俺、ダイヤのAでサクセス。   作:漢気

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お久しぶりです、突然、非公開にしてましたがまたやり直して公開しようと思います。
ゆっくりかもしれないですが、よろしくお願いします。

今回はキャラの持ち球を変えるつもりです。それでは、どうぞ!


第1話 転生してイケ捕と出会う。

 高校が休みの日のこと。パワプロのサクセスモードで簡単に選手が短時間で作れるというサクセスをしていた時のことだった。いつも通り適当に名前を付けて右投げ左打ちを指定し投球フォームはあの伝説の二刀流さんを選び、最後は好きな球団を選ぶ。もちろん好きな球団は――とくに好きな球団はないので適当に選んだ。

 ちなみに作った理由はその選手でマイライフをするためだった。

 

「おっ、いたっていい選手が出来そう」

 

 マス目にあるポイントを抑えて選手を強化するモード・サクサクセス。中々運試しが強いモードだったが、とくに特筆すべき選手でないにしてもいい選手が作れそうだ。

 そして迎えたファイナルステージの第5ステージ目に来た時のことだった。

 

「ダイジョーブ博士!」

 

 オリジナル選手を強化するうえで更なる運試しとなるキャラクター・ダイジョーブ博士が登場していた。このキャラクターは選手を強化するためでなく自身の研究のために選手を犠牲にしても構わない研究者だ。

 大体3割の成功率があればいいと言うダイジョーブ博士の手術。俺は折角出てきたので受ける事にしてみた。結果は、奇跡的に成功した。

 これによってオリジナル選手は球速150オーバーの剛腕、コントロールは優秀なB,スタミナは疲れ知らずの化け物レベルでSとなった。そして変化球は落差のあるフォークと切れ味鋭いカーブとスライダーとなった。因みに俺が投げられる変化球はカーブで通称・小便カーブだ。俺の美しいほど切れ味のない放物線を描いた軌道なのだが、このオリジナル選手はマンガなどの擬音で表現するとぎゅわっ! といった感じだろう。

 俺もそんなエースの中のエース、キングオブエースみたいな投手になりたかったなとなれるわけもない事を思っていた時のことだった。今まで見た事ないマスが現れていた。

 

「“転”……。いかにも怪しいな」

 

 “転”と1文字で書かれたマス目。こんなマス目はなかったはずなのにどうしてだろう……! あれか、ゲームがおかしくなって処理できなくなって誤字が出たのか。それとも、本当にレアなマス目なのかの2つが考えられた。俺は折角だし楽しみがてら軽い気持ちでそのマス目へ進んだ。悪魔の様なマス目だと気づかずに――

 

 

 

 青山竜司です。元々は16歳の高校生でした(・・・)。言い方がおかしい? 本当なんだ、俺は元々16歳の高校生で、今は14歳の中学生をやっている。

 あの“転”というマス目を選んだ後のことを話そう。

 

――……

 

――――本当にすまなかった!

 

 あの後、俺が気付いたときは真っ白な空間だった。見知らぬ場所と会って俺は辺りを見回した。薄い霧が掛かった空間、俺はどういう事だろうと思っていた時、突然に見事なスライディング土下座で長老が現れた。

 

――――本当に、いやまさかあんなマス目を選ぶとは思わなかったわぃ。ガハハハッ!

 

 笑い声をあげる長老、全くといって話が見えてこない。あぁ、あれか。これは夢か。さっさと起きろ、俺!

 

――――起きるわけなかろ。お前は“転”のマス目、転生のマス目を選んだのじゃからな。

 

 今……なんて言った?

 そんな事はどうでもいい。早く起きて2度寝を楽しめ、俺!

 

――――お前さんは転生するじゃよ。これから。

 

 深い霧から俺は意識を途絶える事が出来なかった。これは一体……。俺がそう思っていた時、長老は魔法のペンとでもいうのかペンをすらすら書くと空中に字が浮かび上がっていた。おいおい、本当になんなんだよ――

 

――――お前さんを転生させる。これはお前さんが選んだマス目が悪かったからなのじゃ。

 

 そう言われた瞬間だった。俺は怒り任せに長老の長く蓄えたあごひげを引っこ抜いたろうとあごひげに手を取った。

 

――――な、なにをする!?

――――うるせぇ! 胡散臭いんだよ!

――――おのれぃ! よせ、よさぬか!?

 

 最後は長老の目に見えない力の前に俺は屈した。

 跪く俺を上から見下すように見る長老。刺激を与えられたあごひげを大事に擦りながら俺に声を掛けた。

 

――――お前さんには約束通り転生してもらう。何、中学生からやり直してもらうだけじゃよ。

 

 それって結構つらくないですか、と俺が問うが長老はお前の事情など知らぬと言い出す。あごひげ引きちぎったろうか!

 

――――お前さんにはダイヤのAの世界へ行ってもらう。

 

 何か今とんでもないことを言った気がしたが。俺はもう一度耳を傾けるも、長老は聞く様子もなくそのまま話を進め出した。なんて横暴な長老なんだ。

 

――――とにかく適当にやってくれ。それがお前さんと儂と間での契約だ。もし破棄するならこれからの余生を豚小屋で過ごすことになるだろう。

 

 なんて滅茶苦茶な話なんだよ。それなら転生する、と俺は長老に伝えた。物分かりがよくて助かると話す長老。お前がそうしたのだろう。

 

――――では……! 汝、幸あれ。

 

――……

 

 そんな事があって今に至るわけだ。全くもって理不尽な話だろう。本当に困ったものだ。でも、もう今は再び中学2年生としての生活を送っていた。ダイヤのAの世界に転生させられた俺だったが、いきなり俺が知る中でダイヤのAで重要な人物と早速遭遇してしまった。

 

「お~い、何物思いに耽っているの~」

 

 今話しかけたスポーツグラスがポイントの天才捕手として名高い御幸一也だ。俺の1つ上に当たるわけだから、沢村世代に俺は当たるようだ。まぁ、そう呼ぶのかわからんが。

 

「御幸、何だよ」

「いや、俺先輩だから」

「敬ってほしければそれ相応の態度を示すんだな」

 

 なぜ、俺が1つ上に当たるこの人を呼び捨てするのには、理由があった。

 俺は一応この人と同じ中学に通っていることになっていた。俺は折角転生して野球をするならば、思い切って野球の花形ポジションであるピッチャーをしようと思い野球部に向かった。しかし、俺が向かった中学の野球部は不良のたまり場と化した幽霊活動的なところだった。本当に驚いたぜ、あの時部室に入ったら吸い殻だらけでどこの不良漫画かよと思ったぐらいに。

 そんな時だった。不良たちが差し迫ってくる中で助けてくれたのが御幸だ。ここまで聞いたら何故に呼び捨て呼ばわりするんだと思う方もいると思う。この後だった。助けられた俺は御幸にお礼を言って去った。

 その後、俺は中学校で野球が出来ないならどこかのクラブチームに身を寄せようかと思った。そう思いつつ帰り道から帰った時のことだった。

 

――――あら、竜司。あなた野球部に入れなかったのでしょ。早く帰って来たみたいだし。そんな竜司のために野球チームを探しておいたわよ。

 

 この世界での母親がそう言って、機転を回してくれた。

 母が選んでくれたのは硬式野球のチームだった。折角高校でも野球をやるなら早いうちになれるのもありだなと思ったが、お金のこともあるし母に一応さりげなく部費の話をしたが、大丈夫とだけ言われた。

 

――――それに、このチームいいわよ。

 

 そう言って母が出したパンフレットには地元の江戸川シニアと書かれたチームだった。俺はちょっとでも遠くてもいいからレベルの高いチームを選びたいと思ったが、母は頑なにこのチームを推す。何か理由があるのかと思ったけど、とりあえず俺はそのチームへの見学を決めた――――。

 

――……

 

――よぉ! よく来たな、青山

 

 笑みを浮かべてやって来たグラウンド脇で待ち構えていたのは、御幸だった。御幸と会った瞬間に母は親しげに話し始めた。傍らから聞いたが……、御幸が手回ししていたようだった。

 それを知った俺は、そんな遠回りなことをせずストレートに入ってくれと言ってくれた方がよかったと思い、嫌な気がしたので適当に1日見学して他のチームに当たろうと考えた。が、そうはいかなかった。

 

――今日からよろしくな、青山。

――いや、一度考えてから――。

――考えるも何も、お前ウチのチームに入ったんだろ?

 

 俺はどういうことだと母に聞いた。すると、もうこのチームで頑張りなさい、とだけ言われた。いやいや、先日との話が違うような……。

 

――よろしくな、青山。

 

 無理矢理俺は外堀を埋められ丸め込まれて江戸川シニアに入った。

 この頃最初の方までは、俺は御幸のことを先輩と呼んでいた。でも、事あるごとに俺を罠に嵌めて罰走をさせられた。これが、先輩の後輩いじめってやつなのかと思い、俺は御幸を警戒した。そして決定打があった後から、俺は“御幸”と呼び捨てで呼ぶようになった。

 

――何だよ~。早く行かねぇとお前また監督から怒られて走らされるぞ

――そういう印象にしたアンタが言うな

――おっ? いいのか、チームの中心である俺にそんな事言って? 折角、お前を投手として監督に推薦しようかと思ったのによ~

 

 この野郎、全くといって黒い奴だ。でも、俺は投手をやりたいことをダシに使いやがって――、この際どうでもいい。やりたかったことから御幸を無視して先にグラウンドへと向かった。

 江戸川区にある専用グラウンドを持つこのチーム、他のチームに比べたら設備はあまり充実しているとは言えないが、しっかりと練習が出来る環境ではあった。

 今日はチームに入って初めてブルペンへと入った。御幸の阿呆のせいで走ってばかりだったからだ。今、フル装備で俺の先18.44mの距離にいる御幸。いつものようにスポーツグラスを掛けてミットを構える。

 その余裕な表情、一気に変えてやらぁ!

 俺はそう思い力いっぱい右腕を振り切った。投じたボールは、御幸の頭上の遥かに上を越える大暴投だった。やってしまった……。恥ずかしい。

 こんな大暴投をしたら、御幸はそれをエサにこの1週間弄ってくるだろうと思った。そんな奴が、真剣な表情で俺へ差し迫って来た。え? 何かこの温厚なコイツに何か気に障るようなことをしたか?

 

「おい」

「う、うっす」

 

 思わず声が裏返る俺。マジで真剣な表情を一切変えないからそうなってしまった。そして御幸は何を思ったのか俺の左肩に手を乗せた後、笑った。

 

「お前、前から思っていたけど……」

「?」

「なんだよ今の軌道!!」

 

 今、何と? 俺は普通にストレートを投げられる。でも、今は今までの借りを返すべく全力で指先集中を意識して4シームでなスライドさせるようにカットボールもどきを投げ込んだ。

 

「お前! カットボール投げられるのか」

「いや、今の遊び半分で――」

「いいからもう一度投げろ!」

 

 なぜか分からないが、俺のカットボールもどきを絶賛する御幸。

 俺は右側の縫い目に沿うように同じように投げ込んだ。次はしっかりと制球されたボールが御幸のミットへ――――と思ったが、御幸は取れなかった。

 

「おい、しっかり捕れよ~」

 

 信じられない表情を浮かべる御幸、そして、ボールを拾って俺に投げ返してきた時に怖いほどの満面の笑みを見せた。何かまた悪だくみでも考えたのか!?

 俺はその後も御幸を相手に50球を投げ込んだ。ブルペンの後、アイツのあの笑顔の恐怖から俺はかなりの警戒をしたけど何事もなく今日の練習は終わった。

 

「おい、青山」

「か、監督。何ですか?」

 

 練習終わりのことだった。いつも通りトンボでグラウンド整備をしていたところに監督がやって来た。この監督、見た目は肥った監督体型といった感じの人だが、熱心に動いて指導してくれるだけあって選手たちから慕われている。いつも俺に罰走を命じる人でもあった。今日も何かしたかなと思っていると監督は親指を立てる。

 

「今日はいいボールを投げられていたな。次の大会、お前にも投手として活躍してもらおうと思う!」

 

 今日のブルペンの出来が良かったみたいで俺は投手の駒として数えられた。素直に嬉しい。

 

「これからは投手の練習を中心に組むからな。しっかりと練習後はストレッチなどでケアするんだぞ」

 

 なんか初めてまともな選手として見てくれた気がした練習終わりだった。




オリ主のパワプロ風~能力紹介!!

青山竜司

右投げ左打ち

中学2年現在

球速133㎞/h
コントロール:C
スタミナ:C
持ち球:カットボール(5)
    カーブ(2)

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