一応このような感じで投稿はかなり遅めになります。
あと最近熱でぶっ倒れていました☆
今回は少し短めです!
「はあぁぁぁぁ…」
静かに、誰にも聞こえないように、しかし深いため息を一つ。
説教に一時間程時間を費やした四季映姫は、本日色々な事が起こりすぎて疲れたのかすやすや眠っている。
流石に女の子に敷布団を使わせて自分はベッドで寝るというのは気が引けたので、四季映姫にはベッドで寝てもらった。
最初は敷布団でも構わないと言っていたが、睡魔には勝てなかったのだろう。
割とすぐに折れてベッドインしていった。
そんで私、十神 康一が何故こんな深い、深ーいため息をついているかと言いますと…
(明日仕事になったんだよぉぉぉぉ)
声にならない声で叫ぶ。
…まぁ、つまりは心の叫びだ。
ここさけだ。
(四季映姫には明日の朝にでも謝っておかねばなぁ)
と言うのも先程仕事先の先輩から連絡があり、内容としては高熱で寝込んでしまい、翌日の夜勤を代わってくれないかと言うものであった。
普段仕事でもプライベートでもお世話になっている先輩なので快く引き受け、そのまま代わることに。
(ワシもそろそろ寝るかね…)
普段次の日が夜勤の時は大体日付を超えてからも結構起きているが、今日は超える前に寝ることにしよう。
恐らく四季映姫に起こされるだろうから早めに寝ておかなければな。
そう思いながらリビングに敷布団をせっせと敷く。
流石に四季映姫と同じ部屋で寝るのはちょ〜っとマズイ気がするんで。
……べ、別にやましい事なんか考えてないんだからね!!
おぇっ…
(馬鹿な事考えてないで寝るべし寝るべし)
こうしてなんとも濃い一日に幕が降ろされたのであった。
ーー翌日ーー
皆さん、おはようございます。
私、十神 康一、二十三歳。
とても幸せな状況にあります。
『康一、どうされました?』
白い少し大きめのエプロンを身にまといしその天使は俺の名前を呼んだ。
「いや、いい匂いだなぁって」
「もう少しで朝ごはんできますので先に顔でも洗ってきてくださいな」
お母さん、お父さん。
俺もう死んでもいいかもしれません。
涙が滝のように流れ出す。
「ちょ!? な、何泣いてるのですか!?」
「だっ、だっで…ごんながわいいごにあざごばんどが…じあわぜずぎる……」
「いやいや、大袈裟ですよ!?」
大の大人が鼻水と涙で顔ぐっちゃぐちゃにしながら美女にツッコまれている朝七時。
何だこの状況は。
長い間、女性の癒しというものに触れていなかった俺にとって、これだけでも相当効いたみたいでして。
いや、大袈裟かもしれないけどさ。
「とりあえずそのだらしない顔を洗ってきなさい」
「ふぁい」
だらしない返事をして洗面台にgoする。
鏡に映る自分の顔は想像以上にぐっちゃぐちゃであり、正義のあんこぱんのマンが水をぶっかけられた時よりも酷い顔だった。
いつまでもこんな情けない姿を四季映姫には見せられんな。
蛇口を捻り、冷たい水を両手ですくい上げて一気に顔に叩きつける。
水が冷たいお陰で気が引き締まり、先程よりは幾分マシな顔になっていた。
んー、なんて言うか…
残念なイケメンの下位互換?
それはもうブスだね!
(朝からテンションおかしすぎ…)
よく分からんテンションのままリビングへ戻ると、既にテーブルには朝食が四季映姫の手によって並べられていた。
白くてふっくら炊き上げられた白米。
湯気が立ち上る味噌汁。
黄金色に輝く卵焼き。
……納豆!
…………漬け物!
途中から思い付かなくなり適当な朝ごはんの紹介になってしまった。
美食屋の道のりは険しいみたいです。
「おぉ、うまそう…」
「康一のれーぞーこは本当に何もなかったのでこれくらいしか作れませんでしたよ」
呆れた感じで四季映姫はそう言うが、自分の料理を褒められて少し嬉しそうでもあった。
しかし、卵なんてあったか?
そして納豆もなかった気がするのだが…
「ねぇ四季映姫、ウチに卵とか納豆なんてあったっけ?」
「それに関しては一時間くらい前にこんびに?という所で買ってきましたよ」
そんな早起きして朝ごはん作るためにわざわざ買い物まで行くとは……
美少女な上にいい娘すぎて十神さんは幸せです。
いやしかし、またまた待てよ…
お金どうしたんだ?
シンプルな疑問が脳裏を過ぎる。
「ねぇ四季映姫、お金はどうしたの?」
「それがポケットに一万円程入っていましてですね」
続けざまに四季映姫は、「昨日は気付きませんでしたが、恐らく妖怪の賢者の仕業でしょう」とそう言った。
向こうの世界の者がこの世界の通貨をどうやって手に入れたのか?
気になる所ではあるが細かい事はどうでもいい。
俺はもう目の前の食事にガッツきたくてうずうずしていた。
それはまるで餌を前にした野良犬のように。
「さて、冷めないうちに頂きましょう」
「そうだね。ではでは…」
俺達は両手を揃える。
『頂きます』
静かな家の中に俺と四季映姫の声が揃って響く。
誰かと向き合って、こんなしっかりとした挨拶で食事を始めるなんてどれだけ久しぶりだろうか。
おまけに美少女。
あぁ、男に生まれてよかった。
なんだそりゃ。
「……卵焼きうまいなぁ、俺好みの味だ」
「それは良かったです」
何とも甘くて形の良い卵焼きだ。
俺の家庭では親父が料理担当という少し変わった家庭で、この卵焼きがまぁ何とも親父のにそっくりな味であった。
砂糖、味の素、醤油で味がしっかりと整えられていてとてもご飯に合う。
「誰かとこんな朝ご飯らしい朝ご飯を食べたのは久しぶりだなぁ」
「そうなのですか?」
「外食ばっかりだったからね」
苦笑いで俺はそう言った。
夜勤の日はお昼すぎに起きるので基本朝ご飯はとらない。
更に夜勤の時はカップ麺持っていったりなど不規則な食事ばかりで、ここ数年は実家にも顔を出してないので実家の料理も口にしてない。
なのでほぼ外食、もしくはコンビニで済ませてしまう事が多いのだ。
まぁ、身体に悪いのは分かってるんだけども。
楽だしねぇ…
「では私がここにいる限りは私が食生活みてあげますよ」
「え、いいの?」
「一応私は貴方に養ってもらっている立場ですからそれくらいは当然です」
や、養ってもらってるって……
なんかそれ結婚してるみたいな言い方だから他人に聞かれたら誤解されそう。
俺には嬉しい誤解だけどね(ゲス顔
「ではお言葉に甘えさせて貰おうかな」
「買い出しの時に食材ちゃんと買ってくださいよ?」
四季映姫の買い出しというワードで思い出す。
今日は仕事が入ってしまったと…
(何か切り出しにくいけど、嘘はつけないし早めに切り出すか)
俺は一旦空になった茶碗と橋を置く。
「買い出しなんだけどさ、今日急遽仕事入っちゃって……行けなくなったんだ…ごめん」
「そうでしたか…それは仕方ないです」
彼女は本当に仕方なさそうな顔をしていた。
顔が真顔ではなく、ちょっぴり残念そうだったので少し安心した。
いや、安心するのもおかしな話かな?
「まぁ、運良く明後日また休みだからその時に行こうよ」
「分かりました。それでは康一がお仕事に行っている間私はお掃除でもしてましょうかね」
昨日部屋が汚いと指摘されたばかりだし、そうしてくれるととても助かる。
「お言葉に甘えるよ」
「これくらいは当然ですよ」
先程と似たような光景。
でも何だかとても新鮮でいて、とても気分が良かった。
これからの生活にハリと潤いがうまれそうな予感がする。
ついでにお肌にもうまれないかしら。
そんなのでうまれたら全世界の奥様方は苦労しねーか。
「おかわりいります?」
「あ、お願いしまーす」
ひとまず食事を再開した。
次回から投稿ペース少しでも早めれるよう少し短めに書いていこうと思ってます。
感想などなどお待ちしております!←じゃあ早く投稿しろ