家出神喰〜探さないで下さい。いやマジで〜 作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神
短いです。
△月└( 'ω')┘日
俺は自販機の前で唸っていた。
―――ここは飲み慣れた物を.......いや、やっぱり冒険しようかな。
ただ飲み物を選んでただけだった。
だが飲み慣れた物だけだと面白くないので、二、三本ほど飲んだことない物を買った。
まずは、おんどりゃあお茶ァ!!と恐らくだがライバル関係にある『ソイヤッ茶』。
そして『ヌケコーラ』。
最後に悪名高き『初恋ジュース』。
まずはソイヤッ茶から。
―――何これ美味しい.......。
おんどりゃあお茶ァ!!の方はなんというか、飲みやすかったのだが、こちらは打って変わって濃い。
緑茶の味はしっかりしていて、程よい緑茶の苦味と甘味、そして香りが広がる。
飲み込んでもその存在感は強く、しかしくどくない。
俺はこれからこれを愛飲することを決めた。
次はヌケコーラ。
―――なんだこれ!?炭酸めちゃくちゃ強い!!
口に入れた瞬間弾けるような刺激が口を襲った。
たまに飲みたくなりそうだな。スッキリしたい時とか。
ここで、ヌケコーラの名前の由来がわかった。
ヌケコーラを飲み干す前にトイレに行き、戻ってきた時には......。
炭酸が抜けていた。
―――幾ら何でも速すぎないか!?
そう思ってラベルを見てみると。
『20秒以内に飲み干してください』
早すぎないかぁ?
もう少しなんとかならなかったのか.......。
次は、初恋ジュースだ。
香りは.....良いのだ。
爽やかなフルーティな香り。
―――なんだ。噂ほどじゃなさそうだな。
そう思って口に入れた瞬間。
甘くて酸っぱくて苦くて渋くて塩っ辛くて.......。
その衝撃的な不味さに驚いて、飲み込んでしまった。
なんだこれ!!なんだこれ!?
飲み込んだ後の後味の悪さはもはやテロ。
誰だこんなの作ったやつ!!
訴えてやろうと思いラベルを読み込んでみると......。
『監修:サカキ博士』
あんのクソメガネぇぇぇぇええええええ!!!!
俺は支部長室にダッシュした。
「いやそれ僕は悪くないよね!?怖いもの見たさで君が飲んだんじゃないか!!」
―――それ以前になんでこんな禍々しい味の飲み物を作ろうと思ったんだ!?
俺はサカキさんの部屋に乗り込んでいた。
右手が神機と一体化してるのも忘れてぶんぶん振り回す。
「ちょ、おわ!?あ、危ないから止まってくれ!!」
―――ってかなんであれ売ってるの!?あんなの人に飲ませるもんじゃないから!?
「君みたいに怖い物見たさで買ってるゴッドイーターが多いから売れ行きは良いし、なんでか愛飲してる子も居るんだよ!!だから切らせるわけにもいかなくてね」
その愛飲してる奴には1度問い詰めたい。
『あれのどこがいいのか説明してくれ』ってな!!
その後、暴れるのをやめる代わりに1日に受けられるクエストの上限を1から5に上げることで交渉が完了した。
計画通り(副次的産物)。
棚ぼたとも言う。
そこから、何故か「ソイヤッ茶」が売り切れることが多くなったという。
ソイヤッ茶を出したかっただけ。
ソイヤッ茶(ちゃ)と読むかか、ソイヤッ茶(さ)と読むのかは自由です。