家出神喰〜探さないで下さい。いやマジで〜 作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神
もうそんなに経ってたんですね。1年もの間読んでくれてる人は居るのかな...。
一言コメントがあるとすれば『読者のことが好きだったんだよ!!』
今回は前回の続きです。
「帰りました〜♡」
ラケル博士が帰ってきたみたいだ。
まだ少し不安だが消臭スプレーをトイレの棚に戻して出迎えた。
「あはぁ〜♡」
と言うような抜けた声を出しながら抱きついてきた。服をクンクンしているけど何か変な匂いなんかしますかね?(焦り)
「今日はとっても良いことがあったんです♡うふふ.......♪」
そう言って頭をグリグリ押し付けてくる。仕事で上手く行ったのだろうか。確かにストーリーではこれくらいの時期のラケル博士はルンルンしていたように見える。
『ラケル博士......あの方とは......?』
『あの方はあの方です。名前なんて呼べません。そ、そういうのは夫婦になってから......♡』
『.......ラケル博士なら、大丈夫だと思います』
『そうですよね?そうですよね!?うふ、うふふふ♡』
『.......。』
少し時間は飛ばして夕飯。いつもと変わらない夕飯ならよかったのだが.....。
「今日は美味しい飲み物を貰ったので、一緒に飲みましょう?」
と言って件の琥珀色のヤベー奴を自分と俺のに注いできた。
え、ヤバい。危なかった。これを今日飲まずに居たら確実に何も知らずに飲んでベッドへGOして盛り上がった後に監獄GOからの罪悪感と情けなさであの世へGOしてたよ。どうすればいい.....。
あ、そうだ。神機に分解してもらえばいいじゃないか!!
──神機、これ分解できる?
『可能。でも条件付き。』
──条件?なんだ?今ならなんでも言うこと聞いて挙げられるぞ?いやマジでなんでもしますから助けてください。
『了解。』
よし。なんとかなったかな。ただラケル博士はどうするつもりなのか......。
「では、頂きましょうか。ゴクン」
えぇ!?この人すぐにヤベー奴飲み込んだよ!?何考えてんのこの人!?
「あら?どうしたのですか?貴方様も.....んぅ♡早くぅ♡」
俺が驚いてるとラケル博士は俺の分のグラスを手に口に押し付けてきた。
赤くなって涙が少し溜まっている蕩けた目が俺を見つめる。
クソ!!誰だラケル博士にこんなもの渡したのは!!あの優しいラケル博士を騙したのはどこのどいつだ!!!
──待ってくださいラケル博s「ラケルと呼びなさい♡」んむむむ!?
しまった。少し口を開けた瞬間に飲まされてしまった。
「うふふ♡やった、やったわぁ♪ほら、あとは飲み込むだけですよ?」
嬉しそうにしたラケル博士は俺の口を塞ぐようにして俺の頭を抱き締めて顔を上に向かせる。
もっと塞ぎよう無かったんですか!?その、色々当たってるんですけど!?
『分解。完了。』
ヤベー奴は神機がちゃんと分解してくれたようだ。よかった。危なかった。
ラケル博士は俺がヤベー奴を飲み込んだのを確認したのか、自分と俺の顔を合わせる。
「うふふ♡これで貴方様はずっと私と一緒に.......あら?」
ラケル博士は俺にヤベー奴の効果が出てないのを不思議に思ったらしい。
その隙に少し押し返して少し距離を離した。
──ラケル博士、疲れてるみたいですね。今日はもう寝た方が良いですよ。
敬語や呼び方に突っ込まない辺りかなり動揺しているらしい。
車椅子を押して寝室に向かう。寝れば落ち着くんじゃないかな。
「そ、そんなぁ.....お預けだなんて......んぅ♡、はぁ♡
やっぱり、貴方様にあんなチンケな物は通用しなかったのですね......ひゃうん♡!?」
おっと。段差があったか。ラケル博士変な声出てたな、大丈夫......ではないか。
──ラケル博士、大丈夫ですか?
「あっ♡はぁ.....♡はぁ.....♡大丈夫じゃないですぅ.....」
見ればわかります。ガクガク震えてるもん。少し唾液が漏れてるし、あの飲み物どんだけヤバい代物なの?
俺の神機(意味深)もそろそろやばいよ。スタンド・バイ・ミーするよ。
──今日はもう寝ましょう?ね?
ラケル博士を横にして俺も少し離れて横になる。
返事はなくずっと艶かしい吐息が聞こえてくる。
モゾモゾと何か音がするが気にしない。変な音がする気がするけど多分気のせいだろう。うん。気のせいだ。
少し静かになってウトウトしてきた頃、ラケル博士が動いた。
「あぁ、貴方様♡もう、もう我慢できません......♡少し、背中を借りますね.....あぁ♡こんな私、嫌いですよね?ごめんなさい♡ごめんなさい!!♡」
そう言って俺の背中に引っ付き、足で組み付いて何かを擦り付けてくる。
これってもしかして.......。
↑月☜日
背中が湿っている。何があったのか覚えていないとかそういう展開を期待したのだがそんな都合のいい展開は無かったようだ。
全く眠れなかった。今でもラケル博士の声と感触が残っているようにも思える。
ラケル博士は俺の顔を見ると肩まで真っ赤になって車椅子かと疑う速度でお風呂に飛び込んで行った。
.......うん。昨日今日のことはどうにかして忘れよう。そうしよう。
サービス回はここまでです。
次回からマトモに極東に帰ります。
らしくない展開だなぁ(遠い目)