金髪考古学者の隣人   作:吊人

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隣人の危機

日本(読者)のみなさんこんにちは。いかがお過ごしだろうか。こちらはどうやら命の危機が迫っている様だ。

 

「ハルト…」

 

「や、やめろ!やめてくれシロナ!誰か助けてくれ!」

 

「助けなんて来ないんだから、観念してね。大人しくしてれば直ぐに終わるから…ね?」

 

 

 

 

 

 

 

研究所でシロナの手持ちが増えてから3日。俺達はクロガネシティの近くで野宿をしていた。どうでもいいけどシロガネ山を間違えてクロガネ山って言っちゃう事ってあるよな。…え?無い?…そうか…

 

それは置いといて、野宿と言うことはご飯も自分で用意しないといけない訳だ。当然ながら、生活力が0に等しいシロナ(ダメナ)に任せる訳にもいかず、俺が料理をすることになった。

 

「おーいシロナー。」

 

「なにー?」

 

「もうすぐ料理できるから準備してくれ。」

 

「わかった!」

 

ポケモン達と触れ合っているシロナに声を掛け、料理の仕上げに入る。完成したら、準備してくれたテーブルに料理を置き、食べ始める。

 

「いただきます!……いつも通り美味しい!」

 

「いただきます。まあこうなるだろうと思ってずっと料理の練習をしてたからな。」

 

「いつもありがとうね。」

 

「おう。任せとけ。」

 

「私も料理できたらなー…」

 

「…その前に片付けができるようになってからだな…」

 

「…それもそうだね。」

 

どうやったらそうなるのかは知らないが、色々な物がめちゃくちゃに散乱しているリュック周辺を見ながら言う。…恐らく、テーブルや皿を準備した跡なんだろうが…幾らなんでも散らかりすぎやしませんかね?

 

 

 

 

「「ご馳走さまでした。」」

 

食べ終わった後は勿論後片付け。言わずもがな、生活力0のシロナに以下略という理由でこれも俺の役割となる。

 

片付けも終わり、振り向くとシロナがこちらを見ていた。どうしたのかと聞いてもなんでもないと返される。ポケモンか何かが見えたのかな?と納得し、ポケモン達のブラッシングに入る。

 

思えば、この時から前兆はあった。早く気付いておけばこんな事にはならなかったのに…

 

 

 

 

 

翌日。夕方まで掛けてクロガネシティまでもう少しの所まで来た。もうそろそろ暗くなるし、今日この辺りで寝ようかな。

 

「今日はこの辺りで休むか。」

 

「そうだね。もう少しで日も沈みそうだもんね。」

 

テントを準備し、料理を始めようかという所で声がかかる。

 

「ねぇ。」

 

「ん?どうした?」

 

「今日はご飯の前に水浴びしていい?ほ、ほら、今日暑かったから汗かいちゃったしさ!」

 

「了解。じゃあ俺はその辺で誰か来ないか見張っとくよ。」

 

バレバレな嘘だったが、女の子には色々あるんだろうと察して了解しておく。今思えば、ここで追及しておけば防げたかも知れないのに…

 

 

 

 

 

 

「もういいよー」

 

シロナの声が聞こたからテントに戻る。

 

戻ってしまった俺が見たものは地獄の釜だった。詳しく説明するなら、コンロに置いてある鍋が地獄の釜に変化していた。なんだあれは。

 

「お帰りハルト。実は水浴びは嘘で、本当はご飯を作ってたの。ごめんね、嘘ついて。」

 

いやいやいや、嘘自体はまだいい。それより今なんて言った?『ご飯』って言ったよな。つまりその地獄の釜は…

 

「初めてだから上手くできてないかもだけど、食べて貰えないかな?」

 

そう言いつつ、地獄の釜を差し出すシロナ。

 

「ち、ちなみにこれはナニを作ったんだ?」

 

「実はね…カレーを作ってみたんだ。」

 

ほーん。シロナさんはこの黒くてベトベトでスカタンクの屁がマシに思える程の悪臭を漂わせるモノをカレーと呼ぶんですね。わかりません。

 

気が付けば、今さっきまで騒がしかった虫ポケモン達も息を潜めている。これはダメなやつですわ。

 

そしてシロナは所謂『あーん』をしてくる。こんな状況じゃなければ喜ぶが、今は逃げるしかない。

 

「あっ!ハルト待って!」

 

「無理!それ食べたら死ぬ!」

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

俺はちょっとした洞穴に隠れる事にした。もうここまで来れば大丈夫だろう。ん?しまった!今のってフラグじゃ…

 

コツコツコツ

 

\(^o^)/

 

 

「ハルト…」

 

「や、やめろ!やめてくれシロナ!誰か助けてくれ!」

 

「助けなんて来ないんだから、観念してね。大人しくしてれば直ぐに終わるから…ね?」

 

天使の様な笑みを浮かべたシロナが地獄をスプーンに載せて差し出し、そこで俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

「…うん?」

 

「あ、おはようハルト!」

 

「あーうん。おはよう…」

 

昨日の夜の記憶が無い。何かあったんだろうか…疲れて寝てしまったのかな?

 

次は何を食べさせてあげようかな?

 

「ん?何か言った?」

 

「ううん。なんでもない。」

 

 

 

 




ここまで読んで下さった読者様ありがとうございます。

メシマズホラー系金髪幼なじみちゃんでした。
本人に悪気は一切ないんです。寧ろ、いつも主人公に頼りきりだからたまには私が、と思って料理(?)をしただけなのです。

あれ?おかしいな…最初はシロナとの日常を描く筈だったのに…シロナメインの作品なのにシロナとの絡みないなと思って書いたらこのザマだよ!

今回は筆が進みましたねぇ!キーボードだけど。

まあそれは置いときまして、作者のリア友も別のサイトで小説を投稿していたのですが、先日こちらにも投稿するようになりました。是非読んでやって下さい。詳しくは活動報告で。

さーて、次の更新はいつになるんでしょうね?ポケモンとダンボール戦機(無印)と艦これ改に区切りがついたらですかね?無理ゲー。

感想評価誤字報告お待ちしてます。
次回をお待ち下さい。

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