バディファイトLoveLive!サンシャイン!! 作:ヤギリ
前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』は………
ツバサ杯第3回戦、穂乃果は、今大会最強の挑戦者である鋼山鉄大とファイトした。 シンプル且つ強力な鉄大の戦略とブレイズダルキスの攻撃力に翻弄される穂乃果だったが、新たなる力を得たドラム、「超越五角竜王 レギアス・ドラム」に進化させ、見事にブレイズダルキスを撃破し、綱山鉄大に勝利した。
そしてついに、日本バディチャンピオンの綺羅ツバサとのファイト権を得た。
◆
試合後、穂乃果は控え室に戻って最後のデッキ調整をしていた。すると控え室にノックの音が聞こえる。穂乃果は「どうぞ!」と応答して、控え室のドアが開く。 そこには………
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん、千歌ちゃんも!」
海未「失礼します。」
控え室に来てくれたのは、穂乃果の幼なじみで親友の海未、ことりと、穂乃果をこのツバサ杯に参加する決心を決めさせた高海 千歌だった。
ことり「さっきの試合、凄くカッコ良かったよ。」
穂乃果「ありがとう、ことりちゃん。」
海未「いよいよツバサさんとのファイトですね。」
穂乃果「………うん。」
「ツバサとのファイト」それを聞いた穂乃果は、さっきより声のトーンを落として答える。
千歌「穂乃果さん、緊張してます?」
千歌のその言葉に、穂乃果はさっきと同じ声色に戻る。
穂乃果「ううん。してないよ。してないけど………」
海未「けど………?」
穂乃果「なんか実感が湧かなくてさ。」
そう言って穂乃果は申し訳なさそうに笑って頭を掻く。
穂乃果「私、この大会でいろんな人とファイトした。全ては、ツバサさんとファイトする為に。そして勝ってチャンピオンになる為に。 だけど、いざツバサさんとファイトするとなると、急に実感ができなくなってきちゃって………。」
穂乃果は少し俯いて呟く。
穂乃果「私、ツバサさんに勝てるかな? 皆んなの応援に、期待に応えられるかな………?」
海未とことりはそんな穂乃果の様子に少し心配になる。だけどその心配をよそに千歌が穂乃果に語りかける。
千歌「勝てますよ!」
穂乃果「え?」
千歌「穂乃果さんなら勝てます! 私は信じてます。穂乃果さんはバディファイトのチャンピオンになるのが夢なんですよね? なら、自分らしいファイトをすれば良いんですよ。私達の応援とか期待とかそんな事は気にしないで、自分の夢の為だけにファイトしてください。」
穂乃果「千歌ちゃん………」
ことり「千歌ちゃんの言うとおり!」
海未「そうですよ。穂乃果は穂乃果らしいファイトをしてください。 自分の夢を叶える為に」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん。」
千歌「私はいつもの笑顔で、凄く楽しそうな穂乃果さんのファイトが大好きです!」
海未とことりと千歌の励ましに、穂乃果は少し涙目になる。同時に安心感と清々しさで頭がスッキリした。
穂乃果「ありがとう。 あはは、なんだか私、千歌ちゃん達に励まされてばかりだね。 ほんとにありがとう。私、絶対に勝つよ。そして必ずチャンピオンになる!」
穂乃果の晴々とした表情と声に3人も安堵する。 そして再び控え室のドアがノックされる。「はい!」と穂乃果が返事をすると、統堂 英玲奈と優木あんじゅが穂乃果を迎えに来ていた。
英玲奈「高坂穂乃果、そろそろ時間だ。」
あんじゅ「あら、海未ちゃんとことりちゃんも居たのね。」
海未「2人とも、お久しぶりです。」
ことり「久しぶりだね。」
英玲奈「ああ。 久しぶり、2人は激励に来てたのか?」
海未「はい。まぁ、そんなところです。」
あんじゅ「あら? そこに居る可愛らしい子は、穂乃果ちゃんの妹さん?」
千歌「え⁉︎ あ、いや、私はそんなんじゃぁ………」
あんじゅ「ふふふっ、冗談よ。」
千歌はあんじゅの冗談に顔を真っ赤にしている。
あんじゅ「ふふふっ、かわいいわね〜〜」
英玲奈「あんじゅ、あまりからかってやるな。 悪かったな。君は、今年のラブライブ!バディ杯の優勝チーム「Aqours」のリーダー、高海千歌だね。」
千歌「え、私のこと知ってるんですか?」
英玲奈「もちろんだ。将来有望そうなバディチームやファイターの事はよくチェックしている。ツバサも、Aqoursの事を一目置いているよ。」
千歌「つ、ツバサさんが⁉︎」
英玲奈「ああ、もう少し年齢が上なら、ツバサ杯の参加者に指名していたところだ。」
英玲奈の今の発言に千歌はかなり驚いた。嬉しいのか困惑してるのかよく分からない感情が頭の中をぐるぐる回っている。
英玲奈「おっと、それよりも高坂穂乃果、ツバサとのファイトはもうすぐだ。準備は出来てるな。」
英玲奈の問いに穂乃果は「はい!」と二つ返事で返す。それを確認した英玲奈とあんじゅは穂乃果を会場へと送る。
穂乃果「じゃあ、行ってくるね。」
海未「はい。」
ことり「頑張ってね、穂乃果ちゃん。」
千歌「穂乃果さん、ファイトです!」
穂乃果「うん。」
歩いていく穂乃果の背を見送った後、3人も特等部屋へと戻った。
◆
会場はの様子は、まだ穂乃果もツバサも入場していないというのに、既に興奮と熱気に溢れていた。 チャンピオンが直々に指名した高坂穂乃果と現日本バディチャンピオンの綺羅ツバサとのファイトが待ちきれないとばかりに盛り上がっていた。
英玲奈『皆さん。大変長らくお待ちいただきました。 現日本バディチャンピオン、綺羅ツバサ主催『ツバサ杯』の新日本チャンピオン決定戦を開始いたします!』
『うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!』
英玲奈による新日本チャンピオン決定戦の開始宣言に会場のボルテージはさらに上がり、より大きな歓声が響く。 鳴り止まない大きな歓声の為、マイクの音量を少し上げる。
英玲奈『では入場していただこう。現日本チャンピオン、綺羅ツバサ!』
会場中の照明が全て消え、カラフルなレーザーライトが点滅しながら四方八方を照らし、入場口に集中する、そして入り口付近から青いスモークが吹き出す。 そしてその中から綺羅ツバサが入場して来た。
現日本チャンピオン綺羅ツバサの登場に会場が湧く。 その声援に応えるように綺羅ツバサはファイトステージに立った。
英玲奈『そして、チャンピオン綺羅ツバサに挑戦するのは、今大会で圧倒的、熱血的なファイトを見せてくれたバディファイター、5年前の"ラブライブ!バディ杯"を制した伝説のスクールバディチーム『μ's』の元リーダーにして、綺羅ツバサが唯一にして無二、最大のライバルと認めた最強のバディファイター、高坂穂乃果!!』
穂乃果の入場の際にも、レーザーライトがランダムに点滅しながら四方八方を照らし、そして入場口を集中して照らす。そして赤いスモークが入場口を覆い、中から穂乃果が入場する。
穂乃果もまた、ツバサが入場して来た以上の大きな歓声を浴びながらファイトステージに立った。
ツバサ「嬉しいわ穂乃果さん。あなたとこうして、チャンピオンの座をかけてファイトできるのだから。」
穂乃果「私もです。ツバサさん。 私は絶対に勝ってチャンピオンになります。」
穂乃果の目には強い意志と闘志を宿している。それはまるで、天空に座す竜を見上げる虎のように………。
ツバサ「ふふふ、先月のあなたとはまるで別人みたいね。 まあでも、チャンピオンの座は渡さない。誰にも、穂乃果さんにもね。 私はあなたを倒す。そして真の日本バディチャンピオンの玉座に改めて座らせてもらうわ。」
穂乃果「………………」
ツバサ「私は、あなたと最高のファイトをする為に、最高のデッキを作って来たわ。」
穂乃果「私も作って来ました。ツバサさんを倒して、私が日本一になる為のデッキを!!」
ツバサと穂乃果はお互いに見合う。 まるで、ラブライブ!バディ杯の決勝で戦ったあの時のように2人はお互いのファイトに向ける誠意を確認し、認め合う。
そして2人の空気を察するように英玲奈はファイトの開始を宣言する。
英玲奈「それでは日本新バディチャンピオン決定戦、ファイト開始!!」
英玲奈の号令を聞いて、2人はデッキを構える。 すると会場の天井の屋根が開き、青空が剥き出しになる。これで、より巨大なモンスターも活動しやすくなる。
ツバサ「これが、私とあなたのファイトにふさわしい。」
穂乃果「凄い………」
ツバサ「さあ始めましょうか。」
◆
穂乃果「希望を紡げ五角の絆、そして繋げよ皆んなの夢! ルミナイズ!〈五角武竜伝"絆"〉」
ツバサ「魔竜に導かれしこの世界へ、新たなる終焉の歴史をここに刻みましょう。ルミナイズ〈終焉世界の鎮魂歌ワールドエンド・レクイエム〉」
オープンTHEフラッグ
穂乃果「ドラゴンワールド」
◼️手札6/ゲージ2/LP10
ツバサ「ドラゴン・アイン」
◼️手札4/ゲージ2/LP12
穂乃果「私の先攻、ドロー、チャージ&ドロー!」
◼️手札6→7/ゲージ2→3
穂乃果「ライトに〈五角騎竜 火剣のドゥーベル〉」
◼️手札7→6
五角騎竜 火剣のドゥーベル
サイズ1/攻5000/防1000/打撃2
穂乃果「ゲージ1払い、デッキトップから1枚ソウルにして、レフトに〈"覚醒"五角竜王 ドラム〉をコール!」
◼️手札6→5/ゲージ3→2
"覚醒"五角竜王 ドラム
『角王』
サイズ2/攻6000/防5000/打撃2/【ソウルガード 】ソウル1
穂乃果「キャスト〈ドラゴウィズダム 五角の知恵〉私にダメージ1! ………くっ、1チャージ、1ドロー! そして私がダメージを受けたらドゥーベルの能力で1チャージ、ドラムの能力でライフ+1!」LP 10→9→10
◼️手札5→4→5/ゲージ2→3→4
穂乃果「アタックフェイズ! 覚醒ドラムでツバサさんに攻撃!打撃2!」
ドラムは勢いよくツバサに斬り込む。
ツバサ「くっ………」LP12→10
穂乃果「ターンエンドです。」
◼️手札5/ゲージ4/LP10
ツバサ「私のターンよ。ドロー、チャージ&ドロー」
◼️手札4→5/ゲージ2→3
ツバサ「ライフ2払い、キャスト〈天竜開闢〉2ドロー!」LP 10→8
◼️手札5→4→6
ツバサ「キャスト〈竜王伝〉1チャージ、1ドロー、ライフ+1。」LP8→9
◼️手札6→5→6/ゲージ3→4
ツバサ「さらに〈ドラゴン・スローン"竜の玉座"〉を【設置】」
◼️手札6→5
ツバサの背後に禍々しく、三首の竜が象られた装飾がなされた椅子が現れる。 だがツバサはその椅子に腰掛けるわけでもなく、威風堂々と立っている。
ツバサ「ライトとセンターに〈蒼穹騎士団 スレインジ・ドラゴン〉2体を、レフトに〈蒼穹騎士団 スラッシュイーグル・ドラゴン〉1体をコール」
◼️手札6→5→4→3
蒼穹騎士団 スレインジ・ドラゴン
サイズ1/攻4000/防2000/打撃1
蒼穹騎士団 スラッシュイーグル・ドラゴン
サイズ2/攻6000/防3000/打撃2
バディファイトのルールでは通常、モンスターはサイズの合計3までしかモンスターを出せない。つまりサイズ1のスレインジドラゴン1体と、サイズ2のスラッシュイーグルドラゴンをコールした事で場のサイズの合計は3に達する。だが、ツバサが【設置】した〈ドラゴンスローン 竜の玉座〉の能力でツバサはサイズの合計4までのモンスターをコール可能なのだ。つまり、サイズ1のスレインジドラゴン2体と、サイズ2スラッシュイーグルドラゴン1体のコールが可能になった。
ツバサ「スレインジとスラッシュイーグルの能力で登場時にライフ+1。 3体分合わせて、合計ライフ+3よ。」LPLP8→11
スレインジドラゴン2体は注射器のような物をツバサに飛ばしてツバサのライフを回復させる。そしてスラッシュイーグルドラゴンが起こす風もツバサのライフを回復させた。
ツバサ「キャスト〈フォースリターン〉私のモンスターを全て手札に回収、そしてライフ+1。」LP11→12
◼️手札3→2→3→4→5
場のスレインジドラゴン2体とスラッシュイーグルドラゴンは強い力に引っ張られて、ツバサの手札に戻された。
ツバサ「そして再び、ライトとセンターに〈蒼穹騎士団 スレインジ・ドラゴン〉2体と、レフトに〈蒼穹騎士団 スラッシュイーグル・ドラゴン〉1体をコール。」
◼️手札5→4→3→2
ツバサ「3体の登場時能力でライフ合計+3。」LP 111→14
ツバサ「そして………、スラッシュイーグルドラゴンのドロップに置き、ゲージ3払って、センターにバディコール!〈終焉魔竜 アジ・ダハーカ〉」LP14→15
◼️手札2→1/ゲージ3→0
終焉魔竜 アジ・ダハーカ
サイズ4/攻10000/防10000/打撃3
ツバサの場に、トゲトゲしく赤黒い鱗を持つ三首の竜が現れる。 3つの竜頭は個々に咆哮する。
センターに居たスレインジドラゴンとレフトのスラッシュイーグルドラゴンはサイズの超過によりドロップに置かれる。
アジダハーカ『久しいな五角の小童。』
ドラム『おうよ。アジダハーカ。あんたとまた手合わせできるのを楽しみにしてたぜ。』
アジダハーカ『我もだ。ふふふふふふ………』
ドラム『ははは………!』
アジダハーカとドラムは久しぶりに対峙する事に喜び、互いに挨拶を交わす。 まるで宿敵ではなく、旧年来のライバルであるかのように。
ツバサ「アタックフェイズ。 アジダハーカで攻撃!さらに能力発動"イラージュオブヒストリー" 相手の場のモンスター全てに攻撃する!」
穂乃果「ドラムのソウルガード!」
アジダハーカは3つ首の口からエネルギーを放出し、ドゥーベル、ドラム、穂乃果にそれぞれ攻撃する。 ドラムはなんとかソウルガードで完全な消滅を回避するが、ソウルを持たない火剣のドゥーベルは跡形もなく消滅する。そして残った攻撃は全て穂乃果へと向かう。
覚醒ドラム 撃破!
【ソウルガード】ソウル1→0
火剣のドゥーベル 撃破!
ツバサ「打撃3よ。」
穂乃果「うわぁぁぁ!」LP10→7
穂乃果「ぐっ………、私がダメージを受けた時、覚醒ドラムの能力でライフ+1!」LP7→8
ツバサ「ターンエンドよ。」
◼️手札1/ゲージ0/LP15
穂乃果「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」
◼️手札5→6/ゲージ4→5
穂乃果「ゲージ2払い、"覚醒"五角竜王ドラムに重ねて進化!〈五角超竜王 カイザー・ドラム〉」
◼️手札6→5/ゲージ5→3
五角超竜王 カイザー・ドラム
『角王』
サイズ2/攻10000/防5000/打撃3/【ソウルガード】ソウル1
穂乃果「さらに、デッキトップから1枚をソウルに入れて、ゲージ1払い、ライトに〈五角大帝竜 レイジード〉をコール!」
◼️手札5→4/ゲージ3→1
五角大帝竜 レイ・ジード
ドラゴンW
武装騎竜/竜牙
サイズ2/攻6000/防4000/打撃2
『角王』
◼️【コールコスト】君のデッキの上からカードを2枚ソウルに入れて、ゲージ2払う。
◼️君の場に他のカード名に「五角」を含むサイズ2以上のモンスターがいるなら、このカードのサイズを1減らす。
◼️君がダメージを受けた時、そのターンのファイナルフェイズに、次の2つから1つ選んで使える。
・このカードをスタンドする。このカードはファイナルフェイズ中にも攻撃できる。
・君のライフ+2!
【移動】【ソウルガード】/ソウル1
穂乃果のライトに、先端が2つに分かれた金色のヘルムを被り、白い鎧、マントを羽織り、先端が3つの爪のようになっている槍を持った群青色の人竜が現れる。
穂乃果「レイジードは、場に自身以外のサイズ2の五角がいればサイズは1になる。」
五角大帝竜レイジード
サイズ2→1
穂乃果「キャスト〈ドラゴウィズダム 五角の知恵〉私にダメージ1、ぐぅっ………! 1チャージ、1ドロー」LP8→7
◼️手札4→5/ゲージ1→2
穂乃果「アタックフェイズ! カイザードラムの能力で、相手のモンスター1枚を破壊できる。アジダハーカを破壊!」
カイザードラムは太刀を構え、刀身にエネルギーを集める。そして刀身は赤い光りを纏い、カイザードラムはそれを縦斬りの斬撃としてアジダハーカに飛ばした。 そしてアジダハーカは縦に真っ二つになって消滅する。
アジダハーカ 破壊!
消滅して空気中に舞ったアジダハーカのエネルギーが、ツバサの前に集約して、一本の禍々しい剣を生み出す。そしてツバサはその剣を手に取る。
ツバサ「アジダハーカの破壊時の能力発動! デッキより装備〈終焉魔剣 アクワルタ・グワルナフ〉」
終焉魔剣 アクワルタ・グワルナフ
アイテム:攻12000/打撃6
◆
にこ「出たわね。綺羅ツバサの最強にして最悪の武器。」
絵里「アクワルタグワルナフ………!」
サツキ「バディファイトの中でも、最も高い攻撃力と打撃力を合わせ持った最強のアイテムだよ。」
サツキの言うとおり。アクワルタグワルナフは現存しているアイテムの中でも攻撃力12000/打撃6の高スペックであり、最初からこの攻撃力と打撃力を併せ持つカードは他に存在しない。
◆
アクワルタグワルナフが放つ異質な力が、穂乃果にとてつもないプレッシャーを与えてはいるが、今はまだ穂乃果のターン中だ。
穂乃果「アクワルタグワルナフ………!」
ドラム『またこのカードを相手にする事になるとはな。』
穂乃果「うん。でも負けないよ!」
穂乃果とツバサがラブライブ!の決勝で戦った時も、アクワルタグワルナフは、その高すぎる攻撃力と打撃力で穂乃果を苦しめ、追い詰めていた。
だが、アクワルタグワルナフの恐ろしいところは攻撃力と打撃力だけではない。穂乃果は知っている、アクワルタグワルナフの前では、カード1枚だけでの攻撃は全て無効化されるのだ。
穂乃果「カイザードラムとレイジードで、ツバサさんに連携攻撃! 連携打撃5!」
ツバサ「キャスト〈ドラゴンシールド 青竜の盾〉攻撃を無効化して1チャージ!」
◼️手札1→0/ゲージ0→1
カイザードラムとレイジードの攻撃が、青い竜の顔をした盾に弾かれる。
綺羅ツバサのファイトの恐ろしいところはこれである。アクワルタグワルナフの効果でカード1枚だけでの攻撃は無効化される。それを分かっている上で連携攻撃をしたとしても、手札に温存してある防御魔法にそれも無効化されてしまう。
穂乃果「ファイナルフェイズ、レイジードの能力、私がダメージを受けたターンのファイナルフェズ時、私のライフ+2!」LP7→9
穂乃果「ターンエンドです。」
◼️手札5/ゲージ2/LP9
ツバサ「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー」
◼️手札0→1/ゲージ1→2
ツバサ「ライフ2払い〈天竜開闢〉2ドロー!」LP15→13
◼️手札1→0→2
ツバサ「〈ドラゴニック・オーラ〉2チャージ、ライフ+1。」LP13→14
◼️手札2→1/ゲージ2→4
ツバサ「アタックフェイズ、アクワルタグワルナフで穂乃果さんへ攻撃! 打撃6よ!」
ツバサは高く飛び上がり、穂乃果めがけてアクワルタグワルナフを振り下ろす。
穂乃果「うあぁぁぁ!!」LP9→3
アクワルタグワルナフの高い打撃の数値が強い衝撃とダメージに変換され、穂乃果に強い痛みを与える。 バディファイトヴィジョンによる痛みは数秒経てば感じなくはなるが、それはカードのサイズ、攻撃力、打撃力による。アクワルタグワルナフの打撃力は6なので、穂乃果が受けた痛みは3分弱は続くだろう。
ツバサ「アタックフェイズは終わり。」
穂乃果「ツバサさんのファイナルフェイズ時にレイジードの能力、このターン中に私がダメージを受けていたなら、私のライフ+2!」LP3→5
ツバサ「私はターンエンドよ。」
◼️手札1/ゲージ4/LP14
◆
果南「なんだか"余裕"って感じだね。」
ダイヤ「はい。 攻撃面においても、防御面においても、あのアイテム1枚で難なくこなせますわ。」
鞠莉「ツバサさんのライフもまだ14もあるものね。」
◆
たしかに、アクワルタグワルナフ1枚で攻撃も防御も万全ではある。しかもライフも多い。 だがツバサは決して相手をなめるようなファイトはしない。 手札に今使えるカードが無かっただけの事、それに、ただ純粋に穂乃果とのファイトを楽しみたいとの思いもある。 このファイトはまだまだ簡単には終わらないだろう。
アクワルタグワルナフのダメージによる痛みはまだ退いてはいないが、穂乃果は立ち上がり、いつものギラついた目つきでファイトを楽しむような表情になる。
ツバサ(そう、その表情よ。穂乃果さん! 私が求めていたのは、ファイトを楽しみながら、強い相手を前に、尊敬し、勝利に燃える、そんな表情のあなたよ!)
ツバサは穂乃果のその表情を見て、俄然やる気に満ちる。
穂乃果「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」
◼️手札5→6/ゲージ2→3
穂乃果「私のライフが6以下で、場に「五角」のモンスターがいれば、ゲージ2払い………〈角王フォース 五角の闘覇〉解放‼︎」
◼️手札6→5/ゲージ3→1
★
角王フォース"五角の闘覇"
武装騎竜/覚醒
攻6000/打撃2
◼️〈解放条件‼︎〉〔君のライフが6以下で場にサイズ2以上の『五角』のモンスターがいる。〕
◼️【装備コスト】ゲージ2払う。
◼️【対抗】君にダメージ1!この能力は1ターンに1回だけ使える。
◼️君が効果でダメージを受けた時、次の2つから1つ選んで使える。この能力はそれぞれ1ターンに1回ずつ使える。
・君のライフ+3する。
・相手にダメージ1!
◼️このカードは破壊されず、手札に戻せず、能力は無効化されない。
穂乃果は赤いオーラに包まれる、そしてオーラの中から現れた穂乃果は、左肩から腕にかけて肩当ての鎧を纏い、右手には籠手を装備し、ドラムの角を模した額当てをつけている。そして手には、ドラムと同じ太刀が握られている。
穂乃果「角王フォースの能力で、私にダメージ1、………くぅ、角王フォースのさらなる能力、ツバサさんにダメージ1!」LP5→4
穂乃果の持つ太刀にエネルギーが集まり、それを斬撃として斬り飛ばす。 効果によるダメージは、いくらアクワルタグワルナフであっても防ぐことはできない。
ツバサ「うっ………!」LP14→13
穂乃果「キャスト〈角王フォース・ドライブ〉」
◼️手札5→4
角王フォース・トライブ
ドラゴンW
ドラゴン
◼️君がカード名に「角王フォース」を含むカードを装備していれば使える。
◼️【使用コスト】君にダメージ1!
◼️君の場のカード名に「角王フォース」のアイテム1枚は【2回攻撃】を得る。「角王フォース・ドライブ」は1ターンに1回だけ使える。
穂乃果「私にダメージ1! ………くっ、そして角王フォースは2回攻撃を得る! さらに角王フォースの能力で、私のライフ+3!」LP4→3→6
角王フォース
【2回攻撃】
穂乃果「アタックフェイズ! レイジードと角王フォースでツバサさんに連携攻撃! 連携打撃4!」
ツバサ「キャスト〈ドラゴンシールド 青竜の盾〉攻撃を無効化し、1チャージ!」
◼️手札1→0/ゲージ4→5
ツバサの前に現れた青い竜の顔を模した盾がレイジードと穂乃果の攻撃を弾く。
穂乃果「角王フォースドライブの効果で、角王フォースは2回攻撃できる。 カイザードラムと角王フォースで連携攻撃! 連携打撃5!」
穂乃果とカイザードラムは太刀を構えて突撃して来る。今のツバサに手札は無く、アクワルタグワルナフでは連携攻撃は止められない。
だがツバサもただで攻撃は受けない。ツバサはアクワルタグワルナフでカイザードラムの太刀を受け止め、鍔迫り合いになるが、穂乃果はツバサの懐に潜り、角王フォースの太刀でツバサを斬る。 そのダメージと痛みで力が緩んだツバサはカイザードラムに力負けしてカイザードラムの太刀も受ける。
ツバサ「ぐぅぅぅっ!」LP14→9
ついにツバサが、穂乃果とドラムの前で膝をついた。 その様子に場内の歓声が大きく響く。
穂乃果「ファイナルフェイズ。 レイジードの能力で、ダメージを受けたターン中なら私のライフ+2」LP6→8
穂乃果「ターンエンド。」
◼️手札4/ゲージ1/LP8
ツバサ「やるわね。さすが穂乃果さん、やっぱりあなたは、私と日本一の座を競って戦うにふさわしい人だわ。」
ツバサ「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー」
◼️手札0→1/ゲージ5→6
ツバサ「ライトに〈竜騎士ピサロ〉をコール。」
◼️手札1→0
竜騎士ピサロ
サイズ2/攻4000/棒4000/打撃2
ツバサ「ピサロの能力、自身をレストして1ドロー!」
◼️手札0→1
ツバサ「ゲージ1払いライトにコール!〈アジ・ダハーカ ディペアー・ザ・ドラヘッド"アイン"〉」
◼️手札1→0/ゲージ6→5
アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"アイン"
ダークネスドラゴンW/ドラゴンW
ドラゴン/神
サイズ1/攻5000/防5000/打撃1
◼️【コールコスト】ゲージ1払う。
◼️「アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"アイン"」は場に1枚しか置けない。
◼️このカードが破壊された時、君の手札、デッキから、属性に〈竜〉か〈ドラゴン〉を含むサイズ2以下のモンスター1枚を【コールコスト】を払ってコールする。「アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"アイン"」の能力はファイト中に1回だけ使える。
【移動】【貫通】
ツバサのセンターに赤黒い鱗の竜が現れる。
アジダハーカの名を冠してはいるが、通常のアジダハーカとは違い、1つの竜頭、翼は無く、四足立ちの姿だった。 その姿はアジダハーカとして進化する前の原初の姿にも思える。
ツバサ「アタックフェイズ、アジダハーカでレイジードを攻撃!」
穂乃果「ソウルガード!」
一つ首のアジダハーカはまるで獣のように、レイジードに飛びかかる。
アジダハーカ
攻5000
レイジード
防4000
レイジード 撃破!
【ソウルガード】ソウル1→0
ツバサ「アクワルタグワルナフで、レイジードに攻撃!」
穂乃果「キャスト!〈ドラゴンシールド 竜王の盾〉攻撃を無効化して、私にダメージ1! うぅ………!」LP8→7
◼️手札4→3
ツバサの攻撃を、天武という竜の顔を模した盾が防ぐ。 だがアクワルタグワルナフと盾が衝突した時の衝撃の余波が穂乃果にダメージを与えた。
ツバサ「アタックフェイズは終わりよ。」
穂乃果「ツバサさんのファイナルフェイズ時に、私がダメージを受けたターン中なら、レイジードの能力でライフ+2!」LP7→9
ツバサ「ターンエンド。」
◼️手札0/ゲージ5/LP9
穂乃果「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」
◼️手札3→4/ゲージ1→2
穂乃果「角王フォースの能力で、私にダメージ1。 くぅぅ………! そしてツバサさんにダメージ1!」LP9→8
ツバサ「くっ!」LP9→8
穂乃果「アタックフェイズ、カイザードラムの能力で、ライトのアジダハーカを破壊!」
カイザードラムは太刀にエネルギーを込めて、斜め一閃にアジダハーカを斬る。 アジダハーカは真っ二つに分断され、爆発する。
ツバサ「アジダハーカが破壊された時に能力発動。 私のデッキからサイズ2以下の〈竜〉〈ドラゴン〉を含む属性のモンスターをコールできる。」
穂乃果「え………?」
爆発の光と炎が1つに集約され、一体の竜に
ツバサ「ゲージ2払い、デッキからコール!〈アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"ツヴァイ"〉」
◼️ゲージ5→3
アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"ツヴァイ"
ダークネスドラゴンW/ドラゴンW
ドラゴン/神
サイズ2/攻7000/防7000/打撃2
◼️このカードはカード名に「アジ・ダハーカ」を含むカードの能力でしかコールできない。
◼️【コールコスト】ゲージ2払う。
◼️このカードが登場した時、君のデッキの上からカードを2枚ゲージに置いて、カードを1枚引く。
◼️このカードが破壊された時、君のデッキか手札から、属性に〈竜〉か〈ドラゴン〉を含むサイズ3以下のモンスター1枚を【コールコスト】を払ってコールする。「アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"ツヴァイ"」の能力はファイト中に1回だけ使える。
【移動】【2回攻撃】
集約された光りと炎からツバサのセンターに現れたのは、先程と同じく赤黒い鱗で、翼は無く、二足立ちではあるがまだ獣のように背を曲げている。だが一つ違うところは、アジダハーカの竜頭が二つに増えている事だ。
ツバサ「アジダハーカツヴァイの登場時能力、2チャージ、1ドロー。」
◼️手札0→1/ゲージ3→5
どんなに新しいモンスターを出しても今は穂乃果のターンで、アタックフェイズ中だ。
穂乃果「カイザードラムでアジダハーカに攻撃!」
ドラム『せっかく登場したばかりで悪りぃが、さっさと退場してもらうぜ!』
ドラムは太刀にエネルギーを纏わせ、アジダハーカに突撃する。そして縦一閃にアジダハーカを斬り裂く。
カイザードラム
攻10000
アジダハーカツヴァイ
防7000
アジダハーカツヴァイ 撃破!
ドラム『な、なんだよ………、マジでさっさと退場しやがるのか?』
なんの抵抗も無しにあっさりと斬られたアジダハーカに、さすがのドラムも拍子抜けする。
ツバサ「これでいいのよ。 アジダハーカの破壊が、新たな絶望の引き金となる。 アジダハーカツヴァイの破壊時能力、私のデッキからサイズ3以下の竜かドラゴンをコールする!」
『我が命に限り無し、我は幾度もの死を経て進化するのだ。』
真っ二つにされたアジダハーカの身体が再び赤黒い光りに包まれ、そして新たな姿に形成されていく。
ツバサ「デッキの上から2枚をソウルに入れて、ゲージ3払い、デッキからセンターにコール〈アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"ドライ"〉」
◼️ゲージ5→2
アジ・ダハーカ ディスペアー・ザ・ドラヘッド"ドライ"
ダークネスドラゴンW/ドラゴンW
ドラゴン/神
サイズ3/攻10000/防10000/打撃2
◼️このカードは、カード名に「アジ・ダハーカ」を含むカードの能力でしかコールできない。
◼️【コールコスト】君のデッキの上からカードを2枚、このカードのソウルに入れて、ゲージ3払う。
◼️君のアタックフェイズ開始時、相手の場のモンスター1枚までを選んで破壊する。その後、君のデッキの上からカードを2枚ゲージに置く。
◼️ソウルの無いこのカードが破壊された時、君のデッキから属性に〈竜〉か〈ドラゴン〉を含む、サイズ4以下のモンスター1枚を【コールコスト】を払ってコールする。
【移動】【2回攻撃】/ソウル2
赤黒い光りから現れたアジダハーカは、赤黒く光沢を持った鱗、左側にだけ生えた翼、先程より背筋が伸び、いつも通りの三つの竜頭を持った姿だった。
レイジード『忘れてねーか?まだ俺の攻撃が残ってんだ! 穂乃果!』
穂乃果「うん。角王フォースとレイジードでアジダハーカに連携攻撃!」
ツバサ「ソウルガード」
穂乃果とレイジードは武器を構えてアジダハーカに突撃する。穂乃果の太刀と、レイジードの持つ爪槍がアジダハーカを斬り裂く。
角王フォース+レイジード
連携 攻12000
アジダハーカドライ
防10000
アジダハーカドライ 撃破!
【ソウルガード】ソウル2→1
穂乃果「ファイナルフェイズ、レイジードの能力で、ライフ+2」LP8→10
穂乃果「ターンエンド。」
◼️手札4/ゲージ2/LP10
ツバサ「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー」
◼️手札1→2/ゲージ5→6
ツバサ「キャスト〈竜王伝〉1チャージ1ドロー、ライフ+1」LP8→9
◼️手札2→1→2/ゲージ6→7
ツバサ「ライトに〈魔竜騎士 ハーカー・ザ・クローガ〉をコール!」
◼️手札2→1/ゲージ7→6
魔竜騎士 ハーカー・ザ・クローガ
ダークネスドラゴンW
黒竜/黒騎士
サイズ2/攻6000/防3000/打撃2
◼️【コールコスト】ゲージ1払う。
◼️君の場にカード名に「アジ・ダハーカ」を含むモンスターがいるなら、このカードのサイズを2減らす。
◼️君がカード名に「アクワルタ・グワルナフ」を含むアイテムを装備しているなら、このカードは【2回攻撃】を得る。
ツバサのライトに、赤黒い魔竜の仮面を被り、魔竜の鱗のような鎧を纏い、腕には魔竜の爪を模したガントレットを装備している黒騎士が現れる。
ツバサ「ハーカーザクローガは、場にアジダハーカが居ればサイズ0となり、私がアクワルタグワルナフを装備していれば、【2回攻撃】を得る。」
ハーカーザクローガ
サイズ2→0/【2回攻撃】
ツバサ「さあ、本当に楽しいファイトはこれからよ。アタックフェイズ!」
今回も感想を是非‼︎
今回投稿が遅れましたのは、僕の親戚で、幼稚園の頃からの親友が急死してしまい、底無しの喪失感とショックによるスランプに陥っていました。 警察から聞いた話し、彼が亡くなったのは一緒に遊びに行った日の深夜12時あたりだったようです。練炭自殺でした。 彼と一緒に遊びに行った時、彼はいつもと同じ感じだったので、まさか急に自殺するなんて思いもしなかったです………。本当にショックでした。
でも今はだいぶ気持ちが楽になって、多少は吹っ切れました。