家出神喰〜探さないで下さい。いやマジで〜 作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神
.......すんませんでしたぁぁぁあああああ!!!!!
▽月( ・ω・)日
今日も今日とてクエストこなすぞー!!
.....と思ったけど、何故かオペレーターちゃんに止められてしまった。
「今日のミッション受付は終了しました。どうぞお部屋で休んでください」
そう言って、俺以外のブラッド隊のクエストを発注しだした。
.....え?なんで?
疑問に思ったが、一つ思い浮かんだ。
──.....あ、わかった!!ノルマがあるのか!!
ほえー、ここは環境がいいんだなぁ。
サビ残とかないのか。
ホワイトだなぁ。最初からここに居たかったわ。
そういうことならお言葉に甘えようかなー。
そう思って、俺は部屋に向かった。
あれ、そういえば俺の部屋って......。
「あらぁ、おかえりなさい。貴方様♡」
........クエスト行ってた方が楽だったかも。
『お休み。お休み。ルンルン。』
―――――――――――――――
「ふぅ......緊張しました」
安堵からため息を吐くオペレーターのフラン。
そんな彼女に、近くで見ていたブラッド隊が近寄る。
「よくやったじゃねぇか」
「なんか残念そうな顔してたけど、なんとか休ませられたね!!」
「......!!」(サムズアップ)
「あのままでは過労死するかもしれなかった。それを止めたのは、フランだ」
上からギルバート、ナナ、副隊長、ピクニック隊長である。
この、『ミッション依頼差し止め事件簿』(副隊長命名、ピクニック隊長考案)をもって、強制的にデシュアを休ませようという作戦である。
まぁなんとも微笑ましい光景である。
「い、いえそんな.....私はただ、ブラッドの皆さんの言葉を使わせてもらっただけであって.......」
そう言って照れるフラン。
副隊長はそんなフランに身振り手振りで「フランが居てくれたからできたんだ」と伝える。
極東支部の人間が見れば「まるでキグルミだな」と口を揃えて言うだろう。
「そ、そうですか......ありがとうございます」
顔を赤く染めて感謝するフランに、副隊長は「こちらこそありがとう」と言う気持ちを込めてお辞儀する。
そして、ブラッド隊は任務へと向かった。
「〜♪」
「シエルちゃん、その歌何?」
「.......内緒です♪」
「えー......」
「うふふ.......。〜♪」
少女の可愛い歌声を聞きながら。
―――――――――――――――
「どうですか?私が手がけた神機の調子は」
ラケル博士にそう詰め寄られた。
──えぇっと......はい、すこぶる良いですよラケルはk「ラケルですよ?」......ラケル。
「うふふ、それならとても嬉しいです」
ニコニコと嬉しそうなラケル博士。
少しルンルンしているようで、見ていると癒された。
『お休み。久しぶり。嬉しい。嬉しい。』
そうだねー。
身体動かすのもいいけど、たまにはこうやってお茶を飲むのも良いものだね。
ただ、俺は紅茶よりソイヤッ茶の方が好きだ。せっかく淹れてくれたのだから文句は言わないが。
「そういえば、気づいていたかしら?」
──ん?なんですか?
「その神機、捕喰形態の形がアバドンになってるんですよ?」
え、そうだったのか。知らなかった。
「ふふ、驚いた顔、やっぱり可愛いわぁ♪」
気付かないうちにラケル博士がくっつきそうな程近づいて、頬を撫でていた。
いやあの、車椅子なのにどうやってそんな早く移動したんすか。
──あの、ラケルs.......ラケル。くすぐったいから止めてください。
ただ俺はクールに対処する。冷静にね。冷静に。
「あら?恥ずかしいのかしらぁ?可愛いわぁ.......♡」
ダメだ聞く耳持ちやしねぇ。
俺じゃ丸め込めねぇ。
その後、俺はずっと頬を撫でられ続けた。
『寒い。温めて。』
あと神機をずっと撫でてた。
▽月(´ω`)日
今日もクエストは無し。
だが、連休は神機には受けが悪かったらしく.......。
『思い出。思い出。作りたい。』
そう言って駄々をこねたので、仕方なく無断でフライアを抜け出した。
まぁ何体か狩って帰れば満足するかなぁなんて考えたが.......。
──ヒャッハー!!!
いつの間にか俺が楽しくなっていた。
いやね、1日置くだけで感覚がまっっっったく違うのよ。いや本当に。
あぁ、やっぱり俺はこういうのが合ってるなぁと思った日だった。
フライアに戻ると、怖い雰囲気を醸し出すブラッド隊の皆様と、涙目のラケル博士がいた。
──た、ただいま。
「グスン......おかえりなさい。あぁ、良かった。はぁ........戻ってきてくれて......良かった.....!!!!」
ラケル博士がそう言って泣き出したので、これはまずいと思って近くによって謝った。そして慰めた。
少しして泣き止んだが、今度はラケル博士から怖い雰囲気が.......。
「それでは、副隊長さん。よろしくお願いしますね?」
え、と思った時にはもう遅い。
襟元を捕まれ、目に光のない副隊長さんに引きずられ、外で説教を静かにくらった。
PS.副隊長が小さな声で
「無断で出ていったら、ダメじゃないですか」
と言ってきた時は、死んだかと思った。
主人公が最低な回。
ラケル博士を泣かせるなんて万死に値する。グボロに呑み込まれてしまえ。