Fate/dade blaster (更新停止中) 作:黒白黄色
「おい!!」
正人は倒れた二人が血を流してるのに気付き、走り出そうとする。
「待て!」
秀が走り出した正人の足を掴み、止める……
「ワタァッ!?」
だが、正人は走り出した勢いのせいで顔面を地面に
「な…何すんだ!?いてぇよ!」
「すまない……だが闇雲に近づくな、あの人らの二の舞になるかもしれないからな」
「け、けどあいつらが……!」
『落ち着いてください……生体反応あり!大丈夫、お二人は生きています!』
ルビーは二人の状況を確認し、一同に生きていることを伝える。
「生きてるか……」
「で、でもだったらなおさら……ッ」
「だからこそ!冷静に、確実に行動すべきなの……!」
「ミユさん……」
「ミユの言うとおりだ…一旦冷静になれ二人とも」
「…まず選択肢は二つ……即座に敵を倒すか、隙をついて二人を確保し脱出するか……」
美遊は三人に現状実行できる方法を話す。
「あの槍は?あれなら一撃必殺で……」
「だめ…今は使えない」
『一度カードを
『どうもアク禁くらうっぽいですね!』
「ライダーのカードは試してみたけど……単体では意味をなさなかった。キャスターは不明……本番でいきなり使うには危険が大きすぎる」
「加えて、アーチャーだっけ?あれは役立たずだ……」
『これは選択肢2番でいくしかなさそうな感じですか……』
ルビーの言葉に正人達は頷く。
「私が敵を引きつける。その間に右側から木に隠れて接近して二人を確保。即座にこの空間から脱出して」
「美遊、一人だとキツいだろ……オレも行った方がいい」
「シュウ……」
「こっちはちゃんとやっておく、行け!」
「わ…わかった!」
「おう!」
皆頷き合うとそれぞれ左右に分かれた。
美遊は上空に飛び、秀は地上から剣士との的確な距離をとる。
『ルヴィア様たちと敵の距離が近すぎます』
「大弾は撃てないか……(何にせよまずは……敵をおびき出す!)……
美遊は剣士に無数の魔法弾をぶつける。………が、剣士の周りに黒い霧が発生し、美遊の魔法弾が防がれてしまった。
「何!?」
『敵に損害なし、攻撃が届いていません……!』
「霧に阻まれた?あれはいったい……」
「なんだあれ?」
「ルビー、もしかしてまた反射平面とかいう……」
『いえ、魔術を使っている様子はありません。あの黒い霧は……まさか……』
一方……秀は……
「何なんだあの霧は……?美遊の攻撃を防いだということは……何らかの防御方法であることは確かだ。だが……」
burst mode
秀はカイザブレイガンをバーストモードにし、剣士に向け撃った。そして何と、その攻撃は先ほど美遊の攻撃を防いだ黒い霧を無視し、剣士の体に直撃し爆発した。
「効いた!?」
「やはりか……あの霧はオレの攻撃は防げないらしいな……」
だが爆発の中から剣士は姿を現し、秀に目を向け剣を構える。
(構えた……おそらくこっちに向かってくる。丁度いい、あの二人から離れ、時間稼ぎにもな………
ザン!!!
「なっ……!!?」
剣士は離れた秀に向け霧を纏わせた剣を振った。そしてその霧は鋭く邪悪な斬撃となり秀に放たれていった。
ready
秀はカイザブレイガンにミッションメモリーを差しブレードモードにする。
「ぐっ……ガァ!!?」
秀はカイザブレイガンで斬撃を受け止めるも衝撃は防げず、吹き飛ばされてしまう。
「シュウ君!?」
イリヤは声を上げた。するとその声に気付き、剣士がイリヤの方に向き斬撃を放つ。
「危ねぇ!!」
正人は素早くイリヤの前に立ちファイズエッジで斬撃を受け止めるが正人も衝撃に負け吹き飛ばされる。
「ぐァ……ッ!?」
「マサト!」
「大丈夫だ……いてぇけどよ」
「サファイア……あの黒いのは…!?」
『間違いありません、あれは……信じがたいほどに高密度な………魔力の霧です。あの異常な高魔力の領域に魔力砲が弾かれていたようです』
「飛ばしてきたのもソレか……魔術障壁じゃ無効化できない……!」
一方、イリヤに剣士がゆっくりと近づいてくる。
『追撃きます!立ってくださいイリヤさん!!』
ルビーが呼び掛けるもイリヤは恐怖で足が震え動けずにいた。
「う…あう……」
「何をしているの!?早く逃げて!!」
「あ……!」
「ウェリヤァー!!」
その時、正人が剣士に向かって突っ込んで行った。
「マサト!?」
「オラッ!!」
正人は剣士にファイズエッジを振りかざす。これを剣士は剣で余裕で防ぐ。
「……この野郎……!!」
正人はファイズエッジを強く握り押しきろうとするも剣士はそれ以上の力で正人との競り合いに勝利する。
(ぐっ……足止めすんのも命懸けかよ……!)
正人を振り切ると剣士はイリヤに再び斬りかかる。
「サファイア!!物理保護全開!!」
美遊は物理保護に全てをまわし、剣士の斬撃を受ける。
「…っ!!」
美遊は全力でガードするも、剣士の斬撃はそれを上回り美遊とイリヤをまとめて吹き飛ばした。
「ミ…ミユさ……
「平気、それよりあの敵……」
『まずいですね……とんでもない強敵です。魔力砲も魔術も無効。遠距離も近距離も対応可能。こちらの
「最強……」
イリヤは恐怖に震え、発した言葉も弱々しくなっていた。
(戦意を……失いかけている。無理もないか……状況は最悪、今までの敵とは基本性能が違いすぎる。倒すどころか撤退すらさせてもらえない……!)
剣士はそんな満身創痍の二人に慈悲もなく冷酷に殺意を向けながら近づいていく。
「……ッ!近よんじゃねぇ!!」
そんな正人の言葉と共に、剣士は己の剣を振りかざしす。
その時────
exceed charge
「砕けろ!!」
ドガッ!!!
剣士の懐に秀が駆け寄り、
「!!?」
「シュウ……」
「……遅れた」
「いったい何してたんだよ」
「あんな不意討ちを喰らったからな、しばらく気絶していた」
「……そりゃあ災難だったな」
「それでどうするんだ?撤退しようにも見逃してくれないぞあいつ」
「………撤退はしねぇ」
正人は秀を見てそう言う。
「何を言っているの!?あんなのには勝てない……今すぐ撤退すべき………
「じゃあできるのか?」
「………」
「あいつに勝つのは難しいさ……けど逃げるのも難しい。撤退することに集中してたらあいつの攻撃を防ぎきれずに
「けどマサト、私たちの攻撃が通用しないんじゃどうしようも………
「通用するさ」
「え……?」
「見てなかったのか?シュウの攻撃はあの黒い野郎に確実に効いていた。それにさっきぶっ飛ばされてまだ攻撃してこねぇ……確実にダメージがはいっているはずだ」
『成る程、シュウさんの力はマサトさんと同じく魔術とは関係がないもの……そうなればあの霧で防げなくても不思議ではありません』
「………細かいことは分からんがつまり、俺とシュウならあいつを倒せるってことだ!」
正人は秀の方に振り向き自信有りげにそう言い切る。
「カッコつけてる間にあいつはもう起きてしまってるぞ」
秀が指を指す方では黒い剣士がすでに剣を構え立っていた。
「攻めて来ない……警戒しているの?」
「やっと俺の強さがあいつにも分かったらしいな!」
「攻撃したのはオレだがな……」
「マサト……」
「心配すんな、ヒーローらしくカッコよく決めてくるからよ!」
「オレの足を引っ張るようなことはするなよ」
「だから、おまえはいつも一言余計に多いんだよ!!」
「事実を言ったまでだ」
「……だぁ!もう、さっさと行くぞ!」
正人と秀は黒い剣士の前に立ち対峙する。
「覚悟しろよ黒野郎!今から俺が相手だ………圧倒的な力、見せてやるぜ!!」
黒く冷酷なオーラを纏う漆黒の剣士。赤い熱血と、黄の冷静をもつ二人の少年戦士。今、この激しい二大勢力が激突する!!