バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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今回も短いです。


フェルドラグの予知

前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』

 

 

千歌と曜と梨子は、自分達を狙う理由を知る為に、レヴェルに連れられて〈御霊の使徒〉が集う本拠地の教会に乗り込んだ。

 

ーーー

ーーー

 

教会………

 

 

レヴェルは教会の扉を開け、3人を教会内に通す。教会内には、真ん中の道を開けるように左右にいくつかの座席があり、教会の所々にステンドグラスが貼られている。

 

その場にはアラトとレミーア、そして教会の奥の聖台に1人の男が立っていた。

 

 

教団長「戻ったね、レヴェル。」

 

レヴェル「はい。教団長様、ご命令どおり高海千歌さんと桜内梨子さんと渡辺 曜さんを連れて参りました。」

 

 

レヴェルが教団長と呼ぶ男は、灰色の長い髪を後ろで結っており、見た目年齢は40歳前後くらいで司祭を思わせるような格好をしている。

 

そしてその傍らには、黒金の巨大なドラゴンが鎮座していた。

 

 

アラト「レヴェルの奴、本当に3人を連れて来やがった………」

 

レミーア「さすがレヴェルさんだね!」

 

 

教団長「ご苦労様レヴェル。そして初めまして、ドラゴンフォースに選ばれし少女達よ。私の名はアダフ。この教団〈御霊の使徒〉の教団長を務めています。」

 

 

アダフは優しい笑みで3人を迎え入れた。その様子に、千歌達の緊張は少し和らいだ。

 

 

千歌「この人が、教団長さん………?」

 

アダフ「まずは、ここまで付いて来てくれた礼と、昨日までの非礼を詫びましょう。本当に申し訳なかった。」

 

 

アダフは3人に深く頭を下げ、レヴェルとその場にいたアラト、レミーアも頭を下げて謝罪の意を示す。その謙虚な姿勢と言動に千歌達は、本当に自分達を狙っていた人なのか?と疑うくらいに礼儀正しい態度だった。

 

 

曜「そんな、頭を下げなくても………!」

 

梨子「その事はもういいですよ。結局、私達もここまで付いて来ましたから。」

 

千歌「あの私達、教団長さんに聞きたい事があって来たんです。」

 

アダフ「ああ分かっているよ。後、私の事はアダフと呼んでくれて構わないよ。」

 

千歌「じゃあアダフさん………、どうしてレヴェルさん達に千歌達を連れて来させようとしたんですか?」

 

アダフ「その質問の前に、先に私のお話しを聞いてもらえないだろうか?」

 

千歌「え?」

 

アダフ「今から語る話しの中に、君達の質問の答えが含まれている。どうか聞いていただけないだろうか?」

 

 

千歌の目配せに曜と梨子は頷く。

 

 

千歌「分かりました。聞きます。」

 

アダフ「では、まずは………フェルドラグ。」

 

 

アダフは傍らに居る黒金の巨大なドラゴンをフェルドラグと呼び、ドラゴンは名前に反応して立ち上がる。

 

 

アダフ「彼は私のバディ、フェルドラグだ。」

 

フェルドラグ『其方(そなた)らが、ドラゴンフォースに選ばれし者達か………。』

 

アダフ「口で説明する前に、実際に見てもらおう。我々の目的と、君達を呼び込んだ理由を………。」

 

フェルドラグ『我には、近い未来を予知する力がある。其方(そなた)らに、これから近い未来に起こる災厄を見せてやろう。』

 

千歌「未来に起こる………」

 

曜「厄災?」

 

アダフ「聞くより見た方が早い。フェルドラグ、近未来予知だ。」

 

フェルドラグ『承知した。皆、目を閉じよ。』

 

 

皆はフェルドラグの言う通り目配せを瞑る。その瞬間、正面から強い突風に吹かれたような感覚を感じる。その後、フェルドラグの『目を開けよ』と言う声が聞こえ、皆、目を開けた。

 

 

千歌達が目を開けた時、目の前は暗い雲に覆われた沼津の街が見えた。

 

 

千歌「これは………、沼津市?」

 

曜「私達いつの間に外に?」

 

フェルドラグ『これは、我が実際に見た未来………1ヶ月後の沼津のヴィジョンだ。実際に外にいるわけではない。』

 

梨子「1ヶ月後の沼津⁉︎」

 

アダフ「これは、フェルドラグが見た予知と同じものを君達の視界に写しているのだ。」

 

 

千歌達が今見ている沼津は、暗い雲に覆われ、海は荒れ、雷鳴が鳴り、地面や建物が所々ヒビ割れていて、車が建物や車同士で追突しており、悲惨な様子を見せている………

 

 

梨子「酷い………」

 

曜「こんな事が、1ヶ月後に起こる事なの?」

 

フェルドラグ『うむ。』

 

千歌「そんな………どうして………、いったい何があったらこんな風になるの⁉︎」

 

フェルドラグ『この被害の原因はアレだ。』

 

 

フェルドラグは前脚で空を指す。千歌達がその方を見ると、赤、青、紫の3つの影が上空に立っていた。

 

 

曜「アレは?」

 

アダフ「奴らがこの被害の原因………、海、陸、天を壊する3体のドラゴン………」

 

フェルドラグ『我は奴らを『三壊王』と呼んでいる。』

 

千歌「『三壊王』?」

 

 

その時、青い影は地に降り立ち咆哮する。すると、地割れが起こり、周りの建物を倒壊させていく。

 

紫の影は海の上に立って咆哮する。すると、海水が渦を巻き、倒壊した建物を押し流し、海へ引きずり込む。

 

赤い影が空に飛び咆哮する。すると、暗い雲が雷を纏い、街に雷を落とす。

 

この3体の竜の影によって街は見る見る間に荒廃した地に変えられていく………

 

 

曜「酷い!」

 

千歌「そんな………こんな事、やめて………もうやめてよ!」

 

 

そこでフェルドラグの予知は終わり、教会に戻ってくる。

 

 

千歌「うぅ………うっ………うぅ………」

 

梨子「千歌ちゃん………」

 

曜「これって、事実なんですか?」

 

フェルドラグ『うむ。これより1ヶ月後に起こる事実だ。』

 

アダフ「フェルドラグの予知は外れた事はありません。100%の確定で起こる事です。」

 

千歌「………………」

 

梨子「ど、どうにもできないんですか?」

 

アダフ「………………方法は1つあります。」

 

千歌「っ! あるんですか⁉︎」

 

アダフ「はい。その為に君達3人の力が必要なのです。」

 

曜「それってどう言う………」

 

アダフ「我々の目的は、フェルドラグが予知した1ヶ月後の沼津へ向かい、そして『三壊王』を消滅させる事。」

 

梨子「1ヶ月後の沼津へ⁉︎そんな事が出来るの⁉︎」

 

アダフ「可能です。フェルドラグと、そしてドラゴンフォースの力があれば………未来を渡る事ができます。」

 

千歌「それが、私達を連れて来させた理由………なんですね。」

 

アダフ「はい。」

 

千歌「………………」

 

曜「………………」

 

梨子「………………」

 

アダフ「信用できませんか? なら、バディファイトでもしましょうか。」

 

千歌「え?ファイトですか?」

 

アダフ「はい。私が勝てば、君達には必ず協力してもらいます。」

 

千歌「私が勝てば?」

 

アダフ「君達の自由にして構いません。」

 

梨子「千歌ちゃん、どうするの?」

 

曜「ファイトする?」

 

千歌「うん。やるよ………分かりました。ファイトしましょう!」

 

アダフ「決まりですね。」

 

フェルドラグ『アダフよ、そのような条件で良いのか?万が一にでも敗すれば未来を変える事は出来ないぞ?』

 

アダフ「それは承知の上だ。」

 

 

 

千歌「全てを照らす光、眩き無限の烈光!輝きのルミナイズ!〈光輝なる超太陽〉」

 

アダフ「御霊の竜達の祈りを聞き、最悪の未来に霊竜の鉄槌を下さん………ルミナイズ!〈御霊の竜王〉」

 

 

オープンTHEフラッグ

 

 

千歌「ドラゴンワールド」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

アダフ「ダークネスドラゴンワールド」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 




今回も感想を是非‼︎


ーーー次回予告ーーー

フェルドラグの予知によって最悪の未来を見た千歌達、だが千歌はこれからの未来に起こる事実を受け止められない、そんな疑心を抱きながらアダフとフェルドラグとのファイトを開始する。

次回『千歌 vs アダフ』

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