Fate/dade blaster (更新停止中)   作:黒白黄色

18 / 25
目覚めよ覚悟

正人と秀は、互いに睨み合ったままだった。

 

 

 

ready

 

ready

 

 

正人と秀はそれぞれ、ファイズエッジ、カイザブレイガンにミッションメモリーを差し、ブレードモードへと変える。

 

 

正人「・・・」

 

秀「・・・」

 

 

 

 

 

正人「ハァッ!」 秀「セァッ!」

 

 

正人と秀はほぼ同時に攻撃を仕掛けた。

 

 

正人「ぐっ、」

 

秀「どうした、そんなものか?」

 

 

正人は秀の攻撃に押されている。

 

 

秀「さっきのオルフェノクとの戦い、見ていたぞ。途中で攻撃を止めるなんて、オルフェノクに情でも湧いたのか?」

 

秀は攻撃を続けながら正人に言う。

 

 

正人「ぐっ・・うるせぇ、お前だって知ってんだろ!オルフェノクの中に、人の心を持った奴だっていることを、オルフェノクが全員、化け物じゃねぇってことを!」

 

正人は秀の攻撃を受け止めながら反論する。

 

秀「・・甘いな」

 

正人「何だと?!てめぇはくだらねぇと思ってんのかよ!」

 

秀「くだらないとは思っていない、甘いと言っているんだ」

 

秀は正人の腹に蹴りをいれる。

 

 

正人「ぐがっ!?」

 

 

秀「ハァッ!」

 

正人「ぐっ、」

 

正人は秀の斬撃をギリギリでガードする。

 

 

秀「この際だ、お前の技量を直接確かめてやる」

 

正人「何だと!?」

 

 

秀「ハァッ!」

 

正人「デヤッ!」

 

 

正人と秀の攻撃は互いにぶつかり、相殺した。

 

 

秀「セァッ!」

 

正人「ダアッ!」

 

 

お互いの斬撃が火花を散らしてぶつかり合う。

 

 

秀「戦闘技術はまぁまぁだな」

 

正人「何を言ってんだ?!」

 

 

正人は秀に斬撃を繰り出すも、あっさりと受け止められた。

 

 

秀「だが、決定的に足りないものがあるな」

 

秀は正人の攻撃を気にせず、話を続けている。

 

正人「いい加減に黙って・・・・ガッ!?」

 

 

秀は正人に膝蹴りを入れる。

 

 

 

秀「それは・・戦う覚悟だ」

 

正人「が、ぐ・・」

 

正人は腹を抑えながら、地面に倒れ込む。

 

 

秀「お前、オルフェノクの中には人の心が残っている奴もいるって言ってたな。確かにそんな奴もいる。だからお前はあの時、オルフェノクに攻撃を止めたのか?」

 

正人「あぁ、そうだよ」

 

秀「いや、違うだろ」

 

正人「は!?」

 

 

秀は正人の返信に対して、即座に否定をした。

 

 

秀「お前は・・怖かったんだろ。オルフェノクを倒して、その罪を背負ってしまうことが」

 

 

正人「ぐ・・」

 

 

秀「やはりな・・惨めだな」

 

正人「うるせぇ!怖いんだよ・・仕方ないだろ・・」

 

 

秀「・・お前・・本当に腑抜けになってしまったみたいだな!」

 

正人「がはっ!?」

 

 

イリヤ「正人!」

 

 

秀は正人に蹴りを喰らわせ、ぶっ飛ばす。

 

 

正人「がっ、」

 

正人はふっ飛ばされた先の壁に衝突した。

 

 

正人「ぐ・・」

 

秀「お前は自分がやってしまった愚行に気づいていない。さっきの戦いでお前が攻撃を止めたせいで、イリヤスフィールの身に危険が生じた。それはお前も見ていたよな?」

 

正人「・・・」

 

秀「無論、お前も危なかった。俺が来ていなければお前とイリヤスフィールは死んでいた」

 

 

正人「くそ・・・」

 

 

秀「俺は最初に言ったはずだ。覚悟はしておけと・・・闘わなければ誰かが死ぬかもしれないんだぞ!!」

 

 

秀はカイザブレイガンを構える。

 

 

秀「戦う覚悟、罪を背負う覚悟が無いお前は・・ファイズとしてお終まいだ!!」

 

正人「ぐぁっ!」

 

 

正人は秀のカイザブレイガンの一撃で飛ばされ、変身が解除された。

 

正人「ぐ・・」

 

イリヤ「正人」

 

変身が解除され、倒れ込んだ正人にイリヤが駆け寄る。

 

秀「おい」

 

そう言い秀は正人の胸ぐらを掴む。

 

秀「今のお前に闘う資格はない。覚悟が無いなら今夜のカード回収に来るな!」

 

正人「・・・」

 

秀「話は以上だ」

 

秀は正人の胸ぐらを放し、その場を去った。

 

イリヤ「正人、大丈夫?ねえ正人」

 

正人「大丈夫・・だ」

 

正人はそう言い、立つ。

 

イリヤ「正人?」

 

正人「イリヤ・・しばらく一人にしてくれ」

 

正人はファイズギアを片手に、走り出した。

 

イリヤ「正人、どこ行くの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正人「・・・」

 

正人は赤く染まる夕焼けを見ながらぼーとしていた。

 

正人「確かに、十中八句・・いや、全部あいつが正しいか」

 

正人は秀とのことでまだ悩んでいた。

 

正人「俺・・どうすればいいんだよ・・・」

 

 

 

ウァァァ!!

 

突然正人の耳に人の悲鳴が聴こえてきた。

 

 

正人「!?何だ・・」

 

正人は悲鳴が聴こえた方へと向かった。

 

 

 

(まさか・・まさか)

 

 

正人は悪い予感を抱えながら悲鳴が聴こえた場所にたどり着いた。

 

アルマジロ

オルフェノク「ヴぁヴェア‥」

 

 

正人「オルフェノク!?」

 

そこには硬い外皮に覆われていて、まるでアルマジロのような外見をしたオルフェノクがいた。

 

 

アルマジロ

オルフェノク「ヴヴェァ‥」

 

「が・・あ・・」

 

 

正人「あいつ、人を・・やめろ!!」

 

正人はオルフェノクに体当たりする。

正人の体当たりが決まり、オルフェノクは人を離した。

 

 

正人「おい、大丈夫か・・あんた・・おい!」

 

「あ・・ぁ────

 

正人「え・・・」

 

その人は体が灰と化し、正人の目の前で崩れ去った。

 

正人「嘘・・だろ・・・

ハッ!?」

 

アルマジロ

オルフェノク「ヴァッ!」

 

アルマジロオルフェノクは呆然としていた正人に攻撃してきた。

 

正人「ぐぁ!?」

 

正人は避けきれず、地面へととばされた。

 

正人「が・・」

 

アルマジロ

オルフェノク「ヴウァッ!」

 

正人「クソッ!」

 

正人はオルフェノクの二度目の攻撃を避け、逃げる。

 

正人「ハァ、ハァ・・うぁっ!?」

 

正人は転び、地面に体をぶつけてしまう。そして、その拍子にファイズギアが地面に転がり出る。

 

正人「・・俺のせいだ・・俺が迷ってしまったせいで、もっと早く・・気づけたはずなのに・・」

 

正人は自分の愚かさに気づき、自虐の言葉を繰り返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に言ったはずだ。覚悟はしておけと・・・

闘わなければ誰かが死ぬかもしれないんだぞ!!

 

 

 

 

正人「ッ!・・・」

 

正人の脳裏に秀のあの言葉が浮かんだ。

 

 

正人「そう・・だよな・・・本当に全部、あいつが正しい。分かってたのに・・なんで・・・」

 

 

 

ガア!

 

正人「!?」

 

オルフェノクが正人に飛び掛かってきた。

 

 

正人「ダアッ!」

 

アルマジロ

オルフェノク「ヴァ?!」

 

しかし、正人の蹴りが足に当たり、オルフェノクは態勢を崩し、放り投げられるように地面に激突した。

 

 

正人「迷っていたら死ぬ・・・だったら闘うしかない・・・人を守る為に!」

 

 

5 5 5 standing by

 

 

正人「変・・身!」

 

complete

 

 

正人は覚悟を決め、ファイズフォンをベルトに装着し、ファイズへと変身した。

 

 

アルマジロ

オルフェノク「ウヴァ…ヴァ!」

 

アルマジロは立ち上がり、正人へと勢いよく向かって行った。

 

正人「オラッ!」

 

アルマジロ

オルフェノク「グォ…」

 

だが正人の一撃は、アルマジロの勢いを殺すかのごとく、真っ正面からの打ち合いに勝利した。

 

正人「オラッ!」

 

アルマジロ

オルフェノク「ヴォ、」

 

正人「ハッ!」

 

アルマジロ

オルフェノク「ウヴァッ」

 

正人は畳み掛けるかのように打撃を繰り出していった。

 

正人「ダアッ!」

 

アルマジロ

オルフェノク「グォ、…ウヴァ!」

 

 

正人「何?!」

 

アルマジロはの攻撃の隙をつき、正人に覆い被さった。

 

アルマジロ

オルフェノク「ヴァ…」

 

正人「コイツ・・」

 

正人は逃れようとするも、重量のあるアルマジロの巨体とパワーがそれを難しくする。

 

 

???「フシャ!」

 

正人「な、危ね!」

 

正人の頭目掛けて矢がとんでくるも、正人はなんとか避けた。

 

正人「・・まさか!」

 

正人は矢がとんできた方へと目を向ける。

 

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「フシュ…シュ、」

 

そこには前回逃亡したフライングフィッシュが建物の上で銃を構えていた。

 

正人「アイツ、まだ俺のことを・・」

 

正人は矢の射撃から逃れたいが、アルマジロの押さえつけから脱出できない。

 

アルマジロ

オルフェノク「ヴウァ!」

 

正人「いい加減・・・

 

1 7 3 burst mode

 

 

どきやがれ!」

 

 

アルマジロ

オルフェノク「ウヴェァ!?」

 

正人はファイズフォンをバーストモードにし、アルマジロの巨体を強力な銃撃で吹き飛ばす。

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「シャッ」

 

フライングフィッシュは正人がアルマジロから逃れたのを見ると、建物から地面へと降りた。

 

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「フシュ…」

 

アルマジロ

オルフェノク「ウガァ…」

 

正人を囲むように、アルマジロとフライングフィッシュは正人の前後に立ち塞がる。

 

正人「・・・ッ!」

 

正人が舌打ちをしたその刹那―――

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「シャッ!」

 

フライングフィッシュは矢を放った。

 

正人「ハッ!」

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「シャッ!?」

 

だが正人はフライングフィッシュが放った矢を叩き落とし、拳を構え向かって行く。

正人「ダアッ!セァ!」

 

正人の攻撃はフライングフィッシュに決まり、銃を手放させた。

 

アルマジロ

オルフェノク「ウガァ!」

 

正人「がっ!?」

 

だがこの隙にアルマジロが正人の背に攻撃をする。

 

正人「ッ!何すんだ!」

 

正人は背後から襲ってきたアルマジロに連続で拳をぶつける。

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「フシャ!」

 

正人「な!?」

 

正人はフライングフィッシュに後ろから羽交い締めにされる。

 

 

アルマジロ

オルフェノク「ウヴァ!」

 

アルマジロは羽交い締めにされている正人に拳を放った。

 

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「シャッ!?」

 

だが、フライングフィッシュは正人に難なく振りほどかれ、アルマジロの攻撃の誤爆を喰らってしまった。

 

ready

 

この隙に正人はファイズポインターにミッションメモリーを差す。

 

アルマジロ

オルフェノク「ウガァ!」

 

正人「邪魔!」

 

正人は必殺技発動に邪魔なアルマジロを蹴り飛ばし、右足にファイズポインターを装着した。

 

 

exceed charge

 

 

ファイズギアから流れるフォトンブラッドが右足のファイズポインターにへと溜まる。

 

 

正人「ハッ!」

 

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「フィヤ!?」

 

 

正人はファイズポインターが装着された右足をフライングフィッシュに向け、円錐形のフォトンブラッドで動きを止めた。

 

そして正人は大きく跳んだ。

 

 

正人「ハァーー!!」

 

 

正人のフォトンブラッドを纏った蹴りはフライングフィッシュの体を貫いた。

 

 

フライングフィッシュ

オルフェノク「フイャー!!」

 

 

フライングフィッシュは叫びと共に、Φの模様を浮かべ灰化消滅した。

 

 

 

正人「ふぅ…

アルマジロ

オルフェノク「ヴァ!」

 

正人「ウァッ!」

アルマジロは剣と盾を装備し、正人に再び襲い掛かる。

 

 

アルマジロ

オルフェノク「ウガァ、ウヴァ!」

 

だがアルマジロの剣の攻撃は振りかぶりが大き過ぎるため、正人はこの攻撃をヒラリと避けていく。

 

 

正人「よし…いて」

 

正人は後ろに下がるとなにやら背中に何かがぶつかった。

 

正人「何だ?」

 

 

正人は後ろを見てみると、そこにはあのバイクがあった。

 

正人「何で?…まあいいや、丁度良い」

 

ready

 

正人はバイクのハンドルにミッションメモリーを差し、ファイズエッジにした。

 

アルマジロ

オルフェノク「ウガァ!」

 

アルマジロがまた攻撃をするも、正人はまたヒラリとかわした。

 

正人「ダアッ!」

 

これを避けると正人はファイズエッジでアルマジロに攻撃する。

 

アルマジロ

オルフェノク「グッ…ウヴァ!?」

 

アルマジロは盾で防御するも、ファイズエッジの斬撃は盾をも切り裂き、アルマジロに炸裂する。

 

 

exceed charge

 

正人「セァ!」

 

正人はアルマジロに向けファイズエッジからフォトンブラッドをぶつける。

 

すると、フォトンブラッドはアルマジロの周りを囲み、その空間の重力を不安定にし、アルマジロを浮遊拘束する。

 

 

正人「ハァ!ダアッ!」

 

正人はフォトンブラッドをのせたファイズエッジでアルマジロを斬り倒す。

 

 

アルマジロ

オルフェノク「ウガァー!!」

 

 

アルマジロも叫びと共に、Φの模様を浮かべ灰化消滅した。

 

そして正人は変身を解除した。

正人「……ふぅ、終わった」

 

正人はため息をつきオルフェノクの砂を掴む。

 

 

 

正人「あんたも人間だった……けど、人を守るためになら闘う。それが俺の覚悟だ」

 

そう言い正人は砂を手からこぼす。

 

 

 

イリヤ「あ!正人、やっと見つけた」

 

正人「イリヤ?」

 

 

イリヤは正人を見つけるとすぐさまに駆け寄った。

 

 

正人「お前…」

 

イリヤ「もー、心配してたんだからね!」

 

正人「……すまん。悪かったないろいろ迷惑かけちまって」

 

イリヤ「本当に迷惑だったよぉ」

 

正人「正直に言うなよ。悲しくなる」

 

イリヤの本音が正人にグサッと刺さる。

 

 

イリヤ「……帰ろ。正人」

 

正人「……ああ」

 

 

正人とイリヤは家へと帰っていった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。