私はしがないアポロ王都の派遣隊員。今回の任務はアルマーニ村という王都から馬車で一週間かけて二人の魔法使い候補の子どもを迎えに来た。
アポロ王都の保護下にあるアルマーニ村の村長から魔法使いにしてほしい子どもがいるという報せがあり出向いたのだが、なるほどなかなか素質がある子ども達だ。
村長の娘のコレットは既に水魔法を習得しており、道中の飲み水に困ることはなさそうだ。アポロ王都は火の大精霊を主としているが、格が落ちるが水を含めた他の中級精霊がいるのでそこで再契約をすれば中の上クラスの魔法使いになれるだろう。
アルフという少年は武術家を目指していると言うだけあって夜中の道中に現れたゴブリン達の撃退に一番に貢献した。
ゴブリンは人間の子どもくらいの大きさのモンスターで家畜や老人、子どもにも害をなす存在で、油断したら我々派遣隊員もやられる可能性がある。
そんなゴブリンの襲撃に何故か馬車の中で寝ていたアルフは突如目を覚まし撃退に出た。
毎朝アルマーニ村の周りを背中に土を積めた壊れた鍋担いで走っているなかでゴブリンだけでなく角ウサギに猪。ジャイアントバタフライといった魔物を討伐してきた。彼いわく「気配を感じた」とのこと。本来それは風魔法に順するものだが彼は未だに未契約らしい。
自分達に向ける敵意に敏感なアルフは襲いかかってきたゴブリン達の出鼻をドロップキックでくじきながら敵襲だと我々派遣隊に檄を飛ばす。
子どもばかりに働かせてなるものかと、見張りをしていた隊員や仮眠をとっていた私も加わってゴブリン退治をしていく。
夜間での襲撃もあったが松明の灯りだけでなく、辺りを明るくする光魔法のライトで辺りを照らすとすでにアルフ少年の足元には三体のゴブリンが転がっていた。まだ息があったゴブリンの様子を見たアルフは瀕死だったゴブリンの首の骨を踏み砕いてとどめをさす。それを見た仲間のゴブリンが手にした石の斧や錆びたナイフでアルフに襲いかかるが、石の斧は手のひらで。ナイフは親指人差し指、中指の3本で挟むように受け止めるだけでなくなんと身体強化の魔法でブーストした身体能力でそのまま奪い取り、返すように襲いかかってきたゴブリンの首に突き返した。
鮮やかすぎる手並みに派遣隊の面々は驚きを隠せなかった。それは襲撃してきたゴブリン達もそうだった。
そんなゴブリン達の中で一番体の大きいゴブリン。ホブゴブリンも驚いているなかでアルフは勝負に出たのか、あの構えをする。
「か~め~は~め~」
て、ちょっと待て。その魔法は?!
「波ーーーーっ!!」
アルマーニ村へ向かった派遣隊記録簿。
その中にゴブリンの襲撃があったとあるが、その中に突然変異したゴブリンの進化系リトルオーガが現れて、アルマーニ村の少年アルフが責任もって三時間にわたる激闘の末討伐したと記される。
何で少年が責任を取るの?と疑問に思えたたが、少年のせいで突然変異したんだから仕方ないんだ。
後半のひさつわざは披殺技。
主人公のかめはめ波はゲッ○ー線