ナントカカケタ。ヨカッタ。
…ハッ!俺は一体何を…遂に頭でもヘンになったか。まあそれでもあの人達に及ばないだろうが。
"あの人達"というのは、トバリトレーナーズスクールの四天王の事だ。具体的に言うならハルト、シロナ、ゴヨウ、アカギの事だ。彼らはこの学校の強いトレーナー筆頭であると共に変人筆頭でもある。
まずアカギ、この人は俺の一つ上で13才。相棒はニューラ。四人の中でも変人度が一番高い人だ。授業中は教室に居ないか、何か機械を弄っている。同じ変人同士気が合うのかアカギと仲がいいハルトによると、教室に居ない時は屋上にいるらしい。…屋上には何も無かったと思うのだが…やはり変人か。そしてバトル含め成績は三位。強い。
残りの三人も変人ではあるのだが、妙に人気があるし、アカギに比べると変人度は劣る人達だ。
まずゴヨウ。この人は俺の三つ下の9才。ちなみに残り二人も9才だ。相棒はドーミラー。授業中はずっと本を読んでいる。…どころか話し掛けない限りずっと本を読んでいる。他に読んでない時といえばバトルをしている時位か?まあとにかく本の虫にも程があるゴヨウだが、さっきも言った様に人気がある。頭も顔もいいし、誰に対しても敬語で接しているのも大人っぽくて良いらしい。主に年上(ゴヨウからみて)に人気がある。男にはわからない。成績は四位。
次にシロナ。相棒はフカマル。最近ヒンバスが手持ちに加わったらしい。授業中はずっと何か別の勉強をしている。またハルトに聞くと、シンオウ地方の神話の勉強らしい。やはり変人か。この人は非常に容姿がいい。簡単に言うとすっごく可愛い。その可愛さ故に人気がある。しかも四天王の名が示す通り強い。可愛いのに強いというのも人気を高めている要因だろう。成績は二位。
最後にハルト。相棒はモノズ。最近シロナと同じくヒンバスを手持ちに加えている。そしてそれとは別にケーシィも持っている。この年で三体ポケモンを持っているなんて珍しい。授業中だが、寝ている。これだけなら普通なのだがその寝言が意味不明なのだ。なんでも、「めざ氷が…めざ炎が…」とか、「色厳選キツい…」とか言ってるらしい。しかもこれを起きている状態でも偶に言うのだ。例えば、テレビで破壊光線や火炎放射を使うガブリアスを見ると「変態型かよ!」とか、キュウコンを見て「あれ?今そんな天気よくないけど?」とか。うん。変人。そしてこの人は男女問わず人気?というかなんというか…凄く憧れられている、と言った方がいいか。ちょっとおかしな事も言うが、普段は大人びていて頼れる雰囲気だったかと思えば少し子供っぽくなってからかってきたり、そんなギャップが効果的な様で、男子は年上であっても兄貴分の様に、女子は…そうだな…カッコいい先生の様に扱う。それも、ポケモンの事にとても詳しいからだ。ポケモンの技だったり、道具だったり。偶に先生よりも詳しいときもあるほどだ。そして成績は一位。
しかも、他の三人より頭一つ飛び抜けている。と言っても、他の三人が並な筈もなく、五位を100とすれば他三人は200前後、そしてハルトが230といったところだ。改めて思う。四天王って化け物だ。
そんな個性の塊な四天王だが、やはり共通点もある。まずバトルが強いこと。これが四天王たる所以でもある。そして何より、ポケモンへの愛情が凄い。勿論、俺や他の生徒もポケモンへの愛情を持っているのだが、四天王はなんというか…愛情の質?みたいな物が違うのだ。アレを見ていると自分が本当にポケモンを愛しているのか不安になってしまう程に。
まあそんな怖い話は置いといて、今は校内大会だったりする。今は準決勝で、ハルト対ゴヨウとシロナ対アカギの二試合が行われている。俺?一つ前の試合でハルトと当たって負けたよ。こっちはグレッグルで向こうはケーシィ。タイプ相性が最悪だったよ。それにしてもあのケーシィ毒のダメージ受けて無かったような気がするな…まあ気のせいだろう。まあそんな事もあってこれから始まるハルトの試合を見ようと思っている。
ゴヨウのポケモンはドーミラーか。まあ手持ちが一匹しかいないし当たり前か。さて、ハルトは…ってオイオイ。
「ヒンバス!行ってこい!」
マジかよ…てっきりモノズが出てくるものだと思ってたのに…?しかもこれってヒンバス初陣じゃ…
「初めてのバトルだけど落ち着いて練習通りにな!」
マジか…本当に初陣だったとは…四天王相手に初陣なんて、あのヒンバスは凄い事をさせられるな。でもバトルのステージには水場がないがどうするのだろうか。周りを見てもみんな驚いている。驚いた表情をしていないのはハルトと何故か困った顔をしているゴヨウだけだ。
「ドーミラー!岩石封じです!」
さらに訳がわからない。ドーミラーはチャージビームを覚えていた筈なのに何故岩石封じを打つ?
「ヒンバス。波乗り!」
ヒンバスがどこからか生み出して来た大波で、岩石封じの準備をしていたドーミラーを岩ごと流す。でもドーミラーにはあまり効いていない様だ。
「雨乞いだ!」
その隙に雨乞いをするヒンバス。さっきの波乗りもあってなんとか泳げる位にはなった。なるほど、これが狙いか。そんな風に思っていると、ゴヨウが「遅かったですか…」と呟いた。ヒンバスが動ける様になっただけなのにそんな反応する事か?なんて疑問は次の瞬間解決した。
「ヒンバス、動き回れ。」
次の瞬間、一度だけ見たことのあるテッカニンをも上回るだろうスピードでヒンバスが動き始めた。加速し続けるテッカニンには敵わないだろうが、初速では間違いなく上回っている。これは…俺達じゃ相手にならなさそうだ。恐らくハルトにはまだ策がある。四天王ならともかく他の奴等には対処できないだろう。
「催眠術だ!」
「っっっ!マズイ!ドーミラー、神秘のベールです!」
ドーミラーが状態異常にならないよう、神秘のベールを纏おうとするが一瞬早くヒンバスの催眠術が決まり眠ってしまう。こうなったら勝負は決まったような物だ。
結局、ハルトは準決勝も決勝のシロナ戦も勝って優勝した。俺もいつかはあそこまで強くなれるのだろうか。…そんな事を考えても仕方ないか。俺は俺のペースで進もう。
そういえば俺の名前を行ってなかったか。俺はイッセー。フルネームを漢字で言うと“
例えば、ヘンな服を着て軍人口調で組織の幹部をしてたりとかな…それはないか。そんな突飛な考えが浮かぶ辺りもうおかしいのかも知れないな。
ここまで読んで下さった読者様ありがとうございます。
今回は主人公達“四天王”の事について少し、そしてちょっとした伏線…?うーんなんだろう…まあ今後の展開に対してのちょっとした辻褄合わせをしました。
…ついでにほんの少しのバトル描写をしていたり…
まあそれが成功か失敗かは別として、決勝のシロナ戦ではなくゴヨウ戦を書いたのには理由があります。といっても、ヒンバスの戦いを書きたかっただけなんですがw
書いている時にふと、ヒンバスが雨パ最速の催眠撒きだということを思いだしまして、丁度いいかな~なんて軽いノリで書きました。トリル?知らない技ですね。
まあとにかく、ヒンバスの戦いを書くならモノズで戦いそうなシロナ戦はないなと。残るはアカギとゴヨウですが、アカギのニューラだとモノズもケーシィも一致抜群を取られるので必然的にヒンバスを出すしかありません。今回は主人公の強さ、ひいては四天王の常識はずれさ(他から見て)を書きたかったので、タイプ相性ではもっといいポケモンがいる事と素早さで圧倒できる事を加味してゴヨウとドーミラーに犠牲になって貰いました。一応、ゴヨウはハルトが何をするか分かっています。チャージビーム連打すればいいとかトリックルームとかのツッコミは無しでお願いします。ご、ご都合主義ですから…
次回もなるべく早く書きます。
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次回をお待ち下さい。