バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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盛谷サツキの特別な日

10月中旬のある日………

 

 

バディポリス 沼津支局

 

 

「サツキ先輩ー!」

 

サツキ「ん?ああ浅木(あさぎ)君。」

 

 

サツキを先輩と呼び(うやま)っている彼は、「浅木 拓矢(あさき たくや)」青い髪色でマッシュショートヘアの青年だ。

 

 

拓矢「先週言われていたレポートを纏めておきました。」

 

サツキ「うん、ご苦労様。あ、これからパトロールに行くんだけど、一緒にどうかな?」

 

拓矢「は、はい!お供させていただきます!」

 

 

サツキと拓矢はパトカーでパトロールに向かった。

 

 

サツキ「しかし、あの量のレポートをよく1週間で仕上げたね。」

 

拓矢「はい、自分はこういう事務仕事が向いてるので………」

 

サツキ「そんな事ないさ、ファイトだって良い結果を残してると思うよ?」

 

拓矢「そうですかね?」

 

サツキ「うん。」

 

拓矢「………………」

 

サツキ「ん、どうかした?」

 

拓矢「いえ、サツキ先輩今日はご機嫌ですね。」

 

サツキ「ああ、実は今日は妻の出産予定日なんだ。」

 

拓矢「そうなんですか⁉︎ おめでとうございます!」

 

サツキ「ありがとう。だから今日は定時より早目に仕事を繰上げるからね。」

 

ーーー

ーーー

 

沼津支局 司令室………

 

 

オペレーター1「え⁉︎ サツキさんの奥さん、今日出産日なんですか⁉︎」

 

オペレーター2「みたいよ?」

 

オペレーター3 「あの………サツキさんの奥さんって………?」

 

オペレーター2「あんた知らないの?絢瀬 絵里さんよ。元『μ’s』の!」

 

オペレーター3 「え⁉︎あの絢瀬絵里さんですか⁉︎凄い………」

 

オペレーター1「あーあ、サツキさんも絵里さんも、子供の親になっちゃうんだなぁ〜〜………」

 

オペレーター2「ほんと、サツキさんがフリーだったら真っ先にモノにしたのに………」

 

オペレーター1「ちょっ!あんたもサツキさんを狙ってたの⁉︎」

 

オペレーター2「勿論よ〜〜!ってか、あんたも?鏡見直したら?」

 

オペレーター1「キレるわよ〜〜!」

 

オペレーター3 「ちょっ、先輩方落ち着いてください………」

 

 

オペレーターの3人が騒いでいると、通信機から警笛が鳴る。すると今のばか騒ぎが嘘のように、オペレーターの仕事を遂行する。

 

 

オペレーター1「沼津4地区でクリミナルファイターが2名暴走中!」

 

オペレーター2「モンスターの実体化禁止エリアでモンスターを出して暴れています!」

 

局長「4地区に一番近い警官は誰だ?」

 

オペレーター3 「4地区に一番近いところにいるのは……盛谷サツキさんです!」

 

局長「至急現場に向かうよう指示してくれ!」

 

オペレーター2「了解!」

 

ーーー

ーーー

 

沼津4地区の近くをパトロールしていたサツキのパトカーの無線機に通信が入る。

 

 

サツキ「はい、こちら盛谷。」

 

『サツキさん、沼津4地区にて、クリミナルファイター2名が暴走中、至急向かってください!』

 

サツキ「了解!すぐに向かいます。」

 

拓矢「クリミナルファイターですか?」

 

サツキ「ああ、少し飛ばすよ!」

 

 

サツキが運転するパトカーのランプが赤と青に点滅する。これはバディポリス出動の合図になる。

 

ーーー

ーーー

 

沼津4地区………

 

 

クリミナルファイター1「うぉぉぉぉお!出て来やがれ!バディポリスーー!」

 

クリミナルファイター2「出てくるまで、暴れ回ってやるぜーーー!」

 

 

「やだ、何あれ?」

 

「バディポリスを呼びながら暴れ回ってるぞ………?」

 

「ちょっとヤバいんじゃないか?」

 

クリミナルファイター1「てめぇら!こいつは見せもんじゃねーんだよ!」

 

クリミナルファイター2「ぶっ潰すぞ!」

 

 

暴れているクリミナルファイターの周りに野次馬が集まり、結構な騒ぎになっていた。そこに、一台のパトカーが到着する。

 

 

サツキ「バディポリスだ!クリミナルファイター動くな!」

 

拓矢「皆さんは危険なのでもう少し下がってください!」

 

クリミナルファイター1「やっと来やがったな?バディポリス!」

 

クリミナルファイター2「しかも、盛谷サツキだ!」

 

サツキ「動くなと言っている。一体、なぜこんな所で暴れ回ってる?」

 

クリミナルファイター1「俺たちはお前らバディポリスに要求があるんだよ。」

 

サツキ「バディポリスに要求?」

 

クリミナルファイター1「そうだ。」

 

拓矢「ふざけるな!お前達がバディポリスに要求だなんて……、今の立場と状況をよく考えろ!」

 

サツキ「君達は、僕らバディポリスを呼び出す為に暴れ回っていたのかい?」

 

クリミナルファイター2「そうだ。だが、ただでとは言わない。」

 

クリミナルファイター1「バディポリス、俺達とファイトしろ!もし、俺達が勝ったら、要求に応えてもらうぜ!」

 

拓矢「何を言ってるんだ!サツキ先輩、こんなファイト受ける必要はないですよ。」

 

クリミナルファイター1「受けないのか?だったら俺達にもやりようはあるぜ。」

 

 

そう言うと、2人のクリミナルファイターは銃を取り出し、自分のこめかみに銃口を押し付ける。

 

 

サツキ「っ⁉︎ 何をしている!」

 

クリミナルファイター1「もしお前達がこのファイトを断れば、俺達はこの引き金を引く。」

 

クリミナルファイター2「俺達がここで自害したら、お前らバディポリスの信用も面子もダダ下がりだ。お前達バディポリスがファイトを断ったせいで、2人の命が消えちまうんだ。」

 

拓矢「何を勝手な事を………、構う必要はないですよサツキ先輩。彼らのやってる事には、何の意味も無いです。」

 

サツキ「………分かった。要求を聞こう。」

 

拓矢「サツキ先輩⁉︎」

 

サツキ「浅木君の言う通り、彼らの行動には何の意味も無いかもしれない。けど見てみるんだあの2人の目を………あれは本気の目だ。もし僕達が彼らを無視すれば、彼らは躊躇いなく自分を殺すはずだ。」

 

拓矢「………………」

 

 

警察のマニュアルには『警察官職務執行法』と言うものがある。

これは、警察官の義務によって最も重視される法だ。

 

今回の場合、クリミナルファイターであろうが、生命の危機に瀕している者を守り、保護する事が最重要事項になっている。それはバディポリスのマニュアルにも適用されている。

 

 

サツキ「僕らバディポリスは、バディファイトの安全と人の命を守る仕事だ。たとえ相手がクリミナルファイターだとしても、彼らも1つの命を持ってる。彼らも僕達が守るべき命なんだ。」

 

拓矢「………分かりました。」

 

サツキ「君達とのファイトを受けよう。その前に君達の要求を聞かせてもらうよ。」

 

クリミナルファイター1「俺達の要求はただ1つだ、俺達がファイトに勝ったら、俺達の兄貴「村上さん」を釈放してもらう。」

 

クリミナルファイター2「ファイトを受けたからには、この要求は守ってもらうぜ。」

 

ーーー

ーーー

 

司令室………

 

局長「村上さん………? ああ、2ヶ月前に逮捕された「村上 文良(むらかみ ふみよし)」の事か。」

 

オペレーター1「たしか、サツキさんが"バディファイトカードの違法コピー及び、違法売買"の件で捕まえた人でしたよね。」

 

局長「ああ、彼らはおそらく、その仲間か部下だろうね。」

 

ーーー

ーーー

 

現場………

 

 

サツキ「村上 文良(むらかみ ふみよし)の釈放か………分かった、その要求を聞こう。ただし、僕が勝てば………分かってるね。」

 

クリミナルファイター1「ああ。」

 

 

そう言うとクリミナルファイター達は銃を捨てて、デッキを構える。

 

 

サツキ「浅木君、君はもう1人の相手を頼むよ。」

 

拓矢「あ、はい!」

 

サツキ「ファイトの前に、君の名前を聞こう。」

 

クリミナルファイター1「俺は高島だ。」

 

サツキ「分かった。行くぞ、バディファイトだ!」

 

 

 

サツキ「銀河の星々よ、新たな竜帝の元に集え!ルミナイズ!〈ギャラクシー・アポカリプス"改"〉」

 

高島「村上さんは必ず釈放してもらうぜ。ルミナイズ!」

 

 

オープンTHEフラッグ

 

 

サツキ「ギャラクシードラゴンワールド」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

高島「デンジャーワールド」

◼️手札6/ゲージ2/LP10

 

ーーー

ーーー

 

産婦人科………

 

 

絵里は出産予定日の為、産婦人科で診察を受けて、病院のベッドで横になっていた。

 

 

絵里「うふふ………、もう少しであなたに会えるのね。」

 

希「楽しみやな、絵里ち」

 

絵里「ええ!」

 

希「にしても、サツキ君は間に合うやろか?」

 

絵里「サツキなら大丈夫よ。それより希、テレビつけてくれる?」

 

希「うん。」

 

 

希がテレビをつけると、緊急でニュースが放送されていた。

 

 

アナウンサー『現場の石川です!沼津4地区で2人のクリミナルファイターが暴れており、現在2人のバディポリスがその対応としてバディファイトを始めています。現在ファイトしているのは、バディポリスのAAA(トリプルエース)盛谷サツキさんです!果たして2人のバディポリスはクリミナルファイターを逮捕できるでしょうか⁉︎』

 

 

 

絵里「サツキ………!」

 

希「こんな時に……何やっとんや………」

 

 

ーーー

ーーー

 

沼津4地区 現場………

 

 

サツキ「僕が勝ったら大人しく逮捕されてもらうからね。」

 

高島「分かっている。」

 

サツキ「僕のターン!ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札6→7/ゲージ2→3

 

サツキ「ライトに〈銀河騎竜 APC・クライ〉をコール、レフトに〈銀河騎竜 APC・キャッター〉をコール、センターに〈銀河騎竜 APC シュライザー〉をコール!」

◼️手札7→6→5→4/ゲージ3→2

 

 

銀河騎竜 APC・クライ

戦装竜

サイズ1/攻4000/防2000/打撃1

◼️〈スターXリンク〉

このカードが破壊された時、相手にダメージ1!

 

 

銀河騎竜 APC・キャッター

戦装竜

サイズ0/攻2000/防2000/打撃1

◼️〈スターXリンク〉

このカードの攻撃で相手がダメージを受けた時、君のデッキの上からカードを1枚引く。この〈スターXリンク〉は1ターンに1枚までしか使えない。

 

 

銀河騎竜 APC・シュライザー

戦装竜

サイズ2/攻6000/防1000/打撃2

◼️【コールコスト】ゲージ1払う。

◼️このカードが《ギンガドラゴン》のソウルにある時、そのカードは【貫通】を得る。

◼️〈スターXリンク〉

このカードの攻撃力+3000する。

 

 

サツキ「僕のモンスターは全て、お互いの〈スターXリンク〉の能力を得る。」

 

 

APC・クライ

攻4000→7000

 

APC・キャッター

攻2000→5000

 

APC・シュライザー

攻6000→9000

 

 

サツキ「バトル!APCシュライザーでファイターに攻撃!打撃2」

 

高島「うぐ!」LP10→8

 

サツキ「APCキャッターの〈スターXリンク〉で、相手にダメージを与えた時、1ドロー!」

◼️手札4→5

 

サツキ「ターンエンド!」

◼️手札5/ゲージ2/LP10

 

 

高島「俺のターン!ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札6→7/ゲージ2→3

 

高島「レフトとライトに〈蒼駆竜 ガグ〉をコール!」

◼️手札7→6→5

 

 

蒼駆竜 ガグ

サイズ0/攻3000/防2000/打撃1

 

 

高島「そして、ガグ2体とゲージ2をコストにバディコール(LP8→9)!〈帝王竜 ガエル・カーン〉」

◼️手札5→4/ゲージ3→1

 

 

帝王竜 ガエル・カーン

サイズ2/攻10000/防10000/打撃4

 

 

高島「ガエルカーンの登場時"王の一喝"相手の場のモンスターを全て破壊するぜ!」

 

 

APCクライ 破壊!

 

APCキャッター 破壊!

 

APCシュライザー 破壊!

 

 

サツキ「何⁉︎ だけど、APCクライの〈スターXリンク〉!破壊された時、相手にダメージ1だ。この能力を3 体分使う!」

 

高島「ぐぅぅぅ!」LP9→6

 

高島「ライフ1払い〈超力充填〉ゲージ+3」

◼️手札4→3/ゲージ1→4/LP6→5

 

高島「バトルだ!ガエルカーンで盛谷サツキに攻撃だ!打撃4!」

 

サツキ「ぐぁぁぁ!………ぐっ!」LP10→6

 

高島「まだだ!ファイナルフェイズ‼︎ゲージ3払い、ガエルカーンを必殺モンスターに!〈ガエル・カーン"エンペラー・デルバクト‼︎"〉」

◼️手札3→2/ゲージ4→1

 

 

ガエル・カーン"エンペラー・デルバクト‼︎"

デュエルドラゴン

サイズ3/攻13000/防10000/打撃3

◼️【コールコスト】君の場のサイズ3の〈デュエルドラゴン〉1枚に重ねて、ゲージ3払う。

◼️この必殺モンスターの登場時、相手の場のカードを全て破壊する。

◼️このカードのソウルにカード名に「ガエル・カーン」を含むカードがあるなら、このカードは【3回攻撃】を得る。

【ソウルガード】

 

 

高島「こいつのソウルにガエルカーンがあれば、この必殺モンスターは【3回攻撃】を得るぜ!」

 

サツキ「何⁉︎」

 

高島「必殺モンスターで攻撃!打撃3!」

 

サツキ「うわぁぁ!」LP6→3

 

高島「必殺モンスターで2回攻撃だ!」

 

サツキ「キャスト!〈ギャラクシー・ネオバリア〉攻撃を無効化する!」

◼️手札5→4

 

 

ギャラクシー・ネオバリア

銀河/防御

◼️相手の攻撃中に使える。

◼️【対抗】その攻撃を無効化して、君のライフ+2!さらに、君の場に〈ギンガドラゴン〉があれば、君のデッキの上から1枚ゲージに置く。

 

 

サツキ「その攻撃を無効化して、ライフ+2だ!」LP3→5

 

高島「必殺モンスターで3回攻撃だぜ!打撃3 」

 

サツキ「ぐぁぁぁ!」LP5→2

 

高島「ターンエンドだ!」

◼️手札2/ゲージ1/LP5

 

 

サツキ「僕のターン!ドロー、チャージ&ドロー!」

◼️手札4→5/ゲージ2→3

 

サツキ「来たか………!ライトにバディコール(LP2→3)!〈超銀河王 アポカドラシオン〉」

◼️手札5→4/ゲージ3→1

 

 

超銀河王 アポカドラシオン

ギンガドラゴン

サイズ2/攻7000/防5000/打撃2

◼️【コールコスト】ゲージ2払う。

◼️〈ギャラクシーXリンク〉〔このカードは、このカードのソウルにある〈スターXリンク〉を全て得る。〕

◼️【起動】君のデッキの上から3枚見て、その中から1枚までをこのカードのソウルに入れて、君のライフ+2!残ったカードはドロップゾーンに置く。この能力は1ターンに1回だけ使える。

【ソウルガード】【銀河武装】

 

 

サツキ「アポカドラシオンの能力発動!デッキトップから3枚確認、その中から〈銀河騎竜 APC・セイバーウィング〉をソウルイン!

 

 

銀河騎龍 APC・セイバーウィング

戦装竜

サイズ3/攻7000/防2000/打撃1

◼️【コールコスト】ゲージ2払う。

◼️君の場の〈ギンガドラゴン〉のソウルがこのカード1枚だけの時、そのモンスターの攻撃力+3000、防御力+3000して、打撃力+1!

◼️〈スターXリンク〉

ゲージ1とライフ1 払う。このカードは【3回攻撃】を得る。

【貫通】

 

 

サツキ「ライフ2払い〈銀河の伝承〉」

◼️手札4→3/LP3→1

 

 

銀河の伝承

魔法/ゲット

◼️【使用コスト】ライフ2払う。

◼️君のデッキの上からカードを2枚ゲージに置いて、カードを2枚引く。「銀河の伝承」は1ターンに1枚だけ使える。

 

 

サツキ「2チャージ、2ドロー!」

◼️手札3→5/ゲージ1→3

 

サツキ「キャスト〈ドラシオン・リサイクル〉」

 

 

ドラシオン・リサイクル

魔法

◼️君のドロップから「戦装竜」1枚を君の場の「ギンガドラゴン」1枚のソウルに入れる。このカードは1ターンに1枚だけ使える。

 

 

サツキ「ドロップから〈銀河騎竜 APC・シュライザー〉をアポカドラシオンにソウルイン!」

 

 

アポカドラシオン ソウル1→2

◼️APC・セイバーウィング

◼️APC・シュライザー

(【貫通】を得る。)

ーーー

〈ギャラクシーXリンク〉

・ゲージ1とライフ1 払う。このカードは【3回攻撃】を得る。

・アポカドラシオン 攻7000→10000

 

 

サツキ「バトルだ!アポカドラシオンで必要モンスターに攻撃!」

 

高島「ソウルガードだぜ!」

 

 

アポカドラシオン

攻10000

 

必殺モンスター

防10000

 

必殺モンスター 破壊!

【ソウルガード】ソウル1→0

 

 

サツキ「【貫通】打撃2!」

 

高島「ぐぅ!」LP5→3

 

サツキ「アポカドラシオンで必殺モンスターに2回攻撃!」

 

 

必殺モンスター 撃破!

 

 

サツキ「【貫通】打撃2!」

 

高島「がぁぁ!」LP3→1

 

サツキ「これでとどめだ!アポカドラシオンで3回攻撃!」

 

高島「うわぁぁぁ!」LP1→0

 

 

 

サツキ「ふぅ、状況終了。」

 

拓矢「サツキ先輩!こっちも終わりました!」

 

 

拓矢の足下にもう1人のクリミナルファイターが突っ伏している。

 

 

サツキ「そうか。」

 

 

サツキが安心すると、スマホが鳴る。着信は希からだった。

 

 

サツキ「うん? もしもし?」

 

スマホ(希)『もしもし⁉︎サツキ君!絵里ちが破水したんや!赤ちゃんの頭がもう出かかってるって!急いで産婦人科まで来て‼︎』

 

サツキ「何⁉︎ 予定より早くないか⁉︎」

 

希『うん!せやから早く来て‼︎』

 

サツキ「分かった!今行く!」

 

拓矢「サツキ先輩………?」

 

サツキ「悪い、後は任せていいかな?」

 

拓矢「え?でも………」

 

「後は私達がやっておく」

 

サツキ「局長!」

 

美奈「お子さんが産まれそうなんですよね?早く行ってあげてください。」

 

 

パトロール中の星野 美奈は遅れながら、現場に到着して来た。勿論、美奈は運転できる歳ではないので、他の警官が運転するパトカーに乗ってパトロールしていた。

 

 

サツキ「ありがとう。」

 

 

サツキはパトカーに乗って急いで産婦人科に向かった。

 

ーーー

ーーー

 

産婦人科………

 

 

「頑張って!もう頭出てるよ!」

 

「もう一踏ん張りよ!頑張って!」

 

絵里「は………はい………!うぅ………ああああ!」

 

 

 

希「絵里ち………」

 

サツキ「希ちゃん!絵里ちゃん!」

 

希「サツキ君⁉︎」

 

サツキ「絵里ちゃんは⁉︎」

 

希「今、頑張ってるところや!多分、もうすぐ産まれ………」

 

 

「ほぎゃぁぁぁ、ほぎゃぁぁぁ………」

 

 

サツキ/希「⁉︎」

 

 

サツキが到着したと同時に、赤ちゃんの産声が出産室から響く。どうやら無事に産まれたようだ。そして室内から助産師さんが安心したように出て来た。

 

 

サツキ「助産師さん!」

 

助産師「あなたが旦那さんね。」

 

サツキ「はい。」

 

助産師「おめでとうございます。元気な女の子ですよ。」

 

サツキ「女の子ですか、ありがとうございます!」

 

 

それからサツキと希は殺菌処理をしてから絵里の所に向かった。

 

 

サツキ「絵里ちゃん。」

 

希「絵里ち。」

 

絵里「サツキ、希………、産まれたわ、女の子ですって。」

 

サツキ「ああ。かわいい女の子だ。」

 

 

サツキは産まれたばかりの赤ちゃんの所に行く。

 

 

サツキ「初めまして、君のパパだよ。」

 

希「ほんま、かわいいな〜〜、もう名前は決めてるん?」

 

絵里「私はまだよ。サツキは?」

 

サツキ「決めてる。この子の名前は、咲きほこる笑顔の女の子『咲笑(さえ)』だ。」

 

絵里「『咲笑(さえ)』ちゃん、良い名前ね。」

 

希「サツキ君にしては、良いネーミングセンスやな。」

 

サツキ「はははは………どうも。」

 

 

盛谷 咲笑(さえ)

10月/15日 誕生

 

 

 

それからしばらくして、絵里は病室に、赤ちゃんは新生児室に分けられる。

 

 

絵里「はぁ………、産まれてすぐ引き離されるのね………」

 

希「まあまあ、新生児は繊細なんや、それに絵里ちが退院できるのは来週あたり、来週には咲絵ちゃんも一緒に帰れるはずやで。」

 

絵里「そうね。私が退院するまで、サツキを頼んだわね。」

 

希「うん。じゃあ一旦帰って絵里ちの着替えとか持って来るね。」

 

絵里「ええ。サツキ、晩ご飯は希に頼んであるからね。」

 

サツキ「うん。明日また来るよ。」

 

希「ほな行こか。」

 

 

サツキと絵里は、晴れて1人の子供の親となった。

 

 




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