それではじゃんじゃん行きましょう!
第十五話「鎮守府イベ前旅行 1日目」
「で、旅行に行こう」
「は?」
突然の提督の言葉に瑞鶴は大いに驚いた。
「いや、嫌ですよなんなんですかやめてください怖いですうわあ」
「ちょっ...」
「ふふふたりでとか恋人じゃないんだからやめてくださいキモイですおええ」
なんでったってそこまで言われなきゃならんのだ。そう思う提督であった。
もう、夏イベ前の時期である。
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「おっほん」
大きな咳払いをして提督が言う。
提督の前には8隻の船。
翔鶴
瑞鶴
榛名
北上
神風
名取
ゴーヤ
電
この鎮守府の中でも最高練度の艦娘たちである。
「君らを集めたのは他でもない。来たる、8月上旬より我らにとって2回目のイベントを迎える。同時に、我々にとっては初めての夏休みもやってくる。」
「でち。」
「というわけで旅行に行こう。」
しばらくの沈黙のあと、名取が申し訳なさそうに、
「あの...どういうわけかわからないんですが...」
と言った。
夏休みといえば旅行だろうと言うと、生意気にも提督がいなければ最高なんかとほざいてくる。
実は自分が行きたいだけなんじゃねえかとか言われる提督に、ゴーヤは言った。
「別にてーとくがいてもゴーヤはいいと思うでちよ。ただ、その分楽しくしてもらわないと許さないでち!」
「あっ、安心しろ。4泊5日だが、かなり濃い内容にしてある。楽しくないとは言わせないぜ!」
「てーとくにしてはよく言ったでち!よし、みんな行くでち!」
「そうね、まあ私もいいと思うわ。」
瑞鶴の援護もあって、鶴の一声で行くことになってしまった。
「瑞鶴さん!あの...問題...ないですか?」
提督から日程が配られたあと、電が尋ねる。
「いいのよ。私は後で間宮券が貰えるからね。」
クソ提督の完全なる買収であった。
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1日目
ショートランドから広島、そこから新幹線に揺られることだいたい2時間。
一行は名古屋に到着した。
「まずは腹ごしらえだな。」
「つまらんものだったら許さんでち!」
「安心しろ。今日の昼はすき焼きだ。」
「「「yeaaaaaaaah!」」」
思わず敵性語が飛び出す一行。幸先いいスタートに心が踊る。
無事すき焼きを終えた一行は次はトヨタ博物館へ向かった。
「えー、あんまり楽しくないんだけどー」
北上が文句をたれているが、これがいざ入ると違った。
車の歴史は船の歴史と似ているところもあり、あるものは涙を流して展示を見つめ、全員未来への船の在り方というものを再確認した。
とんだ軍国主義である。
続いて向かうのは明治村。
ゲートをくぐるとそこは明治だった。
「す...すごい...」
特に目を輝かせるのが神風であった。
確かに雰囲気に合いまくっている。
「提督さん...私...」
「わかっているぞ、神風。」ポン
「あ...ちょっと触るのは...」
「(´・ω・`)」
すぐに調子に乗るのが提督だった。
テンション上がった提督は、1000円で扇子を購入したが、買った後使ったらすぐに壊れてしまった。ざまあみろ
しかし神風もテンション上がったようで、このあとかすていらを1人で5個も買っていた。多すぎないかと聞いたら満面の笑みで首を横に振った。かわいい。
少し移動して宿は昼神温泉に行った。
ここはなんでも美人の湯と言われるほど良質な温泉が湧くと聞く。女子とあっては、聞き捨てならない。
「まあでも君らは元々可愛いしな。」
「あらあら提督、お上手ですね。」
翔鶴姉は愛想がいいが、明らかに引いていた。なんでや!しっかり褒めたやろ!
旅館に着くと、提督と4人部屋x2の3つに別れた。まあ当然といえば当然だが。
4人グループは完全ランダムで選んだらしいので提督は何もわからない。(教えてくれなかった。)
こういう時、よくある展開として夜に提督の部屋に忍び込んできてムフフなことになるのがある。提督は全裸で待機していたが、艦娘たちは麻雀で忙しかったので来なかった。提督さえいなければ、この旅8人なので、ぴったり卓が2つ立つのである。
これは提督いりませんわ
二日目に続く。
相変わらず麻雀してないですね。
「闘牌シーンがある話」というふうにはっきり決めてしまうと、メリハリはありますが、それ以外の話で麻雀しないといった弊害が生まれます。これは仕方がないですね。(諦め)
今回のイベントで主力となる最高練度集団+瑞鶴でお送りしております。臨場感は...善処します。
本日もご来訪ありがとうございました。次もまた宜しくお願いいたします。