家出神喰〜探さないで下さい。いやマジで〜   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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小説を書く前にこの話をまず最初に思い付き、この作品が出来上がりました。
デシュアを思いっきり歌わせる回です。
今回は日記ではないです。


第20話 宴だ!!転生者!!

前回カノンちゃんが受けたクエストは占めて50。

現在はそれをカノンちゃんと喋ったりしながら解決しているところだ。

支部から出撃してから太陽もかなり傾いている。支部についたのが昼前......時間で言うと10時くらい?かな?

傾きから見るに6時間ほど経っているだろうか?

 

「デシュアさんデシュアさん!!見てください!!この一面に広がる赤い絨毯を!!ぜーんぶ私が殺りました♡褒めて!!褒めてくださ〜い♡」

 

──あぁはいはい。凄いねー......いや、本当に。

 

急に「私だけでやらせてください!!成長した姿を見せたいんです!!」と言ってグボロの群れ(計20体)に飛び込んでいった時はどうなるかと思ったが、ものの数分で片付けてしまった。ブラッドでもないのに。

こんなに強くなって.........。かわいそうに。

 

.....とまぁ生前見ていたマンガの真似の様なことをする。

カノンちゃんのあれからの成長ぶりは目を見張るどころの騒ぎじゃない。

目を見張って二度見するレベルだ。

 

まず出会い頭にグボロ2体を銃撃で消し飛ばす。(残り18)

気付いて襲ってきたグボロを砲塔で殴り飛ばして飛び上がり、絨毯爆撃を行い巻き込み5体を葬る。(残り13)

逃げ出すグボロは撃ち抜き2体死滅。Oアンプルを飲んで目の前に居たグボロに突撃し、そのグボロに砲塔を差し込み貫通させて爆撃し、後ろに居た3体も巻き込む。(残り7)

残りは無残にも蹂躙されてしまった。(残り0)

 

本当に第一世代の神機使いなのだろうか。

そういう縛りの主人公にしか見えん。

 

「撫で撫でしてください!!こう、ギューってしてください!!」

 

赤い顔して甘えてくるこの子とさっきの鬼神が結びつかない。

な、なんだこの変態は......。

 

『人に言えたことじゃ。ない。』

 

まぁそうなんですけどね。

とりあえず要望通りにする。

 

「アッ.....♡〜〜〜ッ!!!!♡」

 

要望に答えて腰辺りに手を回して抱き寄せ、頭を撫でてあげる。

 

──頑張った頑張った。エラいエラい。

 

労いも忘れずにね。

こういう所からメンタルのケアもしてあげた方が良いってテレビで言ってた。

 

「で、デシュアしゃ、ん♡も、もういいれしゅきゃら......♡」

 

離れようとするのでもう1回抱き寄せてあげる。やっぱり怖いのかな。

でもここで離すともっと人が怖くなるかもしれないので、蹴られても殴られてもいいから慣れてくれると嬉しいかな......。

 

撫でるだけでこんなに怖がってるんだ。多分だが、そういう風に教育されているんだろう。

あの支部長......!!そんな趣味があったのか.....!!!

嫌がる子を洗脳して、仕事が終わったら撫でられる様にしているのか!?

しかもご丁寧に怖いと思わせたまま!!普通ならそこら辺も麻痺させるんじゃないのか!?

 

「やぁ.....♡あたまとこしがおかしくなるぅ♡」

 

な、なんかガックガク震えてるんだけど。同時に声も震えてるんだけど.....!?

なんて、なんて酷い。あの支部長はクソドSだったのか!!

流石にこのままって言うのも可哀想なので離れてあげる。

足が震えていて涙目だ。くそ、俺が無力なばかりにこんな。

 

.....とまぁ現実逃避はここらで止めにする。

確かにカノンちゃんがこんな風になってしまったのは支部長のブラックな過労スケジュールもあるだろうが、一番は俺が黙ってどっかに行ってたからだろう。俺でもそれくらい察しがつく。

なんでさ。どうしてこうなったの。心当たりが全く無い。

なんか俺の事神様っぽく言ってたけど......。それらしいこと全くしてないんだけど。せいぜいがクエストに一緒に行ったくらいだよ?

 

『デシュアさん。聞こえますか?』

 

ここで通信が入る。オペレーターちゃんからだ。

 

『ミッションの途中でも良いので帰投してください』

 

とのことらしい。

まぁどのみちカノンちゃんのこの様子じゃ続行は無理っぽいので丁度いい。

 

──カノンちゃん、ごめんね?

 

足がまだ震えてるので担いで帰ることにする。

カノンちゃんは嫌がってたが、許して欲しい。

もういい、休むんだ。30以上のクエストを終えたんだからもう休め!!

倒れちゃうでしょ!!俺じゃあるまいし!!(最大級の嗜虐)

 

 

 

 

 

 

 

 

カノンちゃんを担いで連行して帰ると、何やら支部が騒がしかった。

そこら辺にいた同僚に聞いてみると。

 

「ぶ、ブラッド隊の歓迎みたいですよ」

 

とのこと。ありがとう名も知らぬ同僚よ。

そういえばあったなこんなの。楽しそうなので俺も参加するぞ。

 

──何か手伝えることありませんか?

 

そう言うとみんなの仕事のペースが早くなった。えぇ......?(困惑)

 

 

 

 

「ブラッド隊に、カンパーイ!!」

 

「「「「「「カンパーイ!!!!」」」」」」

 

ユノさんの歌も終了し、あとは飲めや食えやの大騒ぎだ。

ここの飯食うの本当に久しぶりだなぁ......。

あとなぜ俺の周りには誰もいない。ショックだぞ。

あ、カノンちゃんはカノンちゃんで楽しんでるよ。なんか周りに抑えられてるけど。

 

 

 

 

 

しばらく酒を飲んでると酔ったみたいだ。

酒なんか飲むの久しぶりだからペース間違えたなこりゃ。

酔って気分良くなった俺はサカキ博士の所にフラフラーっと行く。

 

──おうドS科学者ぁ!!

 

「ブフゥッ!?ゲホッゲホッ!!な、なんだい急に!?」

 

──カノンちゃんに何吹き込んだんだあぁん?

 

今までの憂さ晴らしに思いっきり誤解されること言ってやるわ。

まぁ誤解じゃない所も有るんだが。

 

「な、何を言い出すんだ急に!!」

 

──え、図星か......?冗談だったんだけど

 

「え?」

 

ここで突き放すことで周りに誤解させる。

ほれほれ、周りがざわめきだしたぞ。

ここらで許してやろう。俺は離れることにする。

 

「おい!!ちょっと待つんだデシュアくん!!」

 

何も聞こえない。

 

 

 

 

 

 

さらに酔った俺はステージに立つと急に叫んだ。

 

──俺の歌を聞きなぁ!!

 

そんな咄嗟なことに一同唖然としたが、すぐに持ち直し歓声と指笛を吹いてくる。

流石に気分が高揚する。

 

それでは聞いてください。

 

「ライオン」

 

 

 

 

 

 

 

《翌日》

 

ぐぅ.....あったまいてぇ。

なんだかハイテンションになって歌ったとこまでは覚えてるんだが。

何歌ったっけ。まるで覚えてない。

俺はそのままソファーで潰れたらしい。

うわぁ恥ずかしい。歌ったこともだが潰れるとかみっともねぇなぁ......。

 

『大胆な。告白。うふふ。』

 

ん?なんて言った?

 

このあと、シエルちゃんには見つめられるし、神機がぶつぶつ呟くしで様子が変だった。

カノンちゃんはいつも通りだった。なんでも俺と同じく潰れたらしい。

仲間やな。親近感湧くわ。




勝手に変態にされる支部長。
瞬間火力がえげつないので胃へのダメージはクリティカル判定です。

ライオンはマクFのライオンです。良いですよね。たまに聞くと泣きそうになります。

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