家出神喰〜探さないで下さい。いやマジで〜 作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神
投稿できなかった理由としては.......。
シエルちゃんをデレッデレのヤンデレにしたい欲求と戦ってました。
そのせいで、今回少しおかしくなってます(言い訳)
□月(*≧v≦)日
お風呂入りたい。
一瞬頭に過ぎったことだが、頭から離れなくなった。
あの全身がじんわりと温められ、包まれている様な感覚が恋しい。
人類が癒しを求めた際の極地だと思うんだ。
このままアラガミを狩る日々も楽でいいが、お風呂入りたい。
ここには水もなければ火も.....火はどうだろ。バレットで起こせるか?
だが水が無い。体は汚れないがそういうことじゃない。
もうあれだ、阿良〇木くん宅の様な何故か家より広そうな風呂に入りたい。
.....そうだ、いい事思い付いた。
丁度アイテムも欲しかったんだ。
難易度が上がってきたここら辺を回復錠どころかスタグレも無しに歩くのは怖くなってたんだ。
一旦、帰ろう。
□月_( _´ω`)_日
なんて、思ったのが間違いだった。
あの時の俺は疲れと風呂への愛でおかしくなっていた。
まず率直に結末を言おう。
極東支部へは帰ってきた。だが、何故か監視が付いた。
あ、風呂には入った。その時は流石に監視は無かった。
帰ってきてまず、悲鳴が上がった。
何故だと思ったのだが、その視線は俺の右腕に集まっていた。
それもそうだね。
それよりまず何で入れたのか疑問だろうが、とりあえず近くの捜索隊に「俺一人じゃ多分めんどくさいことになるから連れてってくれ」と頼んだのだ。
驚いてたね。面白い顔だった。ニヤけてたら捜索隊のみんなは少し話し合った後、同伴してくれた。
その時通ったハイブでは握手を求められた。子供の笑顔ってやっぱ凄いね。俺が汚れてると思う程に、こんな世紀末でも、輝いてたよ。
そんなシリアスは投げ捨てて、まず至急オラクル投与が行われた.....のだが、神機が
『邪魔。邪魔。喰べる。』
と言っていたので、投与されたオラクルはもはや俺のエネルギーと成り果ててるだろう。
その後に支部長メガネの所に連れていかれた。
メガネとはいえ流石研究職か。神機に意志があることの確認を遠まわしに聞かれた。
もう見当は付いてるだろうから、「どうでしょうね?」的なこと言って爽やかに微笑んで適当に流した。
その時の俺ももれなく風呂に入りたくて仕方なかった。
その後、自室での待機が言い渡され、監視が付けられた。
監視役はカノンちゃんだった。
「で、デシュアさんの監視の台場カノンです!!」
そう言ってビシッっと敬礼した。
俺は軽く挨拶して、早速自室の風呂に入った。
そこでやっと正気に戻った。
何やってるんだ俺。せっかく逃げたのになぜまた戻ってきた。
『阿呆。馬鹿。可愛い。』
うっせ!!俺だって後悔してらぁ!!
ps.新しい服はいい匂いがした。
□月_| ̄|○ 日
俺に言い渡されたのは『絶対安静』と1日1回のオラクル投与だ。
これで当初計画してた全てがおじゃんになった。
ちくしょう!!
俺ができることと言えばカノンちゃんと話すくらいだ。
「どうやったらあんな風にアラガミを早く倒せるんですか!?」
―――慣れてるからねぇ。同じアラガミを何度も狩ってたら特徴とか隙とかわかるようになるし。最終的には作業みたいに戦えるよ。
「じゃあ!!使ってる武器はなんですか!?」
―――忙しくてね、最初配布された武器しか使えてないよ。
「え......!?本当だ!!ブレードにシールド、スナイパーも最初に配られる奴だ......」
―――そんなに驚くことかな?
「だってそれ凄い性能悪いじゃないですか!!」
―――まぁね。なんの効果も無いし。そうだ、何か必要な素材はあるかな?
「え?うーん.......。サリエル堕天種の素材が少しです」
―――必要なのあげるよ。もう上限いっぱいで持ちきれないんだよ。
「ど、どれだけ狩ったらそんなことに.....!?」
反応が可愛くてずっと話してしまう。
『妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい(((ry』
気にしなくていいよ。
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彼は急に帰ってきた。
それを聞いた時は椅子から転げ落ちてしまった。もうすぐ来るから準備してくれと言われ早急に仕事を終わらせた。
何十分かして、部屋にデシュアくんが入ってきた。
映像では何度も見ていたが、こうして面と向かって話すのはとても久しぶりだ。
「おかえり、デシュアくん」
―――えぇ、ただいまです。
軽くそう挨拶して、早速聞くことにした。
「唐突で悪いが、君は幻聴や幻覚のようなものはあるかい?」
そう言うと彼は.....。
―――さぁ、どうでしょうねぇ?
獰猛な笑みでニヤリと笑った。
目の色も淀み、服からは濃い血の匂いがした。
気の所為か、その時彼の神機が少し蠢いた気がした。
短い話が終わって彼が出ていった後、絶対安静と1日1回の偏食因子の投与を義務付けた。
もう極東支部では彼の帰還と彼の右腕に関する話で一杯だ。
あの笑みを見ると、意識が神機に乗っ取られたというのは、噂じゃなくなってきているのかもしれない。
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あ、憧れの人の監視に抜擢されちゃいました!!
あの人と話したことある人が良いだろうと言うことで、私が推薦されちゃいました!!
部屋にいると聞いたので行ってみると、確かにいました。
流れる様なロングの黒髪に、中性的な顔立ち、そして何よりあの人を象徴するかのような腕と一体化した神機。『自分はアラガミを狩るだけ』と言うような意思表示の様な.......。
とても危ない、人を引き摺り込む様なカリスマ性がある人です。
この人の戦う映像を見た時、衝撃が走ったのをよく覚えています。
4人の小隊でやっと倒せるはずのヴァジュラを、5体も相手して、更に無傷で一瞬で倒してしまって....そのまま姿を消したこの人を見て、私は惹かれてしまいました。
その時から、この人に影響される様に受けるミッションが増えました。
そうやってミッションをやっていると、だんだんこの人に近付いている気がして、とても幸せな気持ちになって、それがどれだけ危ないことか、同時に気付きました。
本来あってはいけない、アラガミの狩りに「楽しさ」を覚えてしまいました。
今まで人格が変わったようにアラガミと戦っていたのが、自分から「楽しむ」様になっていたのに気が付いた時は、少し怖くなりました。
でもそれ以上に、とても.....その.....恥ずかしいんですけど......「興奮」してしまいました......。
あるミッションの帰り、いつも通りミッションを終えて帰っていると、この人の姿が目に入りました。
気付いたら追いかけて、サインを求めていました。
その時も今のように質問をして、この人はそれを返してくれて......。
あぁ......とても幸せです.....。
勘違いがまた出ましたね。
主人公の笑顔は獰猛です。断じて爽やかじゃないです。
主人公帰ってきました。
さて、どうやって家出させよう(汗