バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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グロウヴァイオレット vs ハバネロチリソース

前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン!!』

 

 

ついにグランドバディカップの本戦が開始された。第1回戦はAqours vs クリスタルベアー。

 

このファイトではルビィと果南がファイトに挑み、2人とも苦戦しながらも負ける事なく勝利し、Aqoursは本戦第2回戦へと歩を進めた。

 

 

 

 

   ◆

 

 

 

 

グロウヴァイオレット控え室………

 

藤木真柴、永橋浩太、春川朝雨は控え室にモニターでAqoursとクリスタルベアーの試合を観戦していた。本当は会場に行って直接見ていたかったが、第1回戦の2戦目、つまりAqoursのファイトが終わった後すぐに自分達のファイトがあるのでデッキの調整をしたかったのだ。

 

『決まったぁぁぁぁあ!! グランドバディカップ第1回戦を勝ち抜いたのは、チーム:Aqoursだぁぁぁぁ!!』と、モニターから聴こえてきた司会者の言葉と会場の歓声に真柴達は反応する。

 

 

真柴「Aqoursが勝ったか。」

 

浩太「さすが大目玉優勝候補のAqoursだな!」

 

朝雨「うん。凄いファイトだった!」

 

 

Aqoursの勝利は真柴にはわかっていた事だ。ライフでこそピンチではあったが、いっさいの焦りも無く迅速に戦況を覆すルビィと果南のファイトには迷いが無かった。一緒に戦っていた時より確実に1人1人が強くなっているのを感じた。

 

「チーム:グロウヴァイオレットさん、そろそろ会場に移動お願いします。」とスタッフのアナウンスが入る。真柴は広げていたデッキを纏めてデッキケースに入れ、椅子から立ち上がる。もしこの第1回戦に勝利できれば、次に戦う相手はAqoursになる。真柴の闘志に少し熱が入る。「よし、行くか!」と真柴達は控え室を出た。

 

 

 

 

 

   ◆

 

 

 

 

グランドバディカップ メイン会場………

 

 

サニオン田澤『お待たせしました皆々様!第1回戦、1戦目が終わって間も無く、2戦目の試合を始めるぜ! さっそく入場して貰おう。チーム:グロウヴァイオレット! 』

 

 

サニオン田澤の入場のコールと共に真柴達が会場入りすると会場から「わぁぁあ!」と歓声が上がる。こんなに大勢からの歓声を浴びた事がない真柴達に少し緊張が走る。浩太や朝雨は動きが少しガチガチになっていた。

 

 

浩太「な、なんかすげーな……一気に有名人になった気分だ……」

 

朝雨「こんな空気の中で、私達、戦えるのかな………?」

 

 

会場の大きな歓声によって2人は完全に緊張の波に揉まれているようだ。真柴も緊張していないと言えば嘘になる。だがしかし、今は目の前の試合に勝つのみだと己を奮わせる。

 

 

サニオン田澤『続けて入場!チーム:ババネロチリソース!』

 

 

サニオン田澤のコールに真柴達とはまた違った大きな歓声が上がる。そして入場と同時にギュイィィィーーンッ!とギターを弾く音が響く。入場口から現れたのは明らかにチャラい見た目でギターを弾きながら入場する5人の男女グループが現れた。

 

男女達は会場に入るやいなやギターやベースで激しい音色を奏で、歌い、まるでライブホールにでもいるかのようなビートを刻む。そして数分の演奏を終えて「ありがとうーーーーーーーー!!」と大きな賛辞を観客に投げかける。それに応えるように更なる歓声が彼らに浴びせられた。

 

その様子に真柴は呆気にとられていた。

 

 

真柴「な、なんだ………?」

 

浩太「ババネロチリソース、聞いたことある名前だと思ったけどやっぱりだ!」

 

真柴「知ってるのか?浩太」

 

浩太「知ってるさ………。だってあの人達は最近になって売れ始めた人気バンドグループなんだ!」

 

朝雨「そーなんだぁ〜〜」

 

 

ババネロチリソース。同じ高校の同級生ら5人で組んだバンドグループだ。彼らは高校1年の頃にバンドを結成。路上ライブや学校の文化祭などで演奏を披露して名前が知られ、高校2年生になってから10ヶ月くらい経ってメジャーデビュー、1stアルバムは約40万枚を売り上げ、テレビ番組でも取り上げられた、現在5人は大学2年生で今の若者達のブームとも呼ばれる人気バンドグループだ。

 

 

朝雨「そんな凄い人達なんだ〜〜」

 

浩太「おうよ!まさかバディファイトの大会に参加して来るなんて思いもしなかったぜ」

 

朝雨「あの人達って強いの?」

 

浩太「正直言ってわからん。あの人達がファイトしてるところなんて見た事ねーからなーー。俺も今驚いてるし」

 

真柴「誰が相手でも構わないさ、俺達はこの試合に勝つ。そしてAqoursとファイトするんだ。」

 

 

今の真柴の目にはババネロチリソースはあまり映ってはいない。この試合に勝てば次に戦うのはAqoursだ。この大舞台でAqoursと戦う。真柴達にとって優勝の次に大切な目的だ。と、ババネロチリソースのメンバーの1人が真柴達に近づいてくる。青い髪で長身、耳にはピアスをしていて、首には黒いチョーカーが巻かれている。サングラスをかけていて少し強面だ。

 

 

「おい。お前今なんて言った?"相手が誰でも構わない?この試合に勝つ?"ナメてんのか、あぁ?」

 

 

男は真柴に近づいて静かな怒声を放つ。サングラスから覗く目は明らかに真柴を威嚇していた。急な事に浩太と朝雨は数歩後ずさりする。すると男の後ろから「こらっ!」と女性の声が響く。

 

 

音木(おとぎ)くん、相手を怖がらせるんじゃないの!」

 

音木「弥恵子(やえこ)……、チッ、対戦相手に甘くすんなよな。」

 

 

音木は悪びれながらも自分のチームの方へ戻っていった。それと入れ違いに女性は真柴達に近寄ってくる。そして両手を顔前で合わせて「ごめんね?」と謝罪をした。

 

 

弥恵子「音木くん、普段はいい奴なんだけど……勝負事になるとライバル心剥き出しで威嚇しちゃう奴だから。後ろの2人も怖がらせちゃってごめんなさい。」

 

朝雨「い、いえ……別に」

 

浩太「お、俺も怖がってなんか……半分しかねーっす。」

 

朝雨「半分は怖がってたんかい!」

 

 

朝雨の鋭いツッコミに弥恵子はクスりと笑う。

 

 

弥恵子「君は?怖がってなかったように見えたけど?」

 

真柴「いや少しは………。けど、この先に戦いたい相手がいるので、俺達は勝ちます。」

 

弥恵子「そっか、でも私達も負けられないのよ。あなた達がこの先に行きたいって言うなら、全力で高い壁になってあげるわ」

 

 

弥恵子は背を向けて自分のチームへと戻って行く、振り向きざまにウィンクを飛ばして。皮肉にも、彼女達のおかげで少しは浩太や朝雨の緊張が解けた気がした。

 

 

真柴「浩太、朝雨、勝つぞ!」

 

浩太「おーよ!」

 

朝雨「うん!」

 

 

そしてサニオン田澤が第1回戦、2戦目の先鋒戦開始のアナウンスをする。チーム:ババネロチリソースの先鋒はさっき真柴達を威嚇してきた青い髪の男性、音木だ。対するチーム:グロウヴァイオレットの先鋒選手は、黒い髪をオールバックにしている男子、永橋浩太だ。2人はファイトステージに上がり向かい合う。

 

 

音木「なんだ、さっきの紫髪のガキじゃねーのか。挑発に乗って来ると思ったが、びびって出てこなかったか?」

 

 

音木は真柴が出て来なかった事に対してバカにするように笑う。とても不快で嫌な気分だ。浩太はババネロチリソースの音楽が好きだった。中でも、力強いギターを弾く音木に憧れまであった。だがさっきや今のこの態度を見て憧れは幻滅に変わった。自分が憧れていたギターリストがこんな男だとは思わなかった。今は親友の真柴を笑うこの男が憎らしく感じる。

 

 

浩太「真柴はそんな奴じゃねーよ。それに、あんた相手にウチのリーダーが前に立つまでもねーー!」

 

音木「言ってくれるな………。まぁいいさそんくらいの気迫がねーと潰しがいいがねぇからな!」

 

 

真柴と音木はバチバチに睨み合う。そしてデッキケースを腕に当てがい、デッキケースに収納されているバンドが腕に巻かれて、会場内のバディシステムが起動する。

 

 

浩太「砕けない心のドリルで無限の螺旋を描き出す!ルミナイズ〈螺旋竜 降誕!〉」

 

音木「俺のビートが立ちはだかる全てをぶち壊す!ルミナイズ!」

 

 

オープンTHEフラッグ

 

 

浩太「ドラゴンワールド」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

音木「ドラゴンワールド!」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

 

音木「俺の先攻、ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札6→7/ゲージ2→3

 

音木「〈蒼音竜 アンプス・ドラゴン〉をライトとレフトにコール!」

◼️手札7→6→5/LP10→9→8

 

 

音木のレフトとライトに、蒼白の鎧を着て、肩には円形のスピーカーのようなものが装備された青い竜が現れる。

 

 

蒼音竜 アンプス・ドラゴン

ドラゴンW

武装騎竜

サイズ1/攻3000/防2000/打撃1

◼️【コールコスト】ライフ1払う。

◼️君のセンターにカード名に「蒼音」を含むサイズ2以上のモンスターがいるなら、このカードのサイズは0になる。

◼️君の場のサイズ2以上のカード名に「蒼音」を含むモンスターの攻撃力+3000、打撃力+1!

 

 

音木「キャスト〈ドラゴニックチャージ〉デッキトップから2枚をゲージに置く。」

◼️手札5→4/ゲージ3→5

 

音木「ゲージ3払いセンターにバディコール!〈蒼音騎竜 ギタービート・ドラゴン〉!バディコールした事でライフ+1!」LP8→9

◼️手札4→3/ゲージ5→2

 

 

蒼音騎竜 ギタービート・ドラゴン

ドラゴンW

武装騎竜

サイズ3/攻7000/防4000/打撃2

◼️【コールコスト】君のデッキの上からカードを2枚ソウルに入れて、ゲージ3払う。

◼️【起動】"キャノンビート"ゲージ1払ってよい。払ったら、相手のモンスター1枚のソウル1枚をドロップに置いて、相手にダメージ1!"キャノンビート"は1ターンに1回だけ使える。

【貫通】【ソウルガード】/ソウル2

 

 

音木のセンターに、青白い鎧を纏い、厳つい装飾がされたギター型の剣を持った青い竜人が現れた。

 

 

音木「ギタービートドラゴンは、アンプスドラゴンの効果で、攻撃力+3000/打撃力+1ずつ上がるぜ!」

 

 

音木の場にアンプスドラゴンは2体存在する。つまり合計攻撃力+6000/打撃力+2される。

 

 

ギタービートドラゴン

攻7000→13000/打撃2→4

 

 

浩太「何ぃ⁉︎」

 

音木「アタックフェイズだ。ギタービートドラゴンでファイターに攻撃! 打撃4だ!」

 

 

ギタービートドラゴンのギター型の剣に、アンプスドラゴンの肩に装備されたスピーカーからケーブルが繋がれる。そしてギター剣の弦を弾いて激しい演奏を始めた。その音はアンプスのスピーカーを通じて会場全体に轟く。そして爆音から生まれる波動が浩太にダメージを与える。

 

 

浩太「うわぁぁ!うるせーーーーー!!」LP10→6

 

音木「先攻の攻撃は1度しかできねー。ターンエンドだ」

◼️手札3/ゲージ2/LP9

 

 

浩太「くそぅ………、うるさい上にいきなり4ダメージかよ」

 

音木「ふん、怖気付いたか?」

 

浩太「誰が! 俺のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札6→7/ゲージ2→3

 

浩太「こっちもバディコールだぜ!ライトに〈螺旋突竜 スパイラル・ドニル〉」LP6→7

◼️手札7→6/ゲージ3→1

 

 

螺旋突竜 スパイラル・ドニル

螺旋竜/武装騎竜

サイズ2/攻6000/防5000/打撃2

◼️【コールコスト】君のデッキの上から1枚をこのカードのソウルに入れて、ゲージ2払う。

◼️このカードが攻撃した時、ゲージ1払い、相手の場のモンスター1枚を破壊して、相手にダメージ1!

【貫通】【ソウルガード】

FT『俺たちドニル族のドリルだって、ドラム族には負けないぜ!』

 

 

浩太のライトに、自身の半身ほどもあるでかいドリルを背負い、青い立髪に、機械的な鎧を着た人型の青い竜が現れる。

 

 

ドニル『おし来たぁ!』

 

音木「お前も青い竜かよ」

 

浩太「ああ。レフトに〈螺旋竜 スパイラルレイピア・ドラゴン〉をコール!」

◼️手札6→5

 

 

螺旋竜 スパイラルレイピア・ドラゴン

ドラゴンW

螺旋竜/武装騎竜

サイズ1/攻4000/防1000/打撃2

◼️君の場の〈螺旋竜〉と〈武装騎竜〉のモンスター全ての攻撃力+2000!

◼️このカードが破壊された時、君のデッキの上からカードを1枚ゲージに置く。

 

 

浩太「ライフ1払って装備!〈螺旋剣 スパイラルソード〉」

◼️手札5→4/LP7→6

 

 

螺旋剣 スパイラルソード

ドラゴンW

武器

アイテム/攻3000/打撃2

◼️【コールコスト】ライフ1払う。

◼️君の場に〈螺旋竜〉か〈武装騎竜〉のカードが2枚以上あるなら、このカードの攻撃力+3000!

◼️君の場の〈螺旋竜〉か〈武装騎竜〉が破壊された時、君のライフ+1!この能力は1ターンに1回だけ発動する。

 

 

浩太の手に青い刃の剣が握られる。

 

 

浩太「スパイラルレイピアの能力で自身とドニルの攻撃力+2000!さらにスパイラルソードも自身の能力で攻撃力+3000だ!」

 

 

スパイラルドニル

攻6000→8000

 

スパイラルレイピアドラゴン

攻4000→6000

 

スパイラルソード

攻3000→6000

 

 

浩太「アタックフェイズだ! スパイラルレイピアでライトのアンプスドラゴンを攻撃!」

 

 

スパイラルレイピアのレイピアに螺旋状に渦巻く光りが纏わりつき、アンプスドラゴンを貫く。

 

 

スパイラルレイピア

攻6000

 

アンプスドラゴン

防2000

 

アンプスドラゴン 撃破!

 

 

アンプスドラゴンが1体場から消えた事により、ギタービートドラゴンの攻撃力と打撃力が減少する。

 

 

ギタービートドラゴン

攻13000→10000/打撃4→3

 

 

浩太「スパイラルドニルでギタービートドラゴンを攻撃!スパイラルドニルの能力発動!ゲージ1払い、レフトのアンプスドラゴンも破壊!そしてダメージ1だ!」

◼️ゲージ1→0

 

 

ドニルは右手に持つドリルを高速回転させ、周囲の空気を風に変える。そしてアンプスドラゴンめがけて竜巻を放つ。

 

 

アンプスドラゴン 破壊!

 

 

音木「うぐっ………!」LP9→8

 

 

エンジンを蒸し、ドニルは本来の攻撃対象であるギタービートドラゴンに向かってドリルを構えて攻撃する。

 

 

音木「ソウルガード!」

 

 

スパイラルドニル

攻8000

 

ギタービートドラゴン

防4000

 

ギタービートドラゴン 撃破!

【ソウルガード】ソウル2→1

 

 

浩太「貫通だ!打撃2!」

 

音木「ぐぁぁ!」LP8→6

 

浩太「スパイラルソードでギタービートドラゴンに攻撃するぜ!」

 

音木「ソウルガードだ!」

 

 

浩太の持つ剣に緑色の光りが螺旋状に纏わり、浩太はそのままギタービートドラゴンに突きを放つ。

 

 

スパイラルソード

攻6000

 

ギタービートドラゴン

防4000

 

ギタービートドラゴン 撃破!

【ソウルガード】ソウル1→0

 

 

浩太「ターンエンド」

◼️手札4/ゲージ0/LP6

 

 

 

音木「俺のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札3→4/ゲージ2→3

 

音木「ゲージ3払い、ギタービートドラゴンに重ねてコール!〈爆蒼音竜 ギタービート・ドラゴン"バスターク"〉」

◼️手札4→3/ゲージ3→0

 

 

爆蒼音騎竜 ギタービート・ドラゴン"バスターク"

ドラゴンW

武装騎竜

サイズ3/攻9000/防6000/打撃2

◼️【コールコスト】ゲージ3払い、君の場のカード名に「ギタービート・ドラゴン」を含むモンスター1枚に重ねる。

◼️このカードが登場した時、君のデッキの上からカードを2枚、このカードのソウルに入れる。

◼️【起動】"キャノンビート・バースト!"ゲージ1払い、ライフ1払ってよい。払ったら、相手の場のモンスターを全て破壊して、このカードは【貫通】を得る。"キャノンビート・バースト"は1ターンに1回だけ使える。

【2回攻撃】【ソウルガード】/ソウル1

 

 

ギタービートドラゴンは光りに包まれ、現れたのは青と白の配色がなされた鎧を纏い、腕が4本になり、両手に大剣型のギターを2本持った青い竜が現れる。

 

 

音木「キャスト!〈ドラゴニックチャージ〉デッキトップから2チャージだ!」

◼️手札3→2/ゲージ0→2

 

音木「さらにキャスト!〈ポジションコントロール〉」

◼️手札2→1

 

 

ポジションコントロール

ジェネリック

◼️次の2つから1つ選んで使える。「ポジションコントロール」は、ファイト中、1回だけ使える。

・君の場のモンスターを好きな枚数選んでよい。その後、選んだモンスターの位置を入れ替えてよい。

・相手の場のモンスターを好きな枚数選んでよい。その後、選んだモンスターの位置を入れ替えてよい。

 

 

音木「スパイラルドニルを選択、センターに置くぜ!」

 

 

音木はレフトに居るスパイラルドニルを指差しで指定する。指名されたスパイラルドニルは抵抗する間もなくセンターへとワープされた。

 

 

音木「ギタービートドラゴンバスタークの起動能力、"キャノンビート・バースト!"ゲージ1とライフ1払って、相手のモンスターを全て破壊する!」

◼️ゲージ2→1/LP6→5

 

浩太「何ぃ!」

 

 

ギタービートドラゴンは両手で持つギターをそれぞれの上腕の手で弦を激しく引いてビートを刻む。それはさっきと同じくらいのめちゃくちゃの騒音であり、また身体が痺れるような感覚が走る。数秒ギターを弾いた後、2つのギターに溜まったエネルギーが拡散するようにスパイラルドニルとスパイラルレイピアに発射される。

 

 

浩太「ドニルのソウルガード!」

 

 

スパイラルレイピアドラゴン 破壊!

 

スパイラルドニル 破壊!

【ソウルガード】ソウル1→0

 

 

浩太「なんて能力だよ………! スパイラルレイピアドラゴンが破壊された時、1チャージ!」

◼️ゲージ0→1

 

音木「ははあっ!それだけじゃねーぞ、この能力の発動によってギタービートドラゴンバスタークは【貫通】を得る!」

 

浩太「なんだって⁉︎」

 

 

ギタービートドラゴンのギターは2本とも今の能力で蓄積されたエネルギーの影響で、青い光りを纏っている。

 

ポジションコントロールの能力でドニルをセンターに移動させた狙いはこれだったのかと浩太は察する。

 

 

音木「アタックフェイズだ!ギタービートドラゴンバスタークで、スパイラルドニルを攻撃!」

 

 

ギタービートドラゴンは切先が鋭いギターの剣で縦一閃にドニルを斬る。

 

 

ギタービートドラゴンバスターク

攻9000

 

スパイラルドニル

防5000

 

スパイラルドニル 撃破!

 

 

音木「貫通!打撃2!」

 

浩太「ぐぅぅ!!」LP6→4

 

音木「ギタービートドラゴンバスタークの2回攻撃で、ファイターに攻撃だ!」

 

 

ギタービートはもう1本のギターソードで浩太を横に斬る。

 

 

浩太「うわぁぁ!!」LP4→2

 

音木「ターンエンドだぜ」

◼️手札1/ゲージ1/LP5

 

 

浩太「俺のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札4→5/ゲージ0→1

 

 

音木の攻撃に浩太は少しヨロヨロと身体のバランスを崩さないようにカードを引く。

 

 

朝雨「ねえ、真柴くん………浩太、負けたりしないよね?」

 

真柴「ああ、大丈夫。浩太はここぞって時が引きが強いんだ。俺達は信じていよう。」

 

朝雨「うん。」

 

 

真柴は信じている。このファイトは浩太が勝ってくれると。

 

 

 

浩太「キャスト〈ドラゴニック・チャージ"プラス"〉デッキトップから2チャージ、さらに俺のライフが5以下なら、追加で3チャージだ」

◼️手札5→4/ゲージ1→3→6

 

浩太「もう一回出すぜ。ゲージ2払って〈螺旋突竜 スパイラル・ドニル〉をライトにコール!」

◼️手札4→3/ゲージ6→4

 

 

螺旋突竜 スパイラル・ドニル

螺旋竜/武装騎竜

サイズ2/攻6000/防5000/打撃2

◼️【コールコスト】君のデッキの上から1枚をこのカードのソウルに入れて、ゲージ2払う。

◼️このカードが攻撃した時、ゲージ1払い、相手の場のモンスター1枚を破壊して、相手にダメージ1!

【貫通】【ソウルガード】/ソウル1

 

 

浩太の場に再び、自身の半身ほどもあるでかいドリルを背負い、青い立髪に、機械的な鎧を着た人型の青い竜が現れる。ドニルはもうやられまいと言った感じにドリルのエンジンを蒸す。

 

 

浩太「アタックフェイズだ! スパイラルドニルでギタービートドラゴンバスタークに攻撃!」

 

音木「ソウルガードだ!」

 

 

ドニルはドリルのエンジンを蒸し『おっしゃ!』とドリルの回転数を増す。そしてドリルに光りの風が纏わりつき、ギタービートドラゴンへと突撃する。

 

 

スパイラルドニル

攻6000

 

ギタービートドラゴンバスターク

防6000

 

ギタービートドラゴンバスターク 撃破!

【ソウルガード】ソウル1→0

 

 

浩太「貫通、打撃2!」

 

音木「うぐっ………!」LP5→3

 

 

このままスパイラルソードで攻撃したいところだが、浩太の場に〈螺旋竜〉か〈武装騎竜〉のモンスターはスパイラルドニル1体しか存在しない。それによってスパイラルソードは自身の効果でパワーアップできず、攻撃力は3000のままだ。これでは防御力6000のギタービートドラゴンバスタークを突破できない。だが浩太の手札にはまだ希望がある。

 

 

浩太「ファイナルフェイズ! 俺の場に〈螺旋竜〉か〈武装騎竜〉が1体以上居て、アイテムを装備しているなら使える必殺技〈螺旋突破砲 スパイラル・ドリルキャノン!!〉」

◼️手札3→2/ゲージ4→0

 

 

螺旋突破砲 スパイラル・ドリルキャノン

ドラゴンW

必殺技

◼️君のライフが4以下で、君の場に〈螺旋竜〉か〈武装騎竜〉のカードが1枚以上あり、君がアイテムを装備しているなら使える。

◼️【使用コスト】ゲージ4払う。

◼️相手の場のモンスターを2枚まで選んで破壊する。さらに君が装備しているアイテム1枚を破壊してよい。破壊したら相手にダメージ4!!

 

 

浩太の上空に巨大なドリルがついた砲台が現れ、スパイラルドニルはその砲台に飛び乗る。

 

 

浩太「相手のモンスターを2枚まで選んで破壊する!俺はギタービートドラゴンバスタードを選択して破壊する!」

 

音木「なんだと⁉︎」

 

 

ドニルが乗った砲台のドリルが高速で回転し、青い光りの風がエネルギーとなって蓄積される。ドニルが砲台の引き金を引くと回転した光りのエネルギーがギタービートドラゴンへと放たれた。

 

 

ギタービートドラゴンバスタード 破壊!

 

 

音木「くそぉ………!」

 

浩太「まだだ!さらに俺のアイテムを破壊して、相手にダメージ4! スパイラル・ドリルキャノン!!」

 

 

砲台のドリルに纏わる光りの風のエネルギーが赤色に変わり、再び光りのエネルギーが音木へと放たれる。避ける暇もなく音木は赤い光りの風を受け勢いよく吹き飛ばさた。

 

 

音木「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁああ!!」LP3→0

 

 

 

音木のライフが0になった時、ファイト終了のブザーが鳴り、バディファイトヴィジョンが解除される。

 

 

音木「ああ………負けちまったか。」

 

 

音木はゆっくり立ち上がり浩太の元へと歩く。さっきまでの事もあり、浩太は少し身構えた。けどそれとは反対に音木はさっきまでのピリピリした感じとは違った。

 

 

音木「いいファイトだったぜ。悪かったな、さっきは」

 

浩太「えっ………?」

 

音木「勝負事になっちまうと少し感じ悪くなっちまってよ。しかもバディファイトの大きな大会に出るのは初めてで緊張しちまってよ。ついキツい言い方しちまった。すまなかったな。」

 

 

浩太は少し面食らった。まさか普通に謝ってくるとは思わなかった。しかもさっきまでファイトしてた時の雰囲気の悪さも感じない。

 

 

浩太「いや、俺もなんだか失礼な言い方してすんませんでした。」

 

音木「いいんだよ、気にすんな。また縁があったらファイトしような。んじゃ」

 

 

そう言って音木は自分のチームのベンチへと戻って行った。

 

 

 

 

グランドバディカップ本戦

チーム:グロウヴァイオレット vs ハバネロチリソース

先鋒戦 勝者:永橋 浩太

 

 




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