家出神喰〜探さないで下さい。いやマジで〜   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

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はい、連続投稿です。
なんだろう、この小説楽しいぞ。


第2話 個人的見解だけが全てじゃない。

「さぁ、そこに手を置いてくれ。大丈夫、怖がることはないさ」

 

装置の前で固まっている彼に語りかける。

最初はみんなそんな物だ。

あのゴッドイーター最強と名高い『彼』だってそうだったのだから。

 

すると装置の前の彼は、意を決した様に手を置いた。

 

「適合率はどうだい?」

 

近くにいた職員に声をかける。

適合率が高ければ高いほど、神機との緩和性は高くなり、戦闘力が向上しやすくなる。

 

「はい。.....40......50......60......!?ま、まだ上がります!!」

 

「なんだって!?」

 

だが、高過ぎるのは頂けない!!人間に戻れなくなる!!

見てみると、まだ上がっていた。

 

80を超え......90でやっと速度を落とし.......やがて100に到達して計測不能になった。

彼も相当苦しんでいた。

もがき苦しんだ後、やがて気絶した。

 

すぐさま医務室に運ばせたが、幸いアラガミ化する気配は無い。

警戒はすべきだが、アラガミ化するなら今頃その傾向は出ているはずだ。

もしこれで問題が無ければ、恐らく彼は強大な戦力になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな私の予想は当たっていた。

彼がここフェンリル極東支部に来て僅か半年。

ミッションのクリア数、受注数は7000を超えていた。

巷では異様なまでの無口さと無表情、そしてこの異常なまでのミッション受注数と高過ぎる適合率は有名だ。

 

曰く、『適合率が高すぎて人格が神機に乗っ取られた』という噂まであるのだ。

だが、この高過ぎる数字の数々を見ればその噂をただの噂だと笑い飛ばすことはできなくなる。

更に、彼と話したことがある者がほとんどいない。

居るとしてもオペレーターくらいと言うのも、噂に拍車をかけていると言える。

 

アラガミに相当な恨みを持っているにしても、噂通り人格を乗っ取られたとしても、心身に多大な影響を及ぼす程の労働量だ。

流石に休ませようと、彼に声を掛けようとしたのだが、彼はさっさとミッションに行って帰ってきては最速でミッションを受注して再び出撃するというマシーンの様な悪魔のルーチンワークが生まれていたのだ。

それも24時間。

オペレーターに『彼用のミッション受注用モニターが必要だ』と言われた時は倒れそうになった。

 

なので、オペレーターを通して彼に休むよう伝えても、彼は聞く耳持たずミッションを受注してまた出撃してしまった。

受注数は日に日に増え、この極東支部のミッションの約7割を彼1人が担う様になっていた。

正気の沙汰じゃないミッションですらも迷いなく受注し、5分後には怪我もなく帰ってくるというもはや人外の域に達する事を成し遂げていた。

 

食事も取らずに出撃する姿を見て他のゴッドイーターは、やれ『アラガミ駆逐機』、やれ『アラガミ絶対殺すマン』、やれ『アラガミに全て喰われた世界を生き残った前世を持つ男』等と言い、畏敬の念を持った。

 

私からの彼の印象だが、『救世主』だ。

彼のおかげで、一体どれほどの人が救われただろう。

彼のおかげで、一体どれほどの奪われる筈だった人が、今も生きていられるだろうか。

想像するだけで頭が痛くなるだろうからしていないが。

 

しかし、彼は突然消えてしまった。

いつもの様に彼の出撃に備えるオペレーター。

しかし、彼は来なかった。

 

変に思ったオペレーター達は、彼が部屋に居るかもと思い、部屋を覗いた。

彼の部屋の机に手紙が残されていた。

 

『探さないで下さい』

 

彼は、失踪した。

その日から大騒ぎだった。

極東支部に届くミッションの7割を背負っていた彼が急に消え、他のゴッドイーター達に仕事が流れ込んできた。

複数人で彼の肩代わりをしようと必死になったが、倒れるものが続出した。

 

今でこそ『ある理由で』少し落ち着いているが、彼は今ゴッドイーター達が受けているミッションの殆どを1人で背負っていたのである。

彼をよく知らないゴッドイーターも、その異常さを思い知った。

 

直ぐに捜索隊が作られた。

現在も捜索は続けられている。

過労死したのでは?という噂もあるが、全否定されている。

理由は彼が失踪した後のミッション数と失踪する前の発注されるミッション数を比べれば分かる。

 

失踪した後の1ヶ月で発注されたミッションは『400件』

失踪する前の1ヶ月のミッション発注数は平均『1000件』

 

つまり彼は、現在もどこかでミッションが増えるより前にアラガミを狩っているということになる。

これが、先程言った『ある理由』である。

偶然かもしれないが、それはありえない。彼がそこかしこでアラガミを狩っていると言うのが、ゴッドイーター達の見解である。

 

そこからまた新たな噂と二つ名が生まれた。

 

曰く彼は、神が世界を救う為に放った1匹の狼である。

 

名を、『デシュア』

その二つ名を、『神喰狼(フェンリル)

それは、彼をゴッドイーター最強とする事と同義であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

フェンリルには、『週刊ゴッドイーター』というゴシップ誌の様な物がある。

本来ならこんなもの作る資材の余裕は無いのだが、ある1人のゴッドイーターがそれを可能にしていた。

そのゴッドイーターがアラガミを狩りまくったおかげで 、資材の運輸が非常に安全になった故である。

そこにこんなコーナーがあった。

 

 

 

《ゴッドイーター知名度ランキング!!》

・このコーナーは読者の投票によって1番知名度の高いゴッドイーターを決めるコーナーです!!

・ここでは3位までを紹介します。

 

1位:クレイドルのあの人!!

(コメント欄)

・これだけで分かる有名さよ

・功績が大きすぎる

・知名度の高さから

 

2位:アリサさん!!

(コメント欄)

・戦い方が綺麗

・下乳の人

・ドン引きされたい。

 

3位:コウタ隊長!!

(コメント欄)

・流石の人望

・一緒に組みたい人No.1

・困った奴だなとか言われたい。

 

《殿堂入り》:デシュア様

(コメント欄)

・威 風 堂 々

・勝てるわけがない

・出るだけで勝つ男

・中二病の神が考えた「さいきょうのじんるい」

・何 故 出 し た

・本来なら出場禁止

・対アラガミ用人型決戦兵器

・まずこの人が居なければこの雑誌自体存在していない




やっつけです。

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