個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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今までのあらすじ。

カ○ーユ

俺を踏み台にしたぁ⁉︎

クラスメイトからの罵倒

パパヲヨクモーーーーー!!!by仮想敵K

ボッシュートになります。




第14話 騙し討ちは奇襲にて最強

 

悲鳴が所々に響き渡る。そして己が求めていたものが無慈悲に暗闇の底へと落とされていく。

それを見ている者たちは次は自分の番だと怯える。

 

「やめてください天倉さん!そ、その【ドジを踏まない生き方】を手放すのはやめっ・・い、いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

「やめろぉ‼︎天倉!【学食一年間無料券】を返してくれ!もう、インデックスの食費で家計が火の車にぃ!あ、ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ちょっ!天倉くん!私の【おしるこ】ってああああぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎食われたぁ⁉︎」

 

そして、悪魔の手はこの少年にも襲い掛かる。天倉が次の狙いを定めた。その綱にいたのは緑谷出久だ。

 

「こ、これだけは渡せない!【オールマイト学生時代日誌】だけは!!!」

 

緑谷は【オールマイト学生時代日誌】を大事そうに抱きかかえる。しかし、不安定な綱の上。緑谷の手元からあっさりと日誌は奪われてしまった。

 

「あ、天倉くん!君には分かるだろ!その日誌がどれ程の価値があるのか!!!あの誰もが憧れるオールマイトの学生時代の頃のものだ!僕にとってソレはオーパーツに匹敵する程の大事な物なんだ!だから・・・・!」

 

緑谷の必死の抵抗。天倉は緑谷に笑顔を見せる。

 

「感動的な台詞だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、無意味だ。 」

 

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

絶叫、それと共にオールマイトの学生時代日誌が谷底へと、暗闇へと消えていく。そして、緑谷は手を伸ばすが日誌に届くことはなかった。

そして、彼に残るのはただ、虚しい気持ちだけだった。

 

 

 

『何だこれ。』

 

相澤先生はこの茶番劇にただ、呆れるしかなかった。この場合天倉は正しい行動をしている筈なのだが、どう見ても天倉が加害者で他の生徒が被害者に見える。

 

そして天倉はショックを受けている生徒達を無視するかのように前へと進んでいく。

すると、天倉のすぐ横に並走するものが現れた。霧雨魔理沙だ。さきほどまで吊るされていた物を勝手に取っていたが、どうやら取り尽くしたらしい。

 

天倉は個性を生かした跳躍力で次々と谷を越えていく。一方魔理沙は個性のおかげなのか、第一関門で破壊されたロボの部品を箒代わりに使い、空を飛んでいる。

天倉は魔理沙から差をつけようとするが、それでもなお魔理沙は天倉に食らいつくように追いかける。

 

天倉の個性は長時間は使用はできない。だが、個性を解除すれば魔理沙や他の生徒に追い抜かれる可能性がある。

特に空を飛ぶこともできる魔理沙をこのまま放っておけば、1位を取られてしまうかもしれない。

 

「道草を食っちまったが、1位は取らせてもらうぜ!」

 

「(どうする、そろそろ4㎞も近くなってきた。妨害、と言ってもさすがに直接攻撃は駄目だろ。何か手は・・・・・・あ。)」

 

天倉は何か思いついたような顔をした。するとすかさず魔理沙に声をかけた。

 

「魔理沙さん。僕が落とした物を全て拾いましたか?いくつか落としたんじゃないんですか?」

 

「おう?まぁ、バッチリ全部拾った筈だぜ。えーと、」

 

魔理沙は天倉に言われ、懐からガサゴソと拾った(盗った)物を取り出す。ちなみに箒(ロボの部品)は片手で操作をしている。

 

「えーと、あった。これはオールマイトの日誌だな。そして13号先生の素顔写真に、学食券、イレイザーヘッドの寝顔集・・・・これはいらないな。最後に・・・・・・っ⁉︎」

 

最後に取り出した物は峰田が求めていた物。エロ本である。ちなみに"ジャンルは魔法少女"しかも、表紙の絵には魔理沙に似た裸に近い状態でキャラが過激なポーズをしている。

 

「う、うわああああああぁぁぁぁぁぁ‼︎⁉︎?!!‼︎??なっ、ななななななんだコレエエエエエェェェェェ⁉︎」

 

そして、こういったものには縁がなかったのか、もしくはエロ本の表紙の絵に自分そっくりのキャラが描かれていたか、理由はわからないがとにかく魔理沙はものすごくテンパっている。

 

そして、混乱してしまった為箒(ロボの部品)の操作を誤ってしまい、魔理沙は箒から落ちる、そして運が良かったのかちょうど下には地面があったので何とか着陸はできたらしい。

しかし、魔理沙は顔を赤くしたまま両手で顔を隠して動かない状態になっていた。

 

『おーーーっと‼︎霧雨魔理沙、墜落〜〜〜⁉︎さすがにそっちの耐性は無かったのか〜〜〜〜〜⁉︎男勝りな性格して、そこは純情って中々の乙女なんじゃねぇのか‼︎えぇ⁉︎』

 

「うっ、うるせええ!そ、そういうんじゃないんだぜ!うう・・・・天倉ァ!ゆっ、許さねぇぞ!」

 

天倉は魔理沙の言葉を無視し、先に進む。天倉は魔理沙にそういうものは効くのかどうかわからなかった。一か八かの賭けだった。そして結果は予想以上である

まさか、あんなに動揺するとは思わなかった。と天倉が思っていると、最後のコースに到着した。

そこはかなりの広さを持つコースだが、普通とちがう点は前にいる生徒たちの足元が所々で爆発していることだ。

 

最終関門一面地雷原 怒りのアフガニスタン地雷の場所はよく見ればわかるが、避けながら行くのは中々難しいところだ。

天倉は全身に個性を発動し、スタートの時と同じようにクラウチングスタートの体勢をとる。

 

「(ここが、最終関門。だが、おそらくこの後も競技が控えている。だけど、先頭のあの2人に並ぶには直線コース+地雷回避が重要だ。俺の個性によって視力が強化されるから何とか避けれるかもしれないけど・・・・・。)」

 

天倉の頭の中にどんどん考えが浮かぶ。だが、先頭はただ前に進んでいるだけで何も変わっていない。

 

「考えるのはヤメだ!動いてから考える!!!」

 

天倉は走り出した。そして、最初に大きく跳躍し安全な着地点を探す。地雷のない場所に着地したら、もう一度跳躍する。そして着地する。これの繰り返しだ。

 

天倉の強靭な脚力により、どんどん前にいた生徒たちを追い抜いて行く。そして、先頭にいる2人である轟と爆豪に追いつく。

 

「っ!巻き返しただと‼︎」

 

「くそっ邪魔だ!緑トカゲ野郎!!!」

 

轟から氷、爆豪から爆破、2人から同時に妨害されるが天倉は難なくそれを回避する。

 

だが、天倉は身体に異変を感じていた。先程から脱力感を少しづつ感じていたのだ。

ゴールするまでのエネルギーはまだ余裕があるが、問題は轟と爆豪が妨害してくる為、エネルギーをかなりの勢いで消費してしまうかもしれないのだ。

だが、天倉はいや、3人は己の為に負けられないのだ。

 

「(こいつらには)」

 

「(ぜってぇ‼︎)」

 

「(負けて・・たまるかぁっ!)」

 

瞬間後方から巨大な爆発が起きる。その爆音、光によって3人は一旦足が止まってしまう。

 

「何だ⁉︎」

 

「ぐぁっ!目が・・・眩しいっ!耳も痛みが・・・!」

 

何故か天倉にはダメージが入ってしまうが。そんなことはどうでもいい。後方から何かが猛スピードでやってくる、それは

 

『A組 緑谷 爆発で猛追ーーーーーーっつーーか‼︎抜いたぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

「デクぁ‼︎俺の前を行くんじゃねぇ‼︎」

 

「後ろを気にしている場合じゃねぇ・・!」

 

「ウオオオオオオオォォォォォォォ!!!」

 

3人は自分たちを追い抜いた緑谷を追いかける要領でスピードを上げた。爆豪は爆発の反動を使って、轟は氷の道を作って上手に滑りながら走り、天倉は力任せにただ走る。

 

だが、緑谷はこれだけでは終わらない。ボート代わりに使っていたロボの装甲の一部を振り下ろし、地面に叩きつける。

 

カチ、カチ、カチッ!

 

そして再び爆発が起きる。緑谷は爆発を利用し、反動で一気に前へと出る。それとは逆に天倉は爆発をもろに受けてしまった。

 

「あっつ!!!??」

 

爆豪と轟はその爆発を何とか避けることができた。そして、再び走り始めたのは天倉だった。

残りの2人も天倉に気づくと後を追うように、走り始めた。

そして・・・・・

 

『さァさァ序盤の展開から誰が予想できた⁉︎今、1番にスタジアムに帰ってきた男 緑谷出久の存在を!そして、次々とゴールインだ!』

 

1位 緑谷

 

2位 天倉

 

3位 轟

 

4位 爆豪

 

 

 

トップを争った4人の結果が出た。

轟と爆豪は悔しそうにしている。2人とも負けたくない相手に負けてしまったのだ。それに対して天倉は嬉しそうに緑谷を褒める。

 

「さすが、緑谷くん凄いよ!まさかあんな逆転劇を見せてくれるなんて!」

 

「あ、天倉君の顔から煙が⁉︎」

 

天倉の顔面に煙がブスブスと立っていた。緑谷が地面を叩きつけた際の爆発が天倉の顔面を直撃したのだ。だが、緑谷には悪気は無いはずだ。

・・・・・多分。

 

「デクくん、天倉くんもすごいねぇ!・・・って顔面から煙が⁉︎」

 

麗日も少し遅れてやってくる。その後ろには飯田もおり、自身の個性と最初の競技の関係について悔しそうにしている。

 

「やってくれたなこのバカーーー!!!」

 

と先程、ゴールインした魔理沙が天倉の背中にドロップキックをしてきた。顔を真っ赤にしてご立腹の様子だ。

 

「よっ、よくも乙女の純情を・・・!」

 

「乙女の純情?ってそんなことよりも天倉くん!酷いよ!私のおしるこを目の前で食べるなんて!」

 

「いくらライバルだとしても、妨害行為は卑怯じゃないか!!!」

 

上から魔理沙、麗日、飯田の順で天倉に詰め寄る。天倉の行為による被害者は多数だ。今もなお恨んでいる者もいる始末である。

 

「い、いやごめん。おしるこはお腹が空いて美味しそうだったからつい・・・・。って言うか、そんな罠に引っかかっている方が駄目でしょうに!」

 

天倉が言い訳をしていると、順位の結果発表が終わりミッドナイトがステージに立ち、話し始める。

 

「予選、通過は上位42名‼︎残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は用意されてるわ‼︎そして次からいよいよ本選よ!ここからは取材陣も白熱してくるよ!キバリなさい!!!」

 

ミッドナイトがそういうと、ステージにある巨大なモニターに文字が映し出される。

予選の時と同じく、本選の競技が発表されるのだ。生徒たちはドキドキしながらモニターに注目する。

 

「コレよ‼︎」

 

映し出されたのは"騎馬戦"お互いがライバルなるこの大会に協力し合う競技が出てきたことに生徒たちは戸惑いを感じ始める。

 

ミッドナイトは騎馬戦のルールを説明する。

・参加者は2〜4人のチームを自由に作る。

・ルールは普通の騎馬戦と同じだが、違うのは先程の障害物競走結果によって個人に与えられるポイントが存在する事。

・ポイントは下から5pずつ与えられる

・制限時間は15分

・ハチマキを奪われる、騎馬が崩れてもアウトにはならない。

・そして1位には1000万pという破格のポイントが与えられる。

 

最後のルールを耳にした瞬間、緑谷以外の生徒たちの目が獲物を狙うような眼に変わったのだ。

緑谷の周りには敵ばかり。1位は上に立つ者と同時に狙われる者となるのだ。

そして、これから始まる戦いの運命を決める交渉タイムが始まる。制限時間は15分。その間に生徒たちはお互いの個性と相性を考えチームを作ることになるのだ。

 

「緑谷くん・・・。俺は爆豪くんや轟くん、そして君にも負けたくない。だから・・・・・恨みっこなしだ!」

 

天倉は拳を突き出す。

 

「・・・・・!・・・うん!」

 

緑谷も天倉の拳に合わせて自分の拳を突き出し、くっ付ける。すると、天倉が緑谷のおでこに手を伸ばす。

 

「?天倉くん?」

 

「餞別だ・・・・受け取れ。」

 

と、天倉は魔理沙から奪った捨てたはずのオールマイト日誌を渡した。

 

「あ、天倉くん⁉︎これって・・・・!!!ありがとう!天倉くん!」

 

「いいさ、そしてもう一つ。」

 

天倉は緑谷のおでこに指をつける。そして、

 

 

「あの爆発はマジで痛かったぞ。」

 

 

柔拳 八卦掌 ズドォッ!!!

 

 

 

騙し討ちは奇襲にて最強

 





アンケートが1日で沢山来て物凄く驚きました。これを見て皆さん見てくれているんだなぁ。と思いました。皆さん本当にありがとうございます!

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