バディファイトLoveLive!サンシャイン!! 作:ヤギリ
まぁ、バディファイトが好きな人なら体感何千文字程度にしか感じないでしょう。
ついに、この章の最終話と言う事で、できれば感想を書いていただきたく思います。 次の活力になる可能性があります。
前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』
遂にツバサ杯も佳境、新日本バディチャンピオン決定戦が始まった。
穂乃果もツバサも最初から強力なモンスターの応襲、激しいライフの増減を繰り返し、どちらが勝つか全く予想のできない展開が続くのだった。
果たして、このバディチャンピオン決定戦を制して、日本一チャンピオンになるのはどちらなのか………
◆
高坂 穂乃果
◼️手札4/ゲージ2/LP10
レフト:五角大帝竜 レイジード
ライト:五角超竜王 カイザードラム
センター:無し
アイテム:角王フォース"五角の闘覇"
★
五角大帝竜 レイジード
ドラゴンW
武装騎竜/竜牙
サイズ2/攻6000/防4000/打撃2
『角王』
◼️【コールコスト】君のデッキの上からカードを2枚ソウルに入れて、ゲージ2払う。
◼️君の場に他のカード名に「五角」を含むサイズ2以上のモンスターがいるなら、このカードのサイズを1減らす。
◼️君がダメージを受けた時、そのターンのファイナルフェイズに、次の2つから1つ選んで使える。
・このカードをスタンドする。このカードはファイナルフェイズ中にも攻撃できる。
・君のライフ+2!
【移動】【ソウルガード】/ソウル0
★
角王フォース"五角の闘覇"
武装騎竜/覚醒
攻6000/打撃2
◼️〈解放条件‼︎〉〔君のライフが6以下で場にサイズ2以上の『五角』のモンスターがいる。〕
◼️【装備コスト】ゲージ2払う。
◼️【対抗】君にダメージ1!この能力は1ターンに1回だけ使える。
◼️君が効果でダメージを受けた時、次の2つから1つ選んで使える。この能力はそれぞれ1ターンに1回ずつ使える。
・君のライフ+3する。
・相手にダメージ1!
◼️このカードは破壊されず、手札に戻せず、能力は無効化されない。
◆
綺羅 ツバサ
◼️手札1/ゲージ6/LP9
レフト:アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"ドライ"
ライト:魔竜騎士 ハーカー・ザ・クローガ
センター:無し
アイテム:終焉魔剣 アクワルタ・グワルナフ
★
アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"ドライ"
ダークネスドラゴンW/ドラゴンW
ドラゴン/神
サイズ3/攻10000/防10000/打撃2
◼️このカードは、カード名に「アジ・ダハーカ」を含むカードの能力でしかコールできない。
◼️【コールコスト】君のデッキの上からカードを2枚、このカードのソウルに入れて、ゲージ3払う。
◼️君のアタックフェイズ開始時、相手の場のモンスター1枚までを破壊する。その後、君のデッキの上からカードを2枚ゲージに置く。
◼️ソウルの無いこのカードが破壊された時、君の手札、デッキ、ドロップから属性に〈竜〉か〈ドラゴン〉を含む、サイズ4以下のモンスター1枚を【コールコスト】を払ってコールする。
【移動】【2回攻撃】/ソウル2
★
魔竜騎士 ハーカー・ザ・クローガ
ダークネスドラゴンW
黒竜/黒騎士
サイズ2→0/攻6000/防3000/打撃2
◼️【コールコスト】ゲージ1払う。
◼️君の場にカード名に「アジ・ダハーカ」を含むモンスターがいるなら、このカードのサイズを2減らす。
◼️君がカード名に「アクワルタ・グワルナフ」を含むアイテムを装備しているなら、このカードは【2回攻撃】を得る。
◆
現在、ツバサのアタックフェイズ。
ツバサ「アタックフェイズ。 アジダハーカドライの能力で、レイジードを破壊!」
穂乃果「え⁉︎」
アジダハーカの竜頭の1体がレイジード目掛けて、口から黒いエネルギー弾を放つ。 レイジードは持っていた爪槍で防御するが、何の意味もなくレイジードは破壊される。
五角大帝竜 レイジード 破壊!
穂乃果「くっ………」
ツバサ「さらに2チャージよ。」
◼️ゲージ6→8
ツバサ「ハーカーザクローガでカイザードラムに攻撃!」
穂乃果「ソウルガード!」
ハーカーザクローガは魔竜の爪を模したガントレットでカイザードラムを切り裂こうと突撃する。だがカイザードラムは太刀を振るい、その攻撃を弾く。 ハーカーザクローガは攻撃を弾かれて後退するが、ガントレットに魔力を集めて、さらに斬りかかり、カイザードラムは再び太刀を振るい弾こうとするが、ハーカーザクローガはその太刀を避けてカイザードラムの懐に潜り、今度こそカイザードラムの身体を切り裂いた。
ハーカーザクローガ
攻6000
カイザードラム
僕5000
カイザードラム 撃破!
【ソウルガード】ソウル1→0
ツバサ「ハーカーザクローガで、カイザードラムに2回目の攻撃!」
ハーカーザクローガは再びガントレットに魔力を込めて突撃する。カイザードラムはまた太刀を構えるが、今度は弾かれまいとハーカーザクローガは高く飛び上がり、カイザードラムの背後にまわる。そしてカイザードラムの背中を切り裂く。
カイザードラム 撃破!
ツバサ「アジダハーカドライで穂乃果さんに攻撃!打撃2!」
アジダハーカは片手に魔力を込めてエネルギー弾を作り出す。そしてそのエネルギー弾を穂乃果目掛けて投げつける。 エネルギー弾は穂乃果に被弾して弾ける。
穂乃果「うぁぁぁ!!」LP10→8
ツバサ「アジダハーカドライの2回攻撃、穂乃果さんに攻撃よ!」
アジダハーカは再びエネルギー弾を穂乃果に放つ。
穂乃果「うわぁぁ!!」LP8→6
ツバサ「次は私よ。アクワルタグワルナフで穂乃果さんに攻撃! 打撃6!」
ツバサはアクワルタグワルナフを構えて穂乃果に突っ込む。
穂乃果「角王フォースの能力、私にダメージ1!………うぅっ! そして私のライフ+3!」LP6→5→8
角王フォースの熱で穂乃果はダメージを受けるが、すぐにライフを回復する。
穂乃果「さらに渡されたらがダメージを受けた時、キャスト!〈ドラゴアクセプト 五角の誓い〉 ドロップからゲージ1払って〈五角竜王 ドラム〉をライトにバディコール!」LP8→9
◼️手札4→3/ゲージ2→1
五角竜王 ドラム
『角王』
サイズ2/攻6000/防5000/打撃3/【ソウルガード】ソウル1
穂乃果は角王フォースとバディコールでライフを回復した上に、ドラムのコールに成功したが、ツバサの攻撃は継続したままだ。
ツバサは高く飛び上がり、落下速度を利用してアクワルタグワルナフを縦一閃で振り下ろす。穂乃果は角王フォースの太刀でそれを受ける。2つの刃が強くぶつかる感高い音と、身体の芯まで響くほどの激しい痺れが穂乃果を襲い、穂乃果はそのまま弾き倒されてしまう。
穂乃果「うぁぁぁっ………!!」LP9→3
だが、穂乃果も黙ってはやられない、バディギフトでただライフを増やす為だけにドラムをコールしたわけではない。五角竜王ドラムには穂乃果がダメージを受けた時に発動する能力がある。
身体にはまだ痺れが残っているが、穂乃果は上体だけを起こす。
穂乃果「ド、ドラムの能力………、私がダメージを受けた時、相手のモンスターを破壊する。ハーカーザクローガを破壊!」
ツバサ「はっ………っ⁉︎」
ドラム『いくぜ、オラァ!!』
穂乃果の受けたダメージが可視化され、オーラとなってドラムの太刀に纏われる。そしてドラムは纏わせたオーラを斬撃に変えてハーカーザクローガに斬り飛ばす。
ハーカーザクローガ 破壊!
ツバサ「ふふふ………さすが穂乃果さんね。ターンエンドよ。」
◼️手札1/ゲージ6/LP9
転んでもただでは起きない。穂乃果の見事なほどの反撃にツバサは素直に称賛する。
穂乃果とツバサの激しいファイト、ぶつかり合いに圧倒され、シーンと静まり返っていた会場が、穂乃果の予想外の粘り、反撃、ツバサのターンエンドの宣言によって、風船が弾けたようにドッと歓声が湧く。
◆
曜「す、凄い………!」
ルビィ「こんなファイト見たことないよ」
果南「うん。 攻めているはずなのに攻められてるし、守ってるはずなのに攻め返してる………」
鞠莉「見てるこっちがハラハラして息を呑むばかりね。」
梨子「どっちが勝つか、負けるかが全く予想がつかない、これがプロのバディファイト………⁉︎」
にこ「まったく、あの2人、もう私達じゃ手を出せない次元にいるわね。」
真姫「本当にね。どっちも化け物よ」
希「次は穂乃果ちゃんのターンやね。」
◆
穂乃果は身体に感じる多少の痛みに耐えて立ち上がる。そして自分のターン開始を宣言する。
穂乃果「私の………ターン、ドロー、チャージ&ドロー!」
◼️手札3→4/ゲージ1→2
穂乃果「キャスト〈ドラゴファイト 五角の奮起〉ダメージ1………うっ………!を受けて、デッキトップから3枚確認、2枚を手札に加えて、1チャージ!」LP3→2
◼️手札4→3→5/ゲージ2→3
穂乃果「私がダメージを受けた事で、ドラムの能力、アジダハーカドライを破壊!」
ツバサ「ソウルガード!」
穂乃果の痛みが可視化され、オーラとなってドラムの太刀に光りが宿る。そして太刀を横薙ぎに振るいアジダハーカに斬撃を飛ばす。
アジダハーカドライ 破壊!
【ソウルガード】ソウル2→1
穂乃果「さらに角王フォースの能力で、私がダメージを受けたら、ツバサさんにダメージ1!」
穂乃果の持つ太刀にも痛みがオーラとなって纏わりつき、ツバサに斬撃を飛ばす。
ツバサ「くっ………!」LP9→8
穂乃果「まだまだ、角王フォースの起動能力で、私にダメージ1 ………うっ! さらに角王フォースの能力で私のライフ+3!」LP2→5
そして穂乃果がまたダメージを受けたと言うことは………
穂乃果「ドラムの能力で、アジダハーカドライを破壊!」
ツバサ「くっ、ソウルガード!」
ドラムは再び穂乃果の痛みのオーラを太刀に込めて、斬撃としてアジダハーカドライに撃ちだす。
アジダハーカドライ 破壊!
【ソウルガード】ソウル1→0
穂乃果「ゲージ3払い、ドラムに重ねて進化! 〈超越五角竜王 レギアス・ドラム〉!」
◼️手札5→4/ゲージ3→0
★
超越五角竜王 レギアス・ドラム
ドラゴンW
武装騎竜/赤竜
サイズ2/攻10000/防10000/打撃3
『角王』
◼️【コールコスト】君の場のカード名に「ドラム」を含むモンスター1枚に重ね、デッキの上からカードを1枚ソウルに入れて、ゲージ3払う。
◼️このカードが登場した時、君のライフ+4!
◼️このカードが攻撃した時、ゲージ1払ってよい、払ったら、君にダメージ1!
◼️君がダメージを受けた時、以下の効果を全て使える。
・このカードの攻撃力+5000!この能力は1ターンに1回だけ使える。
・相手のモンスター1枚を破壊する!
【3回攻撃】【ソウルガード】/ソウル2
ドラムの髪が伸びて燃えるように靡いて、頭には鼻先に長い角のような突起と顳顬の両側に角のような突起がある頭鎧を被り、赤と白の配色の鎧を着ていて、両肩からは長い角が生えている。そして手には身の丈以上もある太刀を握っている。
穂乃果「レギアスドラムの登場時能力、私のライフ+4。」LP5→9
ツバサ「またライフを増やしたわね。」
穂乃果「アタックフェイズ! レギアスドラムでアジダハーカドライを攻撃!」
レギアスドラムは太刀を強く握りしめてアジダハーカに斬りかかる。 アジダハーカも3つの竜口から魔力の弾丸を何発も放ち応戦する。
レギアスドラムはアジダハーカが放った魔力の弾丸を避け、太刀で弾き、徐々にアジダハーカに接近する。そして右上から左下に斜め一閃、アジダハーカを斬り裂いた。
レギアスドラム
攻10000
アジダハーカドライ
防10000
アジダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"ドライ" 撃破!
斬り裂かれたアジダハーカは三度、光りに包まれて、さらに大きな赤黒い光りの球体になる。
ドラム『おいおい、まさかこいつ………、まだ進化すんのか?』
ツバサ「ふふふ………、そうよ。 アジダハーカドライの破壊時能力、ソウルが無いこのカードが破壊された時、私のデッキ、手札、ドロップからサイズ4以下の竜かドラゴンをコールコストを払ってコールする。」
アジダハーカを包んでいた赤黒い球体にピシッピシッとヒビが入っていく。
ツバサ「ゲージ4払い、ドロップからカード2枚をソウルに入れて、センターにコール! 〈アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"フィーア"〉」
◼️ゲージ6→2
アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"フィーア"
ダークネスドラゴンW/ドラゴンW
ドラゴン/神
サイズ4/攻12000/防12000/打撃2
◼️このカードはカード名に「アジ・ダハーカ」を含むカードの能力でしかコールできない。
◼️【コールコスト】君のドロップからカードを2枚ソウルに入れて、ゲージ4払う。
◼️このカードが破壊された時、君のデッキの上からカードを2枚ゲージに置いて、君のライフ+2!さらに、場に残ったこのカードにソウルが無いなら、このターンのファイナルフェイズになる。
◼️"終型・魔竜進化!"お互いのファイナルフェイズ開始時、ソウルの無いこのカードを破壊してもよい。破壊したら、君の手札かデッキかドロップから、カード名に「アジ・ダハーカ」を含むモンスター1枚を【コールコスト】を払ってコールする。"終型・魔竜進化"はファイト中に1回だけ使える。
【3回攻撃】【移動】【ソウルガード】/ソウル2
赤黒い光りの球体から現れたのは、赤黒く光沢を持った鎧のような鱗、赤黒い両翼、そして4本の竜頭を持った禍々しいドラゴンだった。
アジダハーカフィーアの4本の竜頭はそれぞれに咆哮をあげる。
ドラム『な⁉︎ 4本首のアジダハーカだと………⁉︎』
アジダハーカ『言ったはずだ。五角の小僧、"我が命に限り無し、我は幾度もの死を経て進化する"と………』
ドラム『チッ………』
穂乃果「角王フォースとレギアスドラムで連携攻撃!」
ツバサ「ソウルガード」
穂乃果とドラムは同時に高くジャンプし、空中でお互いの刀にエネルギーを纏わせて交差させる。そして同時に斜め上から下に太刀を振るい、X字型の斬撃をアジダハーカフィーアに斬り飛ばす。
角王フォース+レギアスドラム
連携 攻16000
アジダハーカフィーア
防12000
アジダハーカフィーア 撃破!
【ソウルガード】ソウル2→1
ツバサ「アジダハーカフィーアの破壊時能力、2チャージ、私のライフ+2」LP8→10
◼️ゲージ2→4
ドラムは今の攻撃に加えてあと1回攻撃できる。だが、レギアスドラムの攻撃力は10000、対してアジダハーカフィーアの防御力は12000。 レギアスドラムで攻撃してもアジダハーカフィーアには太刀打ちできない。
穂乃果「ターンエンド」
◼️手札4/ゲージ0/LP9
ツバサ「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」
◼️手札1→2/ゲージ4→5
ツバサ「ライフ2払い、〈天竜開闢〉2ドロー」LP10→8
◼️手札2→1→3
ツバサ「アタックフェイズ! アジダハーカフィーアをライトに移動」
アジダハーカフィーア
センター→ライト
ツバサは思う。穂乃果の新カード、超越五角竜王レギアスドラムを場に残しておくのは後々面倒になる。ならば先に始末するのが適切かもしれないと。
ツバサ「行くわ、アジダハーカフィーアでレギアスドラムを攻撃!」
アジダハーカの1番右側の竜口に魔力が集約され、口に溜めた魔力の塊をレギアスドラム目掛けて飛ばす。
レギアスドラムは太刀を盾にして攻撃を止めるが、太刀に触れた瞬間に魔力の塊が爆破してレギアスドラムを巻き込む。
アジダハーカフィーア
攻12000
レギアスドラム
防5000
レギアスドラム 撃破!
【ソウルガード】ソウル2→1
ツバサ「アジダハーカフィーアでレギアスドラムに2回攻撃!」
穂乃果「ソウルガード!」
最初の攻撃した竜頭とは別の右側から1つ隣の竜口にエネルギーが集まり、レギアスドラムに魔力の塊を飛ばす。
レギアスドラム 撃破!
【ソウルガード】ソウル1→0
ツバサ「アジダハーカフィーア、レギアスドラムに3回目の攻撃!」
穂乃果「キャスト〈ドラゴンシールド 青竜の盾〉攻撃を無効化して、1チャージ!」
◼️手札4→3/ゲージ0→1
2度目とはまた違い、今度は左側から2番目の竜口にエネルギーが集まり、三度、魔力の塊をレギアスドラムに放つ。 だがレギアスドラムの前に青い竜の顔を模した盾が現れて魔力の塊を弾く。
ツバサ「ならば、アクワルタグワルナフでレギアスドラムを攻撃!」
穂乃果「キャスト〈ドラゴンシールド 竜王の盾〉攻撃を無効化して、私にダメージ1!」LP 9→8
◼️手札3→2
ツバサはレギアスドラムに向かって疾走しドラムの懐に入る。そして剣を突き出そうとした時、ドラムは後ろに飛びのき、目の前に天武という竜の顔を模した盾がアクワルタの突きを防ぐ。
だが竜王の盾が受けた衝撃が穂乃果に小さいダメージを与える。
穂乃果「私がダメージを受けた時、レギアスドラムの能力、アジダハーカフィーアを破壊!」
ツバサ「ソウルガード」
穂乃果が受けたダメージがオーラとなってレギアスドラムの太刀にエネルギーを送る。そしてドラムは太刀に纏わせたエネルギーを斬撃にして飛ばす。
アジダハーカフィーア 破壊!
【ソウルガード】ソウル1→0
ツバサ「アジダハーカフィーアの破壊時能力、2チャージ、ライフ+2!」LP8→10
◼️ゲージ5→7
一通りの攻撃を終え、アタックフェイズが終了した時、ツバサはさらに眼光を鋭くさせて口角をつり上げる。
ツバサ「ありがとう穂乃果さん。あなたのおかげで、このターン中に、アジダハーカのソウルは全て無くなったわ。」
穂乃果「どういう事、ですか?」
ツバサ「ふふふふふ………、これからが"真のファイトの始まり"って事よ。 場に残ったアジダハーカフィーアにソウルが無いなら、このターンは強制的にファイナルフェイズになる。」
穂乃果「えっ………⁉︎」
ツバサ「ファイナルフェイズ!!」
ツバサのファイナルフェイズ宣言に、穂乃果はさらに身構える。
ツバサ「アジダハーカフィーアの能力発動! 私のファイナルフェイズ開始時に、ソウルの無いアジダハーカフィーア自身を破壊する!」
アジダハーカは空気中に舞った大量のエネルギーを体内に集約し、自らを爆破する。
ドラム『いったい何のつもりだ………?』
穂乃果「………気をつけよう、ドラム」
ツバサ「ふふふ………、そして、デッキか手札かドロップから「アジダハーカ」1枚を【コールコスト】を払ってコールするわ。」
ツバサはドロップからカードを1枚選んで、そのカードを提示する。
ツバサが提示したカードは禍々しく赤黒いオーラを纏い、そしてツバサからも赤黒いオーラが溢れ出る。 そんな様子に穂乃果も、特等席にいるAqours、元μ'sの8人、サツキも息を呑む。
先ほどまでとはまた違った邪悪な雰囲気が会場全体とファイトステージを支配する。
ツバサ「ドロップからアジ・ダハーカ アイン、ツヴァイ、ドライ、フィーアの4枚をソウルに入れ、ゲージ5を払い、センターにコール!」
◼️ゲージ7→2
ツバサ「漆黒の
ダークネスドラゴンW
神/ドラゴン/悪神竜
サイズ4/攻50000/防10000/打撃3
◼️このカードは、カード名に「アジ・ダハーカ」を含むカードの能力でしか場に出せない。
◼️【コールコスト】君のドロップからカード名に「アジ・ダハーカ」を含むカード4枚をソウルに入れて、ゲージ5払う。
◼️このカードは相手の効果で破壊されず、手札に戻せず、能力は無効化されない。
◼️このカードが破壊された時、相手の場のモンスター1枚を破壊する。
◼️"デミス・ディスペアー・ヒストリー"このカードが攻撃する時、代わりに、相手のモンスター全てと相手に攻撃できる。このカードの攻撃が無効化された時、君のライフ+2!
◼️君か相手のターン終了後、君のデッキかドロップからカードを1枚選んで君の手札に加える。この能力はファイト中に1回だけ使える。
【3回攻撃】【移動】【ソウルガード 】/ソウル4
爆発して空気中に舞ったエネルギーが再びツバサの場に集中し、巨大なエネルギーの球体が出来上がる。そしてその球体を突き破り、巨大な赤黒い魔竜が現れる。
その魔竜は、刺々しい赤黒い鎧のような鱗、4本の悪魔的な竜翼、前方に3本、後方に2本の合計5本の竜頭、先程よりも二回りも巨大な体躯を持ち、禍々しいオーラを放つ。
今までにない新たなアジ・ダハーカのその姿に会場は只ならぬ雰囲気に支配され、歓声をあげていた観客達も思わず黙り込む。 そして誰もが感じているだろうその威圧感の元凶の矛先は穂乃果1人を見下ろして、5本の竜頭がそれぞれに咆哮をあげる。
ドラム『なんだよ………、五つ首のアジダハーカだと⁉︎』
穂乃果「こんなの見た事ない………!」
ツバサ「せっかくコールはできたけど、今は私のターンのファイナルフェズ、さすがに攻撃はできないわ。これでターンエンドよ。」
◼️手札3/ゲージ2/LP10
アジダハーカ『命拾いしたな。』
アジダハーカ ディスペアーオーバーロードから感じるプレッシャーに、穂乃果は多少の恐れを感じる。おそらくこのアジダハーカが今のツバサの最強の切り札であろう。 穂乃果はよりいっそう気を引き締めてカードを引く手に力を込める。
穂乃果「私のターン、ドロー!チャージ&ドロー!」
◼️手札2→3/ゲージ1→2
穂乃果「角王フォースの能力、私にダメージ1! くぅぅ………! 角王フォースの能力で私のライフ+3!」LP8→7→10
穂乃果「さらにレギアスドラムの能力で私がダメージを受けた時、レギアスドラムの攻撃力+5000!
レギアスドラム
攻10000→15000
穂乃果「さらにダメージを受けた後のもう一つの能力で、アジダハーカを破壊!」
レギアスドラムの太刀にエネルギーが集まり光りの刃になり、その光りの刃を斬撃として飛ばす。 飛ばした斬撃はアジダハーカに直撃して爆発する。だがアジダハーカの身体には傷一つついていない。
ツバサ「悪いわね。このアジダハーカは効果によって破壊されないわ。」
穂乃果「………アタックフェイズ! レギアスドラムでアジダハーカを攻撃!」
ツバサ「ソウルガード」
ドラムは太刀を振り上げてアジダハーカに斬りかかる。先ほどの能力による破壊が効かなかった事が悔しく、苛立ちをぶつけるようにドラムは渾身の力で太刀を斬り下ろし、アジダハーカの5本首の1本を切断する。
レギアスドラム
攻15000
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード
防10000
アジダハーカディスペアーオーバーロード 破壊!
【ソウルガード】ソウル4→3
ドラムが切断した首はソウルガードによってすぐに再生する。そしてお返しとばかりに後方の2本首の内の1本の竜頭から魔力の弾丸が放たれ、ドラムに直撃した。
ドラム『ぐぁぁぁぁ!』
レギアスドラム 破壊!
穂乃果「ドラム⁉︎」
攻撃したはずのドラムが逆に破壊された。穂乃果にはいったい何が起きたのか理解が追いつかない。
ツバサ「アジダハーカディスペアーオーバーロードの能力、このカードが破壊された時、相手のモンスター1枚を破壊する。」
穂乃果「くぅ…………」
アジダハーカからのまさかの反撃によって、ソウルが0枚だったレギアスドラムは完全に破壊されてしまった。 穂乃果が装備している角王フォースの攻撃力は6000、アジダハーカの防御力には遠く及ばない。
穂乃果「ターンエンド。」
◼️手札3/ゲージ2/LP10
ツバサ「このターン終了後、アジダハーカの能力、ファイト中に1回だけ、デッキかドロップからカードを1枚手札に加える。私はドロップから1枚を手札へ。」
◼️手札3→4
ツバサはドロップから1枚を手札に加える。そのカードを見て、ツバサは目を大きく見開き、不敵な笑みを浮かべる。
ツバサ「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー」
◼️手札4→5/ゲージ2→3
ツバサ「私はこの数年間、あなたを超える為にいろいろな大会に出場して、いろいろなファイターと戦って来た。時には敗北し、屈辱を何度も味わって来たわ。 でも、今日まで私を動かし、屈辱から這い上がって来れたのは、穂乃果さんにリベンジを果たし、本当の日本一になる為。 その為に私とアジダハーカは成長と進化を繰り返し、そして遂に今日のこの日を迎えた。本当の意味であなたとの決着をつける為に。」
穂乃果「ツバサさん?」
ツバサ「今日までの戦いの日々を重ね、アジダハーカの成長と進化と共に、私は手に入れた。あなたの"角王フォース"と同等かそれを超えるかもしれない力を………」
そう言ってツバサは先ほどアジダハーカの能力で手札に戻した1枚のカードを構える。
ツバサ「装備しているアクワルタグワルナフを破壊して、ゲージ3払い、変身!」
◼️手札5→4/ゲージ3→0
ツバサは赤黒いオーラの光りに覆われて姿が見えなくなる。
ツバサ「運命の時、漆黒と紅蓮が交わりし世界に、終焉の魔竜を従えし覇王が目を覚ます。〈終焉魔竜覇王女 ツバサ〉」
終焉魔竜覇王女 ツバサ
ダークネスドラゴンW
ドラゴン/神
サイズ4/攻12000/防5000/打撃2
◼️このカードはコールできない。君がこのカードに【変身】しているなら、君はこのカードの能力以外でモンスターをコールできず、アイテムを装備できず、このカードのカード名は「アジ・ダハーカ」と「アクワルタ・グワルナフ」を含むカードとして扱う。
◼️このカードは相手の効果で破壊されず、手札に戻せず、能力は無効化されない。
◼️君の場のカード名に「アジ・ダハーカ」を含むモンスターが破壊された時、このカードのソウルに入れてよい。さらに君のライフ+3!
◼️【対抗】【起動】"我が深淵の底より魔竜を呼ぶ"君の手札を1枚捨て、このカードのソウルにあるカード名に「アジ・ダハーカ」を含むモンスター1枚までを【コールコスト】を払わずにコールする。"我が深淵の底より魔竜を呼ぶ"は1ターンに1回だけ使える。
【3回攻撃】【貫通】【移動】【変身】(君が装備しているカード名に「アクワルタ・グワルナフ」を含むカードを全てドロップに置いて、ゲージ3払う。)
赤黒いオーラが弾けるように消え、現れたツバサの姿は、アジダハーカの鱗のような胸を強調する赤黒い鎧、赤黒い鱗のようなレッグアーマーを履き、背には魔竜の羽が生え、両肩にはアジダハーカの竜頭を模した装飾がされている。
その姿は禍々しくもたしかな妖艶さをも醸し出している。まさに魔竜を従えし王女の如く。
穂乃果「これがツバサさんの………⁉︎」
ツバサ「そう。これが私が手に入れた力よ。 アタックフェイズ! アジダハーカをライトに移動」
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード
センター→ライト
ツバサ「アジダハーカ ディスペアーオーバーロードで穂乃果さんに攻撃! 打撃3!」
アジダハーカの前列3本の右側の竜口のにエネルギーが集中し、穂乃果に向けて魔力のエネルギー弾を放つ。
穂乃果は角王フォースの太刀を盾にして魔力のエネルギー弾を受け止めるがエネルギー弾は太刀に触れた瞬間に爆発する。
穂乃果「うぁぁぁーーー!」LP10→7
エネルギー弾になんとか耐えた穂乃果の全身は熱を帯び、身体から煙が立つ。
穂乃果「ぐっ………」
ツバサ「ふふふ………。 アジダハーカの2回攻撃、打撃3!」
穂乃果「キャスト!〈ドラゴンシールド 緑竜の盾〉攻撃を無効化して、ライフ+1!」LP7→8
◼️手札3→2
次はアジダハーカの前列左側の竜口に再び魔力が集まり、魔力のエネルギー弾を穂乃果に撃ち出す。 だが穂乃果の前に緑の竜頭を模した盾が現れてそのエネルギー弾を受け止める。
ツバサ「"デミス・ディスペアー・ヒストリー"のさらなる能力で、アジダハーカの攻撃が無効化された時、ライフ+2! アジダハーカで穂乃果さんへ3回目の攻撃! 打撃3!」LP10→12
アジダハーカの前列真ん中の竜口から魔力のエネルギー弾が三度、穂乃果に撃ち出される。
穂乃果「うわぁぁぁ!」LP8→5
ツバサ「まだ攻撃は終わらないわよ。終焉魔竜覇王女ツバサで攻撃! 打撃2!」
ツバサは魔竜の翼を広げて少し飛び、右手を前に突き出す。そして右手に魔力を集中して魔力のエネルギー弾を作り、それを穂乃果に撃ち出す。
穂乃果「うぁぁ………!」LP5→3
ツバサ「ツバサで2回目の攻撃、打撃2!」
穂乃果「うわぁ………!!」LP3→1
ツバサ「ツバサで3回目の攻撃! 打撃2!」
ツバサの両肩にあるアジダハーカの顔を模した装飾が起動し、竜口を開く。 そして開いた竜口にエネルギーが集まり、穂乃果をターゲットに、高出力の魔力の太いエネルギービームを放つ。
穂乃果「キャスト!〈万能秘薬 ネオポーション〉」
◼️手札2→1
★
万能秘薬 ネオポーション
ジェネリック
回復
◼️君のライフが6以下なら使える。
◼️【対抗】君のライフ+5!
穂乃果「私のライフ+5!」LP1→6
穂乃果はライフを回復するが、ツバサが放つ2本の太いエネルギービームは勢いも衰えず穂乃果に直撃する。
穂乃果「うわぁぁ!」LP6→4
穂乃果「私がダメージを受けた時、キャスト〈ドラゴアクセプト 五角の誓い〉 ドロップから〈五角竜王 ドラム〉をライトにバディコール!」LP4→5
◼️手札1→0/ゲージ2→1
五角竜王 ドラム
『角王』
サイズ2/攻6000/防5000/打撃3/【ソウルガード】ソウル1
ツバサ「ふふふ………、ターンエンドよ。」
◼️手札4/ゲージ0/LP12
今のターンは危なかった。少しでも気を抜けば穂乃果の敗北は必至、このターンでなんとか逆転のカードを引かなければ、穂乃果に次のターンは無いだろう。
穂乃果「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」
◼️手札0→1/ゲージ1→2
穂乃果「キャスト〈ドラゴニック・グリモ〉手札を全て破棄して3ドロー!」
◼️手札1→0→3
穂乃果には捨てる手札は無い。だが3枚ドローする能力のみ発動はできる。
穂乃果「キャスト〈ドラゴファイト 五角の奮起〉ダメージ1を受けて………うぅ! デッキトップから3枚確認、その中から2枚を手札に加えて、1枚をチャージ」LP5→4
◼️手札3→2→4/ゲージ2→3
穂乃果「私は負けられない。いくよドラム!」
ドラム『穂乃果………、そうか、まだ出した事なかったな!』
千歌とのファイトで迷いが晴れた穂乃果のデッキには進化した新たなドラムが入っていた。そう「レギアスドラム」だ。だがもう一枚、この大会では一度も見せていないカードが存在する。穂乃果も実戦で使うのはこれが初めてだ。
ドラム『見せてやるぜ、お前らを倒す為に進化した新たな力って奴を!』
穂乃果「ゲージ3払い、ドラムに重ねて超進化!」
◼️手札4→3/ゲージ3→0
ドラムは分厚い黄赤い光に包まれて姿が見えなくなる。
穂乃果「希望の光纏いし五角の後継者よ。闇晴し蒼天の玉座より腰を上げ、"威風堂々"真の王たる姿を見せよ! 〈真・五角超竜王 インペリアル・ドラム〉」
真・五角超竜王 インペリアル・ドラム
ドラゴンW
武装騎竜/赤竜
サイズ2/攻10000/防5000/打撃2
『角王』
◼️【コールコスト】君の場のカード名に「五角」を含むサイズ2以上のモンスター1枚までの上に重ね、デッキの上からカードを1枚ソウルに入れて、ゲージ3払う。
◼️このカードはセンターにコールできない。
◼️君がダメージを受けた時、君のドロップかデッキの上から1枚をこのカードのソウルに入れ、このカードの攻撃力+3000!さらに、相手の場のカードを1枚を選んで破壊するか、選んだカードのソウル1枚をドロップに置く。
◼️"強固なる絆"君のライフが0になるなら、このカードのソウル1枚を捨ててよい、捨てたら、君のライフは5になる。
【3回攻撃】【ソウルガード】/ソウル3
黄赤い光りから現れたドラムは、身体には白をメインに赤みの強い黄色い配色がされたノースリーブの和洋を合わせたような甲冑を着て、両の肩当てからは角のような突起が突き出ている。両腕には袖付きの籠手を装着し、頭には2本の角のような突起がついたヘルムを被り、髪は燃えるように伸び、逆立って靡いている。背には鎧のような竜の羽根が生えていた。そして、手には
ドラム『見やがれ!これがレギアスをさらに超えた俺の姿だ!』
アジダハーカ『ふん………。いくら息巻こうと無駄なことよ。』
ドラム『無駄かどうかその身で味わってみな』
穂乃果「角王フォースの能力で私にダメージ1! くぅ………! そして私がダメージを受けた事で、インペリアルドラムの能力発動! 自身の攻撃力を+3000! さらにデッキトップから1枚をソウルイン!」LP4→3
インペリアルドラム
攻10000→13000/ソウル3→4
穂乃果「さらに相手のカード1枚を選んで破壊する!」
ツバサ「忘れたのかしら? このアジダハーカは効果では破壊されない。」
ツバサの言う通り、アジダハーカは効果によっては破壊されない。 それは先程のレギアスドラムによって証明されている。もちろん穂乃果もそれを忘れた訳ではない。
穂乃果「分かってます。でもインペリアルドラムの能力にはまだ続きがある。」
ツバサ「続き?」
穂乃果「はい。インペリアルドラムの能力は、選んだカードを破壊するか、または選んだカードのソウル1枚をドロップに置く!」
ツバサ「な………⁉︎ソウル破壊⁉︎」
インペリアルドラムは黄赤いオーラを放ち、太刀に力を溜める。 同時にアジダハーカの胸あたりから1枚のカードを包み込んだ薄黒い球体が出現する。 そしてドラムは高く飛び上がり、力を溜めた太刀で薄黒い球体ごと中のカードを斬り裂いた。
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード
ソウル3→2
アジダハーカ『ぐぅ………!』
ドラム『どうだ? さっきより無駄なんて思えなくなっただろ?』
アジダハーカ『ぐ、小僧がぁ………!』
ドラムの若干煽りを含む口調にアジダハーカも少しは怒りをあらわにする。 だがその怒りはドラムの口調に対するよりも、ソウルを直接狙われるという予想外の不意打ちに対するものが大きいかった。
ツバサ「さすが、やるわね。」
穂乃果「角王フォースの能力で、私がダメージを受けた時、ツバサさんにダメージ1!」
穂乃果はツバサに向けて斬撃を飛ばす。
ツバサ「うっ……」LP12→11
穂乃果「さらにキャスト〈ドラゴウィズダム 五角の知恵〉私にダメージ1………うっ! 1チャージ、1ドロー!」LP3→2
◼️手札3→2→3/ゲージ0→1
穂乃果「私がダメージを受けた事で、角王フォースの能力でライフ+3!」LP2→5
穂乃果「さらにインペリアルドラムの能力、デッキトップから1枚をソウルに入れて、インペリアルドラム自身の攻撃力+3000!」
インペリアルドラム
攻13000→16000/ソウル4→5
穂乃果「さらにアジダハーカのソウルを1枚破棄!」
ドラムは再び太刀にエネルギーを集め、アジダハーカからは薄黒い球体に包まれたカードが現れる。
ドラム『もう一度くらいやがれ!!』
ドラムは太刀に込めたエネルギーを斬撃として飛ばし、具現化したアジダハーカのソウルを破壊した。
アジダハーカ
ソウル2→1
アジダハーカ『ぐぅぅ………』
穂乃果「いくよ、アタックフェイズ! インペリアルドラムでアジダハーカに攻撃!」
ツバサ「ソウルガード」
ドラムは鎧のような竜翼を広げて飛び、前方のアジダハーカの真ん中の竜頭を斬り裂く。
インペリアルドラム
攻16000
アジダハーカディスペアーオーバーロード
棒10000
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード 撃破!
【ソウルガード】ソウル1→0
ソウルガードによって斬られた竜頭はすぐに再生する。
ツバサ「アジダハーカの破壊時能力で、インペリアルドラムを破壊する!」
穂乃果「ソウルガード!」
破壊された竜頭に代わり、アジダハーカの後方2本の竜口に力が集まり、インペリアルドラム目掛けてエネルギー弾を飛ばす。
インペリアルドラム 破壊!
【ソウルガード】ソウル5→4
穂乃果「インペリアルドラムの2回攻撃で、アジダハーカに攻撃!」
ドラム『こいつで終いだ!!』
ドラムは再び竜翼を広げて飛び、エネルギーを込めた太刀でアジダハーカの胸部を刺し貫く。 そしてアジダハーカの胸部に風穴が空き爆発するように破壊された。
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード 完全撃破!
ツバサ「アジダハーカの破壊時効果でインペリアルドラムを破壊!」
穂乃果「ソウルガード!」
破壊されたアジダハーカの亡霊が黒いオーラとなってドラムにまとわりつき、ドラムは黒いオーラに押し潰される。
インペリアルドラム 破壊!
【ソウルガード】ソウル4→3
ツバサ「さらに終焉魔竜覇王女 ツバサの能力、破壊されたアジダハーカを私のソウルに入れる。そしてライフ+3!」LP11→14
破壊されたアジダハーカの亡霊が黒いオーラとなってツバサの鎧に吸収される。そしてツバサはさらに黒いオーラを増幅させる。
ツバサ「さらに対抗でツバサの能力発動!"我が深淵の底より魔竜を呼ぶ" 手札を1枚捨て、私のソウルにある〈終焉絶超魔竜王 アジ・ダハーカ"ディスペアー・オーバーロード"〉をノーコストでセンターにコール!」
◼️手札4→3
ツバサの鎧が纏う黒いオーラがセンターに渦巻き、渦巻くオーラをかき消すようにアジダハーカ ディスペアーオーバーロードが現れる。
ドラム『な、何だと⁉︎』
アジダハーカ『先程から言っていたはずだ。我は不死身なのだと………。貴様がいくら息巻こうと全ては無駄だ。』
ドラム『チィッ………!』
穂乃果「まだだよ!インペリアルドラムは3回目の攻撃ができる! インペリアルドラムで、アジダハーカに攻撃!」
インペリアルドラム
攻16000
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード
防10000
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード 撃破!
ドラムは太刀にエネルギーを集め、光りの刃を形成する。そして横に薙ぐようにアジダハーカに2刃の斬撃を飛ばす。
放たれた2刃の斬撃はアジダハーカの首を全て斬り落とし、アジダハーカの身体を横一線に斬り裂く。
ツバサ「アジダハーカの破壊時能力でインペリアルドラムを破壊。」
穂乃果「ソウルガード!」
破壊されたアジダハーカは黒い竜頭のようなオーラとなってドラムを飲み込むように破壊する。
インペリアルドラム 破壊!
【ソウルガード】ソウル3→2
ツバサ「さらに破壊されたアジダハーカをツバサのソウルに入れ、ライフ+3。」LP14→17
◆
ことり「ツバサさんのライフが、どんどん増えてく⁉︎」
海未「あれだけの強力なコンボに加えて、増大するライフ………、勝ち目どころかキリがありませんね。」
凛「逆に穂乃果ちゃんは自分のカードの能力でライフを減らして戦ってるにゃ。 これじゃ穂乃果ちゃんが不利すぎるよ⁉︎」
にこ「今更でしょ。アレが穂乃果の戦いかたなのよ。」
希「自分でダメージを受けて、多大なアドバンテージを得ながら勝利へと繋げていく。それが穂乃果ちゃんのファイトの特徴やからね。」
◆
穂乃果「角王フォースでツバサさんに攻撃!打撃2!」
ツバサ「くっ………」LP17→15
穂乃果「ターンエンド。」
◼️手札3/ゲージ1/LP5
ツバサ「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー」
◼️手札3→4/ゲージ0→1
ツバサ「ツバサに変身している以上、私は自身の能力以外でモンスターをコールできず、アイテムを装備することもできない。 "ツバサの能力以外"ではね。 ツバサの起動能力、"我が深淵の底より魔竜を呼ぶ" 手札を1枚捨て、私のソウルから〈終焉絶超魔竜王 アジ・ダハーカ"ディスペアー・オーバーロード"〉をノーコストでライトにコール!」
◼️手札4→3
終焉絶超魔竜王 アジ・ダハーカ"ディスペアー・オーバーロード"
サイズ4/攻50000/防12000/打撃3
【3回攻撃】【移動】【ソウルガード】
ツバサ「見せてあげるわ穂乃果さん。さっきは見せられなかった、アジダハーカの真の恐ろしさを………」
穂乃果「え?」
ツバサ「アタックフェイズ。 アジダハーカ ディスペアーオーバーロードで攻撃! そして能力発動!"デミス・ディスペアー・ヒストリー" 相手のモンスター全てと穂乃果さんに同時に攻撃する!」
穂乃果「ドラムのソウルガード!」
アジダハーカは前方3本の竜口全てにエネルギーを集中させて魔力の弾丸を作る。そして穂乃果のフィールド全体を目掛けて5発のエネルギー弾を同時に撃ちだす。
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード
攻50000
インペリアルドラム
防5000
インペリアルドラム 撃破!
【ソウルガード】ソウル2→1
穂乃果「うわぁぁ!!」LP5→2
魔力弾の直撃によって穂乃果は吹き飛ばされ、床を滑るように背中から倒れる。 バディヴィジョンの強い衝撃によるものとはべつに背中に痛みが走るが、穂乃果は立ち上がる。
穂乃果「くっ………! 私がダメージを受けた事でインペリアルドラムの能力! デッキトップから1枚をドラムにソウルイン!」
インペリアルドラム
ソウル1→2
インペリアルドラムには、穂乃果がダメージを受けた時に相手のカードを1枚破壊するか、ソウル1枚をドロップに置く事ができる。だがツバサの場にあるカードは全て効果では破壊されないカードばかりであり、除去するソウルを持っているカードも無い。今ドラムがツバサ達から奪い取れるものは何も無かった。
穂乃果「角王フォースの能力で、私がダメージを受けた時、ツバサさんにダメージ1!」
ツバサ「ふふふ。今さらそんな程度。」LP15→14
ツバサ「アジダハーカの2回攻撃 "デミス・ディスペアー・ヒストリー"!」
穂乃果「キャスト!〈ドラゴンシールド 竜王の盾〉攻撃を無効化して、私にダメージ1!」LP2→1
◼️手札3→2
アジダハーカの後方2本の竜口に魔力が集中する。そして2本一斉に魔力のビームを撃ち出す。だが穂乃果とドラムの前に天武という竜の顔を模した盾が現れて、2人を攻撃から守る。
穂乃果「竜王の盾の能力でダメージを受けた事で、インペリアルドラムにソウルを追加! 角王フォースの能力で私のライフ+3!」LP1→4
インペリアルドラム
ソウル2→3
ツバサ「アジダハーカで3回目の攻撃!"デミス・ディスペアー・ヒストリー"」
穂乃果「ドラムのソウルガード!」
アジダハーカは前方後方の合計5本の竜口に魔力を集中させる。そして数秒後、5本の竜頭は一斉に穂乃果とドラム目掛けて魔力の弾丸を放つ。
放たれた魔力の弾丸は穂乃果とドラムに触れた瞬間に大爆発を起こした。
インペリアルドラム 撃破!
【ソウルガード】ソウル3→2
穂乃果「うわぁぁぁぁぁ!!」LP1→0
穂乃果のライフのカウントが0になった。それを見届けてツバサは勝利を確信した。
ツバサ「勝った………。私はついに勝ったのよ、穂乃果さんに! これで私は、はれて日本一の座を手に入れた。私は………!!」
ツバサは敗者の前で過剰に喜びは見せない。今回もそのつもりだったが、ツバサは未だ爆煙に包まれる穂乃果に背を向け、念願だった穂乃果への勝利に、ツバサの身体は喜びに震えている。抑えていた感情が言葉になって溢れ出す………、はずだった。
だがなぜだろう。勝利の喜びとは別にツバサはなぜか煮え切らないものを感じていた。漠然としない。素直に安心できないようなそんな感じ。今ツバサが抱いているソレは"疑念"のようなものだった。
分からない。自分は確かに穂乃果に勝利した。穂乃果のライフカウンターが0になるのを見た。この会場にいる、テレビを見ている、ネット配信を見ている全ての人間がツバサの勝利を目撃しているはず。 なのに、なぜ勝利への喜びとは別に満足できないのか、不安が勝っているのか、ツバサにはまったくもって理解ができない。
それもそのはずだ。立ち込める爆煙の中から今でも感じる強いプレッシャー、そして背後から感じる、まるで強大な何かに見つめられているような、巨大な手に身体を握られているような、そして背中に刃物を突き立てられているような鋭い視線を感じる。
「まだ………ファイトは終わってませんよ。」
ツバサ「………………っ⁉︎」
爆煙の中から聞こえたその声にツバサはゆっくりと振り向く。 徐々に晴れていく爆煙の中から強い光りを宿した蒼々たる双眸がツバサを真っ直ぐに見つめている。ファイトの序盤からずっと見せていたいつもの笑みで、そこに立っていた。
穂乃果「………………」LP5
ツバサ「どういう事………? あなたのライフはたしかに0になったはず。なのになぜ………⁉︎」
穂乃果「インペリアルドラムの最後の能力"強固なる絆" 私のライフが0になるなら、ドラムのソウル1枚をドロップに置くことで、私のライフは5になる。」
インペリアルドラム
ソウル2→1
ツバサ「なんですって………⁉︎」
◆
爆煙が晴れ、立っていた穂乃果の姿を見て、特等席でファイトを見ていた全員がホッと胸を撫で下ろす。
千歌「穂乃果さん………良かったぁ〜〜」
梨子「ほんとに負けちゃったかと思ったね。」
善子「まったく、危なっかしいわね!」
真姫「ほんとね。さすがにヒヤヒヤしたわ。」
花陽「でも良かったね。穂乃果ちゃんはまだ戦えるみたい!」
絵里「まだ安心はできないわ。」
希「そうやね。穂乃果ちゃんが無事なのは良かったけど、今はまだツバサさんのターン中や。」
◆
ドラム『俺たちの絆を甘く見たようだな!』
アジダハーカ『ぬぅ、小癪な奴らよ………!』
穂乃果「私達のファイトはまだ終わってない。」
ツバサ「………………」
さすがに予想外だった。まさかライフを0まで減らして尚、ファイトが終わったない事に、穂乃果が立っている事に。 だが同時に、なぜか安心感もあった。このファイトがまだ終わらない、まだまだ続けられる事に高揚感すら感じている。
ツバサ「そう。………まだファイトは終わってないのね。」
ツバサは小さく呟き、ギラついた鋭い眼で、未だ眼前に立つ穂乃果に笑みを向ける。そしてツバサは再び黒いオーラを放ち、腕を伸ばし、掌を広げる。
ツバサ「まだ私自身の攻撃は残っている! 終焉魔竜覇王女ツバサでインペリアルドラムを攻撃する!」
この攻撃で穂乃果を狙うのもいいが、今厄介なのはインペリアルドラムだ。再び穂乃果のライフを0に減らしたとしても、またインペリアルドラムの能力で0にしたライフが復活してしまう。 このターンで穂乃果のライフを削りきる事はできないが、優先してインペリアルドラムを始末するのに越した事はない。
広げたツバサの掌に魔力が集まり魔力の弾丸ができる。そしてそれをインペリアルドラム目掛けて放つ。
穂乃果「ソウルガード!」
終焉魔竜覇王女ツバサ
攻12000
インペリアルドラム
防5000
インペリアルドラム 撃破!
【ソウルガード】ソウル1→0
ツバサ「ツバサの2回攻撃! インペリアルドラムに攻撃する!」
ツバサは再び掌に魔力を集中させ、ドラムに弾丸を放つ。
穂乃果「キャスト!〈ドラゴン・ガード〉ドラムへの攻撃を私に移す!」
◼️手札2→1
穂乃果はドラムの前に移動し、ドラムの代わりに魔力の弾丸を自ら受ける。
穂乃果「うわぁぁ!!」LP5→3
穂乃果「そして………1ドロー! さらに私がダメージを受けた事で、インペリアルドラムの能力、デッキトップから1枚をドラムにソウルイン!」
◼️手札1→2
インペリアルドラム
ソウル0→1
ドラム『すまねぇ、助かったぜ穂乃果。』
穂乃果「うん。」
ツバサ「くっ………!」
穂乃果が使った「ドラゴン・ガード」で完全にツバサの計画は狂った。このターンで穂乃果は仕留めきれなくても、今の攻撃が通ればソウルの無いインペリアルドラムを完全に場から消す事ができたはずだ。だがドラゴンガードの能力により、穂乃果は自らダメージを受け、ドラムを守っただけではなく、穂乃果がダメージを受けた事でインペリアルドラムは自身の能力でソウルがさらに1枚増えてしまった。 これでこのターン、ツバサの攻撃でインペリアルドラムを完全に場から離す事も、穂乃果を倒しきる事もできなくなったのだ。
ツバサ「ツバサでインペリアルドラムに3回めの攻撃!」
穂乃果「ソウルガード!」
インペリアルドラム 破壊!
【ソウルガード】ソウル1→0
ツバサ「ターンエンドよ。」
◼️手札3/ゲージ1/LP14
穂乃果「私のターン! ドロー!チャージ&ドロー!」
◼️手札2→3/ゲージ1→2
ライフは一度0になったが、ドラムの能力のおかげで何とか今のターンまで繋げられた。だが、今の穂乃果のライフは3、対してツバサのライフは18もある。 このターンだけでツバサのライフを全て削りきり、勝利するのはほぼ無理だろう。
かと言って諦めるわけにはいかない。
穂乃果「私は諦めない。私が今この場に立っていられるのは、私の夢を応援して、私を信じてくれるみんながいるから。 いつも近くで私を支えてくれた海未ちゃん、ことりちゃん、雪穂、お母さん。 私の夢を応援して期待してくれるμ's、サツキ君、Aqoursのみんな。 ずっと一緒に戦ってくれたドラム。 そして、こんな私に憧れて目標にしてくれた、この場に立つ勇気を私にくれた千歌ちゃん。私をここまで導いてくれたみんなの為にも、私は負けない!!」
穂乃果の内に秘める熱い思いに呼応するように、ドローした1枚が白く光る。そして穂乃果の角王フォースのオーラがその1枚に吸収され、そして白い光りが赤黄色い光りとなって輝きを増す。
穂乃果「私のライフ6以下で場にドラムがいるなら、ゲージ2払って………〈超・角王フォース"五角の戦姫
◼️手札3→2/ゲージ2→0
超・角王フォース"五角の戦姫
ドラゴンW
武装騎竜/武器
アイテム:攻8000/打撃2
〈解放条件〉(君のライフが6以下で、君の場にカード名に「ドラム」か「ジード」を含むサイズ2以上のモンスターがいる。)
◼️【コールコスト】ゲージ2払う。
◼️このカードは相手の効果で破壊されず、手札とデッキに戻せず、能力は無効化されない。
◼️【対抗】【起動】君にダメージ1!さらに君のターン中なら、君のドロップからカード名に「五角」を含むモンスター1枚までを【コールコスト】を払わずコールする。この能力は1ターンに1回だけ使える。
◼️君がダメージを受けた時、以下の能力を全て使える。この能力は1ターンに1回だけ使える。
・君の場のカード名に「五角」を含むカード全ての攻撃力+5000!
・君のデッキの上から1枚ゲージに置いて、カード1枚を引く。
・君のライフ+4!
【3回攻撃】【貫通】
穂乃果は赤みの強い橙色のオーラを纏い、上半身には穂乃果の胸を強調した胸元が開いた袖なしの洋和風の鎧、下半身にはミニスカート風の鎧、外側の腰鎧からはマントが伸びて靡いている。 両腕には手から肘までのガントレット、両脚には膝下までのレッグアーマー、穂乃果の髪は全体的に伸び、右手と左手に太刀を1本ずつ握っている。 そして、穂乃果が少し動くたびに火の粉のような橙色の粒子が舞う。
穂乃果「………………」
ツバサ「まさか、新しい角王フォース………⁉︎」
穂乃果「ツバサさん。私は必ず勝ちます。」
穂乃果の目は先程よりもさらに強く光りを宿している。
穂乃果「超角王フォースの起動能力発動! 私にダメージ1!………くぅ!」LP3→2
超角王フォースの光りが温度を急上昇させ、その熱が穂乃果にダメージを与える。だがその熱上昇はほんの一瞬だけだ。
穂乃果「さらに私のターン中なら、ドロップから五角1枚をノーコストでコールできる。 私はドロップから〈五角大帝王竜 エンペラー・ジード〉をレフトにコール!」
五角大帝王竜 エンペラー・ジード
ドラゴンW
武装騎竜/竜牙
サイズ3/攻8000/防5000/打撃3
◼️【コールコスト】君の場のカード名に「五角」を含むモンスター1枚までの上に重ねて、ゲージ2払う。
◼️君のターン中、このカードの能力は無効化されない。
◼️【起動】君のドロップからカードを1枚、このカードのソウルに入れて、このカードの攻撃力+4000!
◼️君がダメージを受けた時、そのターンのファイナルフェイズ開始時に次の2つから1つ選んで使える。この能力は1ターンに1回だけ使える。
・このカードをスタンドする。このカードはファイナルフェイズ中にも攻撃できる。
・君のデッキの上からカードを2枚ゲージに置く。
【貫通】【ソウルガード】ソウル1
穂乃果の場に、青白い西洋風の鎧を着て、頭には青白い仮面のようなヘルムを被り、手と腕には巨大な爪を模したガントレットを装備した群青色の人竜が現れた。
ジード『やっと復活できたぜ。』
穂乃果「さらに超角王フォースの能力、私がダメージを受けた時に3つの能力を使える!」
ツバサ「3つの能力………?」
穂乃果「1つ目、インペリアルドラム、エンペラージード、超角王フォースの攻撃力+5000!」
インペリアルドラム
攻10000→15000
エンペラージード
攻8000→13000
超角王フォース
攻8000→13000
穂乃果「2つ目、1チャージ、1ドロー!」
◼️手札2→3/ゲージ0→1
穂乃果「3つ目、私のライフ+4!」LP2→6
ツバサ「たった1度のダメージでここまでアドバンテージを得るなんて、さすがだわ。」
穂乃果の超角王フォースは1度のダメージで、全てのカードの攻撃力バンプアップ、1チャージ、1ドロー、ライフの増加、そして自分のターンのみドロップからのモンスターのコール、この4つの能力を1度に発動させた。 これはかなりのアドバンテージになる。
穂乃果「さらにインペリアルドラムの能力、デッキトップから1枚をソウルに入れて、攻撃力+3000!」
インペリアルドラム
攻15000→18000/ソウル1→2
穂乃果「エンペラージードの起動能力、ドロップから1枚をソウルに入れて、攻撃力+4000!」
エンペラージード
攻13000→17000/ソウル0→1
穂乃果「キャスト〈ドラゴウィズダム 五角の知恵〉ダメージ1を受けて、1チャージ、1ドロー!」LP6→5
◼️手札3→4/ゲージ1→2
穂乃果「ドラゴウィズダムのコストでダメージを受けた事で、さらにインペリアルトラムの能力、デッキトップから1枚をソウルに入れて、攻撃力+3000!」
インペリアルトラム
攻18000→21000/ソウル2→3
穂乃果「さらに私がダメージを受けた時にキャスト!〈ドラゴ・インデュア〉3チャージ!」
◼️手札4→3/ゲージ2→5
穂乃果「いくよ!ドラム、ジード! アタックフェイズ!」
ツバサ「アジダハーカをセンターに移動!」
アジダハーカ
ライト→センター
穂乃果「エンペラージードでアジダハーカを攻撃!」
エンペラージードは巨大な爪のようなガントレットでアジダハーカを斬り裂く。
エンペラージード
攻17000
アジダハーカ
防10000
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード 撃破!
穂乃果「貫通、打撃3!」
ツバサ「くぅぅっ!」LP14→11
ツバサ「アジダハーカの破壊時能力、インペリアルドラムを破壊!」LP15→17
穂乃果「ソウルガード!」
アジダハーカの亡霊は自身を破壊したジードに目もくれずドラムに襲いかかる。
ドラム『ぐぁぁぁ!!』
インペリアルドラム 破壊!
【ソウルガード】ソウル3→2
ジード『チッ………、俺を無視して、あくまでドラム狙いかよ!』
インペリアルドラムには穂乃果のライフを0にしても、ライフ5で復活させる能力がある。だがそれはインペリアルドラムのソウルがあってこその能力、インペリアルドラムを破壊しきれずとも、ソウルさえ完全に無くしてしまえば、"強固なる絆"は発動できなくなる。 ツバサの狙いはそこにあるが、できる事ならインペリアルドラムを完全に破壊してしまいたい。
ツバサ「さらに私の能力で、アジダハーカをソウルイン!ライフ+3!」LP11→14
ツバサ「さらに、手札を1枚捨ててツバサの能力!"我が深淵の底より魔竜を呼ぶ"! ソウルから復活せよ〈終焉絶超魔竜 アジ・ダハーカ ディスペアー・オーバーロード〉」
◼️手札3→2
終焉絶超魔竜 アジ・ダハーカ ディスペアー・オーバーロード
サイズ4/攻50000/防10000/打撃3/【3回攻撃】【移動】【ソウルガード】ソウル0
ドラム『また復活しやがった………』
穂乃果「関係ないよ。復活したならまた倒す!」
ドラム『だな!』
穂乃果「超角王フォースでアジダハーカに攻撃!」
穂乃果の腰あたりから赤みの強い橙色の光りの翼が展開し、飛翔する。 そして左手の太刀で横薙ぎの斬撃、右手の太刀で縦薙ぎの斬撃を飛ばして、アジダハーカの身体を十字に斬り裂く。
アジダハーカ ディスペアーオーバーロード 撃破!
穂乃果「貫通! 打撃2!」
アジダハーカを斬り裂いた十字形の斬撃は、そのままツバサにも直撃する。
ツバサ「うぅぅ………!」LP14→12
ツバサ「アジダハーカの破壊時能力、インペリアルドラムを破壊!」
穂乃果「ソウルガード!」
インペリアルドラム 破壊!
【ソウルガード】ソウル1→0
ツバサ「そして、アジダハーカを私のソウルに入れて、ライフ+3!」LP12→15
ドラム『チッ! 貫通で減らしたライフもすぐに元もおりになっちまうな………』
穂乃果「うん。でもこれで気兼ねなく攻撃できるよ!」
ツバサの持つ能力、"我が深淵の底より魔竜を呼ぶ"の能力はお互いのターンに1回ずつしか発動できない。ソウルから出てきたアジダハーカさえ倒してしまえば、このターンはアジダハーカの復活もなく、ライフは増えるとしても、ツバサの場はがら空きになり、好きなだけ攻撃を通す事ができる。
穂乃果「こっから巻き返すよ! 超角王フォースは後2回攻撃できるけど………、インペリアルドラムでツバサさんに攻撃!打撃2!」
ドラムはツバサに向かって行き、一刀二刃の太刀をツバサに振り下ろす。瞬間、ガィーーン!と言う甲高い音を立てて、ツバサは鎧の腕で太刀を受け止める。だが衝撃はツバサの腕に痺れを与える。
ツバサ「くっ………!」LP15→13
ツバサは痺れに耐えながら、強引にドラムの太刀を弾き返す。
穂乃果「インペリアルドラムで3回攻撃!打撃2!」
ドラムは弾かれた反動で後退するが、ドラムは再び太刀を構えてツバサに斬りかかる。ドラムの太刀はツバサの肩から斜め下に鎧を斬りつける。だがツバサの鎧に傷はつかない。
ツバサ「うぅ………!!」LP13→11
穂乃果「超角王フォースでツバサさんに攻撃! 打撃2!」
超角王フォース"五角の戦姫 焔華"
攻13000
終焉魔竜覇王女 ツバサ
防8000
穂乃果は腰あたりから翼をはためかせて飛翔し、左手の太刀を振り上げてツバサに斬りかかる。だがツバサも背中の鎧の翼を広げて躱すように飛び上がる。穂乃果もすかさずツバサを追うように飛び、右手の太刀を前方に突き出してツバサの腹部を突く。ツバサの鎧に傷はつかないが、突き上げた衝撃がツバサを勢いよく突き飛ばす。
ツバサ「ぐぅぅ!!」LP11→9
ツバサが吹っ飛んだ先には壁があるが、ツバサは羽根に力を入れて、なんとか壁にぶつかる前に、空中に飛びとどまる。
穂乃果「超角王フォースでツバサさんに3回目の攻撃!」
穂乃果は攻撃の宣言と同時にすかさず双刃を構えてツバサに斬りかかる。だがツバサは鎧の腕で穂乃果の太刀をガードする。右の振り下ろしを右腕で受け止め、左の太刀の斬り下ろしも左腕で受け止め、穂乃果は間髪入れずに右の太刀でツバサの胸あたりに突きを入れようとするが、ツバサはさらに右腕で太刀を上に弾いて軌道をずらして突きを躱す。 穂乃果は右の太刀を弾くために大きく開いた隙間を見逃さず、右足でツバサの腹部を思いっきり蹴り飛ばす。 蹴り飛ばされたツバサは勢いよく壁に叩きつけられ、壁にヒビが入って大きく凹み、濃い粉塵が立ち込める。
だがツバサは羽根を広げて粉塵を払い去り、天高く飛翔する。ツバサは穂乃果を見下ろしながら自身の腕に黒紫の魔力を集中して纏わせる。そして高密度の魔力を纏った拳を構えて、穂乃果に向かって一気に急降下し、穂乃果にむけて魔力を纏った拳を突き出す。穂乃果は咄嗟に太刀をクロスに組み、ツバサの拳をガードするが、拳が太刀に触れた瞬間に拳に纏った魔力が弾丸のように射出され、ガードごと穂乃果を自陣の壁際まで押し飛ばす。
穂乃果は背中から壁に衝突し、そして魔力の弾丸は轟音を響かせて爆発する。
ドラム『穂乃果⁉︎』
ツバサ「ふふふ………」
魔力の爆発で壁には大きな凹みができ、粉塵と爆煙が立ち込める。 会場を包む沈黙の中、突然、爆煙から橙色のX字型の斬撃がツバサ目掛けて飛んでくる。
ツバサは不意を突かれたように両腕でその斬撃を受け止める。受け止めた斬撃は4秒ほどで消滅するが、瞬間、ツバサは背後に気配を感じて即座に振り向く。そこにはいつの間にか穂乃果は左手の太刀を振り上げてツバサに斬りかかって来ていた。 その時の穂乃果の蒼々とギラギラした眼がツバサを威圧する。
ツバサ「くっ………!」
ツバサが振り向いたと同時に穂乃果は振り上げた左手の太刀を振り下ろし、ツバサの右肩からまっすぐ一線に斬る。だがツバサの纏う鎧は堅く傷がつく事はない。そんな事はお構いなしに穂乃果はすかさず右手の太刀でツバサの左肩から斜め左下にツバサの鎧を斬りつける。さらに今振り下ろした右手の太刀を横薙ぎにツバサの腹から胸までを斬りつけ、その隙に振り上げた左手の太刀でツバサの右肩から斜め左下に斬り下ろし、素早く右手の太刀でツバサの鎧に刃を入れる。 その一連の動きを連続で繰り返しながら、穂乃果はツバサを下へ下へと追い詰めて行く。
上下逆転。穂乃果の激しく、素早く、重い斬撃を受け、ツバサは完全に抵抗する隙を無くしていた。ツバサは穂乃果の力任せの刃撃を受けながら天から地へと引きずり落とされていく。 そして最後、会場の床が数百メートルに差しかかったところで、穂乃果は右手の太刀に闘気を込めて、右手に持つ太刀は赤みの強い闘気の光りを纏い、穂乃果はその切っ先ををツバサの胸に向けて構え、そして思いっきりツバサの胸を突き、刃先を押し込む。 その瞬間の衝撃波が会場に強い突風を起こす。
ツバサ「ぐぅぅぅ………!がはぁ!!」LP9→7
強い闘気を纏う刃先がツバサの胸から全身に強い衝撃を与え、ツバサはもの凄い勢いで自陣の足場だった地面に叩き込まれ、会場に強い振動と轟音が響く。 ツバサが押し込まれた床は酷くビビ割れ、陥没し、激しい粉塵を巻き上げる。
攻撃を終えた穂乃果は腰の翼をはためかせ、自陣に戻る。穂乃果も「はぁ………、はぁ………」と荒い息をはく。
ツバサは全身に走った衝撃と痺れを残しつつも、上体を起こして立ち上がる。 闘気がこもった強力な突きを受けた胸部の鎧はビビ割れ、ほんの少し砕けている。
ツバサ「ぐっ………、ふふふ………! やるわね、穂乃果さん」
穂乃果「はぁ、はぁ、はぁ………、ファイナルフェイズ!!」
ツバサ「っ⁉︎」
穂乃果「エンペラージードの能力で、私がダメージを受けたターン中なら、エンペラージードをスタンド! そしてファイナルフェイズ中にも攻撃できる! エンペラージードでツバサさんに攻撃!打撃3!」
エンペラージード
攻17000
終焉魔竜覇王女ツバサ
防8000
エンペラージードは巨大な爪のガントレットでツバサを切り裂く。
ツバサ「キャスト!〈ドラゴンシールド 青竜の盾〉攻撃を無効化して、1チャージ!」
◼️手札2→1/ゲージ1→2
耐えた。このターン、ツバサは膨大なライフを持って穂乃果のあらゆる攻撃に耐える事ができた。しかも自分にはまだライフが7残っている。このターンが終われば次は自分のターン。 次のそのターンで、このファイトに終止符を打てる。 ツバサはそう思っていた。
穂乃果が見せた鋭くギラついた眼を、そして強い意志を宿した笑みを見るまでは………!
穂乃果「私のライフが5以下で、私の場にサイズ2以上の「五角」モンスターが居て、アイテムを装備していて、お互いのセンターにモンスターがいないなら………キャスト!〈五角超竜奥義 大刃撃!ギガインペリアル・パニッシャー‼︎〉」
◼️手札3→2/ゲージ5→1
五角超竜奥義 大刃撃!ギガインペリアル・パニッシャー‼︎
ドラゴンW
ドラゴン/武装騎竜
必殺技
◼️君の場のカード名に「五角」を含むモンスターのサイズの合計が2以上で、君がカード名に「五角」を含むアイテムを装備していて、お互いのセンターにモンスターが居ないなら使える。
◼️【使用コスト】ゲージ4払う。
◼️君の場のカード名に「五角」を含むカード全ての打撃力を合計した数値分、相手にダメージ!! さらに、君の場にモンスターがいないなら、このカードの効果で相手に与えるダメージ+2!!
◼️このカードの効果は無効化されず、ダメージは2より減らない。
穂乃果の両手の双刃が穂乃果の身の丈以上もある1本の大太刀になり、穂乃果はそれを両手で持ち上げる。そして穂乃果の上空にも穂乃果の持つ大太刀よりもさらに20倍はあろうかと言うほどの超巨大な一刀三刃の大太刀が現れる。
穂乃果「この必殺技は、私の場の「五角」のカード全ての打撃力の合計を相手に与える!」
ツバサ「なんですって⁉︎」
ドラムとジードはオーラを放ち、そのオーラがその大太刀に吸い込まれるようにして大太刀に力を与える。
超角王フォースの打撃力2、インペリアルトラムの打撃力2、エンペラージードの打撃力3の合計7ダメージとなる。しかも効果を無効化されず、ダメージも2より減らない必殺技。
穂乃果「合計ダメージ7の! 五角超竜奥義 大刃撃!ギガインペリアル・パニッシャーーーーーー!!!!!!」
そして穂乃果が大太刀を振り下ろす動作と同時に、超巨大な一刀三刃の大太刀がツバサ目掛けて振り下ろされる!
振り下ろされた一刀三刃の超巨大な大太刀の斬撃はツバサの全身を飲み込み、今まで滅多な事では傷一つ付かなかった終焉魔龍覇王女の漆黒の鎧を完全に粉砕し、そして巨大な爆発を起こした。
ツバサ「くっ………!ぐっ、うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」LP7→0
負けた………。私が………? だがなぜだろう、不思議と悔しさはなかった。むしろ全力を出し切った末の敗北だからこそ、逆に清々しい感情がツバサを満たす。そして放つ一言は………
ツバサ「見事だわ。穂乃果さん………」
ツバサは大の字に倒れたまま青い空を仰ぐ。ファイトが始まる前に会場の天井は解放され、2人は青い空の下で戦っていた。
穂乃果「ツバサさん。」
ツバサ「私はとうとう、あなたには勝てなかったわね。まだまだ真の日本一は遠いみたい。」
穂乃果「そんな事ないです。私も何度も負けを覚悟しました。食らいついていくのに必死でしたよ。」
ツバサ「ふふふ………。食らいつくどころか、逆に噛み砕かれた気分よ。 でも負けは負け、この結果はすなおに受け入れるわ。」
ツバサは傍で自分を見下ろしている穂乃果に優しく微笑む。本当の本当に、お互いに死力と全力を尽くした素晴らしいファイトだった。そして負けたとはいえ、不謹慎なくらい、清々しくも晴々とした気分は、きっと純粋に今のファイトが最高に楽しかったから。
穂乃果が差し伸べた手をとり、ツバサは立ち上がる。
ツバサ「私の負けよ。やっぱり強いわね穂乃果さん。」
自分の敗北を認め、ツバサは勝者である穂乃果に満面の笑みを見せる。そして………
英玲奈『ツバサ杯、日本一決定戦!勝者は………、新日本チャンピオン"高坂 穂乃果"!!!!!!』
英玲奈の力強い勝者宣言に会場は今までで1番大きく、激しい声援にドッと包まれる。 その声援は会場全体を震わるくらいだ。
それからツバサ杯の閉会式が行われ、チャンピオンへ送られるトロフィーと賞金が元日本一のツバサから穂乃果に送られる。
ツバサ「新日本チャンピオンへの昇格、おめでとう。穂乃果さん」
穂乃果「ありがとうございます。ツバサさん!」
穂乃果とツバサは硬く握手する。
そして新日本チャンピオン穂乃果の優勝によってツバサ杯は幕を下ろしたのだった。
◆
それから数日後………
穂乃果は、海未、ことりと共に静岡県、内浦にある千歌の実家である旅館『十千万』に来ていた。なんでも、新日本チャンピオンになった穂乃果を祝ってくれるらしい。
千歌「いらっしゃいませ!ようこそお越しくださいました。穂乃果さん、海未さん、ことりさん!」
穂乃果達が旅館の入り口に入ると、待っていましたとばかりに千歌と、千歌の姉の志満が正座でお辞儀して出迎える。だが今回は千歌だけ旅館の正装ではないようだ。
海未「これはこれは、丁寧なお出迎え、ありがとうございます。」
穂乃果「久しぶり、千歌ちゃん」
ことり「おじゃまします。」
千歌は「ささ、荷物は私がお持ちしますから!」と、3人を旅館内へと促す。
海未「ありがとうございます。 しかし、よろしいのですか?穂乃果を祝うために旅館を使っても、他のお客様も居るのでは?」
志満「ご心配いりません。今回は特別に穂乃果様御一行の貸し切りでございます。 どうぞ気兼ねなくお過ごしください。」
志満の丁寧な対応と「今回は特別に皆様の貸し切り」と言う言葉に海未は逆に恐縮至極の思いになる。だがせっかくの好意を無下にはできないと思い、今回はお言葉に甘えようと思う。
千歌「もう皆んな来てますよ。さあ行きましょう!」
穂乃果達は千歌に案内されて宴会用の部屋に通される。その部屋の戸が開くと同時に、一斉にパーンパーンと小さな破裂音が響き、紙吹雪や紙の帯が穂乃果達を迎える。 そして「穂乃果さん。新日本チャンピオンおめでとう!」と大人数の声が響く。
宴会の場にはAqoursのみんなと、元μ'sのみんながすでに揃っていた。
みんなの盛大な歓迎に3人は一瞬驚きポカーンとする。けどすぐに我にかえり穂乃果は「みんな、ありがとう。」と感謝を述べる。
にこ「何ボーっとしてるのよ。ほら主役なんだから早くソコに座りなさい。」
希「はい。穂乃果ちゃんの為の特別席や」
にこと希に促されて、穂乃果は自分の為に用意された席、というか椅子に座らされる。その椅子は革のソファで、マッサージ機能付きのそれなりに良いソファだった。
穂乃果やみんなが集まる長テーブルには、沼津や内浦で獲れた新鮮な魚やカニ、エビの料理や肉料理が大量に置かれている。 穂乃果達が来るまで誰一人として料理には手を付けていない様子だ。
千歌「それじゃあ穂乃果さん達も来た事だし、新日本チャンピオンの穂乃果さんを祝う会を開催します! では穂乃果さんに乾杯の音頭を!」
穂乃果「えぇ⁉︎ わ、私⁉︎」
千歌の突然の指名に穂乃果はたじろぐ。当然だ。音頭をとるなんて聞かされてもいない。
梨子「ちょっ!千歌ちゃん、無茶振りが過ぎるよ!」
ダイヤ「そうです!打ち合わせも無しにいきなり失礼ではないですか! すみません穂乃果さん、お気になさらず………」
いきなりの穂乃果への音頭の無茶振りを梨子とダイヤに咎められて少しシュンとする千歌を見て、穂乃果は微笑んで「ううん、良いよ。」と優しく承諾する。
穂乃果「えーと、ごほん! みんな、今日は私の為にこんな凄いお祝いをしてくれてありがとう。 ほんとはね、私、チャンピオンになった自覚って言うのかな?実感がまだあまり湧いてないんだ。 みんながお祝いしてくれるから夢じゃないんだろうけど………。」
穂乃果は少し顔をふせて、目に潤いが溜まるのを堪える。
穂乃果「私、みんなにいっぱい感謝してる。今日まで私はみんなに支えてもらってこの場に居るんだ。 みんなの応援のおかげで、諦めずに日本一になれた、子供の頃からの夢を叶える事ができた。みんな本当にありがとう。」
穂乃果の感謝の思いがこもったスピーチに、海未やことり、絵里、何人かは目に涙を浮かべる
穂乃果「私、ツバサさんとのファイトで分かった事があるんだ。ツバサさんは本当に強かった。紛れもなく日本一のままでも良かったくらいに………でも………」
ーーー回想ーーー
ツバサ杯の閉会式の後、穂乃果はツバサと少し話していた事があった。それは、ツバサが穂乃果に勝って真の日本一になった後に予定してた事だった。
穂乃果の控室………
穂乃果「日本一になった後………ですか?」
ツバサ「ええ。 今日のお昼に言ったわよね?私がずっと海外に居たって事。」
穂乃果「………はい。」
ツバサ「私は、あなたに勝つ為に、そして日本一になる為に海外で色んな人達ファイトしてきたわ。だけど海外でのファイトは私が勝利した数よりも、負けた数のほうが圧倒的に多かった。もちろん、海外のファイターを甘く見ていた訳でも、手加減していたわけでもない。」
ツバサは苦虫を噛んだような、険しい表情になる。
ツバサ「ただ純粋に強かったわ。笑っちゃうくらいに実力の差があり過ぎた。 日本でのランクは1位でも、世界から見ればまだまだ河原に転がっている小石程度に過ぎない。」
今、世界のバディファイト人口は100億を超えている。そう見ても、日本ランクで1位をとったくらいでは世界ランクのトップにはまだまだ届かないだろう。
穂乃果「こんな事聞いちゃうのは野暮だと思いますけど、ツバサさんは世界で何位なんですか………?」
穂乃果のその質問にツバサは顔を上げて、開き直ったように口を開く。
ツバサ「自分にも分からない。世界は広い、もしかしたら数字を見ただけで心が折れそうになってしまうくらい。でも私は諦めないわ。必ずあなたにリベンジを果たして、日本一の座を取り戻す。そして………」
ーーー回想 了ーーー
穂乃果はさっきまでとは打って変わって強い眼差しになる。そしてファイトでよく見せる笑みを浮かべて、声を張る。
穂乃果「私ね、新しい夢ができたんだ。 私はもっと強くなる!そして、今度は………。世界を目指してみたい!!」
穂乃果の決意にも似たその発言に、その場の皆が沈黙する。 今のツバサの話しを穂乃果から聞いて、"世界を目指してみたい"なんて夢物語としか思えない。 とても遥か遠い、茨の道なのかもしれない。けど、この場にいるみんなは、いや、少なくともたった1人、穂乃果の決意に目に涙を浮かべながらも、目を輝かせる人物がいた。
千歌「私、応援します。穂乃果さんの新しい夢を!」
千歌のその一言に周りのみんなも同意するように笑顔で頷く。そんな皆んなの表情に穂乃果の目に溜まっていた涙が一筋、頬をつたう。
千歌「よーーし! 穂乃果さんが新日本チャンピオンになったお祝いと、新しい夢、世界への挑戦を祝って………乾杯!!」
『かんぱーーーい!!』
千歌の乾杯の音頭にみんながより一層の盛り上がりで乾杯をする。
梨子「ってあれ?結局、千歌ちゃんが乾杯を言っちゃうんだ………」
曜「あははは………、千歌ちゃんらしいね。」
その日、十千万からは終始笑いが絶えず、祝いの席は続いた。
穂乃果「成し遂げてみせるよ。最後まで………!」
穂乃果の夢はまだまだ終わらない。次に目指すのは世界のトップだ。
高坂 穂乃果伝 ~夢へのラストロード~ 完。
今回も感想を是非‼︎
(短いようで)長かった………。
今回は自身の小説の最多文字数なんと 3万0210文字!!!
ちゅかれた………。マジ疲れた………。
今回はこの章の最終話と言う事で長めに書きましたが………
まぁ、バディファイトが好きな人なら体感何千文字程度にしか感じないでしょう。
後、この章の最終話と言う事で、できれば感想を書いていただきたく思います。 次の活力につながる可能性があります。