個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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やっぱり僕はシリアスよりもギャグの方が合っていると思うこの頃。やっとシリアスから抜け出せたので一安心。

ギャグなら任せろー バリバリ
あっ、でもやっぱり不安です、ちゃんとできるかなぁ。



雄英体育祭編
第11話 この日、俺は大事な何かを失った


 

「天倉少年⁉︎いつの間に!」

 

「?あの脳丸出しの敵が再生した辺りからですけど?」

 

天倉は脳無が右半身を再生させていた時から皆のちょっと後ろ辺りにずっといたのだ。

ただ、全員はそれどころじゃなかったので気付くことはできなかった。

 

「天倉くん!怪我は大丈夫なの⁉︎それに個性の使い過ぎでもう、エネルギーは。」

 

ありとあらゆるヒーローの個性を纏めることが趣味の緑谷はクラスメイトの個性についてもある程度だが纏めている。

そして緑谷は天倉の個性は強力な分、エネルギーを大量に消費することを知っている。

 

しかし、天倉は大丈夫だとジェスチャーを送る。

 

「大丈夫、それに俺だってヒーローなんだ。轟くん、爆豪くん、切島くん、緑谷くんだって怪我をしていても、俺みたいに諦めたりしないはずだから。」

 

天倉にも意地があった。たとえそれが愚かな行為だとしても、敵の目の前で逃げることはできない。ヒーローとして負けられないんだと。

 

「天倉くん・・・・・・。」

 

緑谷は勘違いをしていた。

彼もまた自分と同じだ。轟たち同様にヒーローとしてここ《雄英高校》に来ているのだと。

そして緑谷は天倉に声をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっちは僕じゃなくて、かっちゃんなんだけど。」

 

「トカゲ野郎コラ‼︎デクと間違えんじゃあねぇ!!!」BOOM!

 

訂正。ダメだった。

 

現在、天倉は血が流れ、極度の空腹状態になり、頭に血が回っていない状態だ。

そもそも怪我人が戦ってはいけない。そう判断し、轟は天倉を下がらせる。

 

「オッ、オールマイト!俺も戦えますよ!」

 

「あぁ、わかった。お前がヤバイ状態だったことはわかったから、とりあえず休んどけ。(こりゃ重症だな)」

 

しかし、死柄木はチャンスだと思った。オールマイト程ではないが子供たちも厄介な存在になる。特に先程まで脳無と戦っていた子供は現在弱っており、今ならば確実に息の根を止めることが可能だ。

 

「脳無、黒霧やれ、俺は子供をあしらう。さて.........クリアして帰ろう!」

 

「おい来てる、やるっきゃねぇ!」

 

「トカゲ野郎は戦えねぇ!引っ込んでろ!」

 

「(ッ‼︎かっちゃんが天倉くんを気遣った⁉︎敵の狙いは天倉くんか‼︎)」

 

オールマイトと脳無の拳がぶつかり合った瞬間強力な突風が生まれる。

お互いの拳の衝撃でこの突風が作り出されているのだ。

 

「"ショック吸収"って...さっき自分で言ってたじゃんか。」

 

そして、オールマイトと脳無のラッシュが始まる。この場にいる全員には2人の拳は捉えることができない。そして衝撃による風も荒くなる。

しかしオールマイトのラッシュのスピード、手数が徐々に脳無のラッシュを上回っていく。

 

「"無効"ではなく"吸収"ならば‼︎限度があるんじゃないか⁉︎私対策⁉︎私の100%を耐えるなら‼︎さらに上からねじ伏せよう‼︎」

 

オールマイトのラッシュにより、脳無の体勢が崩れる。そしてすかさずタックル、アッパー、浮かんだ瞬間腕を掴み地面に叩きつける。

 

「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!敵《ヴィラン》よこんな言葉を知っているか⁉︎」

 

そして、彼は右手を上に突き出し自身の全パワーを集中させるようにして目の前にいる敵《ヴィラン》に腰が入った拳を叩き込む。

 

「さらに向こうへ! P u l s U l t r a !!! 」

 

 

脳無はUSJの天井を突き破り、雲を抜け、ついには見えなくなってしまった。

 

彼はオールマイト、平和の象徴にして常にピンチをぶち壊すヒーローだ。

 

「・・・・漫画かよ。ショック吸収を無い事にしちまった。究極の脳筋だぜ。」

 

「デタラメな力だ・・・再生も間に合わねぇ程のラッシュってことか・・・。」

 

「というか、敵が星みたいに飛んでいった・・・・。」

 

爆豪と轟は実感した。これがトップ、これがプロの世界、そしてこれがオールマイトの力なのだと。

 

「やはり、衰えた。全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに、300発以上も撃ってしまった。・・・・・さてと敵、お互い早めに決着つけたいね。」

 

「(ち、チートがここにいる・・・・。)」

 

天倉は心の中で全盛期のオールマイトの実力にツッコミを入れる。

 

「全っ然弱ってないじゃないか!あいつ......俺に嘘を教えたのか⁉︎」

 

「(・・・・あいつ?協力者がいるのか?)」

 

天倉は死柄木が呟いた言葉を聞き逃さなかった。そして轟と切島が天倉を支えるようにして、歩くのをサポートする。

 

「さすがオールマイト、俺たちの出る幕じゃねぇみたいだな・・・。」

 

「緑谷!ここは退いた方がいいぜもう、却って人質にされたらヤベェし・・・。」

 

切島は緑谷に下がろうと呼びかけるが、緑谷が反応しないことに天倉は違和感を感じる。

そして、オールマイトの周りに何やら煙のようなものが出てきている?アレは一体何だろうか・・・と不思議に思っていると緑谷が急にオールマイトと敵に向かって飛び出した。

 

そして天倉は緑谷が苦痛の表情をしているのに気付く。足が折れている、個性を使用したのだと理解できた。

そして、ワープゲートから死柄木の手が伸びているのに気がつく。

 

「がグッ!んぐっぐっ!ごめん2人とも!」

 

天倉はどこから取り出したのか棒状の携帯食料を口に入れ個性を使用し天倉も飛び出した。

天倉は個性を発動し、緑谷を庇うようにして敵に触れられないようにした。

 

瞬間、天倉の背中に激痛が走った。しまった触れられてしまったと理解した。

それと同時に個性を発動した状態の天倉の背に生えている刃状の背ビレによって死柄木は掌を切り、血が出る。

 

「一矢・・・報いてやった・・・ぞ。」

 

天倉はそう言いながら目の前が暗くなった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

夢の中だろうか?周りは真っ白で何もない部屋だということがわかる。

そして夢の中でもものすごく腹が減る。

 

「(ま、まずい。ものすごく腹が減った・・・・な、何か食べるものはないだろうか・・・。)」

 

相変わらずの食欲をした天倉の目の前に肉料理が出てくる。その瞬間、天倉はダッシュでその肉料理に手を伸ばし、すぐにむしゃぶりつく。

すると、その肉料理から味わったことのない珍味が口の中に広がる。

天倉はさらに食べていく。

 

悪くない味だ。

しかし何でだろうか、どうしてこんなに

 

悲しい気持ちになるのだろうか。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

そして、また目が醒める。今度は見知った部屋だ。雄英高校の保健室だ。

とりあえず俺は鬱憤を晴らすかのように叫ぶ。

 

「なんてベタな夢のさめ方⁉︎」

 

と叫ぶと隣から焦ったような声が聞こえる。緑谷くんとオールマイトの声だ。

ちょうどカーテンが仕切っていたのでそのカーテンを開ける。

 

「あっ⁉︎あ、あああ天倉くん⁉︎よよよ、良かった⁉︎ぶぶぶ無事で‼︎べっ別に何か変な相談とかしていないからね⁉︎」

 

いや、そっちがどうしたんだ?ものすごく動揺しているけど、ってあれ?緑谷くんの隣にベットがある・・・。布団も膨らんでいるし。

もしかしてオールマイトか?

 

「もしかしてそこにいるのはオールマイト?」

 

「そっ・・・HAHAHA!そっその通り!天倉少年!どうやら目が覚めたみたいで良かった良かった!」

 

と布団の中にくるまりながら言う。何で布団にくるまっているんだ?そもそも

 

「なんかオールマイト、小さくなっていませんか?」

 

「⁉︎・・・・・・・き、気のせいじゃないかな!天倉少年!君は疲れているんだよ!とりあえずリカバリーガールが処置をしておいてくれたから、あとは栄養を取ればいいらしいぞ!皆すでに家に帰ったらしいから君も親に心配をかけないようにもう帰った方がいいと思うぞ!あっ!でも帰れたらだからあまり無茶をせずにな!」

 

なんか早口言葉みたいになっているし・・・、まぁいいか。今日はもう、帰ろう。

と緑谷くんと布団にくるまっているオールマイトにさよならと言う。

 

 

 

 

 

 

 

校門から出るとそこにはパトカーなどが大量に停まっており、どれほどのことが起きたのか再認識させてくれた。

 

そして、パトカーに混ざって一台だけものすごく目立つ車があった。

 

「・・・・何だこの車?」

 

パトカーに混ざって一台だけ派手な車があるのだ。しかも、赤と黒のカラーリングで形状もパトカーと比べてシャープであり、タイヤも4つではなく6つだ。

 

「・・・・絶対パトカーじゃぁないだろ。コレ」

 

《何故分かった⁉︎》

 

いや、そりゃあ見れば誰だってわかると思うけど・・・・・?あれ?さっき俺じゃない別の人の声が聞こえたような・・・。

 

「ーーーー?おかしいなどこにもいないぞ・・・。」

 

確か、この車から聞こえてきたような・・・。

俺はこの車の隅々を調べる。

 

《まっ、待ちたまえ!トライドロンにベタベタと触らないでくれ‼︎》

 

「キェェェェェアァァァァァシャァベッタァァァァァァァァァ⁉︎」

 

車がシャァベッタァァァ⁉︎どうなっているんだコレ⁉︎というかトライドロンってどんな名前だよ⁉︎

 

「おっおい⁉︎何やってんだよ⁉︎」

 

と、振り向くとそこには1人の刑事さんがいた。何やら変なバンドを着けているのが目につく。何だアレ?

 

「ほらっ、勝手に触っちゃダメ・・・・って君?もしかしてヒーロー科の生徒?」

 

「そ、そうですけどそれが何か?」

 

どうしたんだこの刑事さん?というかもしかしてこのスポースカーの所有者ってこの人?なんて言うか、趣味全開って言うか。

 

「そうなの⁉︎あんな大怪我だったのに⁉︎」

 

《全身打撲、筋肉裂傷、右足と背部を割創、更には極度の空腹状態により、衰弱していたと聞いていたが・・・。》

 

そんなに⁉︎よく生きていたなオレ‼︎

というかそう言われると、ものすごく腹が減ってきた。や、やばい減りすぎてなんか目が回ってきた。

 

「だ、大丈夫か?とりあえずこれ食え!ほらキャンディーだ。」

 

刑事さんが飴が入った袋を渡してくれた。ありがてぇ、ありがてぇ、早速袋をもらい。そこから一掴みしてキャンディーを食べる。お、ミルキーな味わい。うまい‼︎

 

「お、俺のが一瞬で・・・・しかも包み紙のまま・・。」

 

《何と言う食欲⁉︎ヒーロー科にはこんな者もいたのか・・・。》

 

「んぐ、んぐ。・・・さっきからするこの声って誰なんですか?」

 

さっきから自然に会話しているが本当にどこから喋っているんだ?というかマジで腹減った。仕方ない、帰りにタコ焼きでも食べに行くか。

 

「あ、あぁベルトさんのこと?あーーー・・・どうする?ベルトさん?」

 

《いや、私に聞かれてもだね・・・・。そこは気にしないでほしいということにしてくれたまえ。》

 

「アッハイ。わかりました。」

 

よくわからないが、あまり検索しないことにした。これ以上質問しても意味がないようなので俺はそろそろ帰ることに

 

「あっ、ちょっと待った。君にはまだ事情聴取をしていないんだ。」

 

《その通りだな。君の名前は何と言うんだ?こちらも刑事である以上自己紹介はするが。》

 

「(・・・片方はベルトだけどね)天倉 孫治郎と言います。」

 

《そうかそうか・・・ん?天倉?どこかで聞いたような・・・。》

 

その後ある程度したら、事情聴取が終了し無事に家に帰ることができた。

母さんは相変わらず、いつものようにご飯を作っておいてくれていた。だが、俺を信じてくれているとかが母さんの良いところだ。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

敵の襲撃した日の翌日。

 

俺が教室に入ると皆がおぉっ!と詰め掛けてくる。

 

「天倉っ!オメェもう大丈夫なのか⁉︎てっきり休んでくるのかと!」

 

「よく死んでなかったな、不死身かよ⁉︎」

 

「良かったー‼︎本当に!運ばれていたとき、背中と足から血を出しながら痙攣していたからもうダメかと思ったよー!」

 

よく死ななかったな‼︎マジで!!!

俺ってそんなに重症だったのかよ!!!無事だったことにある意味恐怖覚えるわ‼︎

 

「まるで不死鳥のようだな・・・。神に見放されたと思いきや死神にも見放されたとは。」

 

おい!常闇くん!そう言うのやめーや!なんかすぐ後ろに斬魄刀を持った死神に狙われる気がするんだけど‼︎

 

やれやれ。本当に良かった。前回までシリアス続きだったけどなんかこう、和やかな雰囲気が戻ってきたって感じがするよ。

 

「天倉くん‼︎本当に大丈夫なの⁉︎あっでも、確かに個性の応用なら自身の再生能力を高めて一気に傷を治癒することもできるし、そもそもリカバリーガールの治療もあったことだからそれによってブーストされて・・ブツブツブツブツ」

 

 

な、なんか緑谷くんが怖くなってきた。そこまで分析されると、個人情報まで解析されるんじゃないかとヒヤヒヤする。

 

「皆ーーーー‼︎朝のHRが始まる‼︎席に着けーーーー!」

 

「全員着いているよ。とりあえず、飯田くんも席に着けば?」

 

俺がそう言うと渋々自分の席についていった。なんか堅すぎるって言うか何と言うか。

と、思っていると相澤先生が教室に入ってくる。

 

「お早う。」

 

全身包帯グルグル巻きで。

 

『相澤先生、復帰早ええええええッ⁉︎』

 

な、なんというプロ精神。よく来ようと思ったな・・・。

まぁでも、先生が無事で本当に良かった。

 

「俺の安否はどうでも良い。何より戦いが終わってねぇ。」

 

その言葉に俺を含めた生徒全員がざわめく。

 

「戦い・・?」

 

「まさか・・・。」

 

「まだ敵がーーーーー⁉︎」

 

 

「雄英体育祭が迫ってきている。」

 

俺はその言葉にずっこけると同時に、切島くんが叫ぶ

 

「クソ学校っぽいものきたぁぁ!!」

 

「ま、待って待って。」

 

「敵に侵入されたばかりなのに大丈夫なんですか⁉︎」

 

上鳴くんと耳郎さんの質問に相澤先生は逆に開催することで雄英の管理体制がバッチリだと証明するらしい。それと警備は定年の5倍だというのだ。

いや、だとしても

 

「そこはやっぱり中止した方が良いんじゃないですか。ぶっちゃけあんな戦闘はこりごりだし。」

 

「え・・・天倉くん"雄英体育祭"見たことないの?」

 

「?・・・・大体5月あたりの番組表にそれが生放送でやるのは知っているけど、見たことはないな。」

 

すると、クラスの空気にピシリという擬音が出るくらいに場の雰囲気が固まった。

あれ?皆どうしたんだ?

 

「天倉、お前その時期はいつも何してんだ?」

 

轟くんが質問してきた。その時はいつも知り合いと一緒に山籠りで身体を鍛えているけど。

 

「山籠り⁉︎男らしいな!・・・じゃなくて!」

 

相澤先生が説明する。

 

雄英体育祭は日本ビックイベントの一つであり、そして日本に於いて「かつてのオリンピック」に代わるのが【雄英体育祭】

 

だというのだ。

・・・・・・そんなに大事なビックイベントだったの!!!??

 

「当然、全国のトップヒーローも観ますのよ。スカウト目的でね!」

 

うごごごごごご、ぷ、プレッシャーがどんどん襲いかかってくる・・。

 

「時間は有限。プロに見込まれれば、その場の将来が拓けるわけだ。年に一回・・計三回だけのチャンス ヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ。」

 

・・・コフッ(吐血)

 

 

<天倉が吐血した⁉︎

 

<どんだけメンタル面弱いんだよ⁉︎

 

<戦闘はあんなに強いのに・・・

 

 

 

 

ーーーー昼休みーーーー

 

 

 

 

や、やばい。どうしよう‼︎知らなかった。そんなに大事なビックイベントなんて知らなかった!!!そもそもその頃の時期の俺はヒーローになろうとは思わなかったんだよ‼︎

やべえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!どうする!俺⁉︎

しかも残り2週間!!!

 

 

「天倉くん・・・。」

 

「え、何?麗日さn」

 

「わ"た"し"か"ん"は"る"う"う"う"う"う"う"う"!!!」

 

何が起きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎

こっちはタダでさえ情報が少なくて混乱しているっていうのに、なんで麗日さんまで混乱しているんだよぉ⁉︎

 

 

あーーーもう、仕方ない。こうなったら飯でも食べて落ち着くしかない。マジで

俺は食堂に行く途中、轟くんを見かけた。話しかけると、

「あの2人の関係、詮索しない方がいい気がしてきた・・・。」

と何やらショックを受けているようだった。

 

 

食堂に行くと何やら周囲から目線を感じる。とりあえず唐揚げ定食を手に持ち、一体なんだろうか?と考えていると、

 

「よぉっ!昨日は災難だったな。おっと、ソレ貰うぜ。」

 

話しかけてきたのは魔理沙さんだった。あと、唐揚げを奪おうとした手を叩いておいた。

 

とりあえず魔理沙さんに周囲からの目線と雄英体育祭についての話をすると、

どうやら敵に襲撃された1-Aヒーロー科の視察らしい。雄英体育祭では周りがライバルになるというのだ。

 

雄英体育祭についてのルールはある程度、魔理沙さんに聞いたが、ライバルになるかもしれないのにどうしてここまでするのか聞くと

 

「私の目的はあくまで個性を極めることだ。体育祭はただの通過点に過ぎないんだぜ。」

 

だというのだ。一度そんなセリフを言ってみたいものだ。魔理沙さんに元気を貰ったので10回ほどお代わりをして体育祭で良い結果が残せるように頑張ろうと思った。

 

あと、唐揚げを何度も奪おうとしたのでいい加減にアームロックを掛けて黙らせておいた。

 

 

 

ーーーー放課後ーーーー

 

 

 

教室から出たいのに。出れないでゴザル。

 

これも視察か・・・・と思っていると爆豪くんが前に出る。

そして

 

「意味ねぇからどけモブ共。」

 

おおおおおおおおいいいいいい!!!何やってんのおおおお⁉︎何挑発してんのおおおお⁉︎

 

すると、奥の方から人混みを掻き分けてやってきたのはなんと心操くんじゃあないか‼︎

 

「ヒーロー科に在籍する奴は皆こうなのかい?こういうの見ちゃうと幻滅するなぁ。」

 

「あぁ⁉︎」

 

やめろ‼︎こんなところで喧嘩するのはやめて!!!巻き添えを食らう未来しか思い浮かばないんだけど!

すると心操は話を続ける。

 

「体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科の編入も検討してくれるんだって、その逆もまた然りらしいよ。」

 

なん・・・・だと。

や、やばい本格的にやばい。さっきの10倍プレッシャーがかかってきた・・・。

 

「あ・・・ああ"しっかり"しているぜ‼︎」

 

「そうだよいつだって"しっかり"だよ‼︎」

 

だ、駄目だこいつら早くなんとかしないと・・・・。心操くんまで呆れている。

まぁ、つまり宣戦布告しにきたと解釈すれば良いのだろうか?

ていうか大胆だな。

 

「隣のB組のもんだけどよぉ!敵と戦ったっつうから話聞こうと思ってたんだがよ、エラく調子づいちゃってんなオイ‼︎本番で恥ずかしいことになっぞ!」

 

・・・・え、えらいこっちゃ。何してくれてんのこの人(爆豪)は⁉︎

 

「上に上がれば関係ねぇ。」

 

・・・・・爆豪くん・・・・・。

 

せめて巻き込むのはやめてくれ。

 

 

 

とりあえず俺は逃げるように教室を去る。すると急に声を掛けられる。

 

「・・お?君!私のこと覚えている?」

 

そこにいたのは雄英高校初日で親切にしてくれたオレンジ髪のサイドテールをした女子生徒の拳藤さんだった。

 

「拳藤さん⁉︎どうしてこんなところに?・・・ってもしかして視察を?」

 

「いや、鉄哲・・さっき叫んでいたB組のやつを様子見にね。なんか悩んでいる顔しているけど、やっぱり狙われる立場だから緊張する?」

 

拳藤さんのいう通りだ。ほぼ全員に狙われる立場、まだ精神的に未熟な俺にとっては苦痛でしかない。

 

 

「はい、・・・そうなんですけど、それ以上に"自分はまだ弱い"って感じます。敵と戦ったそれだけで周りとは違うと優越感に浸ってはいけないんだ。」

 

 

そう、だからこそ俺は・・・・・・・・

 

「貴方たち《他のヒーローの卵》に負けたくないです‼︎」

 

「・・・・ぷっ⁉︎」

 

これはまだ弱い俺の振り絞った言葉だ。その言葉に拳藤さんは急にクスクス笑い出した。

 

「(笑われた!!??女子に⁉︎)」ガーーーン!!

 

↑傷つきやすい行為の一つ 【女子に笑われる】

 

 

「ははははっ!違う、違う。なんかショック受けてるみたいだけど違うよ。まぁ確かに告白されたみたいでそのギャップに吹いちゃったけどさ。私たちB組もAクラスの奴らは調子に乗っている〜とかそう決めつけちゃっていたからさ。」

 

拳藤さん・・・・いや、告白って・・俺だったら笑うんじゃなくて物凄く驚くけど・・・・。

でも、そうか調子に乗っていたか・・・あの面子(A組)ならなぁ・・。

 

俺と拳藤さんは口を揃えて一斉に言う。

 

「「私/俺は上に上がる‼︎」」

 

そう言ってお互いに笑い合う。

 

そして俺は2週間後に向けて帰路に向かうのだった。

 

 

家に帰ったら拳藤さんに言ったくさい台詞に物凄く恥ずかしくなった。

 

 

 

この日、俺は大事な何かを失った

 





さて、久しぶりに出した他作品キャラと初めて出す他作品キャラが出てきました。
初めての方はわかる人にはわかると思います。

次回はある程度サクサク進めるため日記形式になるかもしれないですし、ならないかもしれないです。

もし良かったらアドバイスと感想、評価をください。

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