家出神喰〜探さないで下さい。いやマジで〜   作:トイレの紙が無い時の絶望を司る神

11 / 38
(タイトルに意味は)ないです


第9話 この転生者め!!

△月(ง ˙ω˙)ว日

 

プチ家出3日目。

今日も今日とてカノンちゃんとアラガミを狩り尽くす日々。

今日の収穫はヴァジュラ4体にハガンコンゴウ3体にボルグ・カムラン2体にクアドリガ堕天種2体だ。

 

「今日も頑張りましたね、デシュアさん」

 

隣に座るカノンちゃんがそう言う。

 

『ごちそうさま。』

 

対抗する様に呟く神機。

すす、すすす、と少しずつ近付いて来るカノンちゃんを少し不思議に思いながら、あくびする。

今日は特に書くことは無いのだが、そういう日も書くのが大事なのだ。

 

「あ、ついつい引っ付いちゃいました」

 

とうとう俺の肩に頭が乗る程の距離まで近付いてきたカノンちゃんの頭を反射でついつい撫でてしまった。

いつもはこんな感じで偶に神機が捕食形態で肩に頭を乗せてくると、撫でないとご機嫌斜めになるからいつも撫でて居るのだ。

カノンちゃんは顔真っ赤にしていた。ちょっと、申し訳ないことしたなぁ.....。

 

 

 

 

 

 

 

 

△月( 0w0)ノ日

 

今日はアラガミ狩りは無し。

カノンちゃんが流石に疲れて来た様だ。

少し顔色が悪かったので、今日は休もうと言ったら、

 

「いや!!嫌です!!お願いです!!狩りを!!狩りをさせてください!!!!」

 

泣きながら請われてしまい、なんとか説得した。

フェンリルめ.....!!こんな幼気な少女に社畜根性を叩き込むなんて!!クズだ!!悪魔だ!!

もうこれ終末捕食ぶち起こした方が人類の為じゃね?(錯乱)

 

なんて冗談は置いておこう。

今日はカノンちゃんの為に持ってきていた食料を多めにあげた。

 

 

「あのぉ.......デシュアさんは?」

 

―――あぁうん大丈夫。俺食わなくて良いから。ね?

 

「いえ、でも.....申し訳ないです」

 

―――いやいや、カノンちゃんの為に持ってきたんだから。

 

「私のタメ.....ですか?」

 

―――そうそう、カノンちゃんの為にー(フェアリーおじさん並感)

 

「えへへ.....じゃ、じゃあ、一緒に食べましょう?」

 

―――え、良いの?

 

「デシュアさんが持ってきてくれたんですから、食べてください。それじゃあ、は、はい。」

 

 

......あのー、カノンさん?その手はなんですか?

俺の前には、パンの切れ端を持ったカノンちゃんの白くて綺麗な指が......。

それ以上に、ハイライトが投げ捨てられた暗い目が.......。

 

 

 

 

 

PS.久しぶりの食事は美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

△月_( _´ω`)_日

 

 

昨日、久方ぶりに口にした食料の影響で、極東支部の自販機で売っていた『おんどりゃあお茶ァ!!』と『ホモの紅茶』を飲んでいた。

カノンちゃんの体調も良くなって、休めと言うのに俺が引っ張られる形で狩りに出た。

 

今日の収穫はシユウの堕天種3体にボルグ・カムラン2体。そしてラーヴァナ4体だ。

毎度思うがラーヴァナは何故接触禁忌なんだ?

普通に弱いやん。ちょっと固くて公害撒くだけじゃん。

.....それ言ったらヴァジュラもか。

 

それによく考えれば、ブラッド隊とか極東支部の人がバカ強いだけだった。

流石スーパー極東人。

極東『人』......?人外の間違いでしょう。

 

とまぁそんなのは置いておいて、今日で5日目だ。

そろそろ帰った方がいいだろう。

カノンちゃんも、そろそろ風呂にでも入りたいだろうし。

 

俺はいいのだが、カノンちゃんは心配してくれる人がいる......筈だ。

その人達に心配させるのも申し訳ない。

それをカノンちゃんに伝えると.......。

 

「え......?嫌です」

 

心底驚いた様子でそう答えた。

こうなると......少し無理やりだが実力行使だ。

 

俺は神機を捕喰形態にして、カノンちゃんを喰うまでは行かずに上半身を咥えさせて、近くに置いていたカノンちゃんの神機を抱え、神機の中で『出してください!!!いや!!まだデシュアさんと狩りをしてたいんです!!!』と暴れるカノンちゃんをスルーして帰る。

 

『外道。バ可愛い。』

 

はいはいすいません。

 

カノンちゃんは少ししたら静かになった。

この状況で寝れるのか.......。

 

 

 

 

△月キタ━(゚∀゚)日

 

 

帰ってくると、何故か拘束された。

ひでぇや。ただアラガミ喰ってただけなのに。

 

「君は......全く、君は自分の影響力の大きさを理解してないようだね」

 

若干キレ気味のサカキさんを宥めると、また怒られた。

泣きそうである。

 

そこからやれ俺が動くだけで戦力の桁が三つは変わるとか、やれ俺が真面目にすればアラガミによる被害が6割減るやら、やれ普通にしてくれないと胃に穴が開くとか......

 

やれ、やれ、やれ。

そんな感じに説教が続いた。

全く、新型とは言え人脈が薄いゴッドイーターがたかが1人減ったくらいでそんなに騒ぐもんかね。

 

「そういう次元じゃないんだよ君の場合は」

 

肩を掴まれ、そう訴えられた。

.....ちょっと、痛い!!

ミシミシ言ってる!!ミシミシ言ってるから!!

 

次の日、サカキさんは腕が筋肉痛になったらしい。

 

 

 

 

カノンちゃんはと言うと、また俺の監視になった。

いやいや、俺が言うのもなんだけどなんで監視変えなかったの。

オペレーターちゃんに聞いてみると、カノンちゃん以外のゴッドイーターが「影響されそう」と断ったらしい。

 

社畜が移るってか......?

社畜(に)してやる!!!この世の1匹残らず!!!!

とか言わねぇから。社畜ハザードとか起こさないから。怖くなーい。

 

カノンちゃんは俺が無理矢理連れ帰ったのが気に食わなかったのか、ずっと睨んでくる。

ほっぺを膨らませてーなんて夢のある可愛いほうじゃなくて.......。

 

ずっと笑顔で、光すら吸い込みそうな深淵の如き目でこちらを見てくる。

深淵を長く覗く時、等しく深淵もこちらを覗き込んでいる......。

哲学者のニーチェも、こんな状況だったのだろうか。




ニーチェさんのあの文カッコよすぎですよね。
デモンズしている時、あの文を思い出します。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。