かんま!   作:Ashley@はぴりば!

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みなさんおはこんばんちは。Ashleyです。はぴりばともいいますね。

しばらく更新が止まってしまって申し訳ありません。イベントがひと段落ついたので更新致します。

ゆっくりしていってください。


第十八話 「鎮守府イベ前旅行 四日目」

第十八話 「鎮守府イベ前旅行 四日目」

 

「おはよーでち!!って、でちいいいいいいい」

 

今日も懲りずにやってきたゴーヤを待ち構えていた提督。それは、一瞬の出来事であった。

ドアを開けた瞬間スイッチが作動、入口にネットが張られ、退路を塞ぐ。気付かず直進するゴーヤの動きを予測してつけておいたセンサーが反応、ゴーヤの脚を絡め取ろうとするが、見事にゴーヤはこれに反応、バク転してかわす。

が、これを入口のネットが捕まえる。ゴーヤの重みに耐えきれなくなったネットは入口から外れ、ゴーヤを完全に覆ってしまった。

 

ゴーヤホイホイの活躍により、ゴーヤの捕獲に成功、これで寝ている間にいたずらされたり、朝起きたら変態認定を受けているようなこともない。完璧な作戦過ぎて笑いがとまらない。

 

...

 

朝起きたらゴーヤに対して強制縛りプレイをしようとしたということで変態認定を受けていた。やったね!

 

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四日目。

 

「提督さん、今日は何するの。」

 

今日はツインテールをやめて髪を下ろしている瑞鶴。なんでも、「いつも同じところばかりくくっているとハゲる」だそうだ。

翔鶴とめちゃくちゃ似ている。流石姉妹と言ったところか。間違えて着艦しちゃいそうだぞおい。

 

「今日は、結構ガチめだぞ。日本国民を守る者である以上、色々な施設を見学しておかねばなるまい。まあ今回の旅行はこれから行くところにいらっしゃるお偉いさんに会うために来たようなもんだしなぁ…」

 

「は、はい!榛名は大丈夫です!」

 

そういえば榛名とも見分けがつかないな。髪の色同じだと流石にまずい。幸い今日はポニーテールにしてくれているので安心だ。もしかしたら若干談合が行われているのかもしれない。

 

「いや、流石に9人で押しかけるのはまずい。ここは、せっかく東京に来たんだから女の子だけで遊んできなさい。」

 

「え!ほんとに!?」

 

瑞鶴の顔が輝く。

 

「あ、ああ。好きにするといい。」

 

瞬間、全員の顔が歓喜に染まった。みんなそんなに俺といるのが嫌だったのか。

 

艦娘たちは、提督とホテルでまた集合するのを約束して、提督と別れた。

 

提督と約束したことは以下の通り。

 

1.必ず二人以上で行動すること。

2.艦娘と言えど女の子なので、遅くなりすぎないようにすること。

3.各自、昼食と夕食をとってホテルに帰ること。食費は提督がくれた。

4.お酒は控えること。

5.その他困ったことがあったら連絡すること。

 

「...結構あるでちね」

 

「まー、私らの事考えたら普通じゃない?」

 

とりあえずまずは全員で行動することにした。その他は...まあ大丈夫だろう。

 

全員で相談した結果、スカイツリーに行くことになった。王道中の王道である。

 

銀座に差し掛かったあたり、榛名が突然発言した。

 

「あっ、私三越に行ってみたいです...!」

 

「私と大井っちのTシャツあるかなー」

 

「了解です。じゃあ、この駅で降りるのです!」

 

地下鉄を降りてきらびやかな街へ出る。女の子なら一度は訪れて、彼氏にバッグをねだりたい街、銀座だ。

 

三越にたどり着いたものの、着くまでに2回榛名がスカウトを受けてしまって案外疲れていた。そうでなくても、人が多い!

 

三越は乙女心をくすぐる可愛らしくも上品なグッズがこれでもかというほどあったが、散財してしまうのでみんな思いとどまった。後で提督からせびろう。

 

三越から出て、少し考えた結果、ゆっくり歩いて行くことになった。秋葉原なんかにも寄ってみたい、とのことだ。

 

しばらく歩いて秋葉原に到着すると、そこは看板、看板、看板!

 

「あっ、吹雪ちゃんなのです!」

 

電が看板の中でも一際大きい艦これの看板を見つけた。

 

「へー、流石は主人公。でっかく出てるねー」

 

「ぐぐ...次こそは鶴翼の絆で私も...!」

 

「瑞鶴。大丈夫よ。きっと続編が制作されているわ。」

 

「ゴーヤも映像化したいでち...」

 

各々思うところはあるようだが、自分で自分のグッズを買うのもアレなので、ひとまず他を見てみた。

 

なんと咲-Sa〇i-の麻雀牌が!

割り勘して3セット買っておいた。長野とかも行ったし、いい土産になるだろう。重いので鎮守府に郵送しておいた。

 

「ああっ!」

 

なんと鷲巣麻雀牌が!?

しかしよく考えるともう5セット位持っているのでやめた。一時期駆逐艦たちが遠征中の遊びで「燃料抜き麻雀」をやるのが流行っていた。どんだけ余裕があるんだ。

 

ふと見ると名取がいつの間にやら「コマ〇ドー」のブルーレイディスクを買っていた。別にここで買わなくてもいいじゃないか。

 

結構はしゃぎ過ぎてしまった。みんながふと立ち止まると、あることに気づいてしまった。

 

「あれ?神風は...?」

 

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一方こちらは神風。人混みにもまれながらみんなを探していた。すっかり涙をたたえた目では前もよく見えない。

 

普通泣きそうになってる女の子がいたら誰か助けるものだが。ここにいる奴らはコミュ障ばっかか。

 

(ここは...どこに向かったらいいのかしら...)

 

東京だから適当にスカイツリー目指して歩いてたらいいとこもあるでしょといった認識がたたって、どこに行けばいいやらわからない。

 

「あっ、そうだスマホ...」

 

どうして思いつかなかったのだろう、スマホを見てみるとたくさん電文が来ていた。

 

(「アニメイト本店前です」...?どこよそれ!?)

 

仕方がない。ここは近くの人に聞いてみよう。

 

「あ、あの〜」

 

「はぁっ!ふぁいなんでしょう!?」

 

とりあえず近くにいたリュックを背負ったメガネの男の人に声をかけてみた。これは名取さんよりひどい。

 

「えっと...あにめいとほんてん...?ってのに行きたいの。どこにあるか教えてくれませんか...?」

 

「あ、あぁメイトならあっちに...ボクでよければ案内しましょうか?ああ、別にあなたが良ければで、決して無理してついてきてほしいわけではないんですけど、もしよければ…」

 

どうやら案内してくれるらしい。見かけによらずいい人のようだ。

 

「ありがとう。よしっ(๑˃̵ᴗ˂̵)و 」

 

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しばらく歩いていると、ヲタクさんはおどおどしながら話しかけてきた。

 

「あの...もしかして神風さんですか...?」

 

「ええ、そうだけど。どうしたの?」

 

「わわっ、すみません!育ててなくて...」

 

そういうところは正直に言わなくていいんだけどなぁ...神風は少し悲しくなった。

 

やっぱり、旧型だからなのかな...

 

「ううん。いいの。そんなものよね。次のイベント、私の妹が来るようだから、仲良くしてあげてね。」

 

「あ、もちろんです!」

 

「よしっ(๑˃̵ᴗ˂̵)و 」

 

私がヲタクさんに微笑むと、向こうもぎこちないながら笑みを返した。しかし、またおどおどした顔になり、言葉に詰まりながらも再び話し始めた。

 

「あ、あの...僕、神風さん育てます!絶対、強くしますから!そんな、気を落とさないでください!」

 

まぁ...私は顔に出した覚えはなかったのに!

 

「あ、ありがとう。私、頑張るから!」

 

「僕も頑張ります!あ、そこ曲がったとこです。」

 

どうやら最後までは来ないらしい。彼なりの配慮だろう。私が迷子で、誰かと来ている事まで見抜かれていたのだろうか。

 

あっ、そうだ...!

 

「あのっ、あのね...」

 

「ど、どうしたんですか?」

 

ヲタクさんと別れようとしたその時、神風はヲタクさんを呼び止めた。

 

「あのね、そっちの私にもね、ぜひ麻雀を教えてあげて。きっと強くなるから。」

 

「ま麻雀ですか...?家具職人が...」

 

「おねがい。教えてあげて。」

 

「わ、わかりました…」

 

「よしっ(๑˃̵ᴗ˂̵)و 」

 

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アニメイト本店にやってくると、涙目になった電とみんなが待っていた。

 

「あ、神風ちゃん...なのです...!」

 

「電ちゃん...心配してくれたのね...」

 

「あ、それ電が立ってるだけで人にぶつかりまくってさらにぶつかってきた人の方が倒れていったから泣いてるだけだよー」

 

北上さんはそういうことは言わなくていいから。

 

しかしぶつかってきた側が倒れるなんてなんて体幹してやがるんだ...と少々恐ろしくなる神風であった。体幹で船が沈むほどである。

 

アニメイトは流石に本店だけあって田舎とは品ぞろえが段違いによかった。「ご注文とはうさぎですか?」などの超人気作から、「涼宮春日の優越」などの名作、提督が大好きな「daily life」や「氷菓子」もあり、大いに盛り上がった。もう勘弁してくれ(権利的な意味で)

 

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やっとの事でスカイツリーまでたどり着いた。あたりはもう暗くなっていた。

 

「ちょっと遊びすぎたわね...」

 

翔鶴が少し心配そうに言う。執事喫茶でメロメロになってたのはどこのどいつだ。

 

「まあ、東京の夜景を見るのもいいでち!さあ、のぼるでちよー!」

 

「はい!榛名は大丈夫です!」

 

ゴーヤの掛け声とともに展望台へ昇るが、圧倒的雲!雲!雲!!!

 

「あのー、これカーテン下ろして頂けませんか?」

 

瑞鶴が係員になんか言っている。違うのよ瑞鶴...しかし真実を伝えられない翔鶴はただ涙ぐむだけであった。

 

「これは...絶景なのです!」

 

電が一丁前に皮肉を言っている。...と思ったら、下の方をよく見ると雲の切れ目から絶景が!

 

みんなで中腰になって一生懸命下を見ようとするその姿はありの行列を眺める子供のよう。

 

まさにありの行列の如く流れては止まる車の群れを追っていると、ゴーヤが口を開く。

 

「そういえば、てーとくは交通管制センターに行くとか言ってたでち。これもよく管理された上での行列でちね...てーとくと来たかったでち...」

 

最後の方はよく聞こえなかったが、高いところから見てみると自分たちの泊まるホテルがひどく小さく思えて、そこがなぜかひどく落ち着く場所のような気がした。

 

「遅くなったし、帰りましょうか。」

 

榛名の声がする前だろうか、後だろうか、みんなはいつしか帰路についていた。帰ろう。提督の待つホテルへ。

 

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帰りは電車を使った。電ナビのおかげで迷うことは無かった。しかし、なんというか、地下鉄は便利だ。こりゃ車なんて要らないわ。

 

ホテルに帰ると、提督が待っていた。一応全員無事帰投したことを伝えて部屋に戻る。

買ってきた咲-S〇ki-麻雀牌を使って打ってみた。そこそこ値段はするが、やはりいい。今日はゴーヤの嶺上開花が一段と冴えている気がしたのは言うまでもない。

 

今夜は徹マンだ。艦娘たちの夜は長い。

 

 

今夜はヤケ酒だ。お偉いさんにお偉いさんオーラを振りまかれた提督の夜もまた、長かった。




謎の神風回になってしまいました。そもそもかんま!を書き始めるきっかけにもなった子ですから、この物語には必要不可欠な存在です。

僕は神風を高く買ってまして、前回イベントから急ピッチで育成しました。E1ボス撃破時には謎の大ダメージを与え、勝利に貢献してくれました。やる時はやるんですよ。ただね、やらない時が...

そういえばうちの駆逐艦ズは結構おっちょこちょいが多いです。雪風もいざという時( ˘ω˘ ) スヤァ…しますからね...駆逐艦に手を焼く日々です

ちょっと自分語りが長くなってしまいました。だんだん涼しくなってきましたね。季節の変わり目というものは体調を崩しやすいものです。充分お気をつけください。

それではまた次回会いましょう!

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