僕のヒーローアカデミア 雄英体育祭編とても面白いですよね。ちなみ個人的に僕は心操くんが好きです。
皆さんは誰が好きですか?
第7話 悪意襲来《敵が来た》
今、俺は窮地に立たされていた。
「ねぇ、どんな気持ち?ねぇねぇどんな気持ち?」
「ーーーッ!〜〜〜‼︎」
俺の目の前には今にも爆発しそうな爆豪くんとツッタカツッタカと煽っている女性が対峙していた。
俺はこの場にいながらも走馬灯のように前日の訓練が終了した後のことを思い出していた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あれから屋内訓練が全て終了し、クラスの全員は反省会を始めていた。
しかし教室内の一角に気まずい雰囲気が漂っていた。その雰囲気を漂わせているのは八百万、峰田、天倉の3人だった。
「天倉はわかるけど、あの2人訓練で何かあったのか?」
「らしいよ。ちょうどカメラの死角で映ってなかったんだって。」
八百万と峰田に何があったのかを見ていたらしい常闇は黙秘し続けているらしく、上鳴と耳郎は余計に何があったのか気になってしまった。
「ところであっちはどうする?」
「い、いやどうするって言われてもな・・。」
しかしそれ以上に天倉が気になってしまったのだ。天倉は2人よりも暗いオーラを漂わせており、たまに口から「満足・・・満足・・・」と聞こえてしまい、一種のホラーを感じてしまう。
そんな天倉に轟が声をかける。
「なあ天倉、今大丈夫か?」
「満ぞk・・・大丈夫だけど。」
周りから見れば全く大丈夫の様には見えないのは野暮であり、轟は天倉に話し始めた。
「俺は本気も出さずにお前を舐め、あともう少しのところで負けるところだった。結果は俺の勝ちだったかもしれないが、俺にとっては負け当然だ。だからそんなに気を落とすな。」
「轟くん・・・しかたないんだ。俺は・・・轟くんも、自分の気持ちにも尾白くんも葉隠さんも裏切れない・・。だったらクラスメイトである君に負ける・・・・。それで満足するしかないじゃないか・・・。」
「???お、おう?」
謎会話のドッジボールが始まった。
どうやら天倉に色々なことが起こり過ぎて思考回路が意味不明状態になっているらしい。
「(・・・満足するしか?どういう意味だ?何か俺に伝えたいことがあるのか?)」
「お、おい。どうした轟?別に天倉の言ったことはそんな大したことじゃないだろうから、そんなに深く考えなくても。」
轟が先ほどの会話の意味を考え始め、それを切島が落ち着かせようとする。すると轟に謎の天啓が降りた。
「(ッ!まさか、満足するというのは、俺の左側のことを言っているのか⁉︎左側の力も俺の自信の力だから、受け入れない限り俺は強くなれないということなのか⁉︎)」
天倉の言葉を深読みし過ぎである。
「そういうことだったのか、天倉。」
「え⁉︎何が⁉︎さっきので何がわかったんだよ‼︎」
さすがのことに切島も困惑する。
当たり前だ。なぜ満足から自分の力についてのことに解釈できるのか、ある意味奇跡だろう。
「ッハ⁉︎・・・お、俺は今まで何を・・?」
今頃になって戻ってしまった天倉であった。
そしてもう少し早く戻っていればよかったと思ったのは切島から何があったのか話を聞いてからだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
マジで、俺は轟くんに何を言ったんだ?俺、訓練が終了した後の記憶がぼやけているから何があったのかをあまり覚えていないんだよなぁ。
俺は昨日の出来事を登校しながら思い出していた。
「いや、本当に何が起こったんだろう?なんか妙に轟くんとの距離感が近くなったような?」
「ほうほう、それはそれは。入学して新しい友達ができたのはよかったじゃあないですか。」
まあ確かに仲良くなれたのはいいことだけど、なんか釈然としないんだよなあ。
・・・・・・・・・・・。
「誰だお前は⁉︎」
「おっと、これは失礼しました。この辺を張っていれば雄英の生徒が通ると思いまして。」
まただよ。なんでこうも俺はいつも背後を取られるんだ?
目の前にいるのは学生だろうか?頭には赤い布製の小さな頭布を被っており、この現代社会には珍しく赤い下駄を履き、片手にカメラを持ち、背中にカラスのような黒い翼が生えた少女だ。
「えっと?誰でしょうか?俺はこれから雄英に行かないといけないんですけど。」
「おおっと、自己紹介がまだでしたね。私、守矢高校《もりやこうこう》にて新聞部をやらせてもらっています、射命丸文と申します。」
守矢高校といえば、この市にある私立高校だったはず。なぜか御柱が立ってある高校として有名だ。
そんな高校の新聞部がなぜここにいるのだろうか?
「ああ、なぜここに私がいるという顔をされていますね。お答えしましょう。実は新聞部内で誰が一番良い記事を書けるか競っておりまして、それで是非雄英の生徒の方に取材をさせて欲しいのですよ!」
「はぁ、なるほど。別に時間が掛からなければ大丈夫ですけど。」
「やめとけ、やめとけ。そいつは有る事無い事をでっち上げるんだぜ。」
見切った!また後ろから来るな!何度も同じ手に引っかかると思うなよ!
「・・・・どこ見てんだ?私はこっちだぜ?」
と、上を見上げると箒に乗った少女がフワーッと降りてきた。
上かよっ!後ろからじゃなくて上からかよっ!
「よっ・・・と、また懲りずに新聞作りか?いやー大変だねぇ、もしよかったら私にもインタビューしていいんだぜ。」
「あっ、いや、魔理沙さんの記事では全く話題性がないので、あくまで私は雄英のヒーロー科の方に話を聞きたいので。」
・・・うーん?この魔理沙って人は俺と同じ雄英の生徒みたいだけど、あれぇ?どこかで会ったことがあるような気がするんだけどなぁ?
「おいおい?どうした?まさか私のことを忘れちまったのか?そりゃないぜ、入試の時に会っただろ。私はしっかり覚えているぜ。」
「・・・・・?(やばいマジで誰だっけ?)」
「・・・・・はぁ、ちょっと待ってろ。」
魔理沙さんは自分が背負っているバックから何かをゴソゴソと取り出した。
それはやや大きめの黒いとんがり帽子だった。魔理沙さんはその取り出した帽子をかぶる。
・・・・・・あ。
「これで思い出しt「あの時の後ろから突っ込んできた失礼な人かよおおおお⁉︎」なんで帽子だけでわかるんだよお前は⁉︎」
あの時のおおぉぉぉ‼︎あの時、突っ込んできた挙句にあっ、ワリって軽い感じに謝りもせずに試験を受けた奴かああぁぁぁぁ‼︎
「まあ仕方ないと思いますよ。なんせ魔理沙さんへの印象の7割が帽子ですからね〜。」
「おい、それは私の本体が帽子とか言うんじゃないんだろうな。」
「おぉ、怖い怖い。」
なんだろう、この2人に関わると物凄くめんどくさく感じる・・・・。
そんな事より早く、学校に行こう、こんなところで道草食っていると遅刻して相澤先生に除籍される未来しか見えない。
「あっ、そうそう。確か名前は・・・・・」
「天倉ですけど?」
「そうです!天倉さん是非インタビューをs「すみません、急いでいるんで」むぅ、即答ですか、まあいいでしょう。私も行くところがあるので。それでは!」
と、射命丸さんは背中に生えた翼を羽ばたかせ猛スピードでどこかに行ってしまった。
なんだったんだアレは、まるで嵐のように過ぎ去っていったんだけど。
「運が良かったな。私が通りかかってなきゃ、新聞にとんでもないことを書かれていたからな。まっ、入試の時のことは水に流して欲しいんだぜ。」
この人に至っては良い人なのか、悪い人なのかわからないな。というか、いつまで魔理沙さんは箒に乗っているのだろうか?
まさか、チャリの代わりに箒で来た!って感じなのかな?
・・・・・ハッ⁉︎そういえば俺、朝から初対面(1人は対面済み)の女子達と会話している・・・だと・・・・⁉︎
なんだろう、魔理沙さんと射命丸さんがあまりにも馴れ馴れしくて、異性だってことを忘れていた⁉︎
なんだろう、そう思って来たらものすごく心が軽くなって来た!
なんだか今日は良いことが起こりそうな予感‼︎
〜〜〜〜そして今に至り
「教えてくださいよ〜雄英入試1位の貴方が敵に襲われた時の気持ちを〜〜。」
「この・・・カラス女ァァ‼︎」
「ねぇ、どんな気持ち?ねぇねぇどんな気持ち?」
「ーーーッ!〜〜〜‼︎」
訂正。今日は嫌なことが起きるわ。
ていうかヤバイ。
よくわからないけど周りにオールマイト目当ての取材陣がいて、その中心で射命丸さんと爆豪くんが対峙している。
爆豪くんも自分が手を出すと色々まずいことになるのは理解していると思うけど、あの爆豪くんだからなぁ。
「全く、あのブン屋こんなところに居たのかよ、自分の学校があるってのに、呑気なもんだぜ。まぁ、良いか。さっさと教室に行くとするか。」
「いや、まずは止めようよ!このままだと確実に流血沙汰になると思うんだけど⁉︎」
俺はそう言って射命丸さんと爆豪くんの間に割り込む。
とりあえずはこんな感じでいいと思うが、流血沙汰(主に自分)にならなければいいが。
「おい!邪魔だどけ!黒トカゲ野郎!そこのカラス女に一発入れねぇと気がすまねえんだよ‼︎テメェも殺されてぇのか‼︎」
「おやおや?天倉さんではないですか!もしかして、インタビューを受ける気になったんですか⁉︎」
う、うわぁ・・・・面倒臭い。
なんでここにはこう、性格に難がある人ばっかりなんだろうか。
とりあえずさっさと射命丸さんには退散して貰おう。早くしないと、いつ爆豪くんから爆破されるかわからない。
一旦、爆豪くんを落ち着かせ(落ち着かない。)射命丸さんには放課後自分が代わりにインタビューを好きなだけ受ける約束(向こうが一方的に)をして、退散してもらった。
・・・・・・ふぅ、とりあえずこれで一安心。
<オールマイトに直接話を伺いたいのですが
おっと?取材陣もなんだか騒がしくなってきた。こっちも早く教室に行かないt
ガガガガガガガガガガガガッ‼︎
・・・・・あれ?門が鋼鉄の壁に・・・・。
「・・・・え?・・・ナニコレ?」
「おお、これが噂の雄英のセキュリティ【雄英バリアー】か。」
「なんだそれ、ダサっ⁉︎」
一緒にインタビューに付き合ってくれた魔理沙さんが説明してくれた。どうやら学校関係者以外が入ろうとするとセンサーが反応し、自動的にセキュリティが働くというのだ。
まぁ、だけど。生徒である俺は問題なく入れるから大丈夫だけどね。
さて、早くしないと相澤先生に叱られr・・・・・・・・。
いや、雄英バリアーのせいで入らなくねコレ⁉︎
どうするんだああぁぁぁぁぁぁぁぁ!このままでは、先生に除籍宣告されてしまう!それだけは何としても阻止しなければ!
と俺が思っていると隣にいた魔理沙さんが箒に乗って門を余裕で乗り越えて行った。
「お前も早くしろよー。」
いや、乗せてよ‼︎乗せてそのまま学校に連れて行ってくれないの⁉︎
・・・・ええい!こうなったら頼れるのは自分自身!個性を全身に発動して、一気に門を乗り越えて登る‼︎
「うおおおおおおおおおおっ‼︎」
「あっ!ちょっと⁉︎」
「すみません!急いでいるんで‼︎」
何か言っているが無視して門を乗り越える!行き先は1-A教室‼︎
絶対に間に合わせる‼︎
「いや、そうじゃなくてその先には害獣駆除用の最新式レーザーが!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「すみません、遅くなりました。」
「おう、遅かった・・・・・ってどうした、なんか焦げているぞ。」
「いや害獣駆除用のレーザーに」
「そ、そうか。次からは気をつけろよ。」
うん、最悪だ。門を乗り越えた瞬間あらゆる方向からレーザーが襲ってきたから死ぬかと思った。
そんなことはさておき、どうやらこれから学級委員長を決めるらしく、雄英高校でやっと学校っぽいものが始まったのかこの場にいるほぼ全員のテンションが高かった。
ちなみに俺は学級委員長なんてやれる柄じゃないので立候補していない、
全員が手を上げ、学級委員長になりたいようにアピールしている。
峰田くんは下心が丸見えだが。
「静粛にしたまえ!」
教室内に飯田くんの声が響く。
「多をけん引きする重大な仕事だぞ。"やりたい者"がやれるモノではないだろう!真のリーダーを皆で決めるというのなら、これは投票で決めるべき議案‼︎」
飯田くん・・・・・この場にいる全員を静かさにさせることができ、しかも自身の発言をはっきり言うことができる君が学級委員長に相応しく思える。しかも眼鏡だし。
だが、これだけは、ハッキリ言わせてもらおう。
「そびえ立ってんじゃねーーーか‼︎何故発案した‼︎」
日も浅く、それでなお複数票をとった者が学級委員長に選ばれるらしい。
そして結果だが。
・・・・・・・・・・・ゴフッ
「おい!天倉が倒れたぞ⁉︎」
「0票だからといってどんだけメンタル弱いんだよ‼︎」
ぜ、0票何故誰も入れてくれなかったんだ・・・・。ほとんどの皆は1票ずつ入っているのに・・・・。
と、俺がうなだれていると蛙吹さんが話しかけてきた。
「もしかして、天倉ちゃん別の人に票を入れたの?」
「そうですよ・・・・蛙吹さん。」
「梅雨ちゃんでいいわ。多分ほとんどの皆は自分に票を入れていると思うけど、天倉ちゃんはそうしなかったのね。」
・・え、皆、自分自身に票を入れてたの?・・・マジで?
ちなみに学級委員長は緑谷くん、副委員長は八百万さんとなった。
よかった、まともな人選で本当によかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お腹も空く頃の昼休み、食堂では緑谷くん、飯田くん、麗日さん、天倉の4人が食事をしていた。
「はむ・・・むぐ・・んぐんぐ・・・もぐ・・。」
「人すごいな・・・。」
「ヒーロー科の他にサポート科や経営科、普通科の生徒も一堂に会するからな。」
「うん。お米がうまい!」
4人はこの食堂にいる生徒の数にやや驚くも、それぞれが頼んだ食事を口にし楽しそうに談笑する。
「むぐむぐ・・・もぐ・・・ごくん・・・んぐんぐ・・はむはむ」
「いざ、委員長をやるとなると務まるか不安だよ・・・。」
「ツトマル。」
「むごまぶぼばびどうぶ(務まるよ大丈夫)。」
「大丈夫さ。緑谷くんのここぞという時の胆力や判断力は多をけん引きするのに値するだから君に投票したのだ。」
緑谷は飯田が自分に投票してくれたことにやや驚きながらも少し嬉しそうに顔を緩ませた。
「はむむぐんぐ・・・ごくん。・・んぐんぐ・・・もぐもぐ。」
「やりたいと相応しいか否かは別の話・・・、僕は正しいと思う判断をしたまでだ。」
「ムグムグ・・・・はむはむ・・・・んぐ・・。」
「「「・・・・・・・。」」」
「ごくん・・・・・・おかわり。」
「まだ食べるの⁉︎」
麗日は天倉の異常な食欲にものすごく驚いた。ちなみにこれでおかわりは7回目だ。
「え?・・・・まだいけるけど?」
「いけるとかそういう意味ではないと思うぞ、天倉くん。君の胃袋はどうなっているんだ⁉︎」
「大丈夫。大丈夫。あと2はいけるから。」
「いや、天倉くん。あと2杯ってこれ以上食べるとなるとさすがに無理があると思うけど・・・。」
飯田と緑谷は天倉のまだ余裕があることに驚いたが、天倉が緑谷に注意を施した。
「2杯じゃなくて、2倍。」
「え?」
「いや、あと2倍はいけるって意味だったんだけど。」
「」
あまりのことに緑谷は固まってしまった。中学の時にオールマイトに教えてもらった食事メニューを軽々と超えるカロリー量を天倉は目の前でとっているため仕方ないのかもしれない。
と、緑谷が固まっていると、麗日はこの場の空気を変えようと別の話題を出した。
「そういえば、飯田くんさっき"僕"って言っていたけどもしかして、坊ちゃん⁉︎」
「坊っ⁉︎・・・・そう言われるのが嫌で一人称を変えていたんだが・・・。」
飯田は話を続け、自身がターボヒーロー【インゲニウム】の弟だということを明かした。
それを知り、その場にいた3人は驚く。
「すごーーい!」
「むぐっ!知らなかった。」
「わっわっ・・そんな‼︎こんな身近に有名人の親族の方がいるなんて‼︎さすが雄英‼︎」
「良ければ今度遊びに来るかい?」
「えーーーーーー⁉︎いいの⁉︎ウソ‼︎やったーーーーー‼︎」
明らかに緑谷だけ飯田の話にものすごく食いつき、飯田は緑谷のその反応にまんざらでもない表情を浮かべていた。
そして、麗日と天倉の2人は話についていけなかったのでお互いのおかずを交換していた。
「あんな大人気のヒーローの家にお邪魔できるなんて‼︎どうしよ‼︎何着ていけばいいのかな‼︎」
「堅くならずとも気さくな兄さ、スーツの試着頼んでみようか?」
「ええ⁉︎いや!そんな‼︎えっ・・・いいの⁉︎うわぁ生きててよかった‼︎」
テンションの高い緑谷に対して周りがドン引きしている。しかしそんなこと御構い無しに緑谷と飯田は話を続ける。
そして、天倉はとある食堂の隅にあるものを見つけた。
「(オールマイト、あんなところでどうしたんだろう?なんか落ち込んでいるけど。)」
あとでオールマイトに話を聞くと、緑谷が自分よりも反応が凄くて釈然としなかったらしい。
とりあえず、そっとしておこう
と天倉は思った。そして、天倉はとあることを思い出した。
「あれ?そういえば俺の父さんもヒーローやっていたって言っていたけど。」
「えーーーーーー!本当に‼︎誰なの⁉︎こんな近くにヒーローの親族がいるなんて‼︎」
「い、いやでも今はもうすでに引退しているから詳しくはわからないけど」
ウゥーーーーーーッ‼︎
『セキュリティ3が突破されました、生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください。』
と、天倉が緑谷に詰め寄られていると食堂、いや学校中に警報が響いた。
警報を聞いた生徒たちはパニックになる。
「いたっ!急になに⁉︎」
「さすが最高峰‼︎危機への対応が迅速だ‼︎」
「迅速すぎてパニックに。」
「こっ・・・のぉっ‼︎」
4人は生徒の波にのまれるが、天倉は個性を発動し、壁にしがみつき難を逃れる。
天倉は辺りを見回し、怪我もしくは危険な状態になっていないかを見る。
すると、飯田に声をかけられる。
「ぐっ、天倉くん!侵入してきたのは取材陣だ!俺はなんとか皆さんを落ち着かせる!君は怪我人がいないか探してくれ。」
「元より、そのつもりだよ!」
天倉は個性を生かし、縦横無尽に壁や天井を駆け回る。
すると天倉は隅の方で轟が女子生徒と一緒にいるのを見つけた。
「天倉、手を貸してくれ!」
轟が天倉に気づくと声をかけてきた。ちなみに轟は女子生徒守るように壁に手をついている。つまり轟が女子生徒に壁ドンしているということだ。
そして天倉は轟に殺気を覚えた。
「(なんだろうあの状態の轟くんを見ているとものすごくムカつく。)」
「お、おい?天倉⁉︎」
天倉は轟のことを見なかったことにしたように別方向に移動した。
そして聞き覚えのある声が人混みの中から聴こえる。
「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
「あ、上条くん‼︎早く捕まって‼︎」
天倉が上条の右手を掴むと"パリン"という音が響き天倉の個性が解除された。天倉のもう片方の手は壁にしっかりと固定されているが、個性が解除された状態では腕の筋力も落ちてしまうため、上条とともに人混みの波にのまれてしまう。
「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎」
「全くだよおお‼︎」
とその時天倉の手を掴む者がいた。箒に乗っている女子生徒だ。天倉はその人物を見たばかりなのですぐに誰だか理解した。
「よっ!間一髪だったな。」
「魔理沙さん‼︎・・・・今朝は置いていったのに・・・。」
「いつまで引きずってんだ?もう過去のことだ水に流して欲しいぜ。」
魔理沙が天倉を引き上げると非常口の方から飯田の大きな声が聴こえてきた。
「皆さん・・大丈ーーーーーーー夫‼︎ただのマスコミです‼︎なにもパニックになることはありません‼︎大丈ーー夫‼︎」
飯田は非常口の上に標識のようなポーズをとりながら大きな声でパニックに陥っていた生徒たちを落ち着かせた。
その行動は生徒たちにわかりやすく大胆なためすぐ周りを鎮めることができたのだ。
「ぶっは‼︎なんだありゃ⁉︎確かにわかりやすくていいな‼︎」
「いや、笑わないであげて、あれで真面目にやっているつもりだからね飯田くんは‼︎」
その後無事に警察が到着し取材陣もといマスコミは退散。騒ぎは無事に収まったのだった。
そして緑谷が飯田の勇気ある行動に対して委員長は飯田くんが相応しいと委員長の座を明け渡したのだった。
余談だが轟に対する変な会が結成されたらしい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
放課後、校門の前に見覚えのある姿が見えた。今朝会ったばかりなのですぐにわかった。
「可愛い女の子だと思った?残念。清く正しい射命丸文でしたー。」
「あれ?どうしたんですか?」
射命丸さんこんなところでなにをやっているんだろうか?魔理沙さんを待っているなら彼女は既に帰ったはずだけど。
「あやや?忘れたんですか?約束したではないですか。放課後、取材を受けてくれるって。」
「・・・・あーーー。そういえば。」
すっかり忘れていた。今日ものすごく濃い1日だったからすっかり忘れていた。
というかもしかしたら今日のトラブルの原因はこの人じゃあないんだろうか。もの凄く胡散臭いし。
「ところで・・・・聞きましたよ。昼頃になにやらマスコミ達によるトラブルが発生したと。いやーさすが雄英高校まさにネタの宝庫ですね。」
「確かに本当大変でしたよ。一応セキュリティにレーザーが装備されていたはずなんですけどよく突破できましたよね。」
本当に大変だったよ。ていうかなんでレーザーは俺を狙ったんだよ。確かに見た目は敵だけどさ。
「そうそう、それについてなんですがこれを見てくれませんか?」
「え?写真ですか?この写っているのってなんですか?」
「はい。ここにあったはずの雄英バリアーですよ。」
・・・・・・・・・え?俺の知っている雄英バリアーは写真に写っているような壊されたものとは違うんだけど?
というか壊された?いったい誰に?
「これって・・・マスコミの誰かがやったんでしょうか?」
「いえ、それなんですがね私が調べたところによると誰も雄英バリアーを破壊できるような個性を持っていなかったんですよね。」
・・・・それはつまりマスコミをそそのかした者、第三者による仕業ということなのだろうか・・・・。
いったい何故こんなことをしたのだろうか。目的はいったいなんなのだろうか。
「まっ、そんなことよりも取材をさせてもらいますよ〜。」
「そんなこと⁉︎そんなことで済ませた⁉︎」
「まぁいいではないですか。取材ついでに何か奢るので。」
「・・・・ん?今何か奢るって言った?」
「・・・・・え?」
その後、天倉は射命丸に泣きながら「取材はまた今度でいいので勘弁してください‼︎」と言われるまで飯を食べまくったという。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日の12:50
俺は○ロリーメイトを食べながら、先生の話を聞いていた。
周りからラーメン9玉食ったのにまだ食うのかよ‼︎と言われたがぶっちゃけこれでもまだいける方だ。
そして今日のヒーロー基礎学が始まる。
相澤先生がオールマイトと自分ともう1人の3人制で見ることになったらしいのだ。
今日やることは
「災害水難なんでもござれ人命救助《レスキュー》訓練だ。」
人命救助ヒーローとして敵退治以上に大切なことだ。ヒーローの本分でもあることだ。
そして周りも楽しみなのか騒ぎ始める。
とりあえず先生の視線が怖いのでみんなを落ち着かせる。
「とりあえず、話し始めるのは先生の話が終わってからということで皆、静かにしよう!」
「クッ!委員長としての仕事が⁉︎」
何故か飯田くんは悔しがっているけど・・・。
今回コスチュームは各自自由に着ていいらしい。勿論俺はコスチュームを着ていく。
そして全員が着替え終わり、訓練場に移動するためバスに乗り込む。
「こういうタイプだったくそう‼︎」
飯田くんは委員長としての仕事ができると思ったのか張り切ってバスの乗る順番を決めていた。
感動的な行動だ、だが無意味だ。そもそもバスの形がよく町中で見かけるタイプだからだ。
俺はバスの中で昨日のことを思い出していた。校門前で射命丸さんが教えてくれたことだ。第三者による雄英バリアーの破壊。
これにどんな意味があるのか、そしてこれから何が起こるのかとても不安だった。
「派手で強えったらやっぱり轟と爆豪と天倉だな。」
・・・・ん?今、切島くんがとんでもない
「爆豪ちゃんはキレてばっかだからだ人気出なさそう。」
「んだとコラ‼︎出すわ‼︎」
「ホラ。」
あ、確かに蛙吹さんの言う通り人気出なさそうだ。こんなにキレればそりゃ人気出ないだろうな。
て言うか挑発するのやめて!なんか危なっかしいから!
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるってすげぇよ。」
「てめぇのボキャブラリーは何だコラ‼︎殺すぞ‼︎」
やめろおおおおおぉぉぉぉぉぉ‼︎火に油じゃなくて火にダイナマイトを投下するようなことをやめろぉぉぉぉぉぉ‼︎
「天倉、ちょっとお願いしたいことがあるんだけど。」
「え?どうかしたの耳郎さん?」
急に耳郎さんが俺に話しかけてきた。どうしたんだろうか気分が悪いなら一応酔い止めの薬は持ってきたけど。
と思っていると峰田くんがボコボコにされ縛られているのに気づいた。
「コイツの始末を頼んでいいかな?」
「バスが汚れるからついてからでお願いするわ。」
「命だけは・・・命だけはおたすけを・・・・。」
俺が見ていないところで何があったーーーーーッ⁉︎
とりあえず今度やったら首チョンパすると警告し、訓練場に無事(1人を除いて)到着した。
そこには巨大なドーム状の施設があった俺を含む全員が中に入るとそこはまるでテーマパークのようだった。
そして俺たちの先生を務めるスペースヒーロー【13号】がそこにはいた。
「あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。」
すげぇ‼︎これ13号先生が作ったのか⁉︎スペースヒーロー13号は戦闘ではなく、災害救助で活躍しているヒーローだ。俺が目指すべきヒーローの1人でもある。
「その名もUSJ《ウソの災害や事故ルーム》‼︎」
はい、アウトオオオオオォォォォォォォ‼︎やばいって訴えられるよコレ‼︎もしも名前が夢の国だったら13号先生どころか雄英高校と夢の国との全面戦争不回避だったよ‼︎
そして13号先生は話を始める。
先生の個性【ブラックホール】は色んな人を災害から救い上げている。しかし、簡単に人を殺せる個性でもある。
・・・・俺と同じだ。
今までの体力テストでは自身の力を秘めている可能性を知り、対人戦闘では個性を人に向けることの危うさを知った。
そうだ、これだ。俺が待ち望んでいたヒーローとしての授業は。
「この授業では・・・心機一転!人命の為に個性をどう活用するか学んでいきましょう。
君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。」
・・・・あれ?おかしいな胸から何か込み上げてきた。しかも目元が熱くなってきた。
「救ける為にあるのだと心得て帰ってくださいな。以上!ご静聴ありがとうございました。」
うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁっ!先生えええええええええ‼︎
「うおっ!どうした⁉︎天倉⁉︎目から尋常ないほどの涙が⁉︎」
「まさか13号先生の言葉でか⁉︎泣くほど⁉︎」
こんなに俺に合っている言葉あるだろうか?いや無い‼︎断じて無い‼︎
ありがとう!13号先生!俺、ヒーローやりたいです‼︎
「ブラボオォーーーッ!ブラボオォーーーッ‼︎なんか初めて劇団○季のライオ○キングを見たぐらい感動しました‼︎」
『そんなに⁉︎』
いや、本当に感動した!俺の尊敬する人ランキング不動の第1位は13号先生に決定した。これは絶対だ!
「一かたまりになって動くな‼︎」
「え?」
何だろうか?何か黒いブラックホールのようなものから変な奴らが大量に出てくる。
「13号、生徒を守れ‼︎」
守れ?・・・・・待てよ。昨日のマスコミ達の件、第三者による仕業によるトラブルだった。だが、もしもそれが今回の為の宣戦布告だとしたなら・・・・・ッ⁉︎
「何だアリャ⁉︎また入試みたいなもう始まったんぞパターン?」
いや、違う。あのこちらを見ていいオモチャが見つかったような子供の目をした純粋で邪悪な雰囲気、あれは
「動くなアレは‼︎」
そう奴らこそ敵《ヴィラン》俺たちヒーローに対する存在だ。
奴らは雄英《ココ》を狙って来たのだ。
悪意襲来《敵が来た》
何だろう?僕が思い描いていた轟くんはクールながらも相手のことはちゃんと心配するイケメンキャラだったのに、いつの間にか天然キャラになっていた。な、何を言っているかわからねーと思うが俺も(ry
感想、評価よろしくお願いします!