新 三好春信は勇者である   作:mototwo

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大赦は常に勇者たちを見守り、監視している
そう、それが例え神樹様の中の世界であっても
これはそんなお話。。。


17話 名誉勇者

放課後、勇者部部室へ向かう夏凜

 

(部屋の明かりついてる?風がもう来てるのかしら)

 

「早いわね、今日は部長会議じゃなかったの?」

 

「いや、今日は会議の予定はないが?」

 

「え?」

 

「久し振りだな、夏凜」

 

思いもしない声が返ってきたことに驚く夏凜

 

「あ…兄貴!なんで部室に?!」

 

そう夏凜の兄、春信である

 

「大赦の命令でな、勇者部の皆さんや名誉勇者の方々にご挨拶することになった」

 

「名誉…勇者ぁ?」

 

「ひゃっほぉ~い!こんちわぁ~っす!あれ?夏凜さん、その人は?」

 

「あ、銀」

 

「園子もいるんだぜ~!」

 

「銀もそのっちも、もう少し落ち着いて入りなさい…」

 

小学生組3人の入室に一瞬、春信の顔がほころぶが

すぐに表情を引き締め(うやうや)しく挨拶する

 

「これはこれは三ノ輪(みのわ)(ぎん)様、乃木(のぎ)園子(そのこ)様、鷲尾(わしお)須美(すみ)様、始めまして

(わたくし)は大赦から参りました、三好夏凜の兄、春信と申します

以後お見知りおきを」

 

「三ノ輪銀…さまぁ?」

 

「私も様付けだよ~!」

 

「あの…なぜ私たちのような子供に大人のお兄さんが様付けを?」

 

「お三方は先代勇者、我々大赦の者は代々の勇者様を名誉勇者として祀り上げておりますので」

 

「はぁ…」

 

「現在も勇者でいられる皆さんには違和感もあるかと思いますが。。。

これも慣習と思い諦めてください」

 

肩をすぼめ、にこやかに話す春信の雰囲気になんとなく反論しにくくなった3人は

もう一つ気になった話題に切り込む

 

「で、夏凜さんのお兄さんで大赦の人って?」

 

「はい、私、こう見えて大赦で色々な仕事を任される立場でして」

 

「重役、という事でしょうか?」

 

「そう呼ばれる事もありますね」

 

「へえ~、若いのに凄いんだね~、お兄さん」

 

「もーっと若い頃から、嫌味なくらい出来る兄貴よ」

 

「夏凜、そういう言い方は()めてくれ」

 

「ふん!」

 

「あらら~」

 

「お恥ずかしい

あまり兄妹仲が良い方ではないもので。。。」

 

「まあまあ、ケンカするほど仲がいいって言うじゃないっすか!」

 

「それが、ケンカするほど近くにいる機会も少ないもので」

 

「え、そうなんですか?」

 

「ええ、こうして顔を合わせるのなんて、何ヶ月ぶりか忘れちゃいそうなくらいよ」

 

「仕事にかまけて、妹に構ってやる事もできなかったんですよ」

 

「べ、別に構って欲しかった事なんてないから!」

 

恥ずかしそうに顔を背ける夏凜の背にまた声が聞こえた

 

「こんにちは~!結城友奈、ただいま参上しました~!」

 

「園子もいるんだぜ~!」

 

「こんにちは、あら?」

 

結城友奈、中学生園子、東郷美森である

 

「やあ、こんにちは、友奈さん、東郷さん

園子嬢、小学生の園子様と同じ入り方でしたよ、いま」

 

「あちゃ~!先にやられちゃってたか~!」

 

「後先以前に小学生と同じ行動って事を気にしてください。。。」

 

「まったくよ、そのっち」

 

「え?あれ?え~と…」

 

「ああ、友奈さんとは初顔合わせでしたね、私は夏凜の兄、春信です」

 

「ああ~っ!噂のお兄さん!」

 

「ははは、何か噂になるような事がありましたか」

 

「こないだのビデオレターの件とか、色々と」

 

「その節はどうも、皆さんの思いのこもったビデオレター、大切にしまってありますよ

私の送った秘蔵の映像集の方は、楽しんでいただけましたか?」

 

「あれ、夏凜ちゃんがすぐに止めちゃって、全部はまだ見てないんですよぉ!」

 

「おやおや、意地悪はいけないな、夏凜」

 

「ば、バカ言ってんじゃないわよ!

あんな子供の頃の恥ずかしい映像、見せられる訳ないでしょ!」

 

「ええー、すっごく可愛かったのにぃ」

 

「そうね、すっごく可愛かったわ」

 

「そうだよ~すっごく可愛かったよ~」

 

「ほほう、それはぜひ観てみたいですな」

 

「私も観たいよ~」

 

「私も…可愛い夏凜さんって興味あるかも…」

 

「あ、でも今の夏凜ちゃんも可愛いんだけどね!」

 

「バカバカバカ!何言っちゃってんのよ!友奈は!」

 

皆で騒いでいると更に後ろから声がかかる

 

「こんにちは~、今日はなんだか賑やかですね」

 

「やあ、こんにちは、ここでは始めましてかな?樹さん、夏凜の兄、春信です」

 

「あ!お噂の!」

 

「はは。。。あの件はよほど勇者部の皆さんの印象に残ってらっしゃるようだ」

 

「そりゃー、夏凜ちゃんを連れて行くのかと皆思いましたから!」

 

「そんな文面を送ったつもりではなかったのですが。。。ご心配を掛けて申し訳な。。。」

 

「ああーっ!春信だ!!」

 

春信の謝罪をぶった切るように挟まれた叫び声の主は球子だった

 

「タマっち先輩、その事は秘密だって…ああっ!」

 

(あん)ちゃん、どうしたの?…って、ああ~っ!!」

 

「三人とも何を騒いでいるんだ?入り口で突っ立ってないで…あああっ!!!」

 

「乃木さんまで何大声出してるの、恥ずかしい…ってあなたっ!?」

 

「おお、これは西暦の勇者の皆さん、はじ。。。」

 

「春信!」「三好さん!」「春信くん!」「春信!」「三好…っ!」

 

「はい?」

 

「なんでお前がここにいるんだ?!」

 

「はい?」

 

「いきなりこんな所に来て、他の皆さんにどう説明するつもりなんです?!」

 

「はい?」

 

「久し振りだね!元気にしてた?!」

 

「は、はい」

 

「やっぱりお前もこの時代に召喚されてたのか?!」

 

「はい?」

 

「よくも恥ずかしげもなく顔を出せたわね…」

 

「はい?」

 

「ちょ、ちょっと待ってちょっと待って!」

 

口々に話す丸亀組の勇者たちに夏凜が割って入る

 

「か、夏凜、どうした?」

 

「皆こそどうしたのよ?兄貴のこと知ってるみたいに…」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「と言うと…この男性が以前話していた御令兄…」

 

「いえいえ、そんな大した者ではありませんよ」

 

「夏凜の兄貴…」

 

「はい」

 

「お兄さん…」

 

「はい」

 

「え?でも?」

 

「はい?」

 

「こいつは『三好春信』じゃ…」

 

「はい、そうですよ」

 

「「「「「やっぱり!!」」」」」

 

「だから!『三好春信』ってのはウチの兄貴の名前なのよ!」

 

「「「「「ええっ?!」」」」」

 

もう何度目かの驚きかも分らなくなった5人は円陣を組んでヒソヒソ話を始める

 

「どういうことだ?」

 

「春信なのに夏凜の兄貴だって?」

 

「三好さんがお兄さんの振りとしているという事でしょうか?」

 

「なるほど!それなら!」

 

「伊予島さん、高嶋さん、いくらなんでもそれは無理があると思うわ…」

 

「うむ、私も流石にそれはないと思う」

 

「じゃあ、一体何なんだ?アイツは?」

 

「他人の空似…でしょうか?」

 

「そんな事ってあるの?」

 

「それを高嶋さんが言うのはどうかとも思うけど…」

 

「「「あ」」」

 

千景の言葉に、4人は高嶋友奈を見た後

5人で結城友奈の顔を見る

 

「ん?」

 

不思議そうに首をかしげる結城友奈を見るとまた顔を見合わせ

 

「あはは、どういうことかはわからないけど…」

 

「結城と友奈のこともハッキリしないままだしな…」

 

「タマも深く考えるのは苦手だ…」

 

「そういう問題じゃないけど、ここは…」

 

「そういう事にしていた方が良さそうね…」

 

頷きあい、円陣を解いた5人は改めて春信に向かい話しかける

 

「し、失礼した、少し知人に似ていたものでな」

 

「いえいえ、気になさらないで下さい」

 

「少しじゃなかったけどな」

 

「ほう、そんなに似た方がいらっしゃいましたか」

 

「その方は三好さんほど落ち着かれた方でもなかったですけどね」

 

「ははは、私もそうそう落ち着いた男でもないんですがね」

 

「いいえ、その男はそういうレベルの奴じゃなかったから…」

 

「そ、そうなんですか。。。」

 

「でも本当に似てるね!名前まで同じだし!」

 

「ふふふ、それは私も同じ思いですよ」

 

「えっ?」

 

「結城友奈さんと高嶋友奈様。。。話には聞いていましたが、これほどそっくりとは。。。」

 

「あぁ~、それは私もビックリしたかな、ははは」

 

「正直、服装と髪飾り以外で見分けられる自信がありません」

 

「海に行ったときはおそろいの水着も着たんだよ!」

 

「そ、それではますます周りは見分けが付かなくなったのでは。。。」

 

「あ、でもね!東郷さんとぐんちゃんは私達の事、ちゃんと見分けられるんですよ!」

 

「それも顔も見ずにだよ!」

 

「それは凄い、さすが親友同士ですね」

 

「おっと、紹介が遅れたな、我々は…」

 

「存じ上げておりますよ、乃木家初代勇者、乃木(のぎ)若葉(わかば)様」

 

「うむ」

 

土居(どい)球子(たまこ)様」

 

「おう!」

 

伊予島(いよしま)(あんず)様」

 

「は、はい!」

 

高嶋(たかしま)友奈(ゆうな)様」

 

「うん!」

 

(こおり)千景(ちかげ)様」

 

「ええ」

 

「そして」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「北海道の勇者、秋原(あきはら)雪花(せっか)様」

 

「ちーっす」

 

「諏訪の勇者、白鳥(しらとり)歌野(うたの)様」

 

「はい!」

 

「沖縄の勇者、古波蔵(こはぐら)(なつめ)様」

 

「うん」

 

「3人ともいつの間にいたんだ?」

 

「結構最初の頃からいたわよ」

 

「but、誰も気付いてくれなくって」

 

「黙っていたらどんどん騒ぎが大きくなっていたんだ…」

 

「は、ははは…」

 

申し訳なさそうに笑う5人に

 

「気にしなくていいわよ、なかなかに面白いコントだったから」

 

「そうね、アバンギャルドな5人が見れたわ!」

 

「退屈はしなかった。しかし…」

 

棗の視線が春信へ向く

 

「はい?」

 

「なぜ夏凜の兄が我々の名に様を付けるのだ?」

 

「大赦の方たちは過去の勇者を名誉勇者として祀り上げてるからだそうですよ」

 

「私たちも様付けだよ~」

 

「なんか、こそばゆいけどな」

 

「この神樹様の中の世界では皆さん現役ですから、違和感もあるかと思いますが。。。」

 

「私は気にしないかなー、イケメンに様付けされるのは悪い気しないわ」

 

「イケメンって、雪花、ウチの兄貴に…」

 

「いいじゃない、兄妹揃って美形ってことで」

 

「ははは、美少女ぞろいの勇者様にそう言われると照れますね」

 

まるで照れた様子も見せず、春信が笑う

 

「そういう事をさらっと言える上に嫌味も臭さもないのが

イケメンのイケメンたる所以(ゆえん)よねー」

 

「ふっ、雪花はこういう男性が好みなのか?」

 

「え?いや好みって程の事はないけど…

アレ?若葉たちはイケメンだと思わない?この人」

 

「あー…」

 

お互いの顔を見合わせた上でなんとなくまた円陣を組む5人

 

「どう思う?」

 

「タマにはよく分からん…」

 

「そう言われれば顔立ちは綺麗な(かた)かも知れませんが…」

 

「物言いも立ち振る舞いも落ち着いてるしね…」

 

「ただ…あの男に似すぎているわ…」

 

「名前まで同じだしな」

 

「タマには見分けがつかないぞ…」

 

「私も同一人物にしか見えません…」

 

「これだけ似てればねぇ」

 

「あの男の言動が頭にチラつくわ」

 

また5人で春信の顔を見る

 

「?」

 

少しぎこちなく笑い、手を振る春信

5人はまた顔を見合わせ

 

「私は無理だ」

 

「タマも」

 

「同じく…」

 

「あははは…」

 

「決まりね…」

 

また頷き合うと円陣を解き、代表するように若葉が答える

 

「すまん!三好春信!我々には君の魅力は分らん!」

 

「若葉ちゃん!」

 

「言い方を考えて下さい!若葉さん!」

 

「タマでも、もっと気を使うぞ!」

 

「酷い人ね…乃木さんは…」

 

「え?え?え?え?」

 

4人に一気に突っ込まれ、戸惑う若葉

春信はさらに顔を引きつらせて笑っていた

 

「は、は、ははは。。。」

 

「兄貴も、若葉たちにかかっちゃ形無しね」

 

「ま、まあ仕方ないさ、こっちは初対面だし

どうやらその『春信さん』って人の印象が強い様だし。。。」

 

「by the way ところで…

お兄さんはなぜこのタイミングで勇者部へ?

どうやら私たちとこの世界の事情も知ってるみたいだけど」

 

「え、ええ、実は。。。

こちらの世界の大赦でも巫女が神託を受けてはいたんです」

 

「なるほど、開放されているのは一部とはいえ

大赦ごとこっちに取り込まれたなら巫女もいるのは当然ですね」

 

「だから、割と早い時期にこの世界の事情はわかっていたんですが」

 

「何か問題でもあったのか?」

 

「皆さんに自覚はないでしょうが。。。

ここに集まった方たちは名誉勇者ばかり、英雄の集いです」

 

「そうなのか?タマたちはあっちでも結構祭り上げられてたからな」

 

「その比ではありません、もちろん大赦内に限ったことですが。。。」

 

「大社内だけとは?」

 

「この時代、バーテックスと勇者の存在は大赦以外には伏せられております」

 

「そういうことね…」

 

「その反動か、大赦内では過去の勇者を英霊として扱い。。。ある意味腫れ物扱いですね」

 

「なんか急に嬉しくない表現が…」

 

「申し訳ありません、大赦の上層部ではもし無礼があってはと恐れる者もいるもので」

 

「別に怖くないのになー」

 

「そうですね、こうして会ってみれば分るんでしょうが。。。

立場のある老人たちにそれを望むのは酷でしょう」

 

「あ、それで若いお兄さんに?」

 

「ええ、歳が近ければという以外にも

もし無礼をはたらいたら若気の至りと私を切る事もできますしね」

 

「尻尾きりですか…」

 

「困ったものです」

 

「兄貴はそれに怒らなかったの?!」

 

「皆さんに会えるのは光栄な事だしな、怒って事を荒立てる理由もないし」

 

「その扱いは気にしてもいいじゃない!」

 

「組織ってのはなかなか道理ばかりが通せるものでもないのさ」

 

「む~っ!」

 

「ありがとう、夏凜」

 

「なにがよ!」

 

「私のために怒ってくれてるんだろう?」

 

「べっ、別に兄貴の為じゃないわよ!大赦のそういうとこが気に入らないってのよ!」

 

「ふふふっ、そうだな、そういうところは変えていかなくてはいけないな。。。

まあとにかく、香川もほとんど解放されたこの状況で放置するわけにもいかず

名誉勇者の皆さんにご無礼のない様、大赦を代表してご挨拶に伺ったわけです」

 

「大赦の代表か、そう考えるとすごい話だね、夏凜ちゃん!」

 

「そう?私にとっては身内が参観に来たみたいで居心地悪いだけだけど」

 

「もう、夏凜ちゃんたら、お兄さんにそんな風に言うもんじゃないわよ」

 

「そうですよ、それに思ってた以上に若くてビックリしました!」

 

「ははは、大赦内だと若さだけが取り得ですよ」

 

「確かに若いよね~始めて会ったときっていくつだったっけ~?ハルルン」

 

ハルルン…?

微妙な空気が部室内に流れる中、中学生園子の言葉が続く

 

「そういえば、わかちゃんたちと話してるの見てて思い出したんだけど~、仮面の赤い…」

 

スパーン!

 

どこから出したのか、春信は大きなハリセンで園子の顔面をすっぱ抜いていた

 

「あははは、『園子様』いきなりどうしたんですかー?顔が赤いですよー?」

 

「い、痛いよハルルン、ただ赤い勇者のはなs…」

 

スパパーン!

 

「だいじょうぶですかー!『園子様』ぁっ?!」

 

「は、春信さん!そのっちに何するんですかっ!?」

 

「はっ!わ、私は一体なにを。。。」

 

わざとらしくうろたえる春信の背にまた別の入室者3人の声が

 

「みんなどーしたのよ、今日は特に騒がしいわね、廊下まで響いてたわよ」

 

「あ、風先輩、夏凜ちゃんのお兄さんですよ!」

 

「え?なになに…」

 

「うたのん…なにかあったの?」

 

「みーちゃん!会議は終わった?」

 

「うん!って言っても風さんについてっただけだけど…」

 

「若葉ちゃ~ん、長い時間離れ離れで寂しかったです~慰めて下さい~」

 

「ほんの小1時間だろう、何を甘えてるんだ、ひなたは」

 

「小1時間も若葉ちゃんと別れているなんて、拷問以外の何ものでも…」

 

それぞれの会話を(つんざ)く悲鳴が遮った

 

「きエエエエえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇっぇぇぇぇぇっ!!!」

 

若葉も今まで見たこともないような綺麗な飛び蹴りで春信に飛び掛るひなた

そのままマウントポジションで殴りかかるひなたを

勇者全員で傷つけないよう春信から離すのにまた小1時間かかったという

 

「ちがっ!違うんだ!ひなた!この人は春信では!いや、春信だが我々の知ってる春信では!」

 

「え?なに?いきなりどうしたの?!ひなた?」

 

「おお~う、デストロイ…」

 

「ひなたさん!ヤバイっす!その位置からその拳は本気でヤバイっすよ!」

 

その間、様々な声が校舎内に響き渡ったが

勇者部のことなのであまり誰も気にしなかったため

大事(おおごと)にはならなかったのは幸いといっていいのだろう・・・か?

 




春信(以下略):大事(おおごと)ですよ。。。

mototwo(以下略):あ、春信、顔中ボッコボコだなw

酷い目に遭いました

そのキャラ続けるのか?

キャラも何も、私は仕事の時は普段からこうですよ?

ここでは勇者としての仕事をしてもらいたいもんだが

勇者?なにかここでやる事がありましたか?

ツッコミに決まってんだろ

ははは、そういうキャラではありませんから、私は

俺が言うのもなんだが…
気持ち悪いな、この春信

これは手厳しい

大体、何しに勇者部に行ったんだ?

おや?設定説明は次回以降というのがここの慣習なのでは?

こんな後書きに書いてもいいようなコント、次回まで引っ張れるか…

私のまともな登場をコントとはまた酷い
本文でも話したでしょう?大赦からの命令ですよ

勇者たちに挨拶に来たって?適当な言い訳じゃなかったのか、アレ

私だって悩みましたよ、若葉様たちの前にこの顔でどう接すればいいのか。。。

誰がどう見ても同一人物だからな

っていうか、本人なんですけどね。。。
だから開き直って、まるっきり知らない振りをしようと思ったんですよ

で、他人だって強調したくてそのキャラ作りか?

別にキャラを作ってるわけじゃないですよ
私は本当に普段の仕事ではこうなんですから

それが素とも思えんがな…

友奈さんと高嶋様がいなければ、この策も思いつかなかったでしょう

あの二人も普通に見たら双子か同一人物にしか見えんからなぁ…

私が過去に行った時も、何らかの方法で友奈さんも過去で戦っているものと。。。

だからってあの反応はバカそのものだったけどなw

仕方ないでしょう。。。いまだに東郷さんと郡様以外は見分けが付かないんですし

お前に見分けられるわけがないか

お恥ずかしい話ですが
しかし。。。

ん?

私、妹に会ってしまいましたが、良かったんですか?

会いたくなかったのか?

そんな訳ないでしょう
ただ、公式では延々会わない状態で引き伸ばされてるようですし。。。

どうせゲームの世界は事態が終結したら皆記憶消されて各時代に戻っちまうだろ

ああ、私が西暦に行った時と同じように考えてるんですか

だから、割と好き勝手やっても大丈夫なんじゃないかなと

納得です

そういや、千景の事はどうしてるんだ?

どう。。。とは?

郡の名は大赦内では抹消されてるはずだろ?

どうもしませんよ、私にとっては郡様も勇者ですから

一瞬言いよどんだくせに

気付かれましたか

ホントに一瞬だったから誰も気にしなかったみたいだけどな

皆に気づかれなかったなら僥倖(ぎょうこう)です

実際、大赦内ではどうなんだよ?
知らない名前の勇者が戦ってんだぞ

割と皆、気にしない振りしてますね
大赦の隠蔽気質(いんぺいきしつ)は今に始まった事でもないですし
秋原様の名も大赦の記録にはありませんから

何か過去にあったんだろうなぁ、ぐらいには思ってるか

神樹様のお告げも明確な言葉ではないですし

ハッキリした事は神託受けた巫女にもわからんってか

現時点では勇者たちを全力でサポートする事に専念していますしね

その割には挨拶は遅れたし、中途半端な重役よこしたけどな

これでも気を使ったつもりなんですよ、あっちでは

少女たちには伝わらん気遣いだろうな、きっと

誤解を生むのも当然でしょうが。。。
そこは私がフォローするしかないでしょうね、今のところは

大体、サポートって何に全力注ぐんだよ?

無論、勇者たちが普段どおりの生活を送れるように、ですよ

戦闘については…

我々は樹海化されれば何もできませんから。。。

そりゃそうか、部室にいる園子たち以外は皆、時間停止で保護されてるんだろうしな

システムのバージョンアップまで神樹様がされるんですから
戦闘における我々の仕事はほとんどありませんよ

また歯痒い状況だな

私個人としてはいつでも仮面の赤い勇者として出撃できるよう待機していますがね

仕事中にいきなりいなくなったことにならんの?それって

ああ、それも神樹様が皆の認識を誤魔化してくれてるようですよ

そっか、友奈達も授業中にいきなり戦闘始まる可能性もあるんだしな

普段どおりの生活というのも、この神樹様の中の世界の重要なファクターですから

でも結局、挨拶しに行って殴られただけだったな、お前

いくらなんでもアレは酷いと思います。。。

ひなたに悪意がないのが救いだな!

悪意どころか意識もないまま殴られてたように見えましたが。。。

ひなたの中ではなかった事になってるわけだ!

どんどん悪化してませんか?上里様の症状。。。

おかげでボロ出す前に退散できて良かったじゃないか

園子嬢にも困ったものです

察しはいいのに空気読まんときあるからな、あの子は

もう少し銀様や歌野様ともお話したかったですが。。。

話してたらきっと、知らん間に泣いてるぞ、お前

それは。。。

ないとも言いきれんだろ

まあ、確かに。。。

今回の件でいつ部室に行っても不自然ではないだろうから、行こうと思えば行けるだろ

そうですね、水都様にも声ぐらいはおかけしたいです
あ、そういえば。。。

ん?

歌野様は私を見ても何も気づかれなかったようですが
畑仕事を手伝った事って忘れられたんでしょうか。。。?

どうなんだろ?忙しい中で2年前に一回会っただけだし
顔はボンヤリとしか覚えてないって可能性もあるが

それ以外にも可能性が?

そもそも西暦の勇者たちに会ったのは『別の春信』だからな
歌野たちとは春信として出会ってない可能性もある

勇者としてだけ?でもあの時点で歌野様には共闘の記憶がないとも言われましたが

諏訪に行ったのかどうかもハッキリしないわけだな

一体、どこに何しに行ったんでしょうねぇ、『別の春信』さん。。。

まあ、その辺はおいおい

何か書く気で?

いや、そういうわけでもないというか、書き溜めてる分も吐き出すかどうか悩んでるし

随分と弱気ですね、まだ書き上がりそうにないといったところですか

ま、ね

早くしないと『勇者の章』が始まってしまいますよ?

もう、『勇者の章』観終わってから各部分に修正入れてあげても良いんだけどな

芽吹(めぶき)さんたちも大丈夫なんでしょうか。。。

気にしてんならなんとかしろよ、重役

実は第1回の調査前にゴールドタワーには顔を出したんですよ
あのスペックで壁外調査なんて無謀すぎるって

それで?

仮面の女性神官にあしらわれて終わりです

情けないな、重役様は

そうは言いますけど、あの女性神官、なかなかに手強いですよ

お前がネゴシエイトで成功してるとこなんて見たことないけどな

というかあの方、口調は丁寧なのに私の話まるで聞く気ないって態度なんですから

ほう?

なんだか苦手な匂いがします、あの人

つーか俺、『くめゆ』は公式に上がってる各話のさわりしか読んでないし

この話されても困りますか

今は正直なとこな…

書籍で発売されるまでは触れない方針で行くわけですね

さわり程度なら触れてもいいかも知れんが

中学生にさわりで触れるってなにかいやらしいですね

お、下ネタか
調子戻ってきたんじゃねえか

やめて下さい、下世話なツッコミなどしませんよ、私は

なんかやりにくいな、ツッコミのない春信って

そうですか?私は気になりませんけど

なんていうか、卵のない卵焼きっていうか

お出汁や砂糖は重要ですよね

違うか、卵のない目玉焼きだ

塩だけでも酒やご飯はいけますよね

なんだ、その貧乏飯…

(つう)は塩を肴に酒を飲むんですよ

俺、基本アルコールの味嫌いなんだよ

そうなんですか?お酒はたしなむ程度には飲めた方が良いですよ

飲めないんじゃないから、カクテルみたいな甘いのなら飲めるし

ああ、味覚がお子様なんですね

なんだろな、普段の言われ様より腹立つわ~

そう気負わないで下さい、もうお歳なんですし

完全に年寄り扱いだ…オッサンくらいならまだ納得いくが…

おやおや、お気に触ったのなら申し訳ない

こういう謝罪の言葉って謝意が一切伝わらんの、わかっててやってる?

モチロン、わざとですから

ああっ、この話し方ってだけで普段の数倍性格悪い!

話し方だけのせいでもないんでしょうね

あ?

私も思います、仕事モードの私ってほぼ別の人ですから

くっそ~、いつかその仮面剥いでやるからな!

仮面の勇者、だけにですか?

上手い事言ったつもりでドヤ顔すんな!

ははははは、では皆さん、ごきげんよう

締めまで持っていきやがった…

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