この素晴らしい世界で本当の居場所を!   作:味噌おでん

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メ、メインヒロイン登場です・・・ガクッ


結局普通が1番いい

─前回のあらすじ─

 

クリスとクエストに行ったりカズマがエリスに会ったり

 

それは、三日月がクリスとクエストに行った日から数日後のことだった

 

「おい、もういっぺん言ってみろ」

 

「何度だって言ってやるよぉ!上級職におんぶに抱っことはいい御身分だな最弱職さんよぉ!」

 

突然絡んできたこの男、ダストというらしい。

酔っぱらいの妄言と一蹴してもよかったが、彼の言うことにも一理あると思って話を聞いたのが間違いだった。

 

「いい女3人に囲まれていい気分してるって言ったか今!?お前何処にそんな女がいるんだよ!人の苦労も知らないでなめたこと言ってんじゃねえぞクソがぁ!」

 

おんぶに抱っことかふざけたこと言ってんじゃねえぞコラァ!

 

─このすばぁ!─

 

と、いうわけで

 

「オレカズマ!よろしくな!」

 

「お、おう」

 

憎きあんにゃろう(ダスト)と1日だけパーティを入れ換わることとなり、彼の仲間であるクルセイダーのテイラー、ウィザードのリーン、アーチャーのキースとそれぞれ自己紹介をしたのだが、

 

「・・・カズマ?アクアたちはどうしたの?」

 

「・・・それはこっちの台詞だ三日月」

 

聞くとこの人たち、以前からの知り合いらしい。

 

「じゃあこいつがミカヅキが組んでるっていう奴か?」

 

「うん。すごいよカズマは、おれが思い付かないようなことどんどん考えるんだ」

 

「・・・あたしが何度声をかけても組んでくれなかったのになー・・・」

 

急に不機嫌になるリーン、・・・まさかこいつもか?

 

「・・・どうしたのカズマ?」

 

「いや、お前苦労しそうだなーって」

 

「?」

 

─このすばー─

 

「・・・で、ゴブリン退治だっけ?」

 

「ああ、今回はミカヅキもいるしカズマは荷物持ちでもやっていてくれ」

 

え、なにもしないで報酬もらっていいのか?

 

「どうせ元のパーティでも荷物持ちだったんだろ?一人くらい増えてもどうってことないさ」

 

余所者のオレにも気さくに話しかけてくれるテイラー。

先程から仲間に出している的確な指示といい、まさにリーダーといった感じだ。

・・・これだよ、このいかにも冒険してますって感じの雰囲気、こんなやり取りをしたかったんだよ。

帰って酒飲みたいだの爆裂したいだの敵地の真ん中に行きたいだの、やっぱりこういうノリが普通なんだよな、普通最高。

 

「(・・・カズマがすんごい幸せそうな顏してる・・・)」

 

───

「・・・お?敵感知に反応?けど一匹だけだな」

 

しばらく山道を歩いていると、敵感知スキルがなにかをとらえた。

 

「カズマ、お前そんなスキル持ってたのか?・・・一匹だとするとゴブリンじゃないな、一本道じゃすぐ見つかっちまうし迎え撃つか・・・?」

 

「それならカズマが潜伏スキル持ってるよ、そこの茂みに隠れてやり過ごした方がいいんじゃないかな」

 

流石は場数を踏んだパーティ、全員が無駄な戦闘は避けて様子を見ることに賛成した。

・・・普段なら絶対こういう風に行かないもんな。

しばらく隠れていると、そいつは現れた。

虎やライオンよりも大きな体、サーベルタイガーのように鋭く伸びた牙、見るからにヤバそうなやつだ。

さっきまでオレたちがいたところを注意深く観察するも、やがてオレたちが通ってきた道を歩いていった。

 

「・・・あっぶねぇ!初心者殺しじゃねえか!」

 

「やっぱヤバイのか、アイツ?」

 

「賢くて頭が回るんだって、雑魚モンスターの住処の近くで冒険者たちを襲ったりとか、パーティを分断して戦力を削ぐとか」

 

「なにそれこわい」

 

何、モンスターも知恵を使うの?爪を煎じてアクアに飲ませれば効果ある?

 

「・・・とりあえずゴブリン討伐を優先しよう。どちらにせよここに隠れててもらちがあかない」

 

テイラーの案に皆が賛成する。するとリーンがオレに預けていた荷物をとって

 

「た、頼りにしてるからね・・・?」

 

テイラーとキースも慌てて荷物をとる。

 

「「べ、別にカズマを頼りきってるわけじゃないんだからな!」」

 

男のツンデレとか誰得?

 

─こ~のすばぁ~♬─

 

「じゃあ三日月は一度初心者殺しと戦ったことがあるんだ?」

 

「って言っても目を潰してすぐに逃げたんだけどね」

 

歩きながら話をしていると話題は三日月とテイラーたちの馴れ初めに変わっていた。

 

「あそこで三日月が助けてくれたから今もこうして冒険できるんだよね、ありがと❤」

 

「・・・リーン、苦しい」

 

「(・・・え、やっぱりあの二人ってそういうこと?)」

 

「(ああ、あれからずっとミカヅキが絡むとこんな感じだ)」

 

「(『最近ミカヅキががかまってくれなーい!』ってうるさかったから今回ミカヅキに同行を頼んだわけだしな)」

 

「(・・・うちのパーティにも怪しいやつが一人いるんだが)」

 

「(この前銀髪の娘と仲良さそうにしてたのを見たぞ)」

 

「(・・・苦労しそうだな、アイツ)」

 

「「(同感)」」

 

───

 

「・・・っと、そろそろだな。カズマ、敵感知に反応は?」

 

「・・・おう、うじゃうじゃいるぞ」

 

「初心者殺しが引き返してくる気配もないし、やるなら今のうちだね」

 

前方の目的地をオレが、後方から挟み撃ちにしてくるかもしれない初心者殺しの警戒を三日月が敵感知で行う。

 

「たくさん群れてるっていうならゴブリンだな、早いとこ片付けて帰るぞ!」

 

意気揚々と駆け出していくテイラーとキース。

 

「・・・なあ、探知したやつらだけでも数えきれないくらいいたんだが」

 

「・・・ゴブリンの群れってそんなにたくさんいたっけ?」

 

青ざめながら首を横に振るリーン、慌ててオレたちもあとに続く。

 

「「多っ!?」」

 

そこにいたのは、ゆうに30を越える数のゴブリンだった。

 

─このすば!─

 

「くっそこいつら弓持ってやがる!リーン、支援頼む!」

 

慌ててリーンが詠唱をするが間に合わない。放たれた矢はまっすぐテイラーとキースに向かい──

 

「『ウインドブレス』ッ!」

 

──間一髪でカズマの初級魔法が間に合い、飛んでくる矢を吹き飛ばした

 

「出来たよ!『ウインドカーテン』!」

 

次いでリーンの支援魔法が発動しカズマたちの回りを風が吹き荒ぶ。

 

「『クリエイト・ウォーター』!からの『フリーズ』!」

 

畳み掛けるように窪地になっている足場を凍らせてゴブリンの動きを封じるカズマ。

 

「三日月!テイラー!上ってきたやつらはオレたちで叩くぞ!二人は残ったやつらと援護を頼む!」

 

「やっぱりカズマはすごい・・・っね!」

 

「で、でかしたカズマ!これならどれだけいようと関係ねえぞ!」

 

「うひゃひゃなんだこれ楽勝じゃねーか!」

 

「どんどん行くよー!」

 

クエスト:ゴブリンの群れの討伐、クリア!




予想以上に長くなったのでここまでです。あとは原作通りなので省略するか、希望があれば次回の冒頭で処理します。

─次回予告─

やっぱり冒険者っていうのはこうでなくっちゃな!スムーズに連携もとれたし、パーティのバランスもいいし、このままいついてもいいくらい・・・え、だめ?
今度はダンジョンの攻略だ!クリスから教わった盗賊スキルが火を吹くぜ!

次回、「この素晴らしい世界で本当の居場所を!」

「不思議のダンジョン/風来のカズマ」!

お楽しみに!

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