閻魔様、現代入りで社会勉強   作:神おむつ

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5話書き終わった後、急にアイデア湧いてきたのでこの投稿の早さです。
そしてなんと、次回予告詐欺です。今回も映姫様視点になります。
申し訳ないです(><)
今回から重要な台詞やキャラ同士が声を揃えた時の台詞などを『』のカッコで表現する事にしました。
確か…今回からなはず( ;´꒳`;)
ま、まぁ、仕切り直して、
それでは本編いっちゃいましょい☆


【6話〜閻魔と妖怪の賢者】

ーー 翌日。

 

朝起きると、日傘を差した女が私の前に立っていた。

 

いや、室内で日傘はどうかと思うが、それは彼女のトレンドマークみたいな物なので敢えてツッコミはいれない事に。

 

「あら、おはよう。可愛いパジャマね」

 

「誰かさんが選んでくれた物ですよ?」

 

すると目の前の女は、「やっぱり私のセンス結構いいわね」などと微笑んでいた。

 

「一体どういうつもりですか……紫?」

 

私は幻想郷創設者の一人、妖怪の賢者である八雲 紫に少しキツめな表情で問いかける。

 

「どういうつもりも、私は貴女に少し息抜きをしてもらいたくてしたまでよ」

 

「心遣いには感謝します。しかし、人の話も聞かずにいきなり見ず知らずの人の家に送り出すのは些か度が過ぎるのでは?」

 

「私が貴女をこの家に送るのに、この家の男の素性を何も調べなかったとでも?」

 

……確かに改めて言われ、考えてみたら偶然にしては都合が良すぎる。

 

いくら優しい人間が存在したところで、現れた見ず知らずの者をいきなり自身の家に住まわせるなど私だったらしない。

 

昨日も思ったが、よく得体の知れない私をここに住まわせたものだ。

 

……彼、結構おバカさんでお人好しなのでは?

 

「あの男、ちょっと面白いのよ」

 

「彼が面白い? どういう事ですか?」

 

「まぁ、彼ですって♪」

 

「……紫ぃ?」

 

「ごめんなさい、だからそんな怖い顔しないでちょうだい」

 

全く、人をからかうのが本当に好きですねこのスキマ妖怪は。

 

それでその彼の何が面白いのかを聞くことに。

 

 

『十神 康一は能力持ちなのよ』

 

 

「はい!?」

 

サラッと衝撃的な事実であった。

 

幻想郷に住む者で力ある者は、大半が能力を所持している。

私で言うところの《白黒はっきりつける程度の能力》だ。

 

そのような能力を彼も所持しているなんて、驚かない方が無理な話です。

 

「一体どのような能力を…?」

 

「大したモノじゃないわ。そうね…仮に名付けるとするなら、《周りの人物が自身に対して少なくとも好意を寄せる程度の能力》ってところかしらね」

 

「何と言うか、彼らしい能力ですねぇ」

 

幻想郷でも外の世界でも何かと役に立つ、結構良い能力だと思った。

 

どこ行っても結局は他人との関係って大事ですからねぇ。

 

特に仕事では。

 

「それで何故彼の家を選んだのです?」

 

「能力持ちと言う事もあってね、しばらく監視していたのよ。それで判断させてもらったわ」

 

うわっ、それ完全に覗きじゃ……

 

「露骨に嫌な顔しないでよ、それに貴女のためでもあったんだから」

 

「そこまでして私に休息を取らせたかったと?」

 

「貴女は幻想郷を支える重要な人物よ。無茶しすぎて倒れられては困ります」

 

確かに最近は自分の体も顧みず、ただひたすら仕事に明け暮れてましたからねぇ。

 

もう一人の閻魔も逃げだしてしまったし。

 

かなり休めてはいなかったですね。

 

「でも飽くまで、幻想郷が最優先なのですね。それに私以外にも閻魔になりたい者なんて沢山いるでしょう」

 

「あら、そんな事ないわよ? それに貴女程優秀で真面目な閻魔はそうそういないわ」

 

「貴女からお褒めの言葉を頂くとは…明日は槍でも降りそうですね」

 

すると彼女は、せっかく褒めたのにと言わんばかりの呆れ顔をしていた。

 

別に嬉しくないわけじゃないんですけどね。

 

「ちなみに私がいない今、是非曲直庁は新しい閻魔を採用しているのでしょうか」

 

「そこは問題ないわ。私が頼み込んで既に二人新しい閻魔が採用されてるはずよ」

 

その後紫は、「貴女程優秀じゃないけど今回は逃げ出すような者ではないわ」と付け加えた。

 

「まぁ、だから安心して休暇を過ごすといいわ。何せ私が貴女の上司達に休暇与えるように説得したのだし」

 

「…ありがたく休暇は使わせて頂きますよ。あとこの世界についてもいい機会ですし、色々学ばせてもらいます」

 

一応この世界の事を学び、その学んだ事を幻想郷に活かす。

 

それを名目にこちらに送り出されてますからね。

 

紫の気遣いもありますし、一つ真面目に協力してあげるとしますか。

 

 

『あぁ、それ貴女をこちらに送る建前みたいなものだから、気にしないで自由気ままに休暇を楽しんでもらって構わないわよ?』

 

 

 

「……それ、タイトル詐欺なのでは…?」

 

「それはメタいからやめなさい!!」

 

全力で阻止されました。

 

「ま、まぁ、あまり無茶せずに休暇を優先してくれて構わないわ」

 

やはり建前でしたか…

 

説教してやろうかと思いましたが、私への心遣いは本物のようなのでここは見逃してあげるとしますかねぇ。

 

しかし、"あの事" は説教してやらなくてはいけませんね。

 

「ところで紫、貴女は何故…私の服のサイズを知っているのかしら?」

 

「え、何の事かし ーー」

 

「ーー 貴女が用意した私服のサイズ、それはとてもとてもピッタリでしたよ?」

 

紫が笑顔のままピタリと硬直した。

 

少し冷や汗を掻いているようだが、そんなのは関係ない。

 

私はもう…止まらない(ニコッ

 

 

ーー ❀✿少女説教中❀✿ ーー

 

 

「……とまぁ、今回はこの位で許すとしましょう。反省…してくださいね?」

 

「…はい、すみませんでした」

 

小一時間程の説教を終えた私は、少し窶れた紫を解放する。

 

これでも心遣いとかで、随分時間が減った方だ。

 

感謝するべきですね。

 

「…じゃあ私はそろそろ戻るわよ。十神 康一と仲良くね」

 

紫はそう言ってスキマを開く。

 

彼の部屋を割って出てきたスキマの中から、巨大な目玉がギョロギョロとこちらを覗いていた。

 

いつ見ても不気味なものですね。

 

「あ、そうそう。休暇の期間は気にしなくていいわ。近くなったらまた報告にくるから。それじゃあね」

 

「あ、ちょっと…って行っちゃいました」

 

紫はそれだけ言い残してスキマの中へと消えていき、またスキマもすぐにその姿を消してしまった。

 

別に期間くらい今教えてもいいのでは?

 

それともまだ決まってなかったりするのですかね。

 

「まぁ、考えてもしょうがないです。それより彼が帰って来る前に朝ごはんの用意をしなくてはですね」

 

まぁ、しばらくはこちらで休暇とこちらの世界の社会勉強を楽しみますか。

 

 

 

 

 




次話こそ、次話こそは康一視点に戻ります!
てか書いててどんどんタイトル詐欺になってる気が……
無理やりな後付け設定になるべくならないように書いていきますのでこれからもよろしくお願いします!!(必死)
なるべくです!!(必死)
ではまた次回でお会いしましょう!……できたら(((ボソッ

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