新 三好春信は勇者である   作:mototwo

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この話には『乃木若葉は勇者である』のネタバレが含まれます
訳のわからんギャグは無くなってます、鬱話ばかりです
前回までのノリを期待している方は読まれない方がよいでしょう



9話 軌跡

<祠前>

 

「え?また大阪?」

 

「ああ、そして諏訪、丸亀と…」

 

「なんだ、行った事ある所ばっかりだな、再調査ってことか?」

 

「まあ…そんなとこかな…」

 

「そもそも調査って言っても大した成果も上がらなかったからなぁ」

 

「ああ…だから今回はそれぞれに、そこそこ長い期間いてもらうつもりだ…」

 

「長いって。。。何日も?」

 

「何週間…場合によっては何ヶ月…」

 

「ホントに長いな。。。ってか、今回はちゃんと戻れるんだろうな?」

 

「?」

 

「最初に大阪行った時のこと忘れたのか?!」

 

「なんだっけ…?」

 

「戻る方法もタイミングも話さなかったろ!」

 

「ああ…必要なかったからな…」

 

「時限式にするならするで言っとけよ!」

 

「一応…他の予備措置も取ってたしな…」

 

「予備措置って?」

 

「死ぬほどダメージ受けたときには強制送還される…」

 

「お前。。。」

 

呆れたようにジト目で見る春信

 

「特に今まで使うことも無かったようだがな…」

 

「当たり前だ!お前僕がそんなにバカみたいに戦ってると思ってたのか?」

 

「お前が馬鹿なのは周知の事実だ…」

 

「それはお前が流した根も葉もない噂のせいだ。。。」

 

「火の無いところに煙は立たん…」

 

「その火の元がお前だって言ってるんだよ!」

 

「俺が足したのは燃料だけだ…火種は元からあった…」

 

「シスコンで巫女好きでバトルバカとか、どこにも僕の要素が無いわ!」

 

「(シスコンは元からあったイメージだが)そうか」

 

「そうだよ!」

 

「(無自覚ってのは怖いもんだな)そりゃすまなかったな」

 

「謝罪がいつも以上にテキトーだ。。。何か思うとこでもあるのか?」

 

「(普段鈍いくせにこういうとこだけ…)いや、別に…」

 

「ふうっ、もういいよ。。。あっちで何かすべきことは?」

 

「現地の人々の様子…今まで通り見てきたことを伝えるつもりで行って来てくれ…」

 

「期間を延ばしただけかよ。。。食事とかは?」

 

「コレだ」

 

カードのように薄いピルケースを春信に放り投げる

 

「コレって?」

 

「お前用に調剤した…まあ栄養剤ってとこだ

1粒で一日の栄養が摂取できる…

他は現地で何とかしてくれ…」

 

「こんなに小さい粒でか。。。」

 

ビーズよりも小さな粒を取り出し、細目で見つめる

 

「腹は満たされんし、他人には使えんがな」

 

「栄養剤なのに?!」

 

「そのサイズにするのに特別な調剤を行った

間違っても他人に飲ませるなよ、死ぬから」

 

「何ソレ、怖い!」

 

「お前なら殺したいほど憎い奴がいても、そんなのは使わんと信じてる…」

 

「何言ってんだ、当たり前だろ、そんな事」

 

「そうだな…」

 

「?なんか今回はいつになく真面目だな。。。」

 

「俺はいつでも真剣だ…」

 

「そうなのか?」

 

「お前こそ真面目にやれよ、今回は辛い旅になるぞ…」

 

「長旅程度でへこたれないさ、僕だっていつも真剣だからな!

でもそうか、また皆に会えるんだな。。。」

 

「くれぐれも慎重に動けよ…」

 

「わかってるって!じゃーな!」

<大阪3>

 

ウメ地下をアニキ達と探索した春信

しかし、やはりめぼしい情報も収穫もなかった

 

(今日で何日目だ?こんなこといつまで続ければ。。。)

 

春信は焦っていた

ここのところ同じようにウメ地下を巡回し

各ブロックにいる人たちに声をかける日々

日を追う毎に切迫する食糧事情

巡回の途中で(いさか)いの様子を見かけるのも毎日だ

 

(元々、敵と戦う為に来たわけじゃないが。。。

このままじゃバーテックスと出会わない内に餓死者でも出るんじゃ。。。)

 

自分の懐にあるカードサイズのピルケース

その中の栄養剤が自分の命綱である事実と共に

それがもし他人に見つかったらと想像する

 

(飲んだら死ぬなんて誰も信じないだろうな。。。

下手をするとコレが原因で奪い合いの争いになるかもしれない)

 

それどころか

切羽詰れば毒であると解った上でなんでも良いから口にしたいという人さえ出るかもしれない

空腹は人の正しい判断力を削ぐ

普段、食に困らない生活をしているせいで感覚は鈍っているが

本来、人の生存本能はモラルを軽く凌駕してしまうのだ

 

(そんな中でもアニキさん達は皆を励まして少ない食料で頑張ってる。。。

なんとか助けたい。。。ここにいる人たちを。。。)

 

しかし春信自身も自分が正しい判断力を保てているのか自信がなかった

栄養剤で体調こそ万全であったが、『彼』の言ったとおり空腹は満たされない

 

(普通、栄養剤って血中カロリーとかの影響で空腹感も減退するんじゃないのか?)

 

ここに本来いないはずの自分が皆の食料を減らすわけにはいかない

大阪に戻ってから、春信は栄養剤以外に何も口にしていなかった

もちろん、アニキ達は春信にも少ないながらも食料を分け与えてくれていたが

春信はそれをその都度、近くにいる子供や病人に少しずつ分配していた

 

(本当は一番衰弱している人に全部渡してしまう方がいいんだけど。。。)

 

一度に渡すと自分が食べていないことがバレてしまう

栄養剤の存在が知られるのは自分にとっても周りの人間にとっても死活問題だ

 

(今度戻ったら。。。アイツに空腹を押さえる薬も作ってもらおう。。。

いや、そもそも、他人にも使える栄養剤を。。。)

 

などと考えているうちに病人と老人が集まった区画に辿り着く

いつものように明るく話しかけるアニキ達

 

「みんな~!帰ったで~!少ないけど瓦礫ん中から缶詰も見つけてきたで~!」

 

「ちょこっとやけど、ひっさしぶりに魚が食えるで~!」

 

「あ、ちょこっと言うてもチョコは無いで、ゴメンな~!」

 

「?!」

 

にこやかに帰った春信達を迎えたその光景

それに誰もが硬直した

『それ』を見渡す春信

 

(あれは。。。朝、出かける前に「いってらっしゃい」って声をかけてくれたお婆さん

あれは。。。昨夜食事をほんの少し分けただけなのに何度も頭を下げて感謝していたお爺さん

あれは。。。辛そうな顔を無理に笑顔にして「まだまだ頑張れるよ、僕」と言っていた男の子)

 

(なんで。。。皆、頭から血を流して倒れこんでるんだ。。。?)

 

すすり泣く子供たちの声に混じる血の匂い

その元は頭を砕かれ倒れた人々だった

 

「どないしたんや!これは?!」

 

アニキの声に我に返り、すぐさま駆け寄って応急処置を施そうとする春信

しかし、その誰も彼もが既に事切れた後だった

 

「こんな小さな子まで。。。なんで。。。こんなことに。。。」

 

血まみれの少年を抱き上げ涙を流す春信

アニキたちは生き残った子供たちに話を聞いていた

そして激昂して立ち上がる

 

「アイツら…ぶっ殺す!」

 

「アニキさん。。。?」

 

懐から匕首(あいくち)を引き出し、ある区画へ歩き出すアニキ達

春信は抱き上げた少年を床へおろし、アニキ達の前に立ちふさがる

 

「な。。。何する気だよ?!」

 

「言うたやろが…アイツらブッ殺したるんじゃ!」

 

その目は怒りに猛り、正に誰を殺してもおかしくないほどの激情を蓄えていた

 

「何言ってんだよ!そんなの。。。」

 

「お前は(なん)も思わんのか!

ここにおったんは何の抵抗も出来ん、年寄りと病人やぞ!

それを口減らしのためにて、俺らのおらん()にアイツら…」

 

アニキが手を開いたその先に倒れた人たちがいる

その惨状は彼らと短い期間しか接していない春信の目から見ても許せるものではなかった

 

「で、でも。。。」

 

「お前はついて()んな…」

 

「えっ?」

 

「おっても邪魔になるだけじゃ…」

 

「そんな。。。」

 

「残ったあの子等だけでも守ったってくれや…」

 

アニキが顎で示した先には

殺された人々にすがって泣く子供や呆然と座り込む人たちがいた

 

「いくぞぉ!お前らぁっ!!」

 

「おう!」

 

「弔い合戦じゃぁっ!」

 

「殺ったらぁ!」

 

普段明るく励ますアニキたちの怒り狂う姿に残された子供たちは怯えていた

春信はそんな子供たちの肩を抱き、アニキたちの背中を見つめることしか出来なかった

 

「人が。。。人を殺すなんて。。。」

 

「別に珍しい事やない…」

 

「?!」

 

振り向くとそこには少女がいた

少女はうなだれ小さな子を抱きかかえて呟いていた

 

「珍しくないって。。。」

 

「お兄さんが知らんだけ…ここでは…毎日のように人が殺されてる…」

 

「なんでっ?!」

 

「ささいなケンカが原因やったり…食べ(もん)が足りんかったり…」

 

「そんなバカな事で。。。」

 

「それがおかしいって…誰も言わんようになってきてる…」

 

信じられなかった

目の前の惨状がそれが事実である事を物語っていた

しかし春信には人がそんなことで人を殺す

その感情が信じられなかった

 

「そんな訳ないじゃないか!こんなのおかしいよ!

助け合わなきゃ。。。一番助け合わなきゃいけないときに!」

 

状況は見えないが、きっと外ではまだバーテックスがいるのだろう

こんなところで人同士が争っている時ではない

人類の天敵があのバリケードの向こうに徘徊しているのだ

今こそ人が一つになって立ち向かうべき時なのだ

 

「でも…どうしょうもないから…」

 

しかし希望も力も感じられない震える小さな声で少女が呟く

 

「どうしようもないって。。。君だってその子を守ろうと思ってるんじゃないのかっ?!」

 

春信が少女の肩を掴み、顔をあげさせる

 

「っ。。。!」

 

少女は泣いていた

抱きかかえた子供は頭から血を流し

その顔からは血の気が失せ

既に冷たくなっていた

 

「私は…この子を…妹を守れなかったの…」

 

「あ。。。」

 

少女はなおも呟く

 

「守ろうと思って…抱きかかえてた…でも大人たちに引き剥がされて…」

 

「あああ。。。」

 

呟くその声はどんどん力を失う

 

「邪魔するんやったらお前も殺すって…怖くてそれ以上動かれへんかった…」

 

「そんな。。。」

 

その情景が今も目に焼きついているかのように瞬きもせず涙を流している

 

「こんな想いするなら…あの時に一緒に殺されてた方が良かったのに…」

 

「そんな訳ない!」

 

「?」

 

「そんな訳ないだろ。。。そんな風に言われたって妹さんだって喜ぶわけない。。。」

 

「…」

 

「君に。。。お姉ちゃんに自分の分も生きていて欲しいって思うもんだろ。。。?」

 

「そう…かもね…」

 

「だったら!」

 

「でも…私は妹に私の分も生きてて欲しかった…

病気になって…だんだん弱っていく妹を見るのが辛かった…

私が代わりになれればって…いつも…思てた…」

 

「あ。。。」

 

目の前で愛する家族を奪われた少女に対し

ありきたりな言葉しか出ない春信には

励ます力も慰める術もなかった

 

「もう…ええねん…ごめんな、お兄さん…」

 

妹の亡骸を抱きしめて震える少女に春信はそれ以上何も言えなかった

 

(これが西暦の現実か。。。!

追い詰められた人間はこんなにも利己的になれるのか。。。!)

 

追い詰められた状況でも明るく励ましあうアニキ達を見て来た

しかしそうやって守ってきたものが天敵ではなく、人の手によって奪われる

こんな状態の人々をどうやって守ればいいのか

いや、そもそも自分は勇者としてこの人々を守ることができるのか

己の無力に拳を握り締め、春信はただただ、少女と共に涙を流すばかりであった

<諏訪4>

 

バーテックスに蹂躙された諏訪を手分けして捜索する若葉たち

一人佇む若葉は背後に何かの気配を感じ、戦闘態勢で振り向く

 

「酷いもんだろう。。。」

 

そこには仮面をつけた赤い勇者装束の男が立っていた

 

「貴方は…」

 

「残念ながら、ここの生存者って訳じゃない」

 

若葉の言葉を待たず、男は唯一の可能性を否定する

 

「どう思う?この惨状を」

 

「…」

 

周りを見渡す若葉

ここ諏訪には人が作った文化の痕跡がほとんど見られなかった

バーテックスに蹂躙し尽くされ、その形を(とど)める物が何もなかったのだ

 

「なぜ…なぜ奴らはここまで徹底的に…ここは今までの、どの町より酷い…」

 

「そうだな。。。まるで最後まで逆らった者に対する報復のように徹底していた。。。」

 

「最後…まで?」

 

問いかける若葉に仮面の男は語る

 

「ああ、勇者、白鳥(しらとり)歌野(うたの)は。。。」

 

そして『あの日』のことを思い出す

最後に四国と通信する傷だらけの歌野とそれを見守る水都

 

「どれだけ。。。社が破壊されても」

 

空を埋め尽くすほど大量のバーテックス

更に融合し、進化して諏訪に襲い掛かる悪夢のような戦況

 

「目の前で諏訪の人々が食い。。。殺されても。。。」

 

結界が壊され、歌野がどれだけ戦っても守りきれない村人たち

助けたと思った瞬間、その人が別のバーテックスに目の前で食われる衝撃

 

「自分の身が砕かれ。。。親友の巫女が食われた。。。その時すらも。。。」

 

仮面の男がどれだけ奮戦しようと、守りきれる命など一つもない地獄

 

「自分の命の火が尽き果てる。。。最後の瞬間まで。。。戦い続けた。。。」

 

そして諏訪の勇者の、巫女の、最期の瞬間…

男の声は震えていた

 

(泣いているのか…?)

 

「この跡形(あとかた)のない惨状は。。。奴らの執念であると同時に

白鳥歌野が最後まで戦う、奴らの脅威であった事の証しだ。。。」

 

若葉は拳に力を込め呟く

 

「白鳥さん…」

 

「それに。。。それに、何もかもが失われたわけじゃない、残された物もある」

 

「それは…」

 

「自分たちで探せ、そして忘れるな

白鳥歌野という勇者と、藤森(ふじもり)水都(みと)という巫女がいたことを

彼女たちの。。。諏訪の人々の(いしずえ)があったからこそ、四国は守られたことを。。。!」

 

背を向け立ち去ろうとする仮面の勇者

 

「ま…待て!」

 

若葉にはまだ聞きたい事がいくらでもあった

彼が何者なのか

一人でこんな所でどうしていたのか

そもそも男である彼が本当に勇者であるのか

 

「お前は…!」

 

生存者ではない、彼はそう言ったが

若葉にとっては四国を出て初めて出会う生存者に間違いは無い

必要であれば保護し、四国へ連れ帰らなければならなかった

しかし仮面の男には助けを請う気もそれ以上語る気もないようだ

 

「俺の事はいい、また会うこともあるだろう

俺はお前たちが何も知らないまま、ここを去るのが我慢できなかっただけだ。。。

必ず生き残れよ、ここの犠牲を無駄にすることは俺が許さん。。。」

 

そう言い残すと一気に跳躍し、遥か彼方へ去って行った

その身体能力は間違いなく、勇者のそれであったが

そのときの若葉にはそれが何者なのか、わかる筈もなかった

<丸亀5>

 

「蠍座の。。。バーテックス。。。」

 

仮面の赤き勇者は驚愕していた

300年近く経った後も一人の勇者を殺した十二星座の1体

それが今、目の前に存在しているのだ

 

「今の勇者の力で。。。勝てるわけがない。。。」

 

どういうことだ?

こんな話は聞いていない。。。

十二星座のバーテックスなんて

300年も前の勇者に立ち向かえる相手じゃない。。。

これは現実なのか?

こんな状況でどうやって勇者が。。。神樹様が生き残れたというのか?

 

思考は巡る

これは本当に僕の世界で起きたことと同じ過去なのか?

僕が来た事で知らないうちに何か悪影響を引き起こしているのか?

それとも。。。

蠍座の針が何度も球子の旋刃盤に突き出される

球子の後ろで杏がクロスボウを撃ち続ける

しかし敵にはまるで効いていないように見える

旋刃盤にもヒビが入り、限界を告げる

突き出す威力も速度もどんどん上がっていく針に耐えられなくなっているのだ

 

「やめろぉぉぉぉおぉぉっ!!」

 

考えている余裕などない、自分に今出来る事をするしかない!

仮面の男は飛び出し、蠍座と球子たちの間に割り込んだ

しかし

針を止めようと構えた小太刀は弾き飛ばされ

 

気付くと蠍座の尾がその体を突き抜けていた

いや、正確にはすり抜けていたというべきか

小太刀をはじいた針はそのまま仮面の男の体を何の抵抗もなく通り抜け

 

後ろにいた二人を旋刃盤ごと貫いていた

 

「あ、ああ、あああぁ。。。」

 

振り向いた仮面の男の目に見るも無残な二人の姿が写る

 

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

半狂乱で蠍座の尾に掴みかかる

しかし蠍座はそんな男を意にも介さず

尾を振り払い

針で貫かれた二人の勇者を放り投げた

 

「球子ぉっ!!杏ぅっ!!」

 

叫ぶ仮面の勇者の姿と意識はその場から消え去った

「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

祠前で待っていた彼が

泣き喚く春信に拳を振るう

 

「あ。。。」

 

ようやく正気を取り戻した春信を捕まえ、医療ブロックへ急がせる

 

「またやったのか!諏訪の時でわかった筈だ!あっちじゃお前は何も出来ん!」

 

呆然とする春信を連れ込んだ医務室で医療班に告げる

 

「すぐに全身から血ィ噴き出してぶっ倒れるはずだ!

それまでにどういう攻撃を受けたか聞けるだけ聞いておいてくれ!」

 

事情を知る特別班に(ほう)けながらも蠍座のことを話すと

 

「がはっ!」

 

春信のわき腹に大穴が開き、口だけでなく目や耳からも血を流す

 

「スコーピオンの毒だ!すぐに分析にまわせ!こっちでは傷の処置を行う!」

 

ドクターの指示で全員がテキパキと動き出す

まるでこの事態を想定していたかのように

 

その間も春信はずっと泣いていた

傷の痛みではない

また救えなかった

その心の痛みに泣いていた

<インターミッション2>

 

病室のベッドで春信は彼に怒鳴り散らしていた

 

「なんでだ!何も出来ない僕をなぜあの時代へ送るんだっ?!」

 

彼は黙ってその様子を見ている

 

「…」

 

「僕が行ったところで何も変わらない!変えられない!」

 

「…」

 

そう、何も変わっていなかった

春信は既に彼から聞いていた

自分が見て来た過去は

今いる現在に連なる過去となんの差異もない事を

彼はバーテックスの進化も勇者の犠牲も

すべて知った上で春信に話さなかったのだ

それを知らなければ

知らずに準備を進めていなければ

今回、蠍座の毒を受けた春信は死に至っていたことだろう

 

「誰一人守れない!救えない!」

 

「…」

 

だが、その事が更に春信の心を(さいな)んだ

自分も初めから知っていれば何か出来たかもしれない

誰かを助ける事が出来たかもしれない

 

「ただただ、人々が!勇者たちが!傷つき死んでいくのを見ているだけ!」

 

「…」

 

どれだけ勇者として戦っても誰一人助ける事ができなかった

それはあらかじめ知っていたところで変わるはずの無い現実だった

しかしそれに納得し、人々の死を受け入れる余裕など春信にはなかった

 

「こんなことに何の意味がある!意味なんてないじゃないか!!」

 

春信は泣きじゃくる子供のように訴えている

もう怒鳴り散らす気力もないのだろう

 

「親しくなった人たちがみんな死んでいく。。。」

「まるでそれを見るために時を渡る。。。」

「そんなの。。。もう耐えられない。。。」

 

春信の心は限界まで追い詰められていた

元々、春信自身が心の強い人間ではないのだ

神世紀の平和な時代に生まれ

一般的な家庭に育ってきた

たまたま大赦の組織に所属することになり

勇者としての経験と大赦の仮面の者としての経歴を持つことにはなったが

彼自身は、争いごとや人の死に対して耐性の強い人間ではなかった

そんな彼がこの時間移動で何度も人の死を見て来たのだ

そのどれもが理不尽で救いの無い死ばかりだった

心が折れ、振り向き、立ち止まってしまうのも仕方の無い事であった

 

「春信…」

 

俯き呟く春信に対し

 

「甘えるな…」

 

彼はその襟首を掴み上げた

 

「?!」

 

驚く春信に訴えかける

 

「何の意味もないとは言わせんぞ…」

「お前は多くの死を、絶望を、地獄を見てきたんだ…」

「それを見た者にはそれを背負う責任がある…」

 

「せ、責任。。。?」

 

手を離し、問いかけるように語る

 

「神世紀298年の戦いをお前は大赦の人間として見てきた」

 

乃木園子をリーダーとする3人の勇者の戦いをサポートしようと奮闘する人々を春信は見て来た

その中で犠牲になった少女たち、その犠牲に苦悩する仲間たちを見て来た

 

「神世紀300年の戦いをお前は勇者としても大赦の暗部としても見てきた」

 

犬吠埼風をリーダーとする勇者部の戦いを一度は共に戦う勇者として見て来た

どれだけ困難の中にあっても挫けない少女たちを、自分を支えてくれる仲間たちを見て来た

 

また一度はその戦いをを監視し管理しようとする仮面の者の一人として見て来た

少女たちに満開の秘密を告げず、その事を知って大赦に乗り込もうとした少女を

あろうことか園子を使って力で押さえようとすらしていた仮面の者たちを見て来た

 

「つまり春信、お前は大赦の良心と体質、そして勇者たちを見てきたんだ」

「どんな組織でも綺麗な面、汚い面がある」

「お前はそれを知らなくちゃならない」

 

「な、何を。。。」

 

彼の言い知れぬ迫力に春信はいつもと違う何かを感じていた

 

「知らなくちゃいけない、人の本質を!人の醜さを!美しさを!」

「それによって犠牲になるものの痛みを知らなくちゃならない!」

 

「どうして。。。」

 

顔を近づけ、呟く様に小さな、しかし力の込められた声で春信に告げる

 

「大赦という組織の(うみ)を吐き出させるんだ」

「そうして大赦を…変えるんだ」

 

「大赦を。。。変える?」

 

意外、というよりも考えの及ばない話だった

今の春信は大赦の一部であり、少しくらいは権限もある

しかしそれも先の戦いにおいて、園子を利用しようとした筆頭らを止めるにも至らない程度だ

そんな自分にこの友人は大赦を変えろと言ってきたのだ

 

「ただの一人の勇者で終われると思うな」

「三好春信、お前は背負わなければならない」

「今まで戦ってきた勇者たちの思いを」

「今まで犠牲になってきた人々の思いを」

 

「僕に。。。そんな事。。。」

 

出来るわけがない、何をどうすれば良いのか、いや、そもそも大赦をどう変えたいのか

それすら思いつかない今の状況で応えられる返事など持ち合わせていなかった

故に男は春信の答えを聞かない

 

「今は休め」

 

「。。。え?」

 

「回復してから話を聴く」

「その時にもまだ行きたくないと言うなら…」

 

「。。。」

 

彼は最後まで告げず部屋を出て行った

<インターミッション3>

 

祠前で対峙する二人

春信は旅支度を整えていつもの様子で立っていた

 

「行くんだな」

 

男が聞く

 

「行くよ」

 

春信は応える

 

「いいんだな」

 

更に男は聞く

 

「いいわけがない」

 

しかし春信は応えない

 

「お前…」

 

呆れる男の顔を見ながらそれでも春信はハッキリと言い放つ

 

「今まであっちで犠牲になった人々のことを無意味にはしたくない、だから行く」

 

「…」

 

男も黙ってその言葉を聴いていた

 

「だけど僕は勇者だ、救える命があるなら勇者として戦う

無茶も無理も通してみせる!」

 

それが春信が出した答え

人によっては何のことはない問題を先延ばしにしただけだと言うかもしれない

彼にはあっちで守れる命などないと言われた

 

正直、彼が春信に見せたいもの

それによって大赦を変える意味

そのどれも春信は理解しきれていなかった

 

それでも見届け、守れる努力をすると誓った、それだけなのだ

そして勇者である春信にはそれだけで充分だった

 

「まあ…今はそれでいい」

 

「お前の言った話は、全て見届けてから考えるよ。。。」

 

自分の答えは正解ではない、そう自覚しながら春信は彼にすまなそうに言う

 

「…そうしてくれ」

 

彼は納得したように、あるいは諦めたかのように嘆息し、春信を見送った

<高知>

 

「私たちを蔑むなら、あなたも……自分より圧倒的に強い者と、戦ってみなさい……!」

 

「ひいいあああ!」

 

「戦いなさい…!」

 

千景の振り下ろす大鎌が鈍い金属音を立てて少女の眼前で止まった

 

「ひっ、ひいぃぃぃぃぃいぃっっ!いっ……」

 

鋭利な刃物を目の前にして少女は気を失う

 

「あなたは…」

 

「やめておけよ。。。もう。。。」

 

千景の目の前には仮面をつけ赤い勇者服を纏った男がいた

2本の小太刀で千景の大鎌を受け止めている

 

「どういうことか分からないけど……

あなたも私を邪魔するのね……

私が…間違ってるって言うのね…!

その子達の味方をするって言うんでしょう……!!」

 

「お前は間違ってないっ!!」

 

いきなり叫ぶ仮面の男に気圧される千景

 

「?!」

 

「確かにお前の父親はクズだ!」

「今のお前の心に気づきもせず、お前をクズ呼ばわりするクズ野郎だ!」

「だが!そんな父親の娘だってだけでお前をクズ呼ばわりしたこの村の連中もクズだ!」

「そのくせ勇者になった途端、手のひら返してお前をチヤホヤして!」

「戦況が不利になったらまた手のひら返すようなクズだ!」

「皆を守るために戦って死んだ、球子や杏をコケにする様なクズ揃いだ!」

「お前が怒りに任せてこいつ等を殺しても、敵に襲われるのを見捨ててもしょうがねぇ!」

 

「な、何言ってんのよ、アンタ!」

「そ、その格好、アンタも勇者じゃないの?!」

「私たちを助けなさいよ!」

 

気を失った少女のそばで3人の少女たちが仮面の男を責める

しかし返ってきたのは彼女たちにはあまりにも意外な言葉だった

 

「うるせえ!!!

俺はお前らの勇者なんかじゃねぇっ!

お前らみたいなクズが死のうが生きようが知った事か!」

 

その声に言葉を失い小さくなる少女たち

しかし当の千景はその言葉にも苛立ちを感じていた

 

「あなた…言ってる事が無茶苦茶じゃない…」

 

鎌を持つ手に力を込め千早が呟く

 

「私が…間違ってないって言うくせに…私を止めて…」

 

その声は徐々に荒々しい叫びとなる

 

「勇者じゃないって言ってるくせにその子達を助けて…!

やっぱりあなたも私を馬鹿にしてるんだ……!!」

 

「やかましい!

こいつ等を助ける義理なんて俺にはねぇ!

俺は俺のワガママのためにしか勇者の力を使わねぇ!」

 

「わが…まま…?」

 

「俺はお前が人殺しをするのが嫌なだけだ!」

 

「なにを…!」

 

「精霊の悪意に飲まれたお前の『正義』と!

元のお前の『正義』を信じる俺の『ワガママ』と!」

 

「正…義…」

 

「どっちが強えぇか勝負だっ!」

 

小太刀を持つ手に力を込め、千景を突き放す

だが仮面の男は内心焦っていた

 

(くそっ。。。大見栄切っちっまった。。。どうする。。。?

きっとひなたちゃんが僕に教えてくれた事はこんな風に使う為じゃなかったはずなのに。。。

正直、この時代の勇者相手でも今の僕が正面から戦って勝てる気はしない。。。

言ってる事が無茶苦茶か。。。確かに何の理論立ても無い

親や故郷(さと)の人間をクズ呼ばわりした男の説得なんて聴けるはずも無い。。。

でも。。。それでも。。。!)

 

仮面の男の脳裏にあの時、大阪でアニキたちを止められなかった後悔が蘇える

あの後悔をもう一度繰り返すわけにはいかない、だから…

 

「このまま放ってなんておけるかぁぁぁぁぁっ!」

 

両手の小太刀で切りかかる仮面の男

しかしその狙いは千景ではなく、その手の大鎌に向かっている

 

(なんなの…この男?

私の『正義』…?

そんなものもう…どこにも…)

 

『そうよ…騙されちゃダメ…』

 

「あ…」

 

『この男も同じ…あなたと正面から向かい合ってなんていない…』

 

「お、同じ…?」

 

『言ったでしょう…?味方なんていない、みんなあなたを傷つける敵…』

 

「敵……」

 

『そうよ…自分の勝手な思いを押し付けて…』

 

「勝手な…思い…」

 

「?」

 

まるでこちらが見えていないかのように独り言を呟く千景に春信の手が止まる

 

(なんだ?『同じ』とか『勝手な思い』とか。。。いきなり?)

 

手は止めるが、いつ誰に斬りかかるかもしれない千景に構えを解く訳にはいかない

敵対行動を取り続ける仮面の男に今度は千景が斬りかかっていった

 

その連撃を両手の小太刀でなんとか受け流す

 

その間もブツブツと誰かと会話するように呟いている千景

仮面の男はその姿にかつての自分を見出した

 

(あの時の僕と同じ。。。?

だとしたら話してる相手は『弱い自分の心』?!

迷ってる余裕はない、賭けてみるか。。。!)

 

斬りかかる千景の攻撃をいなしながら仮面の男は叫ぶ

 

「どうだ、千景?!」

 

「?!」

 

「『弱い自分』の言葉は心にクるだろう?!」

 

「『弱い自分』…?」

 

「そりゃそうだ!自分に都合のいい言葉を並べ立てて自分を騙そうとするんだからなぁ!」

 

「なにを…!」

 

「だがなぁ!そいつの言葉に耳を貸している間は一歩も前に進めやしねぇ!!」

 

「うる…さいっ…!」

 

「おおっと、耳をふさごうとしても無駄だぜ!

俺の『声』はどこまでもお前の心に響くんだ!」

 

「うるさい…うるさいっ…!」

 

「だから俺が教えてやる!一番の心構えを!

いいか!千景!自分を信じるんじゃねぇっ!!」

 

「っ…?」

 

「お前を信じる俺を信じろ!!

お前を信じる『友』を信じろ!!!

そいつが一番お前にとって大事なことのはずだ!」

 

「私を信じる…」

 

千景の心にまたその声が聞こえる

 

『嘘よ…』

 

「嘘…」

 

「嘘じゃねぇっ!」

 

仮面の男の声を更に否定するその声

 

『騙されないで…』

 

「騙してる…」

 

「騙してねぇっ!」

 

その声は確かに自分と同じ声だった

 

『だって、彼もあなたに刀を向けているわ…』

 

「刀を…むけて?」

 

「!(今だっ!)」

 

仮面の男は小太刀を捨て、千景に向かって両腕を広げた

 

「お前を信じて俺はその刃を受ける!」

 

「?!」

 

「さあ、来いっ!千景ぇっ!!」

 

無抵抗の仮面の男に千景の鎌が振り下ろされる!

その刃は甲高い金属音とともに仮面の男の眼前で止まっていた

 

「乃木…さん…」

 

「若葉っ?!」

 

力なく振り下ろされた鎌は割って入った若葉の刀で受け止められていたのだ

 

「無茶をするな、赤いの!」

 

「いいとこで割って入って来たな。。。」

 

「何っ?」

 

「さあ!お前を信じる『友』が迎えに来たぜ!どうする?!千景!」

 

「友…」

 

「それともこのギャラリーの前でもう一戦やらかすかいっ?!」

 

「え……?」

 

周りを見渡すと4人の少女たち以外にも村人たちが集まっていた

考えてみれば昼日中(ひるひなか)から村の有名人と謎の男が大立ち回りをしているのだ

騒ぎで人が集まるのは当然であった

しかしそんなことにも気付かないほど千景は冷静さを失っていたのだ

 

村人たちも困惑していた

騒ぎの初めの方からいた者は謎の仮面の勇者の「クズ」発言も聞いている

自分たちが千景の家に何をしてきたかも語られていた

謎の男は千景が怒りに任せて自分たちを殺しても、

敵に襲われるのを見捨ててもしょうがないと言い切ったのだ

 

目の前にいる勇者たちは自分たちの味方ではない

そんな思いの渦巻く中

 

「あ、ああ…」

 

鎌をその手から落とし、千景が(ひざまず)

 

「やめて…そんな目で私を見ないで…」

 

頭を抱え、叱られた子供のように小さくなる

 

「嫌わないで…ください……お願い…私を…好きで…いて……」

 

俯き、涙を流して訴えるその姿を見て仮面の男は自分の小太刀を拾い村人たちに言い放つ

 

「チッ、命拾いしたな、クズ共が!!」

 

「なっ、何を言うんだ!貴様は!」

 

「うるせえな。。。俺は元々こいつ等を殺そうと思ってたんだ。。。」

 

「何ぃ?!」

 

「お前は平気だろうさ!

聖人君子様は自分や仲間が役立たずのクズ呼ばわりされても

『弱き者の為に』って戦えるだろう!」

 

仮面の男はなおも村人たちへ敵意を込める

 

「俺は違う!そんな奴らに守る価値なんざねえ!

今回はその娘に興が削がれただけだ!」

 

小太刀を村人に向け一人一人に言い放つ

 

「覚えておけ、テメエら!自分たちが何をしてきたかを!

その報いを受ける日は必ず来ることをな!」

 

「む、報い…?」

 

戸惑う若葉を尻目に男はしゃがみ込み

村人たちに向けたその手の小太刀を地面に突き刺し、そのまま高速でターンする

その勢いで巻き上げられた土が煙幕のように広がる

 

「め、目くらましっ?!」

 

それが収まったときには仮面の男の姿はそこにはなかった

その身体能力で既に村の外れまで跳躍している仮面の男、春信

 

(くそっ!何をしているんだ、僕は!

千景を助けに行ったはずなのに。。。

これじゃ、勇者の評判を落としただけじゃないか?

一体何ができたんだ?何をすれば。。。

どうすれば良かったんだ?)

 

結局、何も出来ず苛立つ春信

何か出来たのではと考える春信

何もしなければ良かったのかと悩む春信

しかし

いつまで経っても答えは出なかった

 




mototwo(以下略):話が酷いブツ切りだぁ…

春信(以下略):自覚があるならなんとかしようぜ

まとめてみて思った

何を?

コレ、原作読んでないと訳わかんないわ…

読んでても何がしたいのかわからんけどな

何をしたいのかはともかく、どこの場面かは大体わかるはずだから、原作読んでれば

それでいいのか。。。

言いたい事は<インターミッション2>でほとんど彼に言ってもらったし

アレがか。。。

それぞれの土地の結末は上げないって決めてたし

そのせいで何がなんだかわからん読者もいるだろうに。。。

原作読んでね!としか言いようがないな

投げっぱなしかよ

あとは次回でまとめるだけ!

まとまんのか。。。?

それはもう書いてあるし

この後書きの前に書き上がってたのか

そうそう

なら、いっそまとめて上げりゃ良かったのに

次の話がちょっと雰囲気違うから

ほう?

大体、上の話書いたすぐ後にお前との会話なんて後書きに書けないわ

相変わらずメンタル弱い。。。

今のうちに言っとくと、原作の最終局面は描きません

うおいっ!

今回と同じ
一部を除いて結末は上げない、そうなると最終局面全体がカットにならざるを得ない

それで何を書く気だよ。。。

今回みたいな感じで色々春信が見てきましたって(てい)でまとめに入るの

手抜きか!

そう言われてもしゃーないけど、原作写すようなマネは少なくとも今回はやめとこうと

前作の反省ってか?

それにどの場面でも春信は何も出来ないからな
救出はおろか説得も励ましも空振りだ

惨め過ぎる。。。

それでも最後まで見届けるって決めた、それが今回の話

で、次回は?

決戦、決着、しかしそれは人類にとって決して勝利とはいえない苦渋の決断であった

え?

残された勇者と巫女は苦悩し、決意する

あ、もう予告に入ったのか。。。

そして後へ続く者へ遺す想い

いきなり入るから引っ込みどころなくしちゃったじゃん、俺。。。

「生きろ。ただ、生きてくれ。」

うわー、なんか真面目っぽい。。。

次回「新 三好春信は勇者である」最終回「引き継ぐ想い」

俺が台無しにしたみたいでヤなんだけど、コレ

泣き虫最弱勇者のセンチメンタルジャーニー、ここに終結

え、コレ、真面目なの?ギャグなの?

どうせ半分以上、嘘予告だから

開き直んな!

<最終回も嘘だったら笑う?>

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