新 三好春信は勇者である   作:mototwo

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この話には『乃木若葉は勇者である』のネタバレ、訳のわからんギャグが含まれます



4話 ユウキユウナ

瓦礫の町に佇む春信

 

(ここで待っていれば勇者たちに会えるって話だったが)

(神世紀以前の勇者か、どんな娘達(こたち)なんだろうな。。。)

 

「人だ!人がいるぞ!」

 

球子の声に一斉に振り向く6人

瓦礫の町で見つけた生存者

喜び勇んで春信の方へ駆け寄ってくる

その6人の少女達をジックリと見比べた

 

(一人は長身の。。。なかなかの美人だ)

(ハンサムといってもいい)

 

「きみ、大丈夫か!」

 

(一人は巫女だな、オデコが輝かしい)

 

「他に生き残った方はいるんですか?」

 

(一人はおとなしそうな文学少女って感じか)

 

「よかった…無事な人が一人でもいて…」

 

(一人は子供?チンチクリンはいなきゃダメなのか?神樹様の選択には)

 

「タマが見つけてやったんだぞ、感謝しタマえ!」

 

(一人は影のある少女だな、これまたタイプの違う美人だ)

 

「周りに…敵は…?」

 

(一人は。。。)

 

「みんな、足速いよ~」

 

「友奈。。。?」

 

「「「「「「え?」」」」」」

 

「友奈じゃないか、何でお前がここに?」

 

両肩を掴んで問い詰めると戸惑ったようにうろたえる友奈

 

「えっ?え?え?」

 

「ちょっと…高嶋さんが困ってるじゃない…」

 

千景が割って入る

 

「タカシマ?いや、結城友奈だろ?間違うわけ無いよこんなチンチクリンの。。。」

 

「チンチクリン…?」

 

春信が友奈の頭をポンポンしてると

千景が段々と敵意をあらわにしていく

 

「あ~!き、きっと誰かと勘違いしてるんじゃないかな!?」

 

「確かに。ユウキユウナと言われたが、彼女の名は高嶋友奈だ、人違いではないのか?」

 

友奈の言葉を助けるように説明する若葉

友奈は今にも男に斬りかかりそうな千景をなだめる

 

「ほら、ぐんちゃんもあんまり一般の人に鎌向けないで…」

 

「でも…この人、失礼…高嶋さんに…」

 

そんな様子に気付く事もなく、春信は友奈を見つめる

 

「いや、その気の使い方とか。。。

多分、人の言うこと聞いてない様に見えて、一番周りを見てるような

人が傷つくの見てるくらいなら自分が危険に飛び込んじゃうような子。。。だろ?」

 

「良く…わかってるじゃない…」

 

「いやー、そんなに褒められるような事してないんだけどなぁ」

 

同意する千景と

頭を抱えて照れる友奈

 

「しかしその様子、高嶋って姓。。。」

 

そのとき、ポク、ポク、ポク、チーン!という音が春信の頭で響いた

 

「そうか、そういうことか。。。」

 

「今度はなにを…」

 

友奈の両手を握り、春信はヨヨヨとでも言いそうな顔で祝辞を放つ

 

「ご結婚おめでとうございます、友奈さん!」

 

「「「「はあっ?!」」」」

 

「えーと、あれ?」

 

「ちょ、ちょっと…あなた一体なにを…」

 

今度は割って入った千景の手も取り

 

「そして貴方がお相手ですね、高嶋グンさん!」

 

「「「「ぶっ!」」」」

 

「えっ、えっ?私…?」

 

いきなりの話の展開について行けず、千景もうろたえる

 

「いやー、女の子にモテるとは思ってたけど

西暦の末期がこれほど性にリベラルだったとは!」

 

「は、ははは、ぐんちゃんと結婚かぁ、なんか照れるね」

 

上機嫌で祝う春信と

わけが分からないまま照れまくっている友奈を見つつ

ひなたがこっそり若葉に話しかける

 

「若葉ちゃん…」

 

「どうした?ひなた」

 

「この人おかしいですよ」

 

「うん、それは誰もが気づいている」

 

「いえ、そうではなくて『西暦の末期が』なんて言葉、普通使いませんよ?」

 

「ふむ、言われてみればそうだな…」

 

「これはきっと…」

 

「きっと?」

 

「バーテックスの襲撃に衝撃を受けて

『自分はこの時代の人間じゃない』って思い込んでるんじゃ?」

 

「なるほど、天恐症のステージ3か4がおかしな形で発症しているわけか」

 

天恐症(天空恐怖症候群)、あの日いきなり空から襲来したバーテックスの恐怖が

精神に刻み込まれ、様々な障害を表す人が出てきた

主に空を見上げる事に恐怖を感じる人が多い為、この名が付けられたのだが

その症状には4段階があり

もっとも酷いステージ4では自我の崩壊、記憶の混濁、発狂に至る場合もある

 

「ええ、あまりにも普通に話しているから気づかなかったけど」

 

「そう考えると可哀想な人だな…

しかし友奈の名前を知っていたぞ?」

 

「私たちの会話をどこかで聞いていたか

ホントに知り合いにそんな名前のそっくりさんがいるか…

多分、前者でしょうね、苗字も適当だったし…」

 

「適当?」

 

「『勇者のユウキユウナ』ですよ、略して『ゆうゆうゆう』なんて冗談みたいじゃないですか」

 

「た、確かに…」

 

「千景さんの名前も友奈さんの言葉から想像したんでしょう

高嶋グンとか適当にも程があります」

 

(なにか。。。あの二人からおかしな視線を感じる?)

 

不審に思った春信が若葉とひなたに話しかける

 

「なにか。。。?」

 

「ああ~、なんだ、その~君は~」

 

珍しくオドオドしている若葉を撮影しながらひなたが囁く

 

「若葉ちゃん、言葉はちゃんと選んであげてくださいね!」

 

「?」

 

「き、君は~、み、未来かなにかから来たの…かな?」

 

「「「「はぁ?!」」」」

 

突然の若葉の発言に驚きを隠せない4人と

あちゃ-と顔に手をやるひなた

 

「な。。。なぁにを言ってるのかなぁ~?」

 

「「「「ええっ?!」」」」

 

露骨にうろたえる春信に更に動揺する4人

ひなたは若葉の腕を引き、耳元で囁く

 

「バカですか!若葉ちゃんは!言葉をちゃんと選んでって言ったでしょう!」

 

「そ、そうは言ってもこんな症状の人を相手にどう話しかければいいのか…」

 

はぁ、と溜息を()き、ひなたは諦めたように耳打ちする

 

「こうなっては仕方ありません、ごにょごにょごにょ…」

 

「なに!わ、私にそんなことをしろと言うのか?!」

 

「しょうがないでしょう、あの反応を見るに

彼の脳内設定では『未来人』がビンゴだったみたいですし

これ以上傷を広げない最善の方法です!」

 

「くっ…!やるしかないのか…!」

 

「若葉ちゃん、頑張って!」

 

スマホ片手に送り出すひなた

若葉はぎこちない足取りで春信の前に出ると

 

右手の人差し指を口元へ持っていきながらヘタクソなウィンクをして

 

「き…禁則事項です!…か?」

 

凍りつく4人の勇者たち

春信もどう反応したら良いのか迷っている

その瞬間をひなたは迷い無くスマホのカメラに収めていた

 

「ひなたぁぁぁぁぁぁっ!きさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「仕方が無いでしょう、あそこまでいっては誤魔化しようがありません

この機に私の若葉ちゃんコレクションを増やす計画に切り替えたんです!」

 

(ああ。。。西暦の勇者もアホの子だらけで。。。なんか安心した。。。)

 

最低の出会いになぜかホッコリする春信をよそに

若葉はひなたのスマホからいつか恥ずかしい自分の記録を消してやると誓ったのだった

<挽歌>

 

瓦礫の町で休憩中、春信は歌っていた

 

♪~

 

ふと耳に入ったその歌声に若葉が足を止める

 

(あれは三好春信…なにやら歌っているな…)

 

♪~

 

(行軍歌、戦意高揚歌か、なかなかに勇ましい歌だな)

 

♪~

 

(悲しみさえも…いつか勇気に、か…)

 

♪~

 

歌い終わった春信に若葉が声をかける

 

「やあ春信、なかなかに良い歌だな」

 

「おっ、若葉か、分かるか、この歌の良さが」

 

歌を褒められて春信は上機嫌だ

 

「うむ、まるで我ら勇者を歌っているかのような歌詞、気に入ったぞ、しかし…」

 

「しかし?」

 

「歌の最後に出てきた言葉はなんと言っていたのだ?」

 

「えっ?」

 

「浅学ですまないが、思い当たる単語が浮かばんのだ」

 

「あ。。。そ、そうなんだ。。。うん、若葉なら知らない。。。かもな」

 

「むっ、何か西洋の言葉なのか?」

 

「い、いや、そうじゃなくてね。。。」

 

「良かったら教えてもらえないだろうか?」

 

「あ~、なんていうか~、勇者の心意気を表す言葉で~」

 

「ほほう!それはますます聞きたいな!」

 

「え~と。。。『頑張ればダメな事など何もない』っていう意味で、漢字もそのままこう書くんだ。。。」

 

春信が地面に文字を書いていく

 

「なるほど、それは確かに勇者の心意気だな!うむ、ありがとう!

そうか、勇者の心意気、いい言葉だ、頑…」

 

呟きながら皆の(もと)へ戻っていく若葉を見ながら春信も呟く

 

「平和だった3年前が2015年で若葉は小5だったっけ。。。」

 

はあ~と溜息を()

 

「そっかぁ、知らないのかぁ、ガ○()ダム(駄無)。。。」

 

物凄く残念そうに呟く春信だった

 




春信(以下略):あっ、終わりなのか

mototwo(以下略):うむ

どうしたんだ?急にこんなの断片的に上げて
ノリが前の後書きみたいになってんぞ?

アホみたいな明るい話が書きたくなった

は?今まででも結構書いてたじゃん?

もっと書くの!西暦末期のあっかるい話書くの!

どした?いきなり

そんで「『乃木若葉は勇者である』って楽しい話なんだな」って思った人達が原作本読むようにするんだ…

珍しいな
いや、今までも「人気出ますように」とか言ってはいたが、そんなに積極的に出るとは。。。

そして俺と同じように絶望に身を裂かれるがいいさ…

うおいっ!

あ、ちゃーんと明るいとこは明るい話だよ、アニメ『このすば』の朱白あおいさんが書いてるし
西暦勇者たちの馬鹿っプリも楽しかった

いやいや、その後に絶望が待ってるって言い切っちゃったぞ、お前。。。

どうせ300年後には四国以外滅んでるのは分かってるんだから、それは皆承知の上だろ…

うわぁ、病んでるなぁ。。。

元々、そういうの分かった上で読んでるのに、なんでこの子達こんなに報われないのって…

もういい、もういいんだ。。。

春信ぅ…

これ以上話すとネタバレにしかならんから、もう喋るな。。。

ハルルン、冷たい~

その呼び方も()せ、こっちしか読んでない人には訳が分からんだろ

詳しくは『三好春信は『元』勇者である』読んでくれぇ…

そういうとこ、ホントいやらしいな、お前

実は、この前に大阪と諏訪の話も書いてるんだが

大阪と諏訪って長野?よく分からんが、上げろよ、じゃあ

あの結末考えると愉快な話上げるの躊躇(ためら)われる…

よっぽどなんだな。。。

特に諏訪の話は…

話は?

あァァァんまりだァァアァ!

泣き出すなよ、読んでないこっちは訳がわからん。。。
ってか本文の内容だと、俺いきなり瓦礫の町で「嗚呼~ガン○ム~」って熱唱してるんだが?

流石は勇者部部室に「俺の忘れ物」歌いながら闖入(ちんにゅう)した男、一味違うな!

いや、ホント訳が分からん。。。

まあ、今回お前は何もわかってないまま過去に行って色んな人と出会う予定だから

説明なしで?

そそ

一体それに何の意味が。。。

旅なんて、意味や理由がハッキリしない方が楽しめるもんだって!

絶対嘘だ!なんか企んでる顔だ!!

ひょんな事から始まったセンチメンタルジャーニー…

は?

やはりこの旅は単なるセンチメンタルジャーニーなどではなかった…

おい。。。

次回も春信と地獄に付き合ってもらう…

ノリだけでボトム○使うの()めろ、ホントに

次回「大阪」

って、ホントに次回予告してんのか?!

<ホントになるかは気分次第!☆>

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