バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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グランドバディカップへの闘志

前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』

 

 

グランドバディカップに向けて特訓を始めたAqours。ランダムに決めたメンバー同士のファイトはひと通り終わり、曜だけがファイトする事なく終わると思われたが、そこに最強のダークネスドラゴンワールド使いを志す男、黒羽田 亮司が現れる。 カノスヴリンドの呪いによって曜は亮司の事を忘れていたが、曜の特訓をかねて彼と再びファイトし、超ドラゴンフォースの力によって亮司の事を思い出したのだった。

 

 

そして亮司もグランドバディカップに出場すると宣言し、再び曜とあいまみえる事を誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グランドバディカップへ向けてのAqoursの特訓は数日続き、そして大会当日までまで残り1日を切っていた。その日もAqoursは「バディファイトア・ミューズ」と言うショッピングモールにて特訓を終えた。

 

そして、その日の夕方5時ごろ、果南とダイヤは鞠莉に呼ばれて淡島ホテルにある鞠莉の部屋に集まっていた。いくらか暖房が強いのか、1月にも関わらず薄着でも快適なほど、鞠莉の部屋は暖かい。

 

 

ダイヤ「こんな時間に私達を呼び出して、いったいどうなさったのですか?鞠莉さん。」

 

果南「ほんとだよ。まあ特にやる事もなかったけど。」

 

鞠莉「ごめんね2人とも。今回呼んだのは、2人に話しがあるからよ。」

 

 

鞠莉はいつものおちゃらけたような声色ではあるが、少し感じが違う。長い付き合いである2人だからこそ、鞠莉の微妙な感じの違いが分かってしまう。

 

 

果南「珍しく真面目そうな話し………みたいだね。」

 

ダイヤ「何かあったのですか?鞠莉さん。」

 

鞠莉「実はね………」

 

 

と、鞠莉は2人に1枚の手紙を渡す。直通で来たエアメールのようだ。差出人は鞠莉の父親。2人はそのメールの中身を見る。

 

一読したところでダイヤと果南は同時に目を見開き、顔を見合わせる。2人とも、とても驚いたような表情だ。

 

 

ダイヤ「これは………⁉︎」

 

果南「鞠莉、これって………」

 

鞠莉「ええ。パパから、"バディファイトの海外遠征合宿"の誘いよ。」

 

 

"バディファイトの海外遠征合宿"とは、全国で大きな大会などで実績を残したファイターを集めて行われる。国も言語も違う同年代の学生達を集めて何ヶ月かの合宿をするのだ。対象年齢は16歳〜19歳までの青少年男子・女子が対象となり、性別に分かれて別々の場所で合宿をする事になる。実施されるのは4月初旬から。遠征合宿が終わるのがいつかは決まっていない。

 

この遠征合宿によって世界のプロファイターになる者も少なくない。

 

"そんな遠征合宿に参加してみないか?"と鞠莉の父親から3人への招待がかかったのだ。

 

 

鞠莉「もちろん。私達には参加するかどうかを選ぶ権利はあるわ。」

 

果南「鞠莉は………どうなの?この誘いを受けるつもりなの?」

 

 

果南の問いに、鞠莉は少し困ったように答える。

 

 

鞠莉「正直、まだ迷ってるわ。だから2人に話してみてから決めようと思ったの。」

 

ダイヤ「そうですか。」

 

鞠莉「2人はどう?この話しに乗る?」

 

ダイヤ「いきなり言われましても………」

 

果南「うん。私達も話しが急すぎて、頭が追いつかないっていうか………」

 

鞠莉「そうよね………」

 

 

3人の間にしばらくの沈黙が流れる。無理もない、果南の言う通り、急な誘いで3人とも戸惑い、そしてを判断しかねている。

 

その沈黙に耐えかねて鞠莉は「パンッ」と手を叩く。

 

 

鞠莉「急いで決める必要はないわ。4月まではまだ時間はあるんだし、ゆっくり考えましょ。」

 

ダイヤ「そうですね。」

 

果南「みんなには、この事を伝える?」

 

 

これは三年生である3人だけの問題ではあるが、仲間であるAqoursにとっても大切な話しになるはずだ。だが数日後には"グランドバディカップ"という大きな大会が控えている。

 

 

ダイヤ「この事はまだ内緒にしましょう。今は目の前の大会に集中するべきですから。」

 

鞠莉「そうね。私達の問題で皆んなに迷惑はかけられないわ。」

 

果南「うん。ちゃんと私達で決めてから、みんなに話そう。」

 

 

"グランドバディカップ"は3人にとって、Aqoursとして最後の大会になる。絶対に悔いは残したくない。だからこそ、今は大会に集中し、Aqoursというチームとしてグランドバディカップを制したい。

 

 

鞠莉「ごめんね2人とも、今日は家で夕ご飯を食べていって!」

 

ダイヤ「この暗い時間に帰るのもアレですから、今日は泊まらせていただきましょう。」

 

果南「そうだね。一応、家にも言ってあるし、良いよね、鞠莉。」

 

鞠莉「もっちろんよ!じゃあ今日はご馳走にしましょう!」

 

 

明日にはグランドバディカップがある。この大会中に決意が決まるかは分からないが、卒業を控えた3年生の3人にとって、そしてAqoursにとっても絶対に負けられない大会になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「十千万」千歌の部屋………

 

 

 

千歌は部屋にて、時刻はPM:10時あたり、翌日のグランドバディカップに向けてデッキの最終調整をしていた。すると千歌のスマホが鳴る。千歌はスマホの画面を確認する。電話の主は『鹿角 聖良』からだった。

 

 

千歌「はい。もしもし?」

 

聖良『もしもし、千歌さん。すみません夜遅くに』

 

千歌「いえいえ、良いですよ。どうかしたんですか?」

 

聖良『はい。少しお話ししたいなと思いまして。迷惑ではなかったでしょうか?』

 

 

電話の向こうで申し訳なさそうに話す聖良に千歌は「大丈夫ですよ」と応える。実は千歌も息抜きがてらに誰かと話をしたいと思っていたところだった。

 

 

千歌「何のお話しですか?」

 

聖良『大した事ではないんです。ただ少しデッキ調整の息抜きにお話ししたいなと思ったので………』

 

千歌「そうなんですね。実は私も今デッキの調整をしてました。」

 

聖良『あ、そうなんですか?本当にご迷惑では?』

 

千歌「はい。私も休憩しようと思ってましたから。」

 

聖良『そうですか。』

 

 

お互いの気の使い合いに2人はしばらく苦笑する。千歌と聖良、電話ではあるがこうして話しをするのはしばらくなかった。仲が良いと言えば良いのかもしれないが、2人の住んでる所はまったく正反対の方角であり、そしてチームとしてもファイターとしてもライバルだ。

 

 

聖良『明日はいよいよグランドバディカップですね。聞くまでもない事ですが、参加しますよね?』

 

千歌「はい、参加しますよ。」

 

聖良『そうですか、よかったです。 千歌さんは、このグランドバディカップで果たしたい目的などはありますか?』

 

千歌「え?」

 

 

聖良の予想外の質問に千歌は少し驚いたように聞き返す。

 

 

聖良『もちろん優勝する事は最終目標ではありますが。 優勝する以外にこの大会で果たしたい事は?』

 

千歌「えっと………」

 

聖良『すみません、いきなり。 ですが私には………いえ、私達Saint Snowにはあります、優勝以外に果たすべき目的が。もしかしたら、優勝する以上に大事な事かもしれません。』

 

千歌「優勝するより………?」

 

聖良『はい。 私達はこの大会で必ず千歌さんに、そしてAqoursにリベンジを果たしたいです。 リベンジを果たした上で優勝したい。』

 

千歌「………………!」

 

 

電話の向こうの聖良は少し真面目に、でも声音は変えずに言い放つ。ただ優勝するだけではない。バディチームSaint Snowとして、そして1人のバディファイターとして、Aqoursに、千歌に勝ちたい。リベンジしたい。その意思が電話の向こうからでも伝わってくるのを千歌は感じる。

 

 

聖良『もしかしたら一度も対戦できずに終わってしまうかもしれない。それでも私達は、この目標を胸にグランドバディカップへ参加します。』

 

 

聖良と理亞、バディチームSaint Snowは千歌達Aqoursと何度か大会でファイトした事がある。千歌達がAqoursを結成し、初めてSaint Snowとファイトした時はAqoursは敗北した。だがその後に開催された大会で2度目のファイトをした時、千歌は聖良に勝ち、AqoursはSaintSnowに勝利した。 それから、色々な大会で度々顔を合わせ、何度もぶつかるも、最初の勝利以来それからSaint SnowがAqoursに勝つ事は無かった。チームとして、そして1人のファイターとして聖良と理亞はずっと悔しい思いをした。そして何度もリベンジをする事を決意していた。

 

 

聖良『すみません。なんか宣戦布告みたいになってしまいましたね。』

 

千歌「あ、いえ………」

 

聖良『そんなつもりは無かったのですが………。でも私達の思いは変わりません。私達は必ずあなた達Aqoursに勝ちます。』

 

 

聖良は自分に言い聞かせるように、再度自分達の大会にかける思いを口にする。その強い思いを秘めた聖良の言葉に千歌は唾を呑む。そして知らぬうちに口元は吊り上がる。

 

 

千歌「楽しみにしてます。聖良さん。」

 

 

思わずそう言っていた。やはり何度も戦ったファイター同士、電話越しでもお互いの意思と闘気を感じる。

 

 

聖良『私も今から楽しみです。 一方的に話してしまってすみません。そろそろ電話を切りますね。』

 

千歌「あ、はい。」

 

聖良『あまり悩む必要はありません。モヤモヤさせる事を聞いてしまってすみませんでした。グランドバディカップはお互いに頑張りましょう。』

 

千歌「はい!」

 

聖良『では、おやすみなさい。また明日、大会の会場で会いましょう。』

 

千歌「おやすみなさい。」

 

 

そして電話が切れた。スマホを机に置いて、今聖良が話した事を思い出す。「Aqoursにリベンジを果たしたい。」その言葉にはたしかな覇気が感じられた。そうしてもう一つ、「グランドバディカップで果たしたい目的がありますか?」まさかそんな質問が来るとは思わなかった。正直言って、千歌はただ大会に参加して優勝できれば良いと思っていた。

 

優勝以外の目的なんていざ考えてみると何も思い浮かばなかった。

 

 

千歌「私達の果たしたい事………か。」

 

 

机の上に並べられたカードを眺め、調整が終わったデッキをまとめて、その日は眠りについた。明日はいよいよグランドバディカップの当日である。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、Aqoursはグランドバディカップが開催される会場「フェザードーム穂ノ華(ほのか) 」に来ていた。大会の開始時間は10時からを予定されている。Aqoursはすでにグランドバディカップへの参加登録を済ませていた。

 

 

千歌「着いたね。グランドバディカップの会場!」

 

曜「うん!」

 

ダイヤ「この会場は先日、穂乃果さんとツバサさんがバディチャンピオンを決める為に戦った場所です。まさかこんなに早く、栄誉あるこの会場でファイトできるなんて今でも信じられませんわ。」

 

果南「ほんとだね。今からわくわくしてきたよ!」

 

善子「ふっふっふっ………、この会場もまたヨハネの闇の力で侵略してやるわ。」

 

花丸「侵略はダメずらよ。」

 

梨子「それにしても凄い人の数よね。これみんな大会の参加者や観客なのよね?」

 

 

梨子は周りを見渡して改めてこの大会の規模の大きさを理解する。大会参加者は受け付けで配られる専用のワッペンを目立つ場所に貼りつけており、参加者と観客が識別できるようになっている。

 

会場の周りには屋台や出店などが立ち並び、いい匂いが会場外を充満している。

 

 

花丸「ん〜〜、美味しそうな匂いがいっぱいすら〜〜!」

 

千歌「ほんとだ〜〜!何か買ってきていい?」

 

善子「千歌はともかく、ずら丸は電車の中でパンとか3個くらい食べてたでしょ。少しは我慢しなさいよ」

 

 

花丸は見た目によらずの大食いな子である。今日は電車内で駅弁を1個、のっぽパンを3個くらい食べていた。それなのに花丸自身は太りにくい体質なのがまたずるい。

 

花丸と千歌と鞠莉が屋台を眺めていると会場からアナウンスが入る。

 

 

『まもなく、グランドバディカップ開会式が開始されます。参加するバディチームは参加登録をお済ましの上、メイン会場内にご入場ください。繰り返します………………』

 

 

曜「そろそろ始まるみたいだね。」

 

千歌「うん。じゃあ行こう!」

 

 

リーダーである千歌の号令に皆んなは勢いよく返事をし、気合いを入れてメイン会場へと踏み出した。

 

 

会場に入ると溢れんばかりの観客達が今か今か今かと観客席で大会の開始を待ち、広大なメインフィールドでは、グランドバディカップに参加するであろう、さまざまなバディチーム、バディファイター達が集まって、ざわざわとしながらも大会の開始を待っていた。

 

そして、メインフィールドにAqoursが入場した時、彼女達の姿をが現れた瞬間。

 

 

「ねえ見て、Aqoursよ。」

 

「凄い!本物だ〜〜」

 

「Aqoursだ。」

 

「Aqours………」

 

「Aqours………」

 

 

周りの空気が変わるようにメインフィールドに集まっていたバディチーム達の視線が一気にAqoursに集中する。そしてさっきとはまた違ったざわめきが会場全体を包む。

 

 

ルビィ「な、なんだろう………皆んなルビィ達の事見てるよ?」

 

梨子「そうね。なんか居ずらい感じがするわ。」

 

鞠莉「無理もないわ。一応私達は現スクールバディチームのトップですもの。」

 

 

鞠莉の言うとおり、Aqoursは去年開催された"ラブライブ!バディカップ"にて優勝し、それ以前、以降もさまざまな大会などでも優勝し実績を積み上げて来た。そんな彼女達の活躍や実力に周りのバディチームは憧れ、越えるべき目標として、Aqoursをリスペクトするチームが増えていく。今やAqoursは、現スクールバディ最強チームとなり、周りからの注目を集めているのだ。

 

 

ダイヤ「自覚してないわけではありませんが、こうも周りから見られていると落ち着きませんわね。」

 

果南「うん。良い意味で緊張するね。」

 

 

周りのチームの視線は気になるが、決して悪い視線ではない。Aqoursに憧れるチームからはキラキラとした尊奉の眼差し、目標とするチームからはギラギラとした信念を込めた眼差し、リスペクトするチームからはその両方を込めた熱い眼差しを向けられている。

 

嫌な気分ではないが、Aqoursにとってはちょっとしたプレッシャーになりかねない。

 

 

「お久しぶりです。Aqoursの皆さん。」

 

 

と、多少のプレッシャーの中でも気さくにAqoursに話しかけて来た2人組の少女がいた。バディチーム"Saint Snow"の鹿角 聖良と鹿角 理亞だ。

 

 

千歌「聖良さん、理亞ちゃん!お久しぶりです。」

 

聖良「凄く注目されてますね。」

 

曜「ははは………おかげさまで。」

 

理亞「周りから注目されてるからって、あまり調子に乗らないでよね。 あんた達Aqoursは、私達Saint Snowが絶対に倒すから!」

 

聖良「理亞!」

 

理亞「ふん。」

 

 

Aqoursに強気に食ってかかる理亞に聖良は少し強めに静止する。理亞は仕方ないとばかりに鼻を鳴らした。

 

 

善子「何よ、あいかわらず可愛くないわね。」

 

ルビィ「あはは………」

 

聖良「すみません。私達もこんな大きな大会は久しぶりですから、理亞も少し緊張しているんですよ。」

 

理亞「わ、私は別に緊張なんか………!」

 

聖良「ふふふ………。ですが理亞が言った通り、私達Saint Snowは必ずAqoursに勝ってみせます。」

 

 

聖良の言葉に、千歌は昨晩に聖良から電話で宣戦布告された事を思い出す。電話で言われるのとはやはり違う、直接的な意思の強さが感じられる。

 

 

「Aqours打倒を目指しているのはSaint Snowだけではなくてよ。」

 

 

と、再びAqoursに声をかけて来たチームがいた。チーム"エスカトロジー"かつて、ラブライブ!バディカップの予選決勝でAqoursをギリギリまで追い詰めた唯一のチームだ。声をかけて来たのはエスカトロジーのリーダー、彩條 琴奈。その後ろにはチームメンバーの浅加レム、東坂ユノもいた。

 

 

ルビィ「ユノちゃん!」

 

ユノ「やっほー!ルビィちゃん!」

 

レム「渡辺 曜。久しぶりだな」

 

曜「レムさん!」

 

千歌「琴奈さん!」

 

琴奈「久しぶりね、千歌さん。 それと、鹿角聖良さん、鹿角理亞さんも久しぶりね。」

 

聖良「はい。お久しぶりです。」

 

理亞「………………」

 

 

エスカトロジーとSaint Snowもラブライブ!バディカップで会った事がある。本当なら敗者復活戦でファイトするはずだったが、ある事情でファイトする事なく終わった2チームである。

 

 

琴奈「Aqours打倒はもちろんだけど、私はあなた達Saint Snowともファイトしたいわね。あの時は結局ファイトできなかったし。」

 

聖良「そうですね。私も、エスカトロジーのあなたとはファイトしてみたいです。」

 

 

聖良と琴奈はファイトした事はないが、お互いのチームの強さは重々承知している。認め合っているからこそ、なおさらファイトしたいと思っている。

 

 

琴奈「それはそれとして、果たすべきはAqoursへのリベンジよ。私達だけではない。この大会に参加する者達の多くは打倒Aqoursを掲げている。それだけ、あなた達は世間から注目され、倒すべき壁、越えるべき象徴となっているのよ。 そう、あのμ’sのように………!」

 

千歌「μ’s………、私達が………?」

 

梨子「なんだか、大袈裟じゃない?」

 

曜「うん。私達は………」

 

聖良「大袈裟なんて事はないですよ。あなた達の実力は日本のスクールバディチームの中でもトップクラス。実際に、あなた達がこの会場に現れた瞬間にこの場の空気は一変した。誰もがあなた達に注目し、そして参加者達の士気を高めている。」

 

琴奈「そう。今この場にいるほとんどのチームは、あなた達Aqoursへの対抗心を持っている。紛れもなく、あなた達Aqoursは皆から追われるべき立場にあるのよ。」

 

千歌「追われるべき立場………」

 

 

"追われるべき立場"千歌も最初はそうだった。千歌はμ'sに憧れてバディチームを作り、スクールバディファイターとなった。「μ'sのようになりたい。」「μ'sのように輝きたい」と、μ'sの背中を追いかけながらここまで来た。「μ'sを追う立場」だった自分達が、今度は「皆から追いかけられる」立場に立っているとは思いもしてなかった。

 

 

聖良「私達Saint Snowもそうです。あなた達Aqoursにリベンジを果たし、そしてこの大会を優勝してみせます。」

 

琴奈「あら、Aqoursを倒すのは私達エスカトロジーよ。Aqours打倒は誰にも譲らないわ。」

 

 

聖良と琴奈は静かにお互いの信念をぶつける。Saint Snowとエスカトロジー、この2つのチームの闘志を大きくしているのは明らかにAqoursという存在だ。彼女達だけではない、この大会に参加するほとんどのチームもAqoursへの闘志を向けている。今この大会の嵐の中心となっているのは明らかにAqoursだ。

 

Saint Snow、エスカトロジーの同時の戦線布告に、心なしか千歌は身が引き締まる思いになる。千歌だけではない、Aqoursのみんなが改めてこのグランドバディカップへの覚悟が決まったようだ。

 

 

ダイヤ「お2人からここまで言われて、黙ってなんていられませんわね。」

 

果南「うん。いい具合に背中を叩かれた感じするよ。」

 

鞠莉「2人の気合いに私達も当てられちゃったわね!」

 

梨子「私達も負けていられないね。千歌ちゃん、曜ちゃん!」

 

千歌「うん!」

 

曜「やる気充分であります!」

 

 

千歌は闘志を燃やして向き合う聖良と琴奈の前に立つ。そして2人に負けないくらいの闘気を込めた目を向ける。

 

 

千歌「私も、2人に勝ちを譲る気はありません! Saint Snowもエスカトロジーも倒して、私達Aqoursが絶対に優勝します!!」

 

 

強い闘気に溢れた千歌の言葉に、聖良と琴奈は強い気迫を感じる。

 

 

琴奈「そうこなくてはね。ふふふ………」

 

聖良「はい。私達も楽しみです。Aqours、エスカトロジー、あなた達とのファイトする時が。」

 

千歌「はい!」

 

 

千歌、聖良、琴奈、それぞれの覚悟や思いを確認し合い、そして必ず勝利することを誓いあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『レディース&ジェントルマン! これより、"全バディファイター対抗! グランドバディカップ"を開催いたします!!』

 

 

 

AM:10時30分、グランドバディカップ開始の宣言に歓声が上がり、会場は大いに盛り上がる。

 

 

ついに、グランドバディカップの幕が上がる。

 




今回も感想を是非!

今回もちょい短めでお送りしました。次回からグランドバディカップの予選が開始されます。

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