個性以前に個性的な奴等ばかりなんですけど   作:ゴランド

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今回は番外編を投稿しました。少し長くなってしまったので午前編と午後編に分けました。



番外編
番外編 天倉の休日 午前編


寝ている彼の鼻に心をリラックスさせる様な心地よい甘い香りが入ってくる。

次第に彼の脳は覚醒して行き、重い瞼が開かれていく。

目が覚めるとそこはまるでおとぎ話に出てくる様な城の一室、ファンタジーな光景が目に入ってくる。

 

「・・・・ここは、どこだ?・・・見覚えの無い・・・知らない場所だ。」

 

彼が辺りを見渡す。すると風通しの良い構造になっているのか、外の景色を見ることができる。

 

彼の目に入ってきたのは"花"

 

万遍なく花で広がる美しい景色。その景色を見ていると今まで生きていた全ての疲れが無くなっていく感覚がした。

まるで此処は天国いや、理想郷だ。

彼は、天倉孫治郎はそんな美しい光景を眺めている途中に違和感を感じた。

自分は今、バルコニーらしきところからこの光景を見ている。

 

いや、正確には"見下ろしている"のだ。

 

そう、此処は塔の形をした建造物だ。自分はその建造物の中でこの美しい景色を見ているのだ。

 

そして、この場所の正体がやっと天倉には理解できた。

 

 

「そうか、此処は━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━カリン塔」

 

 

 

 

「いや、違うから!この景色からどうやったら其処へ辿り着く⁉︎どう考えてもおかしいだろう!」

 

声がした方向、つまり俺の背後にその声の主は居た。

白いフードを被っており、白いマントを羽織り・・・・とにかく全体的に白い好青年だった。

ただ、なんというか見た目は草原に吹く風のようにカッコイイのだが、関わったらロクでも無いことに巻き込まれそうな、胡散臭い詐欺師の様にも見える。

 

だが、そんなことよりもこんな所にいるということは、この人はこの塔に住んでいるのだろうか?

 

「カリン様にしては全然ネコっぽく無いけど・・・・。」

 

「だから違う!確かに全体的に白っぽいし、杖も持っているが、仙豆も持っていないぞ!職場(カルデア)から間違えて持ってきてしまった星晶片はあるが!」

 

なんだ、カリン様じゃあ無いのか。仙豆貰えるかなーと期待していたのに・・・。

それじゃあこのカリン様似の好青年(ロクでも無い)は一体誰なのだろう。そもそも此処は何処なのだろうか。

 

「まぁ、疑問に思うのは無理も無い。私だってしばらくブラック職場で酷使され、サボりのために此処に戻って来てみればいつの間にか君が迷い込んでいた。

一体どうすればこんな世界の外側に迷い込んで来るんだい?」

 

・・・・・?

一体彼が何を言っているのか分からない。ブラック職場?サボりのために戻って来た?世界の外側?

と言うかそもそも彼は何者なのだろうか?

 

頭の中では疑問でいっぱいだ。

 

「おっと、そんな深く考えなくてもいいよ。これはあくまでも夢の続き。

グットナイト!いや、君にとってはおはようかな?私の名前はマーリン。みんなの頼れる相談役さ。」

 

夢の続き・・・・そしてみんなの頼れる相談役マーリン・・・。あぁ、成る程。やっと能天気な俺でも飲み込めた。

 

 

「大体、分かった。つまり

 

━━━お前を倒せばこの夢から覚めるんだな。」

 

 

「あぁ。ようやく分かってくれたy・・・・・・・・何だって?」

 

おかしいと思ったんだ。俺が最近変な夢ばかりを見ると思ったらそう言うことか。

全てはコイツが起こした仕業だったんだ。

 

なんと言うか、まさしく全ての元凶って感じがするし。

 

「ちょ、ちょっと待て⁉︎いきなり何故そんな事になるんだ!!おかしくないか!?そもそも僕が元凶って一体どんな根拠なんだ⁉︎」

 

「なんか自分の欲望の為に国一つを滅ぼしたような顔をしているし、別に元凶じゃ無くてもここで倒しても損は無いかなーって。」

 

「くそっ!正論過ぎて反論ができないぞ!いや、そうじゃ無くてなんだその脳筋思考は!ボクが味方っていう考えは無いのかい⁉︎」

 

確かに言われてみれば白っぽい青年、マーリンの言う事には一理あるだろう。しかし、しかしだ。

 

考えて欲しい。知らない場所、目の前に知らない人、そして胡散臭い

此処から導き出されるのは誘拐、拉致だ。

こんな場面で味方と考えるのは軽率だろう。

 

そもそも初対面の人をすぐに信用なんてコミュ力が低い俺には到底無理な事である。

 

と言うわけで

 

 

「まてまてまてまて、なんでジリジリこちらに寄ってくる⁉︎クソッ!舐めるなよ!仮にも私はサーヴァント!そして筋力はBだ!そう簡単に勝てるとおm」

 

 

 

〜〜5分後

 

 

 

「がぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!??なんだこの痛みはぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!??って言うかボクはキャスタークラスでも仮にもサーヴァントだぞ⁉︎なんで力負けしてええええええええええええええ!!!」

 

「お前が!!!死ぬまで!!!技を掛けるのを!!!やめない!!!」

 

なにやらサーヴァントやら、筋力Bやら言っていたが、さっきまでの威勢はどうしたのだろうか?

まぁ、関節技を掛けるのも飽きたのでそろそろトドメを刺そう。せめて最後は楽にしてあげよう。

 

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!負けるかああああああああああああキャスパリーーーーグッ!!!助けておくれぇええええっ!」

 

するとなんだろうか白いフワフワした生き物の姿が浮かび上がる。するとその生き物はいきなり喋って来た。

 

 

━━━━マーリンシスベシフォーウ!イッテイーヨ!!

 

「キャスパリーグ!!??」

 

「逝っていいってさ。」

 

 

━━━━マッスルスパーーーークッ!!!

 

━━━━ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!??

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

AM 5:30

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・変な夢を見た。」

 

 

天倉孫治郎の朝は早い。そして起床は最悪だ。

ここ最近変な夢ばかりを見る。やっぱりあのマーリンって奴の仕業なのか?

 

天倉は重い体を無理矢理起こし、ジャージ姿に着替えるとリビングへ移動する。

カーテンを開け、朝日を浴びるとキッチンへ移動する。ガチャガチャと音を立てながらフライパンを出すと、油を少し垂らすとフライパン一面に引き伸ばすとガスコンロのスイッチを入れ、火をつける。

 

冷蔵庫から卵、ベーコンを取り出し、卵を割るとベーコンと共にフライパン乗せる。

ジュワァと良い音と共にフライパンに蓋をするとすぐに食パンを2枚取り出しトースターの中へと入れると電源スイッチを入れる。

 

さらにヤカンに水を入れ、こちらもコンロの火をつける。大きめの皿とマグカップを用意するとフライパンの火を止め、ベーコンエッグを皿に盛り付ける。

 

するとチン♪と言う音が鳴りトースターから2枚のトーストを取り出しこちらも皿へ乗せる。

ヤカンから湯気が出てくるとコンロの火を止めた後、棚からドリッパーとコーヒー粉を取り出し、コーヒーを淹れる。

 

そして皿とマグカップ、フォークをリビングのテーブルへ運びリモコンを操作し、テレビをつける。

 

 

 

『Levelを━━━超えた!!

輝け流星の如く!黄金の最強の力で無双しろ!!!

"マイティアクション"シリーズ最終章!

見よ!これが集大成だ!!

マイティアクションシリーズ【ハイパームテキ】明日発売!!

初回購入特典で限定エナジーアイテムを手に入れろ!「神の恵みを受け取ォるがいィィィィィィ!!」

 

・・・・・・次のニュースです━━』

 

 

「この社長さん・・・・相変わらず凄いテンションだなー」

 

 

テレビを見ながら空っぽの胃袋にカリカリに焼いたパンとベーコンエッグを詰め込む。

そしてコーヒーを一口、二口、飲み「ふぅ・・」と一息。コーヒーの苦味と酸味が絶妙に合わさり脳を刺激し、チラチラと時計に視線を移し、時間を確認する。

 

 

 

 

AM 7:00

 

 

 

 

「おっ!相変わらず早いじゃん、今日は・・・・ベーコンエッグ〜♪分かってる〜」

 

「ハイハイ、おはようを忘れずにね。しばらくしたら出掛けるから、あと父さんの分も作っておいたから、ちゃんと起こしてきてね」

 

天倉はそう一言、添えると側に置いてあるロッドケースとクーラーボックスをそれぞれ持つと玄関へと向かい「行ってきます」と言いながら外へと出る。

 

 

 

 

AM 8:00

 

 

 

 

「〜〜〜〜アロワナノー♪ヘタナシンジツナーラ〜〜〜アロワナノー♪」

 

天倉は鼻歌交じりに約1時間、マイバイク(自転車)で漕ぎ続ける。

そしてしばらくすると鼻の中にツンと海特有の潮の香りが漂ってくる事が分かる。

そして、灯台が目立つであろう港に到着すると自転車を止め、しっかりと盗難防止の為にしっかりと鍵を抜いておく。

 

ルンルンとした様子でクーラーボックスとロッドケースを持ちながら堤防を歩く。

いつも通りの釣りポイントにどっかりと座り竿掛けを設置し、ロッドケースから釣竿を取り出し。ルアーを取り付ける。

釣竿を両手でしっかりと持つと思い切り振りかぶり、糸を垂らす。

 

 

「〜〜〜〜エッキッサーィエッキッサーィ〜た〜か〜な〜る〜♪エッキッサーィエッキッサーィこーこーろーが〜〜〜〜〜♪」

 

天倉は再び鼻歌を口ずさみながら獲物が来るのを待つ。そして、その獲物はすぐに来た。

 

「ッヘーイ〜〜アモザフフフフ〜フ〜〜ン・・・・・お」

 

釣竿に先程まで感じなかった重みを感じる。クンと竿の先が曲がるのを見て獲物が掛かったことを確信する。そこからの天倉の行動は単純だった。

 

「よい・・・・しょッッッと!!」

 

持ち前のパワーで一気に釣竿を引き上げ、獲物を海中から引き摺り出したのだ。

そして、ピチピチと生きの良い獲物をこちらに引き寄せた後。

 

「らあッッ!!!」

 

━━ズドォッ!!!!!!

 

 

獲物「!!??」

 

 

獲物を殴った。グーパンがねじ込む形で獲物に命中したのだ。

ビクンビクンと痙攣した後、獲物は数秒もかからず、チーンという効果音を出すように気絶した。

 

「ほぅ・・・・イサキか・・・悪くないな」

 

と言うとイサキを大量の氷が入っているクーラーボックスの中に丁寧に入れる。パタンと蓋を閉めた後、再び釣り糸を海へと垂らす。

果たして次の犠牲魚は一体・・・・・。

※魚を殴るのはやめましょう

 

 

AM 9:30

 

 

 

「あぁ?んだよ。坊主じゃねぇか中々釣れてんじゃねーか」

 

「お、久しぶりですねランサーさん。さっきから良い引きばかりなんですよ」

 

天倉の元に青髪のリーゼントのように髪を上げ金色の髪留めをしておりアロハシャツを着たまるで893のような人物が近づく。どうやら知り合いらしく、ランサーと呼ばれたその男は天倉の隣に座るとバケツを置き釣り針に餌を掛けそのまま釣り糸を垂らす。

そのまま片手でタバコを咥え火をつけ「フゥー」と一服しながら釣り糸を眺める。

 

「そういやよ、体育祭のアレ見たぜ。見かけによらず結構乱暴なんだな麗日つったけか?あの嬢ちゃん」

 

「うっ・・・・それはやめて。マジで心に来るものがあるから・・・」

 

ランサーと呼ばれた男はケラケラと笑い、天倉はどんよりとした暗い雰囲気になる。

傍から見ればどう見ても高校生が暴力団関係者に絡まれているようにしか見えないだろう。しかしこの男は気さくで基本的に良い人である為そこまでは怖くはないのだ。

 

「にしても凄いのは確かだったぜ。俺も槍さえ持っていれば是非お前と立ち合ってみたいもんだぜ?」

 

「えぇ〜・・やですよ。ランサーさんに槍を持たせたらそれこそ鬼に金棒。プリズムにフォレストボムですよ」

 

「おう、エグゼ2の凶悪コンボはヤメロ」

 

2人は他愛無い会話を続ける。するとランサーの釣竿に獲物が食いつく。するとランサーは慣れた手つきでパバパッと魚をバケツの中へと入れる。

 

「クロダイか・・・・そっちは何が釣れたんだ?」

 

「んーと・・・イサキが3匹、マアジ5匹、ヒラメ1匹にキジハタ3匹ってところですね」

 

「ハァ⁉︎お前キジハタって言ったか⁉︎キジハタって言えば高級食材じゃねぇか!!しかもそれを3匹・・・・こりゃあ負けてらんねぇな」

 

ランサーはそう言うと再び釣竿を握り直す。

しばらく2人が2、3匹釣ると、再びランサーの口が開く。

 

「話を戻すがよ、俺を強いって言ったが俺の師匠なんかもっとヤバいぞ。なんせ一槍流、二槍流に加え、何もねぇ場所から沢山の槍を出したりっていうか、俺の立場がねぇんだよなぁ・・・」

 

「うわぁ・・・マジすか」

 

「しかも、アレだぜ。最近調子に乗ってるのか私を殺せる者は何処だーとか言っている始末だ。

全くいい歳してんのに何やってんだか・・・・きっと学生服でも着て「ふむ・・・まだまだイケるな」とでも言ってんだろうよ」

 

「あ・・・・ランサーさん。ちょっとそこから動かない方が良いと思いますよ」

 

「あぁ?一体何を言っt━━━━━━

 

 

 

━━━ドスッ!!!!

 

 

瞬間、ランサーの身体スレスレ横に紅い槍が突き刺さっていた。

2人の間にしばしの沈黙・・・・。

 

 

「・・・・女性に対して年齢は禁句だと思いますよ」

 

「・・・・だな」

 

2人がお互いに女性に対して失礼な事を言わないと誓った後、釣りは再開された。

 

 

 

 

AM 10:00

 

 

 

 

「おーい!遊びに来たよー!」

 

と釣りをしている天倉とランサーの元に2人の少年が寄ってくる。

1人はツンツンの逆立った緑がかった黒髪で大きな一重の目をした白いシャツに半ズボンといったラフな格好をした大体12歳辺りの少年。

 

もう一方の少年も髪の毛がツンツンで同い年のようだが、短髪で銀髪であり切れ長のツリ目をしている。こちらもラフな格好をしているが先程の少年に比べ生意気そうな雰囲気を出している。

どうやらこの少年達も天倉の知り合いらしい。

 

「おおーーー!!大漁だね!コレって全部、孫治郎が釣ったの⁉︎」

 

「そうだよ。今日は結構引きが良くてね。好きなの1匹選んで持っていって良いよ」

 

「えぇーーーー⁉︎たった1匹⁉︎」

 

黒髪の少年が声を上げてガックリと項垂れると銀髪の少年が肩に手を乗せる。

 

「そう言うなってゴン。こいつの食い意地を考えれば1匹だけでも珍しいもんだぜ」

 

「まぁね。ちなみにキルアくんには1匹もあげないよ」

 

「否定はしないのかよ。って言うか子供か!」

 

銀髪の少年キルアは天倉の発言に思わずつっこんでしまう。その様子を見てランサーはケラケラと笑っていた。

 

「冗談だよ冗談。大体釣り終わったら2、3匹好きなの選んで良いよ」

 

「全く・・・それよりもさ体育祭見たぜ」

 

「うんうん!凄かったよ!俺もあんな感じのヒーローになって見たいなぁー!!」

 

「ソ、ソウナンダ・・・・取り敢えず俺見たいなのは目指したらダメだからね」

 

と2人の子供を入れ、会話は盛り上がってくる。

そして、ゴンは持ってきたであろう自分の釣竿を取り出しそのまま海へと糸を垂らす。キルアはどうやらゴンの付き添いらしく、隣でその様子を見ているだけだった。

そしてしばらく時間が経ち・・・・・・・。

 

 

「う〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・ねぇ孫治郎。全然釣れないんだけど・・・・・」

 

「まぁまぁ、しばらくしたら来るとおm・・っと!キタキタ」

 

ゴンは未だに1匹も釣れている様子は見られなかった。そんな中、天倉は順調に釣り上げておりまた1匹、魚を釣り上げたのだった。

 

「これは・・・・カサゴか・・・毒あるからなぁ。手袋持ってくれば良かったなぁ」

 

「ん?だったら俺に任せな」

 

と天倉が毒を持つカサゴを釣り上げ、困っているとキルアがカサゴをガシッと手掴み。

※危険なので真似しないで下さい

 

ジタバタとカサゴは暴れ、ヒレや棘がキルアの手に刺さるが本人は気にせず力を入れると

 

━━バチッ!!

 

と言う音が鳴った後カサゴがダラリと気が抜けた状態になる。そしてキルアはそのままカサゴを天倉が持ってきたクーラーボックスの中へと放り込む。

するとキルアは天倉のそばに寄り、座り込む。

 

「手伝ったんだから、なんかジュース買って来てくれよ。毒を持った奴だぜ?これくらい良いだろ?」

 

「パシリかよ⁉︎・・・・まぁ良いか、分かったよ」

 

「じゃあ俺、コーラ」「うーん・・オレンジジュース」「缶ビール頼むわ」

 

「ハイハイ・・・・って全員かよ!しかも缶ビールは未成年だから無理だからね!!」

 

天倉はそう言いながら堤防を後に自販機へと向かう。

そして、彼は知らなかったこれからとんでもない事が起きる事を。

 

 

 

 

AM 10:30

 

 

 

空は快晴。強い日射しはジリジリと自分を照りつけてくる。そんな中時々吹いてくる潮風が心地よく感じる。

文句の付けようがない最高の釣り日和だろう。しかし、そんな釣り日和も堤防では赤と青の交差によってギチギチとした雰囲気に包まれていた。

と言うか、ここに新たな暇人が登場してきた。

 

「あれ?あの人って・・・・・」

 

「む?君も来ていたのか。どおりで釣り道具一式が不自然に置かれていt・・おっと失礼・・・・フ、イナダ十六匹目フィッシュ」

 

こちらも天倉の知人。頼れる背中がキラリと光り褐色の肌に白い髪の毛、赤い服といったランサーとは対照的な容姿をした男性だった。

するとその男性はランサーに向けてわざわざ皮肉を言うように口を開く。

 

「良い漁港だ。面白いように魚が釣れる。

・・・・ところで後ろの男、今日はそれで何フィッシュ目だ?」

 

「うるせぇな、なんでテメェに答えなきゃいけねえんだっての、余所でやれ余所で」

 

ランサーはグググと苦虫を噛み潰した顔をしており、その顔には「うわ、厄介な奴が来やがった・・・・」と言うのを読み取る事が出来るだろう。それに対し赤い方の男性はフッと勝ち誇ったような顔でさらに口を開く。

 

「ハッハッハ、まだサバが八匹だけか。

時代遅れのフィッシングスタイルではそんなところだろうよ、っと十七匹目フィィィィィイッッシュ!!」

 

「だからうるせぇっての!この近代かぶれ!魚が逃げるだろうが!魚が!」

 

「ふ、腕のなさを他人の所為にするとは落ちたなランサー。近場の魚が逃げるのならリール釣りに切り替えればいいだろう。

もっとも、石器人であるお前にリール釣りのなんたるかが理解できるとは思えないが、おっとすまないね。十八匹目フィィィィイィッッシュ!!!!!!」

 

赤い人はヒャッホーと歓声を上げながら釣りを楽しむ。しかし何故だろうか天倉がそんな様子を見ていると心が酷く痛む。

取り敢えず、買って来たであろう飲み物を全員に配ることにした。

 

「ハイ、アーチャーさんもどうぞ。余分に買って来たんで喉乾いた時はいつでも言ってくださいね」

 

「ふむ、気が利くな。ありがたく貰おうか」

 

とカシュッと蓋の開ける音が気持ちよく鳴り、ゴクゴクと中身を飲み干していく。

すると天倉の背後から声がかかってくる。

 

「おーい、こっちも来てるみたいだぜ」

 

「え?本当に?」

 

と天倉はキルアの言われた通りに自分の釣り場へと戻り確認すると確かに釣竿が獲物を引いているのだ。

天倉は釣竿をしっかりと握ると、いつもとは違う重みを感じる。

・・・大物だ。

 

「せーの・・・・ソラァ!!!」

 

と海面から獲物が飛び出てくる。太陽に照りつけられたその美しい体はあらゆる漁師を魅了するだろう。

そしてその大きさは今までの魚とは違い1mも越すであろう大きさだ。

 

「あ、これカンパチだ」

 

「「何ィィィィィィイ!!??」」

 

と大の大人二人組が天倉が釣った獲物に驚愕する。その大きさは自分たちが釣ったであろう獲物と比べかなりの大きさだ。二人は天倉に対し敗北感を味わう。

 

「ぐ・・・負けらんねぇ・・・、絶対に負けてたまるかぁ!!!」

 

「獲物の数ではまだこちらの方が有利。大きさでは負けたがすぐに君の記録を越してみせよう!

別にこの港の魚を釣り尽くしても構わんのだろう?」

 

しかしいい歳をした大人達はすぐに立ち直ると「うおおおおおおお」と釣りを再開し始める。

そんな様子に天倉とキルアは溜息をつく。

 

「うわぁ・・・童心に返った大人を見るのってこんなにも辛い事なんだね」

 

「放っておこうぜあんな大人達、俺たちはのんびりとやろうぜ」

 

と天倉は再び釣竿を握り、釣りを再開する。そしてチラリと隣に視線を移す。

するとゴンが先程から釣り糸を海に垂らしたまま微動だにしていない事が分かる。

 

「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜全然釣れない・・・・一匹も釣れない〜〜〜〜〜〜〜」

 

どうやらあちらは一匹も釣れていない様子。

天倉はそんなゴンに釣りのコツを教えようと近づこうとするが、キルアに止められる。

 

「やめとけってゴンの奴お前に今まで釣りを教えて来てもらったから今回は自分の力だけで釣りたいんだってさ」

 

「あぁ、成る程。それじゃあ邪魔しちゃ悪いか・・・・」

と言うと天倉は釣りを再開。

したその時、天倉の釣竿に再び獲物がかかる。しかも竿にかかる重さは先程のカンパチと比べるとそれ以上の大物と判断できる。

 

「キタキタキタキタ!!連続で大物!!多分さっきよりも凄い奴!!!」

 

「マジかよ!!俺も手伝うからカンパチくれよ!!!」

 

「えぇ〜〜〜〜〜孫治郎ばっかりズルイ〜〜〜〜〜〜〜」

 

すると先程までヨーヨーで遊んでいたキルアは目をキラキラ光らせながら釣竿に手をかける。

彼もまだ12歳なのでこう言った所は子供なのだと分かる。

 

「よっしゃ!いくよ「せーーーーーーーーのっ!!」」

 

 

━━━ザバァッ!!!

 

 

と水飛沫を上げながらソレは姿を現わす。

ソレは美しかった。その鱗は薄い青色であり、まるで透き通った水のようだった。

そして深緑色の和服が青とベストマッチし、ひらひらとしたフリルがまるで水中に漂うクラゲを連想させる。

そしてそのどこまでも深い青の髪の毛はクルクルとした縦ロールに整えてあり、まるで人魚姫の様な姿をしていた。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・と言うか人魚だった。

 

 

 

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

 

 

 

しばしの沈黙。天倉とキルアはどうコメントすればいいか分からなかった。

人魚の服には釣り針が引っかかっており、まるでクレーンで吊るされている様子だった為物凄くシュールである。

すると人魚はこちらに気付きしばらく間を空けてからこちらに話しかけてくる。

 

 

「え、えっと・・・・・すみません。私・・わかさぎ姫と言います・・川で泳いでいたのですが・・いつの間にか海に来ちゃって・・・・その・・・降ろしてもらっても」

 

 

(人魚・・・・あぁ、個性ね。ってアレ?何だろう?この人(?)を見ているとなんか・・・・)

 

「おい、どうしたんだ?早く降ろしちまえば・・・・って聞いてねぇし」

 

天倉は不思議に思い釣り針にかかっている人魚をじっと見つめる。キルアは何度も天倉に声をかけるが反応が無い事が分かると溜息をつく。

するとわかさぎ姫と名乗った人魚の頰が赤く染まっていき、次第に顔全体が赤くなっていく。ハッと我に返ると両手で顔を抑える。

 

「あ、あのー?(え?え?えええええぇぇぇぇええ⁉︎な、何この展開!も、もしかしてこれってよくある目と目が合う瞬間好きだと気付いた〜って感じのアレ⁉︎)」

 

 

━━ジーーーーーー

 

 

「え、えっと・・・・・(ま、マジで?マジでこれって期待しちゃって良いの⁉︎ま、まぁ確かに顔も体つきも案外悪くは無いし。で、でもいきなりすぎるのはちょっと・・・・いやでも・・)

 

 

━━ジーーーーーー

 

 

「あ、あうぅ・・・・(い、良いよね⁉︎も、もうゴールしちゃって平気よね⁉︎ぶっちゃけ自分の容姿には自信あるし!

・・・影狼、赤蛮奇。私・・・・先に幸せを掴むね!!」

↑声が出ている事に気付いていない

 

(えーーーっと・・・・確か・・・青・・・水・・・・女性・・・・あ)

 

瞬間、天倉の脳内にとある記憶が蘇った。忌々しく初めて殺意を覚えた女神の記憶が━━━━━

 

 

━━━ぷーくすくす

 

 

「えっと・・・あの・・もしよろしければ私とおつk━━━━

 

 

 

━━━ボシャア!!!!

 

 

瞬間、天倉は手の力を抜き、人魚を海の中へ降ろした。急な出来事だったのかその場の時間が止まった様な感覚に陥る。

しばらくすると海面にブクブクと泡が発生し、そのままバシャアと人魚が手と尾をバシャバシャと激しくバタつかせなが水面から出てきた。

 

「アッ⁉︎この川・・じゃなかった、海、深いッッボボボボボボボボッ!ボゥホゥ!ブオオオオバオウッバ!?」

 

「お、おい何やってんだ⁉︎」

 

「あ、ごめん。なんか殺意の様なものが湧き出して・・・・・」

 

キルアは思わず天倉の行動につっこんでしまう。真顔で人?を海の中へ落とす行為を突然されれば誰だってツッコミを入れるだろう。

 

「ボボボボボボッッ⁉︎た、助けッ⁉︎わたっ私、海水で泳ぐのにがっ苦手でッッ!!たっ、淡水じゃ無いと⁉︎ボッボボボボボボボボッバボッ⁉︎」

 

その後、無事に人魚は救出されました。

 

 

 

 

AM 11:30

 

 

 

 

天倉は救出した人魚に的確な処置を施した後、釣り場から少し離れた場所に寝かせておいた。あと少しすれば目も覚ますだろう。

しかし、そんな事をしている間にもう一人この釣り場に新たな戦士(暇人)が現れる━━━━

 

「やっと、ひと段落ついたな。なんか処置している間、顔を真っ赤にしていたけど・・・熱中症かな?ちゃんと日陰に寝かせて、水分補給させておいたから大丈夫だとは思うけど・・・・ん?」

 

天倉が目をやるとそこにはまるで盆と正月が一緒に来たような賑わいを見せていた。

その中心となる人物は金髪オールバック、黒シャツの上に高級感の漂う白いコートを羽織り金ピカの装飾品を身に付けている男性。言ってしまうと坊ちゃんっぽい大人だ。

そんな大人が数人の子供を引き連れているのだ。

 

「うおー!すげー!ギルー、これサカナか⁉︎サカナだな!うおーサカナーー!一匹くれよーーー!」

「ギルギルー。三号の糸ピンピン動いているよー。あたし引いちゃっていいかなーー?」

「あれぇ?となりの兄ちゃんのサオ安物だねー。ギルのサオのが金ピカでかっこいいなー。バカっぽいけど」

「ぎるー、今週のジャンプどこー?」

「すっごーい、いっぱい釣れてるー!ねぇギル、後ろのお兄ちゃんにサカナ投げていいー?」

 

「はっはっは。騒々しいぞ雑種共。周りのオケラ共に迷惑であろう。

それはともかくジロウ、一匹と言わず十匹、二十匹持っていくがよい。ミミ、恐れることは無い。怒らぬから引いてみよ。イマヒサ、当たり前の事を言っても我の気は引けんぞ。だがその嗜好は良し、これでガリガリさんを買ってくるがよい。カンタ、ジャンプは俺が読み終わるまで待て。コウタ、アレは狂犬故な注意してぶつけてやれ」

 

 

大漁旗の如く高級釣竿を展開し、子供達を引き連れた大人の姿はまるでガキ大将・・・もしくはみんなのヒーロー?的な感じだろう。

 

この人も天倉の知り合いなのだろうか?

 

 

「あれ?もしかして・・・・ギルさん?」

 

 

知り合いだった。

 

 

「む?誰かと思えば貴様か狂獣。

先日の戦いで見せたアレは何だ?我を笑い殺す気か?フハハハハハハ!今思い出しても腹が痛いわ。良いぞ褒めてつかわす。ありがたく思え!」

 

「全然ありがたくねぇ!て言うか狂獣って呼ぶのやめろ!」

 

いきなりの態度を見せるギルさんに天倉は的確なツッコミを見せる。それを他所にワラワラと子供達が天倉の方へと詰め寄ってくる。

 

「あーー!体育祭の時のお兄ちゃんだ!本物だー!」「すげー!地獄からの使者だ!」「ねぇねぇ、変身してよ!」「おいデュエルしろよ」「必殺技!必殺技見せて!」

 

どうやら子供達は天倉が体育祭に出ていた事を知っているようで、とりあえず天倉のファン?になるのだろう。

とりあえず色々とつっこみたい気持ちを抑え彼はギルさんに質問する。

 

「そう言えばギルさんも釣りですか?」

 

「ふん、別にそう言うつもりでは無かったがな港で最強と名乗る者がいたが拍子抜けだったな。所詮は番犬と贋作使いに狂獣。王たる我と比べるべくも無い」

 

あっはっはと愉快そうに笑うヒーローギルさん。いつの間にか天倉までカウントされ、あれー?と納得できていない本人。

すると隣に釣りを続けているアーチャーが話に割り込んでくる。

 

「フ。相変わらずの物量作戦か。しかも金に糸目をつけぬ最新装備とはな。

・・・・がっかりだ。道具に頼るとは見下げ果てたぞ英雄王・・・!」

 

と子供達に囲まれながらも負けじと魚を釣り続けている赤い男。しかし、その釣竿には最新式のリールが装備されている為、明らかなブーメラン発言である。

 

「うわぁ、あんな大人にはなりたく無いな・・・・」

 

と天倉は可哀想な視線を大人気ない二人に向けつつ、自分の釣り場へと戻る。

そこには退屈そうにしているキルアと未だに奮闘中のゴンがいた。

 

「ほんと、どうして世の中ってあんな大人達ばっかりなのかなぁ・・・」

 

「俺もそう思う。ビスケもある意味アレ等と同類みたいなもんだし」

 

と天倉とキルアは再び童心に返った痛い大人達を見据える。お互い苦労しているのだと溜息をついていると再び天倉の竿に反応がある事に気付く。

 

「お、来てんじゃん」

 

「ほんとだ。よっ・・・・・と!!!おぉ!!これってブリじゃん!」

 

と釣り上げたのは1m超えのブリだった。先程釣ったカンパチ以上の大物であり、周りの子供達もおぉ!と驚いていた。しかしそれ以上に驚いていたのは大人達の方であった。

 

「なっ!何でアイツばっか大物引き当てんだよ⁉︎運どうなったんだチキショー!!」

 

「おのれ、我の許可を得ずに大物を・・・・!!!」

 

「なっ⁉︎まさかあのロッドはスーパーオートメーションや電撃ガマカツ2006を超えると言われた幻の"デンオウ・青カメ公ver"だと・・・・・⁉︎世界に一つしかないと言われるものを何故⁉︎」

 

天倉はそんな大人達を他所にブリをクーラーボックスの中に入れる。ほっこりした顔で彼はクーラーボックスの中にある海の幸を眺める。時間的に腹が減っているのだろうか、口元から涎が少し出ている。

すると隣にいるゴンが声を上げる。

 

「きっ、来た!!!しかもすごい!物凄く重いよ!」

 

「やっとか!ゴン、俺も手伝おうか?」

 

「大丈夫だよ、キルア。俺の力だけでやってみるよ・・・・んぐぐぐぐ!」

 

とキルアは自分の事のように友達の釣竿に獲物が掛かったことを喜ぶ。しかし、ゴンがいくら力を入れても獲物は一向に姿を見せない。

天倉はそんな様子を不自然と感じたのか、海の中をよーく観察する。すると釣針が海底に引っかかっている事が分かった。

 

「あぁ、やっぱり。これ針が底の所にかかっているよ」

 

「んだよ、ダメじゃんか。おーいゴン。あきらm━━━━

 

 

 

 

 

 

 

━━━━もうこれで終わってもいい

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、ゴンを中心に黒い瘴気のようなオーラがブワリと出てくる。そしてそれを渦のように立ち込めていき、先程まで快晴だった空も雨が、いや雷が落ちてくるような曇天へと変わっていく。

 

 

「何だあの不気味な王気(オーラ)は見たこともないぞ⁉︎」

 

「オイオイオイオイオイオイオイオイ⁉︎なんかやな予感しかしねぇぞ⁉︎」

 

 

とその場の全員は戸惑いを隠しきれなかった。天倉は子供達を港から離れるようにと言い、避難させる。

そして、ゴンを中心とした黒いオーラは次第に勢いを増し、風が吹き荒れ、波は激しくなる。

そしてゴンの身体は急激に変化していく。

 

腕が、脚が次第に強く強靭なまるで丸太の如く太くなっていき、身長も先程まで子供だったとは思えないほど高くなり、筋肉は極限まで鍛え上げられたように引き締まり、大きくなっていく。そして目は光を失いまるで全てに絶望したような顔つきになる。

 

そして注目すべきなのは髪。

その髪はただ、ただ長く、長く、長く、長かった。髪は上へと天に昇るようにただ伸びていた。

 

その様子にその場の全員は言葉を失った。

 

 

「ゴン・・・・さん・・・・」

 

 

その場の中でキルアだけは喉からやっと声を出すようにその名を言う。

そしてゴン・・・いやゴンさんは釣竿を持った手を中心に力を込める。すると全身のエネルギーを一点に集中するかのように手が光りだす。

次第にゴゴゴゴゴゴゴゴゴと地が唸り、次第に波が激しくなり、空はまるで不運を呼ぶかの如く悪天候になっていく。

 

 

「こっちだ・・・・・・」

 

そう呟きながらこれでもかと更に力を込める。全員が動かない中キルアは心の底から叫ぶ。

 

 

「駄目だ!そんな!もうこれ以上の力!一体!この先!!どれほどの(ry

 

 

するとゴンさんはこちらに顔を見せると

 

━━━ニコリ

 

大丈夫と笑顔を見せながら涙を流していた。

 

 

そしてその場の全員は「あ、コレ死ぬわ」と死を覚悟した。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「ハッ!!あ、あれ?私・・・確か・・・。あ・・・」

 

と人魚が目を覚ますとそこには日陰としてパラソルがあり、すぐ隣にはスポーツドリンクとメモ書きが置いてあった。

メモには「目を覚ましたら水分補給としてそれを飲んでください」と書き記してあった。

すると人魚は顔を赤くしていく。彼女は人魚だ。しかしそれ以前に女性でもある。彼女は彼に一目惚れしてしまったのだ。

 

彼女は川から海へと流され、釣り上げられたかと思えば海へと落とされ散々な1日だと思った。しかしそれを覆すように素敵な人物と出会い事が出来た。

彼女は彼の事を想う度、不思議と胸が熱くなるのを感じる。

 

「ふふ、素敵な人だったなぁ。

散々な1日だとは思ったけどそんな事は無かったな・・・・何だかいい事が起きそうなよかn━━━

 

 

 

 

ボ!!!!!!

 

 

 

 

瞬間、自分を含め堤防が吹き飛んだ。

 

 

━━━やはり散々な1日だった。

 




今回の番外編では他作品のキャラを色々と出してみました。
知っているキャラはいましたか?

アドバイス感想等がありましたら下さると助かります。
評価の方もよろしくお願いします。

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