個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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最近の仮面ライダーエグゼイドの展開が凄くて見逃せない。キャラデザがやだとか言われているが、そんなことはなかったぜ!
て言うか次回予告にあの人がああぁぁぁぁ⁉︎


第15話 単細胞でトップギア

 

雄英体育祭ではヒーローとしての気構えよりもヒーロー社会に出てからの生存競争をシュミレートしている。

ヒーローがひしめく中生き抜くには時に助け合い、時に蹴落としてでも活躍しなければならない。そう、まさに雄英体育祭はヒーロー社会を表しているのだ。

 

これからやる騎馬戦もそうだ。ヒーロー社会に出て、他のヒーローと協力し合う事と同じだ。その場の状況、個性を考えどのようにチームを組むのかが大切なのだ。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「俺と組め!」

 

「爆豪!私と組も‼︎」

 

「僕でしょ!」

 

 

今、俺の前には爆豪くんがA組のみんなに一緒に騎馬を組もうと誘われている。

もちろん、俺も爆豪くんと騎馬を組むつもりだ。爆豪くんの性格がアレなのはA組のみんなも承知の上だ。その承知の上で爆豪くんの個性は魅力的だ。

 

「てめぇらの個性知らねぇ‼︎何だ⁉︎」

 

マジですかい⁉︎なんて言う、自己中心的な・・・。

いや、これはチャンスだ!逆にこちらを売り込みにいけば一緒に騎馬を組んでもらえる!

 

「おーい!轟の奴、即効チームを決めやがったぜ!爆豪!俺と組もう!」

 

轟くん、もう決めたのか。早いな・・・・って切島くんもか!

くそう、全員考えていることは同じってことか。だけど切島くんもいると中々良い騎馬ができそうだ!

 

「・・・クソ髪。」

 

覚えていない⁉︎名前はちゃんと覚えておきなよ!これで名前を覚えているのは緑谷くんだけだよ!アレは侮辱を込めたあだ名だけど・・・・。

 

「切島だよ覚えろ!お前の頭とそんな変わんねーぞ!」

 

す、すげぇ。あの爆豪くんと対等に話し合ってやがる・・・ッ!さすが切島くん!俺たちにできないことをやってのける!

 

「そこに痺れる!憧れるぅ‼︎」

 

芦戸さんが乗って来た⁉︎って言うかどうやって心の中を読んだ⁉︎そんな個性持っていないよね⁉︎

 

「オメー、どうせ騎手やるだろ!そんならオメーの爆発に耐えられる前騎馬は誰だ?」

 

「・・・・根性ある奴。」

 

うん。合っているけど、違う。爆豪くん察してあげて切島くん前騎馬やりたいんだよ。

なんだかんだで天然なところがあるんだなぁ。

 

「違うけどそう!硬化の俺さ!ぜってーブレねぇ馬だ!取るんだろ1000万!他の奴らに勝つんだろ!!!」

 

爆豪くんは切島くんの言葉に笑みを浮かべた。

・・・・・いつの間にか爆豪くんの切島くんへの好感度が上がっているんですけど。

いや、今はそんなことどうでもいい!重要なことじゃない!これに乗じて俺も騎馬に入れさせてもらおう!

 

「おい、緑トカゲ野郎。テメーは駄目だ。」

 

「」

 

「爆豪⁉︎んな直球な!!!」

 

「天倉があまりのことでフリーズしてんぞ⁉︎」

 

 

返事がない、どうやらただの屍のようだ。

すると、爆豪がその天倉《緑トカゲ野郎》に話を続けた。

 

「テメーの個性じゃあ俺たちとの相性は最悪だ。それに短時間しか持たねぇ。だけどな、デクの後だ。デクを倒したらテメェもあの半分野郎も倒す。」

 

そして爆豪は口端を吊り上げながら親指を下に向けて天倉に言い放った。

 

「せいぜい、強い騎馬でも作ってくれや。その方が潰し甲斐があるってもんだからなぁ!!!」

 

爆豪は現時点で天倉を敵と、勝つべき相手と認識した。

これは爆豪から天倉への宣戦布告、挑戦状を叩きつけたのだ!

 

これにより、周りのA組生徒が騒ぎだす。

 

「爆豪の宣戦布告⁉︎すげーな天倉!」

 

「良かったじゃん!いや、どっちか言うと良くないのかな?」

 

「こりゃすげぇことになりそうだな!」

 

ワイワイとほぼお祭り騒ぎ、爆豪は残りの騎馬を探そうとするが、切島があることに気付く。

 

「なぁ、爆豪。さっきから天倉フリーズしっぱなしなんだけど・・・・・もしかして聞いていないんじゃねぇの?」

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

「あ、いたいた。おーい上条くん。無事にゴールしていたんだね。」

 

「お!天倉か。すげーな2位って・・・・・ところで顔面が焦げているけど何があった?」

 

あの後、爆豪くんに何故か顔面を爆破された。全員からはアレは仕方ないと言われた。俺の記憶が飛んでいるときにマジで何があった⁉︎

とにかく、これで強力な個性持ちをゲットだ。上条くんの個性ならほとんどの個性に対応できるはず。

 

次は誰にしよう・・・・・って言うかヤバイA組はもうほとんどっていうか俺を除いた全員が既に誰と組むか決めてしまった。

 

残っているのはB組と普通科の生徒だけか・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うわけなのでそちらから1人誰かを貸してください。」

 

『(大胆だなコイツ・・・。)』

 

今、俺はB組に対して頭を下げている。いや、確かにA組が気に入らないのはわかるかもしれない。けど、こちらもそうは言っていられない。

A組のメンバーと戦うとするなら同じ実力を持つヒーロー科B組の力が必要なのだ。

 

「あれれー、おかしいなー?A組なのにB組に頭下げてるよおかしいなー?僕たちよりも強い筈なのになー?」

 

と、こちらを煽ってくるような言い方をする生徒が来た。金髪碧眼でややタレ目の爽やかなルックスをしている。

だけど、

 

「(・・・・誰だっけ?この人?)」

 

いや、声は聞いたことがあるんだけど、マジでどっかで会ったことがあるのだろうか?

 

「・・・別に協力してあげてもいいよ。僕たちに土下座してくれるならね。」

 

「・・・ッ!お前‼︎」

 

上条くんは金髪碧眼の生徒の胸倉を掴んだ。上条くんは俺の為に怒ってくれているのだ。

彼は自分よりも他人を、友達を大切にする。正義感の強い男なのだ。

 

「なんで、君が怒っているんだい?僕は彼に言ったんだよ。君に言ったわけじゃ「うるせぇ!天倉が頭下げて頼んでんだ!それを楽しんでいるなんて!俺が許さねぇ!」

 

上条は金髪碧眼の生徒に言い放った。そして、それに対して天倉は。

 

 

「すいません。お願いします。」

 

 

と天倉は地に伏せていた。そして、その場の全員、上条を含めた生徒が心の中で叫んだ。

 

 

『『(いや、土下座っていうか五体投地じゃねーーか!!!)』』

 

 

五体投地

 

五体すなわち両手、両足、額を地面に投げ伏して行う最高の敬意を表す礼法。土下座以上の行為である。

別名 接足礼拝《せっそくらいはい》

 

さすがのB組もこれには面くらっただろう。天倉にプライドはないのだろうか?

 

「だったら私が組んであげるよ。」

 

そう言ったのは拳藤だった。しかし天倉は申し訳なさそうに言う。

 

「え⁉︎でもいいの?自分で言うのもアレだけど俺A組だよ。」

 

「いいよ、いいよ。それに天倉は悪いヤツじゃないことは特に私が知っているし。」

 

天倉はその言葉にものすごく感動を覚えた。A組の生徒たちはぶっちゃけ物凄く個性的なキャラばかりでツッコミどころが満載なのだ。

B組もそうなんじゃないかと思っていたが、違う。特に拳藤さんは物凄くいい人物だったのだ。

 

「ありがとう拳藤さん!こんな常識人がいるなんてマジで嬉しい。入学当日の時も親切にしてくれたし、元気もらえるし、明るいし、可愛いし。」

 

「いやぁ、そんなに褒めなくてもさ・・・・ってちょっと⁉︎最後なんて言ったの⁉︎」

 

天倉の最後の一言に気になった拳藤だが、天倉はそんなこと御構い無しに最後の騎馬のメンバーを決めようとする。

最後のメンバーはなるべく連携を取る為、仲の良い人物が好ましい。その為、最初の時に心操の元へ行ったのだが、

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ありがとな、けど悪りぃ。もう騎馬を決めちまった。それに、お前と組むと俺の個性に掛かっちまうからな。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

と言い断ってしまったのだ。その後は爆豪、緑谷という順番で騎馬を組もうとするのだが、爆豪からはあっさり断られ(フリーズしている間に宣戦布告)緑谷は既に騎馬が決まっていた。

 

あとは仲が良いのはA組なのだが、そのA組全員は既に騎馬を組んでしまった。最後の1人は一体どうすれば

 

「ん?まだ決まっていないのか?」

 

天倉の目の前に魔理沙《仲の良い人》が現れた。

天倉はどうする?

たたかう

どうぐ

>はなしかける

にげる

 

 

>ころしてでもつかまえる

 

魔理沙は逃げ出したしかし回り込まれてしまった。

 

「知らなかったのか、大魔王からは逃げられない」

 

霧雨魔理沙は仲間になった!

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

よし、これで全員が揃った。あとは騎馬を組むだけでokだ。まずはこの場にいるメンバーの個性を改めて把握しておかないといけないんだよな。

 

「あれ?なんで私はこんなところに?っていうか無理矢理、仲間にされたような気がするぜ?」

 

そんなことないぜ。何か魔理沙が言っているような気がするがそんなことはないんだぜ。

 

とりあえずこの場にいるメンバーの個性をまとめる。

 

・上条当麻 個性 幻想殺し

右手で触れたあらゆる個性を打ち消す個性。個性によって生み出されたものも打ち消すことも可能

 

・拳藤一佳 個性 大拳

自身の拳を巨大化することが可能。巨大化した拳のサイズは中学生を包み込めるほど

 

・霧雨魔理沙 個性 魔法(?)

ゲームのMPのようなものが存在し、使う魔法の種類によって消費するMPが違う。中には道具がないと使えないものもある。

例 箒などを使って空を飛ぶ 星型の爆竹程度の威力の弾幕をばら撒く 大火力のレーザーを撃つ(道具を通じて使わないと、自身の掌を火傷してしまう)

 

 

ざっとまとめるとこんな感じだ。天倉はメンバー全員に騎馬の構成を伝える。

 

「よし、こうしよう。前騎馬は上条くんにやって欲しい。上条くんの個性なら個性による全体攻撃などを防ぐことが可能だよ。そして右翼は拳藤さんが拳を巨大化させてなるべく敵を近づけさせないように。左翼の魔理沙さんは弾幕で周りの生徒への目眩しと同時に牽制。そして最後に俺が騎手として相手のハチマキをぶんどる!」

 

よし、これでOKだ。あとはどの騎馬を狙って行くかが問題だ。複数の騎馬が一つのターゲットに狙いを定めてしまったら乱戦になるのは間違い無しだ。

 

「あのー、ちょっといいか?別に俺が前騎馬やるのは問題ないんだけど、そうすると俺の右手が拳藤に触れちゃうわけで、それって不味くないか?」

 

あぁ、確かにそれもそうだろう。だが、大丈夫だ。その点を含めてパワー系の拳藤さんを右にさせてもらったのだ。この場合は上条くんの右手は自由にさせてもらうために右は拳藤さんだけでバランスを保たなければならない。

そのことを全員に伝え、大丈夫か?と聞いておく。これはあくまで俺が考えた案なので俺だけが決めていいことではないからだ。

 

「よし、わかった。天倉の言う通りにしよう!」

 

「今の所それがベストっぽいしね。」

 

「足場は任せておくんだぜ!」

 

とどうやら全員OKらしい。なんと言うか嬉しいな。俺の案をすんなり受け入れてもらえて。

 

「でも、騎手で大丈夫なの?聞くと、個性を使える時間がもう残り僅かみたいだけど?」

 

「大丈夫!伊達にこの2週間、修行はしていないよ。」

 

「心配すんなって拳藤。コイツ《天倉》の関節技はやばいぜ。くらった私もそうだが、マジで骨が折れるところだったぜ。」

 

拳藤さんはやや引いたような表情を見せた。

失敬な、アレは魔理沙さんが俺の唐揚げを何度も盗もうとしたからアームロックをかけただけだ。自業自得だ。

 

と言うわけで騎馬の構成も決まった。あとは相手よりも多く、ポイントを奪うだけだ!

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

『さぁ、上げてけ閧の声!!!血で血を洗う雄英の合戦が今!』

 

ついに始まった。雄英体育祭本戦。

 

『狼煙を上げる!!!』

 

周りの騎馬を見るとぶっちゃけ物凄く強そうだ。

 

爆豪くんは凡庸性の高い個性持ちばかりで隙がないし、轟くんの騎馬は全員実力者揃いだ。緑谷くんたちも何やらゴテゴテした物を装備しているし・・・・。

 

『よーし、組み終わったな⁉︎準備はいいかなんて聞かねぇぞ‼︎』

 

言っちゃうと、今にもピリピリした雰囲気の中、プレッシャーで押し潰されそうだ。上条くん、魔理沙さん、そして拳藤さんの期待も俺が背負っているのだ。

 

『いくぜ!残虐バトルロイヤル!カウントダウン!』

 

だからと言って負けていられない。きっとこの場の全員は俺と同じことを考えている。

 

『3』

 

いきなり、全員が緑谷くんのポイントを集中して狙うのはさすがに無いだろう。

ここは日本最難関の雄英高校。全員がそんな単純な訳がない。

 

『2』

 

だとしても!負けられない!!!俺の為に!ヒーローになる為に!拳藤さんとの約束を果たす為に!!皆に挑戦する為に!!!

 

『1』

 

皆!!!ひとっ走り付き合えよ!!!

 

 

『START‼︎』

 

そして、ほぼ全員が緑谷に向かって走り出していた。

 

 

とりあえず一言だけ言わせて欲しい。

 

 

ほぼ全員が

 

 

 

単細胞でトップギア

 





〜〜〜〜心操の心情〜〜〜〜

「俺とか・・・・・・・?」

「うん、そうだよ。」

こいつの名前は天倉孫治郎、初めて会ったのが食堂だ。こいつの食欲と考え方にはいつも驚かされる。
コイツが俺の個性のことを聞いた時もそうだ。

『かっけぇ⁉︎なんかコード○アスの絶対遵守みたいじゃん!ル○ーシュなの⁉︎』

あいつはまるで自分の事のように喜んでいた。こいつはもしかして馬鹿なのだろうか・・・?
だが、悪い気はしなかった。初めて俺の個性をかっこいいと言ってくれた。
そして、今も。

「友だちと一緒にやると連携も取れるし、何より楽しいじゃん!」

「・・・・・・・・・・。」

そして、分かった。こいつは俺を個性とか関係無しに"友だち"として接してくれているんだ。
俺はこいつと一緒にヒーローを目指したい。そう思ったんだ。

だからこそ・・・・・。

「ありがとな、けど悪りぃ。もう騎馬を決めちまった。」

「えぇー、マジかぁ最初に決めていたんだけどなぁ。」

だからこそ。俺はお前にも挑戦したいんだ。

「それにお前と組むと俺の個性に掛かっちまうからな。」

今の俺じゃあ、お前と同じ土俵に立つ事は出来ない。
だから俺もそこへいく為に勝ち進む。俺が憧れていた場所、俺を認めてくれた奴がいる場所に。


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