バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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今回の話しは超短いです。


エースとサツキ

前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』

 

 

ガンズァスに勝利したかと思われた千歌だが、ガンズァスは進化を遂げ、強力な攻撃と能力で千歌を追い詰めていく。

 

だが千歌はボロボロになりながらも、自分の信念を曲げず、自分の信じるバディファイトを貫く志しを胸に、新たなる力『真・ドラゴンフォース"紅蓮太陽の型"』にドラゴンフォースを成長させた。

 

ーーー

ーーー

 

 

千歌「決めるよ、バルドラゴン。」

 

バルドラゴン『ケリをつけてやるバル!』

 

千歌「真ドラゴンフォース"紅蓮太陽の型"と神速のバルドラゴンで2回連携攻撃!真ドラゴンフォースはスタンド、ライフ+2! 神速のバルドラゴンの能力でライフ+1!」LP 11→13→14

 

 

千歌は手を前に突き出す。するとドラゴンフォースの光の一部がその手に集まり、紅い光の刀になる。そしてバルドラゴンがガンズァスを殴った後、千歌もドラゴンフォースの光の刀でガンズァスを斬る!

 

 

千歌「連携打撃4!」

 

ガンズァス『まさかここまでの力の成長とは、見事じゃ。高海千歌………ぐぬぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』LP2→0

 

 

 

 

 

曜「千歌ちゃんが勝った〜〜!!」

 

梨子「やったわね!」

 

果南「さすが千歌だよ!」

 

ダイヤ「お見事でしたわ。」

 

 

今度こそ千歌が勝利した事に、Aqoursのみんなは喜び、千歌を称賛する。 その一方で帝達は今度こそガンズァスが敗北した事に驚愕する。無理もない、ガンズァスは他の帝達にとって、最強の存在であり、最大の"師"であったのだから。

 

 

 

イグラス『まさか、あのガンズァス殿が敗北するとは………⁉︎』

 

ガイナ『しかも、たったこの1ターンで逆転されたのか………』

 

ターミネイトラー『やるじゃねーーか、あの人間。』

 

蓮月『人間ながらあっぱれなファイトよ。』

 

リディナ『ああ、そうだな。』

 

ダルガード『ふんっ』

 

ディスター『………………』

 

 

 

ガンズァス『良いファイトじゃった、高海千歌。久々に本気を出せたぞい。』

 

千歌「ガンズァスさん、私も、良いファイトだったと思います!」

 

エンデュミアス『お見事でした。千歌ちゃん』

 

千歌「エンデュミアスさん!」

 

エンデュミアス『あなたのドラゴンフォースの成長、確かに見させていただきました。全て狙い通りです。』

 

千歌「え? 狙い通りって………?」

 

 

千歌の疑問に、エンデュミアスとガンズァスはタネあかしのつもりで説明をした。 千歌のドラゴンフォースに成長の兆しを見出した事、ガンズァスに千歌とのファイトを頼んだのがエンデュミアスであった事、最初から千歌のドラゴンフォースを成長させる為にファイトをしていた事を説明した。

 

 

千歌「そうだったんだ………」

 

エンデュミアス『私の勝手なお世話でした。すみません………』

 

ガンズァス『すまなかった。』

 

 

千歌に謝るエンデュミアスとガンズァスに対して、千歌はキョトンとしている。

 

 

千歌「ん、なんで謝るんですか?」

 

エンデュミアス『なんで、とは?』

 

千歌「むしろ私はお礼を言いたいです。2人のおかげで、私はまた一つ強くなれた。ファイトはちょっと厳しかったけど、でも、この新しい力を大切に使っていきたい!」

 

エンデュミアス『千歌ちゃん、こちらこそありがとうございました。』

 

ガンズァス『良い娘じゃの。』

 

 

エンデュミアスとガンズァスにお礼を言って、千歌がみんなの元へ行こうとした時、千歌は突然よろめいて尻餅をつく。千歌はすぐに立ち上がろうとするが、身体に力が入らず、立つ事ができない。そんな千歌の元にみんな集まって来た。

 

 

千歌「あ、あれ?」

 

曜「千歌ちゃん!」

 

梨子「千歌ちゃん、大丈夫⁉︎」

 

善子「いったいどうしたのよ。」

 

花丸「お腹空いたずらか?」

 

千歌「あはは………ごめんごめん、なんだか立てなくて………あれ? なんだか少し、眠くな………」

 

 

千歌はそのまま目を閉じて倒れてしまった。

 

 

果南「千歌!」

 

鞠莉「千歌っち⁉︎」

 

ルビィ「千歌ちゃん!」

 

ダイヤ「いったい、どういう………」

 

曜「待って!」

 

 

曜は耳を澄まして千歌に近づく、「すぅ………すぅ………」と小さくいびきが聞こえるので、ただ寝ているだけのようだった。

 

 

曜「千歌ちゃん、眠ってる。」

 

梨子「眠ってるだけ?」

 

エンデュミアス『多分、ドラゴンフォース成長による身体への不可が大きかったのでしょう、それに激しいファイトでしたから、疲れたのでしょうね。 千歌ちゃんが目を覚ますまで、待ってあげてください。』

 

流「それはまあ、構いませんけど。」

 

天音「うん。」

 

 

Aqoursと流と天音は千歌が目を覚ますまで、エンデュミアスの城に留まる事になった。

 

ーーー

ーーー

 

時は、千歌達がドラゴンワールドへ行った日、エースがバディポリス沼津支部に戻って来た日の夕方に遡る。

 

 

沼津………、盛谷家の前

 

エースはサツキと共に盛谷家の前に来ていた。

 

 

エース「ほんとにいいのかサツキ、家に泊めてもらって………」

 

サツキ「ああ、絵里ちゃんにも許可はもらってるし、それに、バディポリスと言えども君はまだ17歳の未成年だ。野宿なんてさせられないだろ。」

 

エース「ありがとう、サツキ。」

 

サツキ「じゃあ入ろうか。」

 

 

エースはサツキにお礼を言って、サツキと共に家に入る。サツキの「ただいま」とエースの「おじゃまします」の声に、エプロン姿の絵里が玄関で出迎える。

 

 

絵里「おかえりなさいサツキ、それとお久しぶりねエース君。」

 

エース「はい、ご無沙汰してます。」

 

絵里「ふふふ、さあ遠慮せずに上がって。今お夕飯の支度してるからね。」

 

サツキ「そうだ、僕達の娘を紹介するよ。こっちにおいで。」

 

 

サツキはリビングに隣接している部屋にエースを連れて行く。そこにはベビーベッドに寝かされているサツキの娘がいた。

 

 

エース「へ〜〜、娘が産まれたのか。」

 

サツキ「うん、名前は咲笑(さえ)って言うんだ。」

 

エース「咲笑(さえ)ちゃんか、良い名前だな。」

 

咲笑「あ〜〜う、きゃっきゃっ!」

 

サツキ「かわいいだろ?」

 

 

サツキは咲笑(さえ)を抱き上げてあやす。そんなサツキの姿に、エースは改めて「サツキも父親になったんだな」と感心する。

 

 

絵里「サツキかエース君のどちらか、お風呂沸いてるから先にどうぞ〜〜」

 

サツキ「エース、先に入って来て良いよ。」

 

エース「えっ、でも一番風呂は大黒柱のサツキからがいいんじゃないのか?」

 

サツキ「僕より先にゲストからだよ。遠慮せずに入っておいで。」

 

エース「ありがとう。じゃあお言葉に甘えるよ。」

 

 

エースは先に風呂に入り、30分後、エースが上がった後にサツキも風呂に入った。サツキが風呂から上がる頃には夕食がリビングのテーブルに並べられている。

 

 

サツキ「今日も美味そうだな。」

 

絵里「エース君、遠慮せずに食べてね。」

 

エース「ありがとうございます、絵里さん。」

 

 

夕食を済ませたエースとサツキは居間で話しをしていた。

 

 

サツキ「でもどうして急にツキムラとジョーカーは、君を沼津支部に復帰させたんだ?」

 

エース「ああ。実は、父さんと兄さんから昨日、沼津でノイズの反応が確認されたらしいんだ。」

 

サツキ「ノイズ反応だと?」

 

 

「ノイズ」とは、かつて地球に現れた紅い星「クリムゾン彗星」から発せられていた特殊な粒子エネルギーの事だ。その粒子エネルギーからは、3つの特殊な細胞が存在しており、エースと、兄のジョーカーはそれぞれ「エース細胞」と「ジョーカー細胞」を埋め込まれた"モンスター化できる人間"として生きていた。そして父親のツキムラも、エース細胞とジョーカー細胞が一つに融合された3つ目の細胞「クリムゾン細胞」をその身に宿していた。

 

そして、その「ノイズエネルギー」と「エース細胞」「ジョーカー細胞」「クリムゾン細胞」この3つの内1つを用いる事で、自らをモンスターと化す"ファイナライズ"が可能となる。

 

だが、暴走したクリムゾン彗星を消滅させる為に、サツキは「アポカドラス・ゼウス」の力を使い、クリムゾン彗星の存在しない別の世界軸の地球へと創り変えた。だから今のこの世界にクリムゾン彗星は最初から存在しない事になっているはずなのだが………

 

 

エース「父さんから聞いたよ。3〜4ヶ月前にも、俺たちみたいに"ファイナライズ"できた少年がいた、って。」

 

サツキ「ああ、星野 流君の事だね。」

 

エース「うん。父さんからも言われただろうけど、ノイズやクリムゾン細胞がなければ"ファイナライズ"はまず不可能だ。」

 

サツキ「うん、けど、流君は自分のバディと"ファイナライズ"で同化していた。でも、流君のバディはもう居ないんだ。自分の身を捨てて犠牲になって、僕達人間を守ってくれた………」

 

 

サツキはIAの爆破から、その身一つで守ってくれたレッド・グリムの事を思い出して沈黙する。

 

 

エース「………、ノイズ反応が確認されたのは、昨日だったそうだよ。」

 

サツキ「昨日?」

 

エース「うん。だから急遽沼津に帰るように言われてさ、まったく参ったよ。たった1日で引っ越しとか、まあ局長もひとつ返事で承諾してくれたから良かったけどさ。」

 

サツキ「そうなんだ。 でも、いったい何なんだ? ノイズの反応の原因は………」

 

エース「だから、僕のスマホにはノイズ反応のような特殊なエネルギーを感知できるアプリが入ってるんだ。」

 

 

エースは、一通り話す事は話したので少し沈黙が続く。その間、無意味につけられていたテレビの画面を2人で見る。けどその沈黙を破ったのはまたしてもエースだった。

 

 

エース「なぁ、サツキ?」

 

サツキ「ん?」

 

エース「今この世界は、クリムゾン彗星が最初からない世界に改変されただろ?」

 

サツキ「ああ。」

 

エース「てことはだ。俺達の中にあった"エース細胞"や"ジョーカー細胞"、"クリムゾン細胞"はどうなったと思う?」

 

サツキ「え?」

 

 

エースの突然の質問にサツキは首をかしげる。

 

たしかに、今いるこの世界は、最初からクリムゾン彗星が存在しない世界に改変されている。最初からクリムゾン彗星が存在していないという事は、ノイズはもちろん、エースやジョーカー、ツキムラの中にあった特殊な細胞はどうなってしまったのだろうか?

 

サツキはまったくそんな事を意識していなかった。

 

 

エース「消えたんだ。エース細胞もジョーカー細胞もクリムゾン細胞も………、俺達は、元の人間に戻れたんだ。サツキとアポカドラスには感謝してる。」

 

サツキ「そうか………」

 

エース「でも、エース細胞が無くなった代わりに、俺に他の能力が生まれた可能性があるんだ。」

 

サツキ「他の能力?」

 

エース「ああ、けどこれは口外できない力なんだ。だから今言う事はサツキを信頼してるから話す。」

 

 

サツキは少しつばを飲む、エースが言う「信頼してるから話す」と言う言葉の重みを少し感じる。

 

 

サツキ「いったい何なんだ? 他の能力って?」

 

エース「俺には、新しいカードを生み出す能力があるんだ。」

 

サツキ「カードを生み出す?」

 

エース「ああ、サツキ、手を出してくれ。」

 

 

サツキはエースの言う通り、エースに手を差し出す。エースはその手を握る。

 

 

エース「サツキ、あんたが望むカードを想像してくれ。」

 

サツキ「僕が望むカード………?」

 

エース「うん。想像するんだ。」

 

 

サツキは目をつむって、カードをイメージを固める。

 

 

エースは握ったサツキの手を通じてサツキのイメージを読み取る。その時、エースとサツキの手は輝き、エースはそっとサツキの手を離す。

 

 

エース「目を開けていいよ、サツキ」

 

サツキ「ああ………」

 

 

サツキが目を開けると、手には1枚のカードが乗せられていた。そのカードは、たしかにサツキが思い浮かべたカードに近いイラストと能力のカードだった。

 

 

サツキ「このカードは………!」

 

エース「あんたが想像した通りのカードになっていればいいけど」

 

サツキ「ああ、ありがとう。」

 

エース「サツキ、この力の事はトップシークレットだ。誰にも口外しないでくれよ。」

 

サツキ「ああ、約束するよ。」

 

 

2人は再びテレビの画面に映る番組を見つめる。すると、風呂上がりの絵里が、サツキとエースにデザートを持ってきた。

 

 

絵里「何?2人共、秘密の話し?」

 

サツキ「まぁね。男同士の約束だよ。」

 

エース「ああ。」

 

絵里「あら、寂しいわね〜〜。エース君のお布団、空き部屋に用意してあるから使ってね。」

 

エース「はい、ありがとうございます。絵里さん。」

 

絵里「じゃあ、私と咲笑ちゃんは先に部屋に行ってるから、2人共夜更かししすぎないでね。」

 

 

そう言い残して、絵里は咲笑を抱っこして寝室に向かった。

 

 

サツキ「僕達もデザートを食べ終わったら寝ようか。」

 

エース「ああ。」

 

 

サツキとエースはデザートを食べながら談笑して、23時あたりでそれぞれの部屋に移動して就寝した。

 

ーーー

ーーー

 

アメリカ とある湾岸

 

 

「囚人番号 218番、そろそろ出航だ。」

 

218番「なあ看守さんよ、俺にはちゃんと「クリシュイット・ディーボ・樫原」って名前があるんだ。番号で呼ばないでもらえるか?」

 

若い看守「囚人ごときの名前など覚える気はない。特にお前みたいな死刑囚の名など………吐き気がする。」

 

218番「そう言わないでくれ、俺の名前長いだろ?クリッシュでいいからよ………」

 

若い看守「しつこいぞ!」

 

 

若い看守は警棒を振り上げて218番を殴ろうとする。だが、看守の上司と思われる人物に止められる。

 

 

看守の上司「やめろ。その警棒で今こいつを殴れば、お前もこいつと同類の人間になるぞ。」

 

若い看守「す、すいません。看守長………」

 

看守長「お前は正義感は強いが、少し感情的なとこれがあるな。」

 

若い看守「すみません。」

 

看守長「すまないな、えーっと、クリッシュ君。」

 

クリッシュ「あんただけだよ、俺を名前で呼ぶのは………」

 

看守長「そうか?」

 

クリッシュ「あんた看守長だろ? ちゃんとその看守を教育してくれ、短気すぎて疲れる。」

 

 

看守長「ああ、教育し直しておくよ。 そろそろ出航だ。まあ牢屋と言ってもコンテナみたいなもんだ、外の景色はあまり見えないだろうが………、日本までの船旅を楽しんでくれ。」

 

 

その後、クリッシュを乗せた囚人輸送船は出航した。

 

 

若い看守「ふぅ……、看守長は甘すぎます。あんな死刑囚に優しくする必要はないと思いますが。」

 

看守長「まあそうだろうが、死刑囚と言ってもあいつも人間だ。さっきみたいに名前で呼んでほしい時もあるだろう。」

 

若い看守「あんなやつ、人間なんかじゃ………っていうか、わざわざ日本で死刑を執行しなくても、アメリカで執行すればいいじゃないですか!」

 

看守長「ははは、そう言うなって。 あいつの名前に日本人の性が入ってるだろう?"樫原"って」

 

若い看守「"樫原"って日本人の性だったんですか」

 

看守長「ああ、クリッシュ君はアメリカに移住してから日本には二度と帰ってはいない。彼の裁判を担当したアンデロ氏から聞いたよ。彼は「死刑を受けるなら日本で受けたい」と言ったそうだ。彼も罪人である前に1人の人間だ。多分、死ぬ時くらいは産まれた国で最後を迎えたいのだろうよ。」

 

若い看守「そんなもんなんですかね?」

 

 

 

 

 

 

10月24日、日本時間で21時、死刑囚「クリシュイット・ディーボ・樫原」を乗せたアメリカの囚人護送船が出航した。日本到着予定時刻は、日本時間で 午前9時あたりである。

 




今回も感想を是非‼︎

次回の内容とか展開がまったく思いつかなのに、新キャラ出してしまった………

スクスタのリリースが9月26日に決まった事で少々舞い上がっていたのだ………恐ろしい………


次回『クリシュイット・ディーボ・樫原』

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