この素晴らしい世界で本当の居場所を!   作:味噌おでん

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今回でようやくカズマさんパーティがそろいます。
問題しか起こさないみてくれだけは良い頭のおかしい3人+蛮族思考一直線の優しい悪魔と往くヘタレ鬼畜ドS野郎の珍道中、今後ともよろしくお願いします。


5人目の仲間はマゾクルセイダー

―前回のあらすじ―

 

ジャイアントトードを狩るために仲間を募集したカズマ、アクア、ミカヅキ。

そこに現れたのは頭のおかしい紅魔族の『アークウィザード』、めぐみんだった。

最強の攻撃魔法、『爆裂魔法』を使う彼女に期待を寄せたカズマたちだったが―――

 

「ふ・・・、我が爆裂魔法は強大ゆえに膨大な魔力を消費する・・・。つまり、魔力切れで動けません、助けて下さあっ・・・」

 

めぐみんは一日に一度しか爆裂魔法を放てないのだった!

何とかジャイアントトードを討伐しクエストを成功させたカズマたちだが・・・

 

―このすばっ!―

 

「うっ・・・、うぇぇ・・・、生臭いよう・・・」

 

「・・・カエルの体内って臭いけどいい具合に温かいんですね・・・」

 

「・・・二人とも大丈夫・・・?」

 

三日月におぶられながらアクアと同じくカエルの粘液まみれで知りたくもない知識を教えてくるめぐみん。

曰く、魔法使いは自分の魔力量を上回る魔力を消費しようとすると足りない分を生命力で補うのだそうだ。

魔力が足りない状態で魔法を使うと、下手すれば命に関わるらしい。

 

「今後、緊急時以外では爆裂魔法は禁止な。ほかの魔法で頑張ってくれよ、めぐみん」

 

カズマの言葉を聞いためぐみんは、三日月の肩をつかむ力を強くしたかと思うと、

 

「・・・使えません」

 

「・・・は?」

 

「私は、爆裂魔法しか使えません、ほかの魔法は一切覚えていませんから」

 

本日二度目の爆弾発言をかましたのだった。

 

「・・・マジで?」

 

「マジです、大マジです」

 

ぐずっていたアクアが話に加わる。

 

「爆裂魔法しか使えないってどういうこと?爆裂魔法を習得できるほどの『スキルポイント』があればほかの魔法なんて簡単に習得できるでしょう?」

 

スキルポイントとは、この世界の冒険者たちがスキルを覚えるために必要とするもので、冒険者カードに最初から割り振られたポイントと、レベルを上げることで手に入るポイントの2種類が存在する。スキルに見合ったポイントを消費することで、それを習得できるのだ。手に入るポイント、スキルを覚えるのに消費するポイントには個人差があり、才能があればあるほど多くのポイントを取得し、少ないポイントでスキルを習得できるのだが―――

 

アクアのカズマへのスキルポイントの説明が終わり(途中、宴会芸スキルとかいう使いどころのわからないスキルをアクアが覚えているのが発覚したが)、めぐみんがぽつりと呟いた。

 

「・・・私は、爆裂魔法をこよなく愛する『アークウィザード』、爆発系統の魔法が好きなのではなく、爆裂魔法だけが好きなのです」

 

「もちろん、ほかの魔法を覚えれば楽に冒険できるでしょう。・・・でも、ダメなのです。例え一日一回しか撃てないとしても、例え使ったあとは倒れるとしても、それでも私は爆裂魔法しか愛せない!なぜなら私は、爆裂魔法を覚えるためだけに『アークウィザード』になったのだから!」

 

「素晴らしい!素晴らしいわめぐみん!そのロマンを追い求める姿勢、私感動したわ!」

 

めぐみんの告白にアクアが同調する。三日月もさして文句を言うつもりはないみたいだ。

 

このまま勢いに任せたまま進めるとまずいと勘付いたカズマは、話を切り上げるために口を開く。

 

「そうか、茨の道だと思うが頑張ってくれ応援するから。よし、今回の報酬は山分けな、うん、機会があればまたどこかでパーティを組むこともあるだろ」

 

「・・・ふ。我が望みは爆裂魔法を放つことのみ、報酬などおまけにすぎません。なんなら山分けではなく、食費とお風呂とその他雑費だけもらえるなら、報酬はなしでもいいと考えている。そう!爆裂魔法を使える『アークウィザード』が、今なら食費と少しのお金だけで仲間になる!これはもう長期契約しかないんじゃないだろうか!」

 

「いやいやいや!俺たち駆け出しパーティには君みたいな人材は宝の持ち腐れだって!ほら、俺たち『冒険者』2人に役に立たない『アークプリースト』しかいないしさ!」

 

「いえいえいえ、私も駆け出し、まだレベルも6です。もう少しレベルが上がれば撃っても倒れなくなりますから、だから私を引きはがそうとしないでください」

 

「いやいやいや、一日一発しか撃てない魔法使いとか、使い勝手悪すぎだから・・・っ!くっ、こいつ魔法使いのくせして意外な握力を・・・!ていうかお前、おそらくほかのパーティにも捨てられたとかだろ!そもそもダンジョンとかじゃ完全に役立たずだろ。お、おい放せって!ちゃんと今回の報酬は山分けしてやるから!」

 

「いやです!見捨てないでください!もうどこのパーティも拾ってくれないのです!荷物持ちでも何でもしますから見捨てないでください!」

 

「ちょっとカズマ!私が役立たずだってどーいうことよ!?」

 

実にカオス。街の中で騒いでいれば人目に付くのは必然なわけで・・・

 

「ちょっと見て、あの男あんな小さな娘を捨てようとしてるわよ・・・」

 

「やーねぇ」

 

「しかもなんか隣の女の子もぬるぬるしてるし・・・なんかのプレイかしら・・・」

 

「憲兵さん呼んだほうがいいんじゃないの・・・?」

 

・・・まさかのプレイ事案疑惑である。それを聞いためぐみんは

 

「お願いします!どんなプレイもやりますから!例えばそう、さっきのカエルを使ったぬるぬるプレイとか―――」

 

「よし分かったこれからよろしくな」

 

めぐみん が 仲間 に なった!▼

 

―このすば!―

 

「ったく・・・、今日は散々な目に合った・・・」

 

冒険者ギルドについた一行は、ギルドの受付でクエスト達成の報告と報酬の受け取りを済ますうことにした。ちなみに女性陣は入浴中である。あの格好のままであらぬ誤解を受けたらたまらないし。

 

達成報酬とカエルの取引代は、移送費を引いて13万エリス、命がけで働いて一人頭3万ちょっとという現実はカズマにとってはあまりにも残酷すぎた。

 

「俺、ここでちゃんと生活できるか不安になってきたんだけど・・・」

 

「・・・(CGS時代はこんなもんだったっけか・・・)」

 

他に安全なクエストはないものかと先ほど掲示板を確認してきたが、職業を指定していたり、魔法の実験相手がほしいなどのカズマには無理なクエストしかなかった。

 

「なぁ三日月、お前パーティ組んでくれそうな知り合いいないか?どう考えても俺たちだけじゃあの2人の手綱は握れないんだが・・・」

 

「・・・そこそこ知り合いはいるけど、大体みんなパーティを組んでるか・・・、少なくとも、一気に4人転がり込んでも許してくれる奴は・・・」

 

ですよねーだって俺たち『冒険者』だもんねー、と机に突っ伏すカズマ。ちゃっかり三日月を巻き込みながら、どうやって仲間を増やしたものかと考えていると、

 

「・・・あっ」

 

「・・・どうした三日月」

 

「いるかも、パーティに入ってくれそうな知り合い」

 

「おいマジかよ紹介してくれよ今すぐ!」

 

「あ、いや、でも・・・」

 

「アイツを紹介するのはなぁ・・・」 「いいから、この際多少の問題点には目を瞑るから!」と三日月とカズマが話していると、

 

「・・・すまない、ちょっといいだろうか?」

 

そこに現れたのは、

 

「え?」 「あ」

 

「この募集は、あなたのパーティのものだろうか、少し話を聞いていたいのだが・・・」

 

「え、あぁ・・・、はい・・・」 「えぇ・・・」

 

思わず2度見してしまうほどの美貌を持った・・・、

 

「ぜひとも私も加えさせてほしいのだが・・・」

 

金髪の、どこか高貴なオーラを漂わせた、いかにも『騎士』といった格好の美女だった。

 

(向こうから来ちゃったよ・・・)

 

・・・あれ、デジャビュ?




ダクネス登場!(活躍するとは言ってない)<2回目じゃねーか!

―次回予告―
さぁさぁ皆さんお待ちかね!遂にそろった原作パーティ+α!息もつかせずそこに現れるのは、銀髪の盗賊と・・・、無数のキャベツ!日本人には明らかに正気を疑われるこの光景に、一行の運命やいかに!
次回!機動武闘で―――この素晴らしい世界で本当の居場所を!
新必殺技!スティール炸裂に、レディー、ゴー!

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