バディファイトLoveLive!サンシャイン!! 作:ヤギリ
前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』
フェルドラグの力と、ドラゴンフォースの力を合わせて1ヶ月後の沼津に飛んだ千歌達、海が荒れ、地が割れ、天が轟く中で、ついに『三壊王』と対峙する。
曜とアラトは2人でアリュスリーガとファイトし、見事にアリュスリーガを撃破し、梨子とレミーアも2人でディガルゾーロとファイトし、そしてディガルゾーロを撃破した!
だが、アダフとレヴェルはデグロドーザとファイトしたが、デグロドーザの圧倒的な能力により、敗北してしまう、だが2人の意思を継ぎ、千歌はデグロドーザとファイトし、そして勝利した。
『三壊王』は、ついに全滅したのだ。
ーーー
ーーー
千歌「はぁ………勝った………」
梨子/曜「千歌ちゃん!」
レヴェル「やりましたね。」
アダフ「お見事です、千歌さん。」
千歌「はい!これで、沼津は守れたんですよね?」
アダフ「ええ。皆さんの協力のおかげです。本当にありがとう。」
千歌「お礼は良いですよ、私達もこの街を守りたかったから、ただそれだけです。」
『ぐっ………ぐぅぅ………!』
皆が勝利を喜んでいる時、敗北した筈のデグロドーザが再び立ち上がる。
『ま………まだ、だ………!』
攻撃のダメージが効いているのか、竜人形に戻ったデグロドーザは肩を抑え、足を引きずっている。だが何か、さっきまでとは様子がおかしい。
千歌「………⁉︎」
アラト「こいつ、まだ………!」
デグロドーザ「まだ………まだ………だ、我らは、まだぁぁぁぁぁぁぁ!!』
デグロドーザは苦しみながら赤い光に包み込まれ空に上昇する。さらに、アリュスリーガとディガルゾーロも紫の光と青い光となって、赤い光と合わさり1つとなる。そして新たな姿へと変化した。
『よくぞ、我が分身達を退けてくれたな………、おかげで、我が力を抑制していた鎖が解け、復活する事が出来たようだ。』
アダフ「な……何?」
千歌「これは………!」
千歌達の前に姿を現したのは、上半身は翼と腕と身体がある竜人型、下半身は、まるで蛇の尾のようにドクロを巻いている巨大なモンスターだった!
『我が名は、「破壊の神アヴロ」………全ての世界を破壊し、新天地を創造するものなり!』
アダフ「破壊の神………」
千歌「アヴロ………?」
アヴロ『愚かしき人間共よ……我が復活したこの瞬間、世界は我が支配下に置かれた。全ては、創造の為の破壊を行使する為に……!』
アダフ「なんだと⁉︎」
梨子「戦いは、まだ終わってなかったの⁉︎」
アヴロ『ふふふふ………、お前達、この時間軸の存在ではないな?ここより近い過去から来たようだな?』
アダフ「なぜ分かる!」
アヴロ『分かるぞ、我は全ての時代、世界を見る事ができる破壊の神よ、滅びゆく世界の過去も未来も我が手の中だ。』
皆、アヴロからのプレッシャーに押され、本当の事を言っていると、嫌でも思わされる。
アヴロ『我はこの世界を破壊し支配する。だが、我が破壊の力、未だ不完全なり………、もっと力が必要だ。ふふふふ、我を復活させてくれた礼だ、1つだけ我の考えを教えよう。』
千歌「?」
アヴロ『我は今から、ここより近い時間軸、お前達が元いた時間軸に飛び、その世界の未だ復活していない〈壊王〉達を取り込む。そしてその時間軸の世界を、我が支配拠点としよう!』
全員「………⁉︎」
アヴロの言葉に、全員驚愕し絶句する。アヴロは千歌達が元いた時間、つまり、1ヶ月前の沼津の街へ飛び、その世界の三壊王を取り込み、その場で世界を破壊しようと言っているのだ。
千歌「そんな………そんな事⁉︎」
アヴロ『お前達に、我を静止する権限は無い、阻止したくば追ってくるがよい、さらばだ………』
そう言い残して、アヴロは空間を割り、穴を開け、そして消えて行った………
梨子「そんな………、じゃあ私達の世界は………、1ヶ月前の沼津は⁉︎」
曜「こんな事になるなんて………!」
アラト「ちっくしょう!!」
レミーア「うぅ………うぅっ………」
レヴェル「くぅ………」
千歌「みんな、何落ち込んでるの………?」
梨子「え?」
千歌「落ち込んでる暇なんて無いでしょ!行こう、戻ろうよ!私達の沼津に!今ならまだ間に合う!帰ろうよ!」
アダフ「千歌さんのおっしゃる通りです。我々には、もはや落ち込む猶予も無いのです!」
曜「千歌ちゃん………そうだね、うん!」
梨子「帰りましょう、私達の沼津に!」
アダフ「フェルドラグ!」
アダフが呼びかけると、フェルドラグがデッキの中から現れた。
フェルドラグ『うむ、話しは聞いた。だがすまない、時を飛ぶには、まだ少し時間が要りそうだ。』
千歌「ええ⁉︎」
フェルドラグの時間を跳ぶ能力を使うには、大量の霊力が必要となる。なので、しばらく休んで霊力をチャージする必要があるが、休み無くデグロドーザとのファイトでも力を尽くしていた為、霊力を溜める為に、少し時間を要する必要があるのだ。
アダフ「どれくらい掛かる?」
フェルドラグ『早くて2時間………遅ければさらに30分を要する。』
曜「それじゃ間に合わないよ!」
梨子「このままじゃ、私達が元いた沼津が………」
アラト「万事休すかよ………!」
レヴェル「アダフさん、何か手は?」
アダフ「すまないが、こればかりは………フェルドラグ頼みだ。」
フェルドラグ『すまない。』
アラトの言う通り、皆が万事休すかと思い始めた時、千歌が1つ提案を思いつく。
千歌「………ドラゴンフォースの力ならどおかな?」
曜「え?」
千歌「ドラゴンフォースなら、フェルドラグに必要な力を送れるんじゃないかなぁ〜って!」
曜「そうか、ドラゴンフォースは未知の力……もしかしたらって事もあるかも!」
梨子「そうね!」
アダフ「フェルドラグ、どうかな?」
フェルドラグ『うむ。上手く行くか分からんが、試せる事は試そう』
千歌達は、最初と同じように、フェルドラグを中心に囲むように円陣を組む。そしてフェルドラグは詠唱を始める。
フェルドラグ『"天に浄化されし竜の御霊達よ、異なる力を受け入れ我が身体に御霊の恩恵を………"』
アダフ「今です。」
千歌/曜/梨子「ドラゴンフォース解放‼︎」
千歌、曜、梨子がドラゴンフォースを解放した時、足下に魔法陣が現れ、千歌達のドラゴンフォースの光がフェルドラグに集まる。
だが数十秒くらい経つと、ドラゴンフォースの光が弱まり、そして、完全に消えてしまった。それと同時に千歌達も息を荒げて座り込む………
アダフ「大丈夫ですか⁉︎千歌さん、曜さん、梨子さん!」
千歌「はぁ……はぁ……はぁ………、なかなかキツいね………」
曜「うん………、はぁ……身体の力を吸われてる気分だよ………はぁ……」
梨子「はぁ………、はぁ………そうね………結構疲れるわ………」
レヴェル「多分、先程までのファイトの疲れもあるのでしょう。」
千歌「はぁ……、でも、疲れてなんていられ、ない………急がないと……!」
アラト「おい、あんま無理すんなよ!」
レミーア「そうだよ!」
千歌「でも……、急がなきゃ、無理でもしなきゃ………私達の元の世界の沼津が………!」
曜「千歌、ちゃん………」
梨子「千歌ちゃん………」
千歌「もう時間が………無理、なのかな………?」
千歌達が諦めて途方に暮れようとしていた時、数人の人影が千歌達に近づいて来る………
「もう諦めちゃうの?」
千歌「え………?」
曜「な、何で………⁉︎」
梨子「あ、あなた達は………」
千歌達に近づいて声をかけたのは、意外すぎる人物達だった。それはこの世界の、千歌達から見たら1ヶ月後の世界に存在しているもう1人の自分達、この世界のAqoursのみんなだった。
曜「ダイヤさん、ルビィちゃん、果南ちゃん!」
梨子「善子ちゃん、花丸ちゃん、鞠莉さん………」
千歌「梨子ちゃん、曜ちゃん、それに………私………?どうして………?」
千歌2「サツキさんから話しを聞いたんだよ。過去から千歌達が来てるって。」
梨子2「それに、見えてたから………、空で千歌ちゃんが謎のモンスターとファイトしてるのをね。」
曜2「それで助けに来たんだけど、終わっちゃったみたいだね?」
曜「えっと………、そうなんだ………。」
梨子「みんな、よく信じたわね。」
ダイヤ「まぁ、サツキさんがそんな突拍子も無い嘘を吐く人ではありませんし、それに、あなた方3人ならあり得ない話しではないと思いましたから。」
鞠莉「ふふふふ………、今までイレギュラー的な事には何度もあってるから、信じられない事は無い。ってね!」
果南「しかし、過去でも未来でも千歌達は忙しいね。」
花丸「むしろそれが運命ずらね。」
善子「運命って言うより宿命かしら?」
ルビィ「ふふふ、そうかもだね!」
千歌2「それで?千歌達は何をすれば良いの?」
千歌「え?」
千歌2「だって今、困ってるんでしょ?」
千歌「何で分かって………」
千歌2「だって同じ千歌だもん。自分が何を思ってるか嫌でも分かるよ。」
梨子2「それに、同じ世界の別の私達だとしても、私達の大切なこの街を守ってくれたもの。」
曜2「そのお礼をするのは当然だよね!」
千歌2「えへへ………、自分達にお礼をするって言うのも不思議な感じだけど、助けてあげられる事があるなら、私達は協力するよ。」
千歌/曜/梨子「………………」
アダフ「皆さん、ここは彼女達の手を借りましょう。」
千歌「アダフさん………」
アダフ「我々には一刻の猶予もありません。それに、自分自身に遠慮する必要も無いでしょう。」
レヴェル「私達には、成すべき事がありましょう。ここは自分達に任せてもいいのでは?」
千歌「………………分かりました。お願いしてもいいかな?」
千歌2「当然だよ!」
梨子「ありがとう。私達」
千歌「アダフさん!」
アダフ「はい。」
アダフは未来の千歌達に、今の自分達の状況を話し、協力してもらいたい内容を説明した。
曜2「そっか、過去の私達の世界に破壊神って言うのが向かったんだね?それを追いかけたいけど、フェルドラグの力の充填には時間がかかる………」
梨子2「それで私達は、過去に戻る為の力をフェルドラグに集めればいいんですね?」
アダフ「はい。その通りです。」
千歌2「よし、じゃあやってみよう!」
未来の千歌達は、過去の千歌達と同じように、フェルドラグを囲むように、円陣を組む。そしてフェルドラグは再び詠唱を始める。
フェルドラグ『"天に浄化されし竜の御霊達よ、異なる力を受け入れ我が身体に御霊の恩恵を………"』
千歌2/曜2/梨子2「ドラゴンフォース解放‼︎」
ーーー
ーーー
その頃、1ヶ月前の沼津の街………、空間を破り半身竜人、半身大蛇の巨大なモンスター「破壊神 アヴロ」が現れた。
アヴロの突然の出現に、街の人々は恐れおののき、悲鳴を上げて逃げ惑う、そしてバディポリスも動き出す。
浦の星女学院………
ダイヤ「いったい、何ですか!あれは………!」
果南「モンスター………だよね?」
ルビィ「うゅ………怖いよ〜〜………」
善子「てか、あんなの何処から現れたのよ!」
花丸「突然現れたずら………」
鞠莉「………っ! そんな事よりダイヤ、果南!生徒達を非難させるわよ!」
ダイヤ「は、はい!」
果南「オーケー!」
ーーー
ーーー
サツキ「そこのイリーガルモンスター!動くな!」
アヴロ『………………』
アヴロはバディポリスの言葉も聞かず、その場で謎の詠唱を始める。
アヴロ『………………』
サツキ「おい!聞いてるのか⁉︎」
アヴロ『………愚かでやかましき人間共よ、さえずるな。お前達は我が手によって殲滅され、この世界は破壊されるのだ。滅びの時をしかと待て………』
サツキ「何を言ってるんだ………⁉︎ お前は何者だ!」
アヴロ『我が名は、破壊の神アヴロだ。』
サツキ「破壊の神………?」
アヴロ『さよう。滅び行く定めの者共よ、我が力に
するとアヴロは、さっきとは別の詠唱を始め、アヴロを中心に広範囲の空間を囲むバリアのようなものを張る。
サツキ「何だ? いったい何をした!」
アヴロ『我が力の完全化が済むまで、大人しくしているがいい。』
サツキ「仕方ない………」
サツキはファイトでカタをつけようとデッキを見るが………
サツキ「これは………!フラッグが………」
だが、フラッグは色を失い、使用できなくなっていた。フラッグが使用できなければそもそもファイトができない。アヴロが張ったバリアの中では、フラッグが使用できずファイトができなくなってしまうようだ。
サツキ「バカな………」
サツキの動揺を無視して、アヴロは再び最初の詠唱を始める。すると、今までより強い風が吹き、海は荒れ、地震が起こる。そして、海より紫の竜人 アリュスリーガ、地面より青い竜人 ディガルゾーロ、空より赤い竜人 デグロドーザが現れ、アヴロの周りに集まる。
アヴロ『よくぞ集まった、我が分身達よ………』
デグロドーザ『我々の眠りを覚ましたあなた様は………?』
アヴロ『我は、破壊神アヴロ………お前達〈壊王〉は我であり、我はお前達である。今こそお前達は、再び我と1つとなるのだ。』
ディガルゾーロ『小生達とあなた様が1つに………?』
アヴロ『さよう。お前達は我となり、そして我と同じ破壊の神となるのだ。』
アリュスリーガ『俺達が………破壊の神に………』
アヴロ『今より、お前達の力を縛る鎖を解き放ち、我が力を完全なるモノとするのだ。』
アヴロは三壊王を光に変えて、自身の身体に取り込んだ。すると、アヴロの身体中の鱗が逆立って鎧のように硬化する。そして翼も一回り大きくなる。さらに身体に赤、青、紫のラインが入り、図体がさらに大きくなる。
アヴロ『ふはははははは!いいぞ、これこそが我の完全化した姿………完全なる力………、我は真の復活を遂げたのだ………!』
今回も感想を是非‼︎
ーーー次回予告ーーー
一月の時を越え、彼女達は未来の街を守った。だが、復活した破壊の化身は、彼女達の未来を奪おうと一月の時を遡る。時間を越えた戦いは、ついに佳境を迎える。
次回『託された未来、破壊神との決戦』