金髪考古学者の隣人   作:吊人

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えー、まずは弁解を。とある感想への返信で4月中に更新しますと言いました。それに対して作者はとても反省しています。

ところで4/32の2時16分だからセーフって事にならない?あ、ダメ?ごめんなさい。


隣人と将来の夢

日本(読者)のみなさんこんにちは。いかがお過ごしだろうか。こちらはどうやらナタネと一緒にハクタイシティに向かった様だ。

 

 

 

 

 

 

「無理ムリむりぃ!もう絶対あそこの前通れない!」

 

「大丈夫だから!あの人達優しかったから!」

 

いきなり何を言っているか分からないと思うが、今は森の洋館の前で出会ったナタネと幽霊について話している所だ。なんでも、森の洋館は過去に凄惨な事件があって今は誰も住んでない筈らしい。

 

「うん、全然怖い幽霊とかじゃなかったし、住み着いてるゴーストポケモン達も愉快な奴等だったよ。」

 

「それでも怖いものは怖いの!」

 

しかも森の洋館では幽霊が出るとの噂があり、たまに肝試しで入り、怪奇現象に出くわし逃げ帰る人がいるようだ。そこで、ナタネに自分たちが出会ったレティシアやセバスさんについて話すとこの有り様だ。

 

「私ほんっとうに幽霊とかダメなの…想像するだけで…あぁ、今日は一人でトイレ行けない…」

 

原作よりも何年も前だから当然の様にロリなナタネのトイレ発言で起立した紳士の皆様はどうか着席して貰えないだろうか。ジュンサーさん、こっちです。

 

「とりあえずそろそろハクタイシティに着くから案内して貰えないか?」

 

「うぅ…恨むからね…。…よし!案内は任せて貰っていいよ!」

 

ナタネは恨み言を呟いた後、一つ気合いを入れ直しハクタイシティを案内することを快諾してくれた。と言っても、そもそも最初会った時にナタネの方から「案内してあげるよ」と言ってきたので快諾も何もないんだけど。

 

「わぁ!何あれ?」

 

「あれは…銅像?」

 

町の中にあるちょっとした丘の上には何かのポケモンを模した銅像があった。

 

「あぁ、これはね。シンオウ地方の伝説に出てくる神様の像なの。なんでも空間を操れるらしいのよ。凄いよね。」

 

「あ、知ってる!パルキアでしょ!」

 

あぁ!ゲームでもあったあの銅像だったのか!パルキアにあまり似ていないから分からなかったな。そしてシロナは神話を勉強しているおかげか直ぐにパルキアの名が出てきたようだ。

 

「パルキア?へぇ!このポケモンパルキアって言うのね⁉」

 

「俺達が住んでたカンナギタウンには神話についての本もあってね、シロナなんかは今勉強中だから特に詳しいんだよ。」

 

「そう言えばここに…ほら!壊れてて読み辛いけどここにパルなんとかって書いてあるのはパルキアだったのね。」

 

「なになに?…うみだされし パル…… いくつかの くうかんを つくりだす いきていても そうでなく…… おなじ くうかんに たどりつ…… それは パル……の おかげだ」

 

「欠けてて読めないね…ハルト、何か間に入る言葉思い付く?」

 

「ごめん、シロナ。分からないね。でも、文字数が合わないけどなんとなく埋める事はできるからそれでもいいなら。」

 

「全然大丈夫だよ!」

 

「それなら…産み出されしパルキアは幾つかの空間を造り出す。生きていてもそうでなくても同じ空間にたどり着ける。それはパルキアの力のおかげだ。かな?」

 

「えぇ…あなた達本当に私と同年代?というか、ひょっとして凄く頭いい?」

 

しまった。シロナと神話の話しを始めると周りが着いてこられなくなる事を忘れていた。

 

「ごめんね~、わたし達考え出すと二人して周りが見えなくなっちゃうんだよね~。」

 

「将来考古学者とかになるつもり?」

 

「それいいね!わたしの将来の夢決まったかも!」

 

どうやらシロナは考古学者になる決意をしたようだが…

 

「俺は…博士になりたいかな。」

 

「うわー、二人とも将来の夢が叶えば大物じゃない。今の内に仲良くしておこうかな。」

 

「勿論!仲良くしようねナタネちゃん!」

 

「あはは、現金だなぁ…そういうナタネの将来の夢は?」

 

「私?私は…まだわかんないなぁ…って、いやいや、私達今何歳か分かってる?」

 

「「9歳でしょ?」」

 

「だよね⁉普通この歳でそんな将来の事を真面目に考えてる人の方が少ないと思うんだけど…」

 

「「?」」

 

「あー、うん、なんでもないわ。」

 

ナタネは不思議な事を言うな…小さい頃の方が夢決まってたりすると思うんだけどな。

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだ。そう言えばハクタイシティってジムあったよな?」

 

「ん、あるよ。ほら、そこに見えてる建物がハクタイジムだよ。」

 

町を一通り案内して貰った後、挑戦する予定のジムについて聞く。

 

「草タイプのジムだったよね?」

 

「うん、ハルトくんとシロナちゃんはジムを巡ってるの?」

 

「ふっふっふっ…聞いて驚いて!もうジムバッチを一つ持っているのです!」

 

「凄い!この歳でもう持ってるんだ!」

 

「この間クロガネシティに行って挑戦してきたんだ♪」

 

妙に自慢気なシロナは胸を張って、新しくできた友人に自分の成果を告げて(可愛い)いた。

 

「そんな訳で明日にでも俺達は挑戦しようかなと思ってるんだけど、よかったらバトルを見に来る?」

 

「オーケー!絶対見るわね!」

 

「それじゃあそろそろいい時間だし、また明日。」

 

「また明日ね~。」

 

「バイバイ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、ジムバトルに勝利して俺は無事にバッチを手に入れた。そして今は回復と休憩を挟み、これからシロナの挑戦が始まる所だ。

 

「頑張れよ!シロナ!」

 

「頑張れー!シロナちゃん!」

 

約束通りナタネも挑戦を見に来てくれたから一緒に応援する。

 

「そう言えばシロナちゃんの手持ちってどんな感じなの?」

 

「エースのフカマル、俺と同じヒンバス、ナナカマド博士から貰ったイーブイとこの間捕まえたスボミーだ。」

 

「ジムリーダーさんの手持ちが今さっきと同じならチェリム、マスキッパ、モンジャラだから…ヒンバスとスボミーには厳しいかもね。」

 

確かにヒンバス(水タイプ)は言わずもがな、スボミー(いまひとつ)も火力が足りない可能性が高いな。でも、それだけでシロナが負けるとは思わないな。

 

「それをどうにかするのがトレーナーの戦術じゃないかな。ほら、早速シロナがヒンバスを繰り出したぞ。」

 

「ホントだ。でもどうするんだろう。」

 

 

 

「ヒンバス!まずはダメージを減らそう!リフレクター!」

 

「物理攻撃半減か…それならソーラービームだチュリネ!」

 

「続けて光の壁もお願い!ヒンバス!」

 

 

 

 

「ヒンバスってあんな技使えたんだ…」

 

「まあ滅多に見ないポケモンだから知らなくても当然だね。でも多分あのソーラービームは…」

 

 

 

「撃て!ソーラービーム!」

 

チュリネによって凝縮された光のエネルギーがヒンバスに放たれ、轟音と共に土煙が舞う。そして煙が晴れるとそこには「ひんし」になったヒンバスが横たわっていた。

 

 

 

 

「やっぱり受けきれなかったか。」

 

「やっぱりダメじゃん!」

 

「いや、多分シロナはこの事も予想してるんじゃないかな?」

 

「どういう事?」

 

「だから、倒されるのも計算の内で、その後のポケモンの為の場を整えたんじゃないかな。」

 

 

 

 

 

「ごめんねヒンバス。でも!あなたが作ってくれたこの場を上手く使ってみせるからね!」

 

「お願い!スボミー!」

 

「お嬢ちゃん、草タイプの専門家に草タイプで挑む勇気は買おう!でも専門分野で簡単に負けると思うなよ!」

 

「チュリネ!日本晴れでお前の真の力を見せてみろ!」

 

「スボミー!成長!」

 

「む、日本晴れのせいで効果が上がってしまったか。マズイな。ソーラービームだ!」

 

「スボミー!耐えてもう一度成長!」

 

 

 

 

 

 

 

「これは…もう詰み(積み)だな。」

 

「そう言えば成長は日差しが強い時に効果が上がる技だったね。」

 

「ああ、それにさっきの光の壁でスボミーへのダメージも殆どないからいまひとつのソーラービーム余裕で耐えられるんだ。」

 

「これを見越してヒンバスを…」

 

ナタネがヒンバスを出した意味を理解した頃にはもうシロナのスボミーは三回目の成長を積んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

「さっきの少年の連れだから舐めない様にしていたがまさかこれほどとはな…」

 

「スボミー!メガドレイン!」

 

6段階も特攻が上がったスボミーの技をいまひとつ程度で耐えられる訳もなく、ジムリーダーのチュリネは倒れた。そしてスボミーが負った傷もメガドレインの効果で塞がっていく。

 

「もう一度メガドレイン!」

 

交代で出されたマスキッパもモンジャラも当然の様に一撃で倒される。そしてここにジムバトルの決着がついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君達には本当に驚かされたよ。ひょっとして年齢を偽ってないかい?」

 

「そんな事しませんよ、わたしのポケモン達が頑張ってくれたお陰です!」

 

「俺も右に同じく、普段の特訓の成果ですよ。」

 

年齢詐称の冤罪を疑われながら(勿論冗談だと分かった上で)バッチを貰いジムを後にすると、ナタネが決意に満ちた目でこちらを見つめてきた。

 

「ねえ、私の将来の夢決まったよ。私、ジムリーダーになる。」

 

「その心は?」

 

「今日の二人のバトルを見てて、すっごくワクワクしたんだ。ポケモンのタイプ相性だけで決まらない勝負もあるのか!って。」

 

「私は草タイプのポケモンが好きだしバトルも好き。でも負けるのは好きじゃないから勝ちたい。だけど草タイプだけじゃ相性悪いポケモンを出されれば負けるな~って思ってたの。」

 

「でも、相性が悪くても戦術によってはそれをひっくり返せるんだって知った。それなら誰よりも草タイプに詳しくなって誰よりも草タイプで強くなりたいの!」

 

「だから、ジムリーダーになって草タイプの専門家になってやろうかなって思ったの。どうかな?」

 

「「いい()!その夢!」」

 

「えへへ、できるかどうかは分からないけどね。」

 

「絶対できるよ!」

 

それは断言できる。原作ジムリーダーは伊達じゃない。少しの説明でシロナの戦法が理解することができたのだから頭もいいだろう。

 

 

 

 

 

「それじゃあ誰が一番早く夢を叶えるか競争しようか。」

 

「いいね、それ。」

 

「えっ…二人と競争するのはちょっt」

 

「ビリには罰ゲームでいいかな。」

 

「本気でやらないと負けちゃうよ?」

 

「あぁぁ!もう!いいよ!絶対勝って罰ゲームしてもらうからね!」

 

ナタネのジムリーダー就任をお祝いするパーティーで主賓の筈のナタネがいつかの罰ゲームをやらされる事になるのはまだ先のお話である。




ここまで読んで下さってありがとうございます。

今回は遅れたお詫びとしていつもより長めのお話となっています(今更)。

ついに明かされたハルトの将来の夢は博士になることでした!…別に“ついに!”って程でもなかったような気もしますが。


次は自分で言った期限を守れる様に頑張ります。

それではいつも通り感想評価誤字報告お待ちしてます!

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