思った。

 

 

こめかみに青筋を立てながら天倉は真剣に悩む。このまま死ぬのは洒落にならない。

どうにかして生き返る方法は無いのだろうか?と考える。ドラゴ◯ボールを集めて生き返らせて貰う、ザオリクをかけて貰う。

 

・・・・・どう考えても無理っぽいので却下。

 

 

 

 

「ねぇーーーーーーー、考えるのはもういいですかーーーー?コッチはちゃっちゃと済ませたいんだけど〜〜〜〜〜」

 

と女神は寝そべりながら片手にポテチ、片手に漫画と言ったどう見ても女神には見えない体たらくだった。

 

何故だろうか、このどう見ても駄目な女神を見ていると無性に腹が立ってくる。

先程まで美しい女神と思い込んでいた自分を殴りたい気持ちだ。

 

 

 

 

 

 

瞬間、天倉に電流が走る━━━

 

天倉の頭の中に迸るかのように沢山の言葉が溢れる

 

 

 

 

 

 

━━『ゆ゛る゛さ゛ん゛!!』

 

━━『お前をゆ゛る゛さ゛ん゛!!』

━━『貴様をゆ゛る゛さ゛ん゛!!』

 

━━『断じてゆ゛る゛さ゛ん゛!!』

 

 

 

 

よくわからないが、満場一致で殴っても良いそうです。

 

 

 

「そうか━━━貴様、ゴルゴムの手先か!」

 

 

「えぇ、そうよ。私こそ水を司る女神アk━━━━何ですって?」

 

 

「俺は貴様を断じてゆ゛る゛さ゛ん゛!!」

 

 

天倉は何かに憑依されたように叫ぶと何やらバイタルチャージと言いながら右拳を顔の前に、左拳を胸の前に移動させポーズを取る。

そのポーズを見て駄女神は冷や汗を掻き始め、これからの自分の身に起きる事を想像する。

 

 

「え?ちょ、ちょーーーっと待って。それってアレよね。処刑用bgmが流れてくるヤバイ奴よね。

私、女神なのよ!ちゃんとした女神だしゴルゴムの手先でも無いから!いや、ポーズを取りながらジリジリと詰め寄るのやめて貰えます⁉︎

いや、流石に真っ赤に燃え上がる拳はやめて!それってバズーカ砲以上の威力だった筈なんですけど、本人じゃ無いとはいえ流石に全力のグーパンはヤメt」

 

 

 

━━━・・・ィダアアァァァァッッパアァァァンチィィィッッ!!!

 

 

 

━━━いいぃぃぃぃやああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

・・・・・・・・酷い夢を見た。

 

 

 

な ん だ っ た ん だ ア レ ?

 

いつもの展開なら真っ白な部屋で声だけが聞こえてきて自分をなんか・・・・こう悪い道へと唆してくるようなコミックの様になるんだけど。

 

もう一度言おう。

 

な ん だ っ た ん だ ア レ ?

 

 

俺がそう思っていると、誰かが扉を開けてくる。その正体はオールマイトだった。

取り敢えず痛む身体を無理矢理起こしながらオールマイトに挨拶すると物凄く驚かれた。

 

 

「あ、ああああ天倉少年が生きてるーーーーーーーッ!!??」

 

「残念だったなぁ、トリックだよ」

 

 

と言うか死んだと思われていたのか。解せぬ。

するとオールマイトは一瞬で距離を詰めると肩を掴んできた。

 

「リカバリーガールに天倉少年の心肺が停止したと聞いていても立ってもいられなくなったので来た!!のだが、本当に大丈夫か!もしかしてお腹空いている⁉︎

む⁉︎顔色が悪いが大丈夫か!!!?」

 

「い、いや・・・・さっきから両肩を・・掴まれて物・・凄く・・・・揺らされているからだと・・・・・」

 

俺がそう言うとオールマイトは「あ、ごめん」と申し訳なさそうに肩から手を話してくれる。

オールマイトの力は真面目にヤバイので後、数秒揺らされていたら死ぬ自信がある。

 

「あーーー、そう言えば試合ってどうなりました?最後ら辺の記憶が薄れていて思い出せないんですけど」

 

「うん?あぁ、そうか。

 

結果的には天倉少年、君の負けだ。今までの疲労の所為なんだろう。頑張ったが、最後の最後で押し負けてしまった」

 

成る程なぁ、負けちゃったのか・・・・・。

・・・・・まぁ、仕方ないか。

 

「結果的に爆豪くんの方が強かったって事で。まぁ仕方ないですよね」

 

「え?あ、あぁ。うん。」

 

するとオールマイトは驚いたように頷く。一体どうしたのだろうか?さっきから驚いてばかりだから逆にこちらが心配してしまうのだが。

するとオールマイトは再び口を開く。

 

「(驚いたな・・・・・・。試合の後いつも悲しそうにしていた彼が・・・・)天倉少年、見違えたな」

 

「え、そうですか?」

 

なんだろう?よくわからないけど物凄く嬉しい気がする。

あ、そう言えばオールマイトに褒められる事って凄い事じゃね?実感が無いけど。

 

「さ、早くクラスメイト達に元気な姿を見せてくると良い。心配させてはいけないだろう

大丈夫!リカバリーガールには私から説明しておこう!」

 

「あ、はい。分かりました」

 

俺はオールマイトにそう言われるとそのままベットから出る。

身体の所々が痛むが、なんとか我慢しながらA組の観客席へと向かう事にした。

 

決勝戦は多分、終わっているだろうけど皆に元気な姿を見せておかないとなぁ。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「一時はどうなるかと思ったが・・・」

 

天倉少年の精神面を心配したが、どうやら大丈夫のようだ。

と言うよりも天倉少年、よく生きていたな・・・。マジで心肺が停止したと聞いた時は寿命が縮んだと思ったぞ。

 

 

「だが・・・・流石は大河の息子だな。

こりゃ、後で大河本人に何を言われるかわからないな」

 

 

さて、リカバリーガールにはどう説明すれば良いのやら・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

・・・・・あれ?何か忘れているような・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

<ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!天倉(くん)が生きているーーーーーーーーーー!!??

 

<何で死んだ事になってんだよおおおおおおおおおおおおお!!??

 

 

 

 

 

あ、ヤベェ。みんなに天倉少年の心肺が止まったって言ったんだっけか。

 

・・・・・天倉少年、そっちはそっちで頑張ってくれ!

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

かれこれあって

 

THE 表彰式━━━━━━━

 

空高くには沢山の花火が打ち上げられ、まるで優勝者を褒め称えているように鮮やかだった。

 

『それではこれより!!表彰式に移ります!!』

 

ミッドナイトが生徒達に、観客達に向けて声を上げると、地面から上位3名が乗っている式台が出現する。

観客達はその3名を絶賛するかのように大きな拍手、歓声を送るが生徒達は送らなかった。いや、送ろうとは思わなかった。

 

何故なら━━━━━

 

 

 

 

「〜〜〜〜〜ん"ん"〜〜〜〜ん"〜〜〜ッッッ!!!」

↑全身に拘束具を付けられても尚、暴れようとしている1位

 

 

「・・・・・・・・」

↑その暴れている1位を無視するかのように俯いている2位

 

 

「」

↑何でこんな奴らと一緒に表彰されてしまったのかと言う後悔と観客達の羨望の眼差しによる極度のストレス、そして1位の矛先が自分に向いてしまうかもしれないと言う恐怖によって、その内考えるのを止めた状態になっている3位

 

 

 

 

 

この光景を見た生徒達は思った。

 

 

 

こ れ は ひ ど い

 

 

 

「何ですの・・・アレ」

 

「爆豪のやつ起きてからあの調子なんだってよ」

 

「もはや悪鬼羅刹。それを無視し続けている轟も凄いが━━━━」

 

A組が1位になっても暴れようとしている爆豪と黙ったままである轟を見た後、チラリと3位を見ると

 

 

 

 

「」

↑お前はもう死んでいる状態

 

 

(((((あ、天倉ェ・・・・・・)))))

 

 

どうしてこうなるまで放っておいたのだろうか。A組の皆は天倉が物凄く不憫でならなかった。

誰だってあんな状態の2人と同じく表彰されればストレスでヤバイだろう。

いや、天倉の場合、精神的にアレなので更にヤバイのだが。

 

仮に3位が飯田であれば、2人を注意するのだろうが、そもそも肝心の飯田本人が家の都合により不在の為叶う事はなかった。

 

ミッドナイトはそんな事をお構いなしに表彰式を進行させる。

 

 

『それではメダル授与よ!今年メダルを贈呈するのは勿論この人!!』

 

とミッドナイトはマイクを片手にもう一方の片手を大空に向け声を上げる。

すると、アリーナ上方に謎の影が現れる。

 

 

 

 

━━━あれは何だ?

 

 

━━━鳥か?飛行機か?

 

 

━━━それはまぎれもなくヤツさ

 

 

 

「もちろん!私が!メダr『我らがヒーロー!!オールマイトォ!!!!!!』t来たぁ!!!」

 

 

 

すると、何故だろうか先程までMAXハイテンションだった観客達と生徒達が静まり返ってしまった。

 

そしてしばらく気不味い雰囲気の中、オールマイトは3位である天倉の元へメダルを持っていく。

 

「天倉少年おめでとう!惜しかったな!」

 

「コブ・・・・ラ・・じゃ・・・ねぇ・・・・か・・・・・・・・・ハッ⁉︎あ、ありがとうございます!!??」

 

「(何があった⁉︎天倉少年⁉︎)と、とにかく。戦いの中で何かを掴めたらしいがソレをしっかりと物にするようにな!」

 

オールマイトはそう言うと、天倉の首にメダルを掛け、すぐに2位である轟の元へメダルを届ける。

と言うよりも天倉がヤバイ状態なので、早く終わらせようと思った。

 

 

「轟少年、おめでとう。左側を収めてしまったのにはワケがあるのかな?」

 

「緑谷戦でキッカケもらって・・・・・・わからなくなってしまいました。あなたがヤツを気にかけるのも少し分かった気がします」

 

オールマイトの問いに轟は答えると、再び口を開く。

 

「俺もあなたのようなヒーローになりたかった。ただ、俺だけが吹っ切れてそれで終わりじゃ駄目だと思った。清算しなきゃならないモノがまだある。

それに━━━━━━━━」

 

轟は視線をチラリと天倉へと向ける。

 

「あいつにお礼言わなきゃなんねぇ」

 

オールマイトはそんな轟に対し笑みを浮かべ、抱きしめる。

 

「顔が以前と違うな。深くは聞くまいよ。今の君ならきっと清算できる」

 

さて、と言いながらオールマイトは1位に与えられるメダルを手に、拘束されている爆豪へと向き直る。

 

「さて、爆豪少年!!・・・・っとこれはあんまりだ。伏線回収見事だったな」

 

と言いながらオールマイトは爆豪に取り付けられていた拘束具のマスクを外した。マスクだけを外したのは暴れないようにする為の措置なのだろう。

 

しかしオールマイトが先程言った言葉は逆効果、爆豪の逆鱗に触れてしまった。

 

「オールマイトォ!!!こんな1番、何の価値もねぇんだよ。世間が認めても俺が認めてなきゃゴミなんだよ!!!」

 

(顔すげぇ・・・)

 

オールマイトは爆豪の顔芸にやや引きながらも、彼の為になるように(無意味だろうが)助言を送る。

 

「うむ!相対評価に晒せ続けるこの世界で不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くはない(顔すげぇ・・・)」

 

オールマイトがそう言うとメダルを抵抗している爆豪の首へと掛けようとする。

 

「受けとっとけよ!"傷"として!忘れぬよう!」

 

「要らねっつってんだろうが!!!」

 

しばらく格闘した後、結果的にメダルを授与する事に成功?しオールマイトは観客達、生徒達へと締めの言葉を送る。

 

 

「さァ!!今回は彼らだった!!!しかし皆さん!!この場の誰にもここに立つ可能性はあった!!!」

 

オールマイトは叫ぶ。

この場にいる少年少女達はヒーローとしての可能性を秘めている事を。

 

「ご覧頂いた通りだ!

競い、高め合い、更に先へと登っていくその姿!!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!」

 

そしてその可能性は無限大であると言う事をオールマイトは伝えるのだ。

 

 

「てな感じで最後に一言!!」

 

 

この場にいる生徒達はこの体育祭に感謝する。

そして、その体育祭もこれで終わる。

 

 

 

 

「皆さんご唱和ください!!!

せーーーーーーーーーの!!!!!!!!!」

 

 

 

そして、彼らは言うのだ。

 

 

 

「お疲れ様でしたーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

 

「プルス━━━」「プルス━━━」「プ・・・え?」「プルス!ウルト━━━」「プル・・・・ん?」「ルス!♪ウルt・・・」「プルスウルトラーー・・・・え?」「プル・・・」「p━━━はい?」「プルス!ウルt━━━」

 

 

「「「そこはプルスウルトラでしょーーーーーーーーーー!!!オールマイト!!!」」」

 

 

「あぁ、いや・・・・・・疲れただろうなと思って・・・・・」

 

 

 

 

 

 

この素晴らしい体育祭に終わりを!

 

 




















某所とある一室━━━━━━━━

そこには1人の男が作業をしていた。




金属製のボウルの中にグチャグチャとナニカをかき混ぜている。かき混ぜるのをいったん止めると、男は側に置いてある液体をドボドボとボウルの中に注ぐ。
再びナニカと共に液体をかき混ぜる。

━━━━べちゃり


時折、かき混ぜている物体が飛び散るが男はそれを気にしない。

男はしばらくナニカをかき混ぜた後、ベタリベタリと物体にナニカを塗りつけていく。
その短い円柱型の物体は次第にそのナニカの色へと塗り潰されていく・・・・・・。そして完璧に塗り潰されると


「〜〜〜〜〜〜♪」


男は鼻歌交じりに塗り潰された物体に真っ赤なモノを一つ一つ丁寧に乗せていく。
その物体は徐々に美しくなり、まるでアート、芸術品のようなモノへと変化を遂げていく━━━━━


━━━ブヂュリ


そして、かき混ぜていたナニカを袋に詰め、絞るようにソレが出てくる。それは一つ一つ、物体の上に乗せられ真っ赤なモノの隙間、物体の側面に綺麗に飾られていく。
すると男は物体の中央部分に何か文字のようなものを刻んでいく。
男の目は真剣の様に見え、楽しそうにも見える。

そして男は作業を終えると

テレビに視線を移す。そこには緑色の鎧を身に付けた戦士が戦っている様子が映し出されていた。



そして男は全身全霊をかけ、大きな声を上げる。

それはまるで何かを祝う様に・・・・・。




「 Happy birthday!!!!!!

Masked Rider 《仮面ライダー》!!!! 」







──────────────────────





読者の皆さん、ここまで読んでくれてありがとうございます。
ぶっちゃけ体育祭編がこんなに長くなるとは思いませんでした。ですが、体育祭編は次回を持って終わりとさせていただきます。


それとお忘れの方もいるかもしれませんが
次回で仮面ライダーを出しても良いかというアンケートも締め切りにさせていただきますので、活動報告の方でアンケートを募集してますのでご協力してくださるとありがたいです。

体育祭編が終わった後は番外編でも投稿しようかな?と思っております。

アドバイス、感想等がありましたら下さると助かります。
評価の方もよろしくお願いします。

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