Fate/dade blaster (更新停止中)   作:黒白黄色

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勝利を断つ勝利の剣

「よし、いっちょやってやるか!」

 

「はしゃぐな」

 

「うっせー、ソッコーでカタをつけてやるぜ!」

 

そう言って正人は一人で剣士に突っ込んで行った。

 

「…!?勝手に行くな!」

 

秀がそう言うも、正人はもう剣士に近づきファイズエッジを振りかざす。

 

「先制攻撃だ。喰らえ!!」

 

剣士は振られた正人のファイズエッジを自身の剣で防ぐ。

 

「…チッ、防いでんじゃねぇ!!」

 

剣士の防御に正人がキレる。

 

そして剣士は剣を大きく振り、正人を力任せにぶん投げた。

 

「ウォァー!!?」

 

投げられた正人は秀の方向に向かって飛んでいった。

 

「ジャマ」

「ワタァ!?」

 

飛んできた正人を秀は横に吹き飛ばす。

 

「イテテ……っておい!受け止めろ!」

 

「自業自得だ。だからはしゃぐなと言ったのに……」

 

「んだと……真正面からぶつかっていけば勝てるんだよ!」

 

「知らんわ!真正面からぶつかっていった結果がコレだ!……後はオレがやる」

 

そう言い秀はカイザブレイガンにミッションメモリーを差し、ブレードモードへと変える。

 

(真正面からじゃ勝機は薄い。距離を保ちながら撃つのが今の現状的に得策だ)

 

burst mode

 

秀はカイザブレイガンのレバーを引き、バーストモードにする。

 

そして剣士に向け引き金を引き、カイザブレイガンの銃撃をを放つ。カイザブレイガンの銃撃は剣士に当たると即座に爆発し、爆発は剣士を巻き込んだ。

 

だが……

 

 

そんな爆発の中から剣士は姿を現し、一直線に秀の方向に向かって剣を振るう。

 

「なっ……!?」

 

剣士の不意な攻撃に秀は戸惑うも、これを自身のカイザブレイガンで紙一重で防ぐ。

 

「ぐっ……!!」

 

だが、剣士の力を込めた剣は、秀の防御を徐々に上回っていき、圧されていく。

 

(馬鹿な、あの攻撃でダメージが入っていないのか!?……それより限界が……何なんだこいつの力は……この……ままだと……!!)

 

秀が剣士の攻撃を防ぎ続けるのも流石に限界が近づいてくる。今にも押し潰されそうなほどの圧力。秀の肉体は悲鳴をあげそうなほどになっていた。

 

(流石にもう無理………

 

「俺を忘れんなあ!!」

 

正人が突如二人に突っ込んでき、剣士の横腹にファイズエッジの斬撃を叩き込んだ。それでよろめいた剣士を今度は秀が、火花を散らすほどのカイザブレイガンの斬撃で吹き飛ばす。

 

「ハァ……ハァ……何故あの二人ではなくオレを助けた?今が最大のチャンスだったはずだ……」

 

「……そんなん決まってんだろ……お前の方がピンチだったんだぞ。助けなくてどうするんだ」

 

「……!?」

 

「まあ、俺に感謝しろよ」

 

「……さっきの失態の帳消しにはなるだろうな……」

 

「ったく、素直じゃねえなあ」

 

「ミユ!オレ達があいつを惹き付ける。その隙にあの二人を救出しろ!」

 

「わかった!」

 

秀に美遊は了解の返事をする。

 

「イリヤ!お前も頼む!」

 

「わかったよ正人!」

 

正人にイリヤも了解の返事をする。

 

「じゃ、行くぞ!」

 

「もうはしゃぐんじゃないぞ」

 

「分かってらあ!」

 

正人と秀は剣士に向かって飛び出した。イリヤと美遊はそれを確認すると、倒れた二人の下へと走り出す。

 

(よし、イリヤ達に攻撃しない。こっちに注意が集中してるな……)

 

正人が作戦の成功に安堵した次の瞬間───

 

 

ドガァ!!

 

「ひゃ!?」

 

「な……!!?」

 

剣士は黒い霧を纏わせた斬撃を飛ばした。飛ばした方向は、向かってくる正人と秀、二人を救出するために走っていたイリヤと美遊でもなく、倒れた二人の横に、当たるか当たらないかのギリギリの距離に斬撃を飛ばしたのだ。

 

突然の予想外の出来事に四人とも走り出した足を止めてしまう。

 

「あいつ……どこに攻撃してんだ!」

 

「落ち着け。あいつ……あの二人を囮にしている」

 

「ムカつく……ぶっ倒してやる!」

 

「ああ……二人とも、そこを動くな!」

 

秀はイリヤと美遊に動くなと指示をし、正人と共に剣士に向かって行く。

 

「正人、大丈夫かな……?」

 

『まあ、あの謎めいた力だとワンチャンあるんじゃないですか?』

 

「確かに、魔力とは関係のないあの二人の攻撃なら少なくとも勝機はある」

 

『ここは……あのお二方に勝負を任せるしかありませんね……』

 

 

剣士と二人の攻防戦は先程よりも激しさを増していた。スピードで勝負を決める正人、パワーで勝負を決める秀。この二人が合わされば、お互いの弱点をカバーし合い、隙が無い闘いができるのだが………この二人の息はまるで合わず、隙を無くすどころか隙だらけになってしまっている。こんな二人を相手にするのは剣士にとって造作でもなかった。そして、お互いに息が合わない故の隙を剣士がつき、斬撃で二人を弾く。

 

「……ッ!おい!あいつを倒すどころか一方的にやられてんじゃねえか!」

 

「うるさい!倒すと宣言したのはオマエだろ!」

 

「お前も「ああ」って頷いてたじゃねえか!俺に合わせろ!」

 

「オマエがオレに合わせろ!」

 

二人は剣士を放っておいて口論を始めてしまう。これを見たイリヤ達は呆れ顔をし、ルビーまでにも呆れ顔をされてしまう。

 

『あちゃー、あれじゃ連携どころじゃないですよ』

 

 

そんな二人に剣士は呆れ顔もせず、無表情で黒い霧を纏わせた斬撃を飛ばす。

 

「おわッ!?」

 

「ッ!あの攻撃さえなければ……」

 

「こうしてても埒が明かない………俺が行く!」

 

そう言い正人は剣士に向かって正面から突っ込んで行く。

 

「おい、バカ!」

 

「ハァ!」

 

正人は剣士に拳を喰らわせるも、剣士の分厚い鎧の前では効かず、剣の攻撃で後方へと弾き飛ばされる。

 

「ぐッ……」

 

剣士は弾き飛ばした正人に剣を向け、斬撃を飛ばそうとする。

 

「何も考えず無鉄砲に突っ込むな!」

 

burst mode

 

秀はカイザブレイガンのレバーを引き、バーストモードに変え、剣士を撃つ。だが、その銃撃は効かず、撃ってきた秀に振り向き攻撃対象を秀に変えた。

 

(マズい!……あの攻撃をされたら間違いなく避けられない………!)

 

秀は覚悟した。黒い霧を纏わして飛ばしてくるあの斬撃をされたらスピードが低いカイザギアでは確実に避けられない。そしてこれまでのダメージを考えると、直撃してしまえば致命的になってしまう。これを防ぎきらなければ奴に勝利することが限りなく不可能になってしまう。そんな秀の緊張の最中、正人は………

 

 

ready

 

ファイズポインターにミッションメモリーを差し込み右足に装着していた。

 

「背中を見せたな……覚悟しろ!!」

 

exceed charge

 

ファイズギアから紅いフォトンブラッドが排出され、それが右足のファイズポインターへと溜まる。そして、正人は秀に攻撃意識を向けた剣士の無防備な背後にフォトンブラッドを打ち付ける。円錐形のフォトンブラッドは剣士の背に命中し、動きを完全に封じた。

 

「アイツ……!」

 

ready

 

秀はカイザショットにミッションメモリーを差し込む。

 

「デリャァー!!」

 

正人は跳び、剣士に紅の光蹴(クリムゾンスマッシュ)を喰らわす。その攻撃によって剣士は吹き飛ばされる。そして、飛ばされた先には、右手にカイザショットを装着し、構えていた秀がいた。

 

exceed charge

 

カイザギアから黄色のフォトンブラッドが排出され、それが右手のカイザショットへと溜まる。

 

「今度こそ……砕けろ!!」

 

秀は飛んできた剣士を金色の豪拳(グランインパクト)で吹き飛ばす。吹き飛ばされた剣士は橋に激突する。その衝撃によって橋は崩壊し、剣士は崩れた瓦礫の下敷きとなった。

 

 

「………ッしゃー!!大勝利!!」

 

「危なかったがな……」

 

 

「……勝った……!?」

 

「すごい……!」

 

イリヤと美遊は二人の勝利に驚きを隠せなかった。ベルトの力は二人の想像を絶していた………だが……

 

「今のうちに二人を救出してカードを回収だ。早くしないとここが崩れ…………

 

ドガァ!!

 

 

「嘘っ……!?」

 

「あれを喰らってまだ……」

 

敵の敗因は正人と秀。二人によるものだった。魔術を防ぐことに特化した奴にとってベルトの力はイレギュラーであった。

 

だが、どれほど知略をめぐらせても、どれほど力で圧倒しても、たとえイレギュラーな者が現れようとも、確実に勝利を掴もうとも……………全てをひっくり返す絶対的な力がある

 

彼らがいったいどんな怪物と戦ってきたのか………その宝具の真名とともに知ることになる………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)

 

 

それは、彼らの勝利を断つ………勝利の剣だった。


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