バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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終わらずの大戦

前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』

 

 

魔星龍の進行を止める為に始まった人間と魔星龍達との戦争。

 

そしてその戦争を仕掛けた張本人のガノンと、ガノンが創り出した陰の意識であり、裏の感情を持つ闇の俠兵を止める為にファイトを挑んだ流とグリムとスメラギ。

 

激しい攻防の末、ついに流と俠兵、ガノンとの最後の戦いに、決着ケリがついた。 流の勝利と言う結果で………

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

敗北した俠兵は大の字に地面に倒れ、ガノンは両膝をついて、身体から小さい白煙が立ち昇っていた。

 

 

流「俠兵!」

 

 

流は倒れている俠兵にいち早く駆けよる。

 

 

俠兵「流……、なんだろう、俺は、とても長い夢を見ていた気がするよ………。」

 

流「俠兵、覚えてないのか?」

 

俠兵「いや、微かだけど覚えてる。 俺だけど俺じゃない俺が色々迷惑をかけたみたいだな………。 ごめん、流………」

 

流「謝らなくていいよ。 俠兵は何も悪くない」

 

 

さっきまで戦っていたのは、俠兵ではあるが、ガノンによって引きずり出された陰の意識、裏の感情を持って生み出された闇の俠兵だった。 たった今、流がガノンを倒した事で、ガノンが生み出した闇の意識は消えたようだ。

 

 

ガノン『まさか我が………負けるなどと………! ありえん!』

 

グリム『ガノン、お前の敗因はただ1つ、お前は流を怒らせた。 そして、我々の可能性を甘く見ていた事だ。』

 

ガノン『グリムとやら………、お前はいったい何者なのだ。』

 

グリム『俺は流の元バディだ。それ以上でも以下でもない。』

 

ガノン『………………』

 

 

 

 

流「立てるか?俠兵」

 

俠兵「ああ。」

 

 

流は俠兵の肩を担いで支え、俠兵を立たせようとしていた。すると天音も駆け寄って、流と一緒に俠兵を支える。

 

 

俠兵「ありがとう、天音。それと、ごめん………」

 

天音「ん? どうして謝るの?」

 

俠兵「どうしてって………俺はラクシャードに君を操らせて………」

 

流「それはガノンが生み出した闇の俠兵だよ。 今のお前じゃないって。」

 

俠兵「それでも、ほんの少しだけ意識があったんだ。でも、俺は俺の闇を止められなかった………」

 

天音「大丈夫だよ。 ラクシャードとはもうケリをつけたから。 だからもういいの。」

 

 

天音はほんの少し寂しそうに、でも優しく微笑んだ。 その微笑みに俠兵は天音に許されたのだと安堵し、涙が溢れていた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

流と俠兵の最後のファイトを見届けていたAqoursの6人も流の勝利に沸いていた。

 

 

果南「流君が勝ったね。」

 

鞠莉「とってもビューティフォーなファイトだったわね!」

 

ダイヤ「はい。見事な勝利でした。」

 

善子「俠兵とガノンを倒したって事は、この戦争もやっと終わりって事よね。」

 

花丸「大変な戦いだったずらね。」

 

ルビィ「うん………とても長い戦いだったね。」

 

 

善子とルビィの言葉通り、ガノンを倒してこの戦争は終わりを迎えるのだと、みんな確信して安堵した。 だが………

 

「あ〜〜あ。俠兵君負けちゃったんだ〜〜!」

 

と、みんなの安堵した雰囲気を壊すように無邪気な声がその場の空気を切り裂いた。

 

皆が前方に振り向くと、緑色のツインテールで、青い瞳、左眼には眼帯をしており、ゴスロリファッションをしていて、背は中学生くらいに見える少女が立っていた。 流はその少女を知っている。と言うか、一度だけ会った事がある。

 

 

流「君はあの時の………」

 

「あ、私の事覚えてたんだ〜〜 星野 流君。」

 

俠兵「アルナ………?」

 

アルナ「ふふふ………、一応自己紹介しなきゃね。 私は綾峰アルナ。『魔星六強衆』の1人………ってわけじゃないんだけどね。」

 

流「え?」

 

アルナ「強いて言えば、魔星六強衆の最後の1人は俠兵君だったんだよね〜〜。」

 

流「⁉︎」

 

俠兵「何……… 俺が?」

 

 

アルナの発言に流と俠兵は驚く。 『魔星六強衆』は魔星軍の中でガノンに"特に強い"と認められた6人の精鋭である。 俠兵はガノンのバディである為、魔星六強衆を従える立場のはずなのだ。 だがアルナの発言がその事実を覆した。

 

陰の意識に囚われていても、微かにだが表の俠兵の意識はあった。 闇の俠兵は自身がガノンのバディとして新たな世界の"王"になる者だと思っていた。 魔星六強衆は自身とガノンに従う眷属だと思っていた。 だが、自分も六強衆に数えられていた事など毛ほども思っていなかったのだ。

 

 

俠兵「どう言う、事なんだ………?」

 

アルナ「言葉の通りだよ。 まぁ見ててよ。その理由なら今すぐ分かるからね。」

 

 

そう言ってアルナはガノンを指差す。

 

両膝をつき、動きを止めていたガノンの側に、アルナのバディであるディルジットが近寄る。

 

 

ディルジット『ガノン様、万が一の時がやってまいりました。』

 

ガノン『ディルジットか………、まさかこの時が訪れるとはな……』

 

ディルジット『さぁ、ガノン様。盟約は果たされました。 今こそ私と1つとなり、本来の姿に戻るのです。』

 

ガノン『ディルジット、我が半身よ………。 我の力、意識、記憶、全てを貴様と1つとし、我らが真の姿に戻ろうぞ。』

 

ディルジット『はい。』

 

 

ディルジットとガノンは黄黒い光りとなって1つに同化する。 その強い光りの中から現れたのは、赤紫色の骨殻のようなものがガノンの黒い身体を覆って鎧となり、そしてガノンの顔付きも鋭く変化し、さらに肘や膝の骨殻の鎧は刀刃のように突起する、鎧から覗く肉体は黒みがかった黄色い配色になり禍々しさがさらに増す。ガノンだった時の武装は無くなり、背中には4本の龍翼が生え、ガノンだった時より背が縮み体格は少しスリムになり、より龍人に近い姿になる。

 

その異様な龍人の姿に、アルナ以外のその場の全員が驚愕し凍りついた。

 

 

俠兵「ガノンとディルジットが………」

 

流「融合したのか………?」

 

『融合ではない。 ガノンとディルジットは元々は1つの存在だ。〈混沌の創造神 ゼム〉より産み出された我は数百年もの時間の後、自身の力をガノンとディルジットと言う2つの存在に分けたのだ。 そして我はグランズァード破滅ガノンとして神々と戦い、そして封印された。』

 

俠兵「なんだって………?」

 

流「じゃあ、今のお前は何者なんだ!」

 

 

その質問に龍人は考え込む。

 

 

『………我が真名は忘れた。が、ガノンのままでよい。』

 

アルナ「だったら〜〜〜ディルジットとガノン様の名前を合わせて〜〜〈ドラグズァード・ディルジット・ガノン〉なんてどうかな〜〜?」

 

ガノン『ふむ、良かろう。』

 

 

真の姿を取り戻したガノンはアルナから提案された〈ドラグズァード・ディルジット・ガノン〉と言う名を気に入り、それを新たな真名とした。

 

 

ガノン『我が半身ディルジットのバディ、アルナよ、お前を我がバディとして迎えよう。 眼帯を取れアルナよ。』

 

アルナ「うん。」

 

 

アルナはガノンに言われるまま左眼の眼帯を取る。 眼帯を取ったアルナの左眼には眼球が無く、ただ真っ黒な深い窪みだけがあった。 それを見て、流、天音、俠兵、Aqoursのみんなが絶句した。

 

 

ガノン『アルナよ、お前に我がバディである証を授けよう。』

 

 

するとガノンは指を空に指す。 すると空に見えている黄黒いオーラを放つ彗星から小さな光がガノンの指先に集まり、その光をアルナの左眼の窪みに向ける。 向けられた光はアルナの左眼に吸い込まれるように集約する。 やがてアルナの左眼の窪みに真っ黒い目と黄色い眼球が生成される。 

 

 

アルナ「うぅ、ぐぅ………」

 

 

だが順応するのに痛みがあるのかアルナは左眼を押さえて顔をしかめる。だがすぐに痛みが退き、左眼から手を離す。

 

 

ガノン『どうだい? アルナ』

 

 

ガノンはディルジットのような話し方でアルナに声をかける。

 

 

アルナ「ふふふ………、あはははははははは! 眼だ! 眼だぁ! アルナの眼だぁ!! ふふふふふ、ははははははははは!!」

 

 

アルナははしゃぎながら周りを見渡して、喜びを前面に表す。

 

 

アルナ「凄い! 両眼で見る世界ってこんなに広いんだぁ〜〜〜! こんなに広くて綺麗な世界………」

 

 

だがその喜びの顔は歪んだ笑顔に変わり、冷たい声に変わる。

 

 

アルナ「私が全部、ぶっ壊してやる。」

 

 

するとアルナから黄黒いオーラが発せられ黄色い瞳が光る。

 

 

アルナ「みんな、ガノンを倒して全部終わった。って思ったでしょ? 逆だよ。 これから始まるんだ! 私がこの世界を破壊して、新たなる世界の女帝となるの!!」

 

俠兵「アルナ………?」

 

アルナ「今までご苦労様、俠兵君。 だけどもうあなたは用済みだよ。」

 

俠兵「え?」

 

アルナ「俠兵君のおかげで、私が望む世界の手前まで楽ができたよ。 でも安心してね。 俠兵君も、流君や天音ちゃん、Aqoursのみんなも、私の創る世界の糧にしてあげる。」

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

時は少し遡り(さかのぼり)………

ドラゴンワールド:エンデュミアスの城

 

 

曜と梨子は、『魔星六強衆』の1人石鮫とのファイト中〈真・ドラゴンフォース"紅蓮太陽の型"〉を解放した影響で倒れてしまった千歌をエンデュミアスの下に連れて来ていた。

 

エンデュミアスの見立てでは、"紅蓮太陽の型"はまだまだ成長途上にある不完全なドラゴンフォースであり、ドラゴンフォース自身、完成形に成長する為に千歌の中のエネルギーを全て吸収しようとしてるらしい。 このままでは、真ドラゴンフォースが成長しきる前に千歌の生命力がもたないらしい。

 

そこで、梨子と曜は超ドラゴンフォースを解放し、エンデュミアスも自身の力を千歌に送り込み、真ドラゴンフォースの成長するまで補おうとしていた。 そんな様子をエンデュミアスの家臣であるハルバードが見守っている。

 

 

梨子「千歌ちゃん………、凄い勢いで力が吸われてく……」

 

曜「まだ 10分も経ってないのに、少しキツい………」

 

エンデュミアス『頑張ってください、2人とも。』

 

 

千歌に力を送り込んでいると、突然千歌の身体が赤く輝きだす。

 

 

曜「ち、千歌ちゃんが………⁉︎」

 

梨子「な、何⁉︎」

 

 

すると、曜と梨子は何かに引っ張られるような感覚を覚える。 そして千歌の赤い輝きが収まると同時に、曜と梨子は意識を失い倒れてしまった。 エンデュミアスは驚き、力を解除して倒れた2人に近寄る。 そして近くにいたエンデュミアスの家臣でもあるハルバードも急いで駆けつける。

 

 

エンデュミアス『お2人共!』

 

ハルバード『どうなされましたか!』

 

 

2人は意識を失っているにもかかわらずドラゴンフォースの光りは千歌に力を送り込み続けている。 その様子を見てしばらく考え込んだ後、エンデュミアスは仮説的な見解を述べる。

 

 

エンデュミアス『まさか、千歌ちゃんのドラゴンフォースが、2人の意識を千歌ちゃんの精神世界に招き入れたと言うのですか………。 しかし、それは好都合かもしれませんね。』

 

ハルバード『好都合、とは?』

 

エンデュミアス『精神世界の中ならば、千歌ちゃんを目覚めさせるきっかけが掴めるかもしれません。』

 

 

エンデュミアスは再び自身の力を曜、梨子、千歌を包み込むように、展開する。

 

 

エンデュミアス『頼みますよ。曜ちゃん、梨子ちゃん、どうか千歌ちゃんを救ってください。』

 

 

千歌のドラゴンフォースが曜と梨子の意識を招いたのは、同じドラゴンフォースを使う者達であり、それだけ3人の信頼と絆が深く強いからだ。 こればかりはエンデュミアスも曜と梨子を信じて、ただ祈ることしかできない。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

気がつくと曜と梨子はだだっ広い空間に立ちつくしていた。その空間は美しい白い雲と澄み切った青空、そして、曜と梨子の足の下にはその美しい雲と青空の景色がまるで鏡に映したかのように、一面に延々と広がる美しい景色が広がっていた。 そして風も無いのに青空に浮かぶ白い雲は形を変えながらゆっくりと動いている。

 

 

梨子「なんなの? ここ………」

 

曜「凄い綺麗な場所だね。」

 

梨子「うん。 でも私達、エンデュミアスさんの城にいたはずだよね?」

 

曜「うん。 それで突然千歌ちゃんの身体が光って………」

 

梨子「気がついたらここに居た。 本当にここはどこなの?」

 

「ここは千歌ちゃんの精神世界だよ。」

 

曜/梨子「え?」

 

 

2人はこの空間に来るまでの事を確かめていく。 そして辺りを見渡していると、突然2人の耳に声が聞こえてきた。 2人はその声に振り向く。 そして声の正体に驚く。

 

そこに居たのは、ブラッドオレンジの髪色、肌は日焼けしたような薄茶色の肌で、頭のてっぺんからはあほ毛が1本飛び出している少女だった。 そして2人はこの少女を知っている。

 

 

曜「ち、千歌ちゃん⁉︎」

 

梨子「千歌ちゃん!!」

 

 

髪色も肌の色も違うが、その少女は高海千歌だった。 だが2人の反応にその少女は申し訳なさそうな顔で弁明する。

 

 

「あ〜〜、ごめんね。見た目は千歌ちゃんなんだけど、私は千歌ちゃんじゃないんだ。」

 

曜「え?」

 

梨子「どういう事?」

 

「私は千歌ちゃんの精神世界に住む存在、千歌ちゃんの心と感情の力なんだ。 もっと簡単に説明すると、私は千歌ちゃんのドラゴンフォースそのものなんだよ。」

 

梨子「千歌ちゃんのドラゴンフォースそのもの⁉︎」

 

曜「だから千歌ちゃんと同じ見た目なんだね。」

 

「うん。」

 

 

梨子と曜は、千歌と同じ姿をした少女がドラゴンフォースだと知って驚くが、すぐに他の疑問が頭に浮かぶ。

 

 

梨子「あなた、ここが"千歌ちゃんの精神世界だ"って言ってたけど、私達はなんでここに居るの?」

 

「それは、私が2人をここに招いたんだ。 千歌ちゃんを助けてほしくて。」

 

曜「どういう事?」

 

「実はね、"紅蓮太陽の型"は完全な成長体じゃない。 まだまだ成長途上にある不完全で未完成なドラゴンフォースなんだ。」

 

 

千歌の姿をしたドラゴンフォースは「2人共、アレを見て。」とどこかを指差す。 2人は指差した方向を見ると、さっきまで無かったはずの四角形の箱ようなものが見えた。

 

 

曜「何、アレ?」

 

梨子「箱?」

 

「アレは(おり)だよ。」

 

梨子「(おり)?」

 

「うん。もう少し近づいてみようか。」

 

 

曜と梨子は千歌ドラゴンフォースの言う通りに箱のようなものに少しずつ近づいて行く。すると確かに鉄格子で作られた(おり)である事が分かった。 そしてその(おり)の中には赤い何かが収監されていた。

 

近づいてきた曜と梨子の気配に気づいたのか、赤い何かは突然(おり)の中で暴れ出した。 柵を掴み、ガシャンガシャンと音を鳴らして檻を揺らす。 その様子に曜と梨子はかなり驚く。

 

 

曜「な、何………⁉︎」

 

梨子「獣………?」

 

「アレは私の半身。 ドラゴンフォースの成長しきれていない部分だよ。 と言っても、アレの方がドラゴンフォースの本体に一番近いんだけどね。 私はアレを"暴食"って呼んでる。」

 

曜「どういう事?」

 

梨子「もっとよく説明して。」

 

「今2人と話している私はいわば"紅蓮太陽の型"、でも、今あの檻の中で暴れているのは"紅蓮太陽の型"のさらに先に成長するはずだった存在。 私は今のままでも満足してるけど、アレは私のさらに先まで成長しようとしてる。 その為に、必要以上に千歌ちゃんの中にある力を吸収しているの。」

 

曜「エンデュミアスさんも同じ事言ってたよね?」

 

梨子「うん。 ドラゴンフォースが千歌ちゃんの力を必要以上に吸収してるから、千歌ちゃんは長い昏睡状態にあるって。」

 

「エンデュミアスさんの言う通りだよ。 このままアレが千歌ちゃんのエネルギーを食べ続けると、千歌ちゃんは永遠に眠り続けるか、あるいは、死………。」

 

梨子「そんな………⁉︎」

 

曜「千歌ちゃんが………⁉︎」

 

「だから2人に来てもらったんだよ。 2人に千歌ちゃんを助けてもらいたいの。」

 

 

"紅蓮太陽の型"の話しには驚きと疑問がたくさんあったが、2人にはその話しを疑う余地は無い。 むしろ2人は千歌を助けたいと願っている。 千歌が死ぬかもしれないと聞いたら尚更だ。

 

 

梨子「そんなの勿論だよ。」

 

曜「うん!千歌ちゃんを助けたいのは私達も同じだから。」

 

「ありがとう………、梨子ちゃん、曜ちゃん。」

 

 

2人の言葉に"紅蓮太陽の型"は安心する。 その時、ドラゴンフォースが変形していた千歌の姿が徐々に薄れていく。

 

 

「そろそろ限界だね………」

 

梨子「ドラゴンフォース⁉︎」

 

曜「身体が消えていく………!」

 

「言ったでしょ。アレは私の半身、だけどドラゴンフォースの本体に一番近いのはアレの方なの。 私は2人をここに呼ぶ為に、アレから無理やり出てきた、もう少し粘れると思ったんだけど限界みたい。」

 

曜「ドラゴンフォース………」

 

「もう一度言うよ。 アレは完全な成長を遂げる為にエネルギーを求めてる。 でも千歌ちゃん1人のエネルギーだけじゃ、アレは成長しきれない。あの暴食が千歌ちゃんのエネルギーを吸収し続ける限り、千歌ちゃんは永遠に目覚めない。 だからお願い、千歌ちゃんを助けて……」

 

梨子「でも、千歌ちゃんを助けるにしてもどうやって………?」

 

 

梨子の質問にドラゴンフォースは2人に手を出すように促す。 2人は言われた通りに手を出すと、2人の手にバディファイトのデッキが現れる。

 

 

梨子「これ、私達のデッキ。」

 

「2人の記憶から生成したデッキだよ。 千歌ちゃんを目覚めさせるには、アレを完全体に成長させるしかない。 その為には、バディファイトによって発生するファイトエネルギーをアレに食わせる必要がある。 もう一度お願い、千歌ちゃんを助けて!」

 

 

そして千歌の姿をしたドラゴンフォースは2人に願いを伝えて完全に消えてしまった。 そして暴食を隔離していた檻が消える。そして這い出て来たのは、全身が赤く、鋭い爪と牙があり、頭から後ろに流れるようなトゲトゲしい長髪の獣のような姿をした者だった。

 

 

「喰わせろ………、力を、力を喰わせろぉぉーーーーーー!!」

 

 

檻から出てきた獣のようなドラゴンフォースは大きく咆哮する。 その勢いと威圧感が突風を起こして威嚇する。

 

 

梨子「凄い威圧感だね………」

 

曜「うん。 でもやらなきゃ!」

 

梨子「うん。 千歌ちゃんを助ける為にね。」

 

暴食「ファイトだ………、お前達の力を………!私に喰わせろ!」

 

梨子「言われなくても、今からお腹いっぱい食べさせてあげるわ!」

 

曜「いくよ梨子ちゃん!」

 

 

2人はデッキを構える。 そして暴食も自身の身体からデッキを生み出して構える。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

曜「紫炎の揺らめき、紫紺の輝きよ、悲しみを力に、後悔を覚悟にして、黒き光を導け! 輝きのルミナイズ!〈ダークネス・オーバーレイ〉!」

 

梨子「未来へ導く煌めき、星々の閃光! 輝きのルミナイズ!〈スターライトニング・ノヴァ〉」

 

暴食「喰わせろ、喰わせろ、喰わせろ!! 私が完全なる成長を遂げる為に………! ルミナイズ!〈暴食と暴牙〉」

 

 

オープンTHEフラッグ

 

 

曜「ダークネスドラゴンワールド」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

梨子「スタードラゴンワールド」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

暴食「ドラゴンワールドぉ!!」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

 

 

 

曜「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札6→7/ゲージ2→3

 

曜「センターに〈逆襲の黒死竜 アビゲール〉をコール、ライトに〈紫炎の黒死竜 アビゲール〉をコール!」

◼️手札7→6→5/ゲージ3→2→1

 

 

逆襲の黒死竜 アビゲール

黒竜

サイズ1/攻6000/防1000/打撃2

 

 

紫炎の黒死竜 アビゲール

黒竜

サイズ1/攻6000/防1000/打撃2

◼️【コールコスト】ゲージ1払う。

◼️このカードが登場した時、君の場のモンスター1枚を破壊する。破壊したら、君のデッキの上から2枚ゲージに置いて、カードを1枚引く。この能力は1ターンに1回だけ使える。

◼️「紫炎の黒死竜アビゲール」は1ターンに1枚しかコール出来ない。

【移動】

 

 

曜「紫炎のアビゲールの登場時能力、逆襲のアビゲールを破壊して、2チャージ、1ドロー!」

◼️手札5→6/ゲージ1→3

 

 

逆襲のアビゲール 破壊!

 

 

曜「逆襲のアビゲールの破壊時能力、相手のデッキトップから2枚破棄して、1ドロー!」

◼️手札6→7

 

 

暴食

◼️破棄合計0→2

 

 

曜「レフトに〈宣告の黒死竜 アビゲール〉をコール!」

◼️手札7→6/ゲージ3→2

 

 

宣告の黒死竜 アビゲール

黒竜

サイズ1/攻6000/防1000/打撃1

 

 

曜「アタックフェイズ、 紫炎のアビゲールで相手に攻撃! 打撃2!」

 

暴食「うぅぅ………!」LP 10→8

 

曜「ターンエンド。」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

 

梨子「私のターン、ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札6→7/ゲージ2→3

 

梨子「ライトに〈大竜装機 トリプルバスター〉をコール!」

◼️手札7→6

 

 

大竜装機 トリプルバスター

竜装機

サイズ3/攻5000/防4000/打撃3

 

 

梨子「ゲージ2払い、トリプルバスターに重ねてコール!〈閃光星竜(ライトニング・ドラグナー) ジャックナイフ〉」

◼️手札6→5/ゲージ3→1

 

 

 

閃光星竜(ライトニング・ドラグナー)ジャックナイフ

スタードラゴンW

ネオドラゴン

サイズ2/攻7000/防6000/打撃2

◼️【コールコスト】君の場のモンスター1枚までの上に重ねて、ゲージ2払う。

◼️【起動】君の手札かドロップから〈竜装機〉1枚までをこのカードのソウルに入れる。さらに君のライフ+2!この能力は1ターンに1回だけ使える。

◼️お互いのアタックフェイズ開始時、このカードのソウルが3枚以上なら以下の能力を全て得る。

・"閃光の鎧"そのターン中、君のカード全ての攻撃力+3000し、このカードの防御力+4000、打撃力+1!この能力は1ターンに1回だけ使える。

・"閃光の翼"このカードが攻撃した時、ライフ1払ってよい。払ったら、このターン中、このカードのソウルの枚数分、相手の場のカード全ての防御力-1000!この能力は1ターンに1回だけ使える。

【2回攻撃】【ソウルガード 】/ソウル1

 

 

梨子「ジャックナイフの能力発動! 手札から〈竜装機 エルガーカノン〉を星合体! さらにライフ+2!」LP 10→12

◼️手札5→4

 

 

ジャックナイフ ソウル1→2

 

 

梨子「レフトに〈竜装機 シルトファイター〉をコール、登場時に1チャージして、星合体!」

◼️手札4→3/ゲージ1→2

 

 

ジャックナイフ ソウル2→3

 

 

梨子「アタックフェイズ! ジャックナイフの更なる能力、このカードのソウルが3枚以上なら"閃光の鎧"発動! 私の場のカード全ての攻撃力+3000! ジャックナイフの防御力+4000/打撃+1!」

 

 

ジャックナイフ

攻7000→10000→13000→15000/防6000→10000/打撃2→3→4→5

◼️大竜装機 トリプルバスター

(攻撃力+3000/打撃力+1/【貫通】)

◼️竜装機 エルガーカノン

(攻撃力+2000/打撃+1)

◼️竜装機 シルトファイター

(【対抗/起動】ソウルからドロップに置いてダメージを0に減らす。)

 

 

梨子「ジャックナイフで相手に攻撃! 打撃5!」

 

暴食「ぐぅぅぅ………!!」LP8→3

 

梨子「ターンエンド!」

◼️手札3/ゲージ2/LP12

 

 

梨子のターン終了時にジャックナイフの"このターン中"のパワーアップ能力が終わり、攻撃力と防御力と打撃力が元に戻る。

 

 

ジャックナイフ

攻15000→12000/防10000→6000/打撃5→4

 

 

暴食「私の、ターン………ドロー!チャージ&ドロー!」

◼️手札6→7/ゲージ2→3

 

暴食「ライトに〈暴食の太陽竜 バルドラゴン〉をコール! レフトに〈暴食の太陽竜 メラブレード・ドラゴン〉をコール!」

◼️手札7→6→5/ゲージ3→2

 

 

暴食の太陽竜 バルドラゴン

ドラゴンW

太陽竜

サイズ2/攻6000/防3000/打撃2

◼️【コールコスト】君のデッキの上からカードを1枚ソウルに入れて、ゲージ1払う。

◼️このカードの攻撃で相手のモンスターを破壊した時、君のライフ+2!

【ソウルガード】/ソウル1

 

 

暴食の太陽竜 メラブレード・ドラゴン

ドラゴンW

太陽竜

サイズ1/攻4000/防1000/打撃2

◼️このカードが攻撃した時、このカードの攻撃力+2000!

◼️このカードの攻撃で相手のモンスターを破壊した時、君のライフ+2!

 

 

暴食「〈太陽の恵〉をキャスト、1チャージ、場に太陽竜がいればさらに2チャージする。」

◼️手札5→4/ゲージ2→3→5

 

暴食「私のライフ6以下で、場にバルドラゴンがいればゲージ2払い………〈ドラゴンフォース"暴食の型"〉解放ぉ‼︎」

◼️手札4→3/ゲージ5→3

 

 

ドラゴンフォース"暴食の型"

ドラゴンW

太陽竜

アイテム:攻6000/打撃2

『解放条件‼︎』(君のライフが6以下で、場にカード名に「バルドラゴン」を含むカードがある。)

◼️【装備コスト】ゲージ2払う。

◼️このカードが他の〈太陽竜〉のモンスターと連携攻撃した時、このカードをスタンドする。さらに、このカードが連携攻撃で相手のモンスターを破壊した時、君のライフ+2して、相手にダメージ1!

 

 

暴食は赤い光りの衣を纏い、尾が生え、両肩から腕が生えて4本腕になる。さらに頭から獣耳が生え、より獣っぽい見た目になる。

 

 

暴食「グルルルル………!」

 

梨子「ドラゴンフォース………⁉︎ あれが⁉︎」

 

曜「こんなドラゴンフォース、見た事ない………!」

 

 

暴食が解放したドラゴンフォースは、獣の姿だった。だがそれは異形の姿でもあり、その姿から醸し出される異質な雰囲気に、2人は若干の恐ろしさを覚える。

 

 

暴食「アタックフェイズ!」

 

梨子「お互いのアタックフェイズ開始時、ジャックナイフの能力発動! ソウルが3枚以上なら、ジャックナイフの防御力+4000!」

 

 

ジャックナイフ

攻12000→15000/6000→10000/打撃4→5

 

 

暴食「暴食のメラブレードドラゴンとドラゴンフォースで、ジャックナイフに連携攻撃! ドラゴンフォースをスタンド、さらにメラブレードの攻撃力+2000!」

 

梨子「ジャックナイフのソウルガード!」

 

 

メラブレード+ドラゴンフォース

連携攻6000→10000→12000

 

ジャックナイフ

防10000

 

ジャックナイフ 撃破!

【ソウルガード】ソウル3→2(竜装機 エルガーカノン)

攻15000→13000→10000/打撃5→4→3

 

 

ジャックナイフのソウルが2枚以下になった事で、ジャックナイフのパワーアップ能力が無効となり、攻撃力と防御力と打撃力がさらに下がる。

 

 

暴食「メラブレードの能力で、相手のモンスターを破壊した時、ライフ+2、さらにドラゴンフォースが連携攻撃で相手のモンスターを破壊した時、ライフ+2! 相手にダメージ1!」LP3→5→7

 

 

暴食の両肩から生える腕が曜と梨子を殴りつける。

 

 

曜/梨子「うぅ………!」LP12→11

 

 

暴食「ドラゴンフォースと暴食のバルドラゴンでジャックナイフに連携攻撃! ドラゴンフォースはスタンド!」

 

梨子「ソウルガードよ!」

 

 

ドラゴンフォース+暴食のバルドラゴン

連携攻12000

 

ジャックナイフ

防6000

 

ジャックナイフ 撃破!

【ソウルガード】ソウル2→1(竜装機 シルトファイター)

 

 

暴食「暴食のバルドラゴンの能力で、相手のモンスター破壊時にライフ+2、ドラゴンフォースの能力でライフ+2! 相手にダメージ1!」LP7→9→11

 

 

両肩の腕が再び曜と梨子を殴りつける。

 

 

梨子/曜「きゃぁ!」LP 11→10

 

暴食「ドラゴンフォースで梨子ちゃんに攻撃ぃ! 打撃2!」

 

梨子「きゃぁ!」LP 10→8

 

暴食「ターンエンド………!」

◼️手札3/ゲージ3/LP 11

 

 

梨子「やっぱり、千歌ちゃんのドラゴンフォースだね。」

 

曜「うん。3まで減らしたライフが一気に大量回復された………!」

 

 

暴食のドラゴンフォースやモンスター達の能力による回復力を見て、確かに千歌のドラゴンフォースの面影や特性が見て取れる。

 

 

暴食「まだ足りない………、満たす、力を満たす………喰わせろ………、もっと喰わせろ! お前達のライフ!ファイトエネルギーを!!」

 

 

 




今回も感想を是非‼︎


次回『暴食のドラゴンフォース』

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