バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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ギラの目的

前回の『バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎』

 

冥府の巣窟から帰還した千歌、曜、梨子、サツキ、真柴。

だがその後、千歌は突然の心臓停止で倒れてしまった。だが、志満と意識を同化させた〈武装竜帝 エンデュミアス〉の応急処置で、なんとか再び心臓を復活させる事に成功した。

 

ーーー

ーーー

 

サツキは「バディファイト技術開発局 試験支部」に来ていた。

ここではバディポリスの協力、支援の元、バディファイトの新システムや、器機、新カードの開発と試作実験や試験を行っている。

 

サツキはこの施設で働いている青少年、焼野 炎斬を訪ねて来ていた。

 

 

炎斬「何だよサツキ、こんな所まで訪ねて来てよ。」

 

サツキ「炎斬君、千歌ちゃんを救う為に君の力が必要なんだ。一緒に来てくれないかな?」

 

炎斬「は?何かあったのか?」

 

サツキ「炎斬君、君にも見えているんじゃないか?空の黒い穴が」

 

炎斬「ん?ああ、見えてるぜ。けど騒ぎにはなってねーみたいだからな、別に気にしちゃいねーよ。」

 

サツキ「そうか。」

 

炎斬「それより、千歌に何かあったのか?」

 

サツキ「ああ、実は………」

 

 

サツキはさっきまで起きていた事を全て炎斬に話した。

 

 

炎斬「何……だと………、サツキぃ!」

 

 

サツキの話しと千歌の今の状態を聞いた炎斬はサツキの胸ぐらに掴みかかる!

 

 

炎斬「あんたみてーな強ぇぇ奴がいて、何で千歌が死にかけてんだよ!!」

 

サツキ「……っ! すまない………」

 

炎斬「…チッ! 早く行くぞ!」

 

 

サツキは炎斬の上司に用事が出来た事を伝えて、今日の仕事を早退させてもらった。

 

そして、炎斬はサツキのパトカーに乗って千歌の家に向かう。

 

 

サツキ「炎斬君は、千歌ちゃんの事になると必死だね。」

 

炎斬「まぁな……」

 

サツキ「どうしてだい?」

 

炎斬「………俺はまだ、あいつにリベンジを果たしてねぇ………」

 

 

炎斬は千歌に出会って何度もファイトをした。だが、勝ったのは初めて会ってファイトした1回のみで、千歌にリベンジを果たされてから、炎斬は2度と千歌に勝てていない。

 

炎斬は、いつか再び千歌に勝つ(リベンジする)為にバディファイトをしている。

 

いつか千歌とケリをつける為にも、千歌の前に立ちはだかる壁や危機を炎斬は放っておけないのだ。全ては高海千歌を最大のライバルと認めているからこそ、全ての危機から千歌を守りたいと思っている。

 

 

炎斬「俺はいつか必ず千歌に勝つ!その為にも、千歌に死なれちゃ困るんだよ………。」

 

サツキ「そうか、君の気持ちは良く分かったよ。」

 

炎斬「くだらねー話し聞いてねーで、もっと飛ばせよ!」

 

サツキ「警察がスピード違反できるわけないだろ。」

 

ーーー

ーーー

 

十千万 千歌の部屋

 

曜、梨子、真柴は交代で、千歌にフォースの光を送って千歌の命を繋ぎ止めている。

 

 

曜「………」

 

梨子「…………」

 

真柴「………」

 

 

ドタドタ ……バン!!

 

 

「千歌!」

 

3人「!!」ビクッ

 

サツキ「ちょっ……炎斬君、下にお客さんも居るんだから……。」

 

炎斬「千歌!お前何寝てんだよ!早く起きて俺とファイトしろ!」

 

梨子「え、炎斬君⁉︎」

 

曜「サツキさんが連れて来たんですか?」

 

サツキ「うん。」

 

真柴「………誰だ?」

 

炎斬「サツキ、千歌を救うにはどうすればいいんだ?」

 

サツキ「千歌ちゃんの手を握って、エンリュウフォースを解放するんだ。梨子ちゃん、炎斬君に代わってくれ。」

 

炎斬「手を………⁉︎い、いや、分かった。」

 

梨子「はい。炎斬君」

 

炎斬「お、おう。」

 

 

炎斬は気恥ずかしそうに千歌の手を握る。

 

 

炎斬「エンリュウフォース………解放‼︎」

 

 

エンリュウフォースの光が千歌を包み込む。

 

 

真柴「この人も、フォースを?」

 

サツキ「うん。彼の力はエンリュウフォース、君と同じで彼女達のドラゴンフォースがベースになってるんだ。しかも千歌ちゃんのドラゴンフォースの影響が強いから、何とかなればいいが………」

 

 

千歌の部屋の隣には、Aqoursの6人とグリスが居た。

因みに、Aqoursのみんな千歌の身を案じて十千万に泊めてもらえるようになっていた。

 

 

ダイヤ「! 今の声、炎斬さんですわね。」

 

果南「サツキさんが連れて来たみたい。まぁ、エンリュウフォースが使えるからね。」

 

花丸「ずいぶん必死な声だったずら。」

 

鞠莉「ん〜〜、あの必死ぶりって事は………ふふふ〜〜!」

 

ルビィ「どうしたの?鞠莉ちゃん?」

 

鞠莉「ふふふ〜、もしかしたら………ゴニョゴニョ………」

 

ルビィ「ピギィ!」

 

 

鞠莉はいたずらそうな表情でルビィに耳打ちする。するとルビィは顔を真っ赤にして驚いた。

 

 

ルビィ「え〜〜!え、炎斬君が千歌ちゃんの事を好き〜〜⁉︎」

 

ダイヤ「な⁉︎鞠莉さん!ルビィに変な嘘を吹き込まないでください!!」

 

鞠莉「あら〜〜嘘とは言えないでしょ?普段熱血&クールな炎斬君が千歌っちの事になると必死になるんだもの〜〜脈ありと思ってもおかしくないじゃな〜〜い!」

 

ダイヤ「そ、そんな事………」

 

果南「残念だけど、鞠莉の考えはハズレみたいだよ。」

 

 

果南は千歌の部屋の戸に耳を当てて話を聴いている。すると炎斬の声が聞こえる。

 

 

「どうした千歌!死んでんじゃねー!さっさと生き返って俺とファイトしやがれ!」

 

 

 

善子「なんか、かなり無茶な事言ってるわね………」

 

鞠莉「あはは………、冗談よ、冗談………イッツマリージョーク!」

 

ルビィ「ほっ………良かった……。」

 

花丸「ほんとずら。」

 

 

鞠莉の冗談で多少は重かった周りの空気が軽くなった気がする。

それを見計らってグリスが口を開く。

 

 

グリス『ダイヤ、果南………すまないが、その部屋の襖を開けてくれないか?』

 

果南「え?」

 

ダイヤ「何故です?」

 

グリス『今この場に居る全員に話したい事がある。』

 

ーーー

ーーー

 

冥府の巣窟………建造物

 

 

千歌達が冥府の巣窟から去って数時間が経った時、ファイトのダメージから回復したアルカー、ファーズ、ヴレン、ジルバがギラの間に集結した………が、集まった4体は驚愕した。

 

なんとギラは、黒い炭のような姿のまま固まっていたのだ。

 

 

ヴレン『ギラ様⁉︎』

 

ファーズ『何だ………どうしたと言うんだ⁉︎』

 

アルカー『分からねー、何だこりゃ!』

 

ジルバ『ま、まさかギラ様も負け………』

 

アルカー『ジルバ!テメー今なんつった!?』

 

ジルバ『あ、すんません!アルカー先輩……』

 

ヴレン『落ち着け。気づかないか?ギラ様の中から感じる力を………』

 

ファーズ『少しずつだが、大きくなっている。』

 

ヴレン『ああ、ギラ様は、今まさに進化の過程にあるのだ。』

 

ギラ『………………』

 

ーーー

ーーー

 

十千万………、千歌の部屋の隣の部屋

 

 

ダイヤと果南はグリスの言う通りに千歌の部屋の襖を開けた。

そしてグリスは真柴とAqours、サツキと炎斬にギラ達に捕まっていた間の事を語ろうとしていた。

 

 

グリス『みんな、これから俺が話す事は、俺がギラ達に捕まっていた時にギラから聞いた事だ。』

 

真柴「ギラから聞いた事?」

 

サツキ「話してくれ。」

 

グリス『ああ。』

 

 

ーーー回想ーーー

 

 

グリスは拘束されてギラの前に突き出されていた。

 

 

ギラ『哀れよグリス。このような形でまた貴様と話しをする事とはな………』

 

グリス『ギラ………』

 

ヴレン『様をつけろ!』

 

ギラ『良い。今さら我に敬称などつける気は無いだろう。グリス。』

 

グリス『ギラ、お前はいったい何をしたい?「冥府の世界」とは何なんだ。』

 

ギラ『グリスよ………、生きとし生けるもの達全てが恐れるものが何か分かるか?』

 

グリス『………………』

 

ギラ『生きとし生けるもの全てが恐れるもの………それは「死」だ。』

 

グリス「死………だと?」

 

ギラ『そうだ。「死」とは、生きる者全てにおいて必ず訪れるものだ………、グリスよ、不憫だとは思わんか?全ての生物はいずれ訪れる「死」の恐怖に怯えて生きている。いつ散るとも知れぬ命を気にしながら生きるのは窮屈であろう。私は、その「死」という概念から全てを救おうと言うのだ。』

 

グリス『………何だと………?』

 

ギラ『我の目的は………、生きとし生けるもの全ての魂を肉体という器から解放し、冥府の世界に新たに転生させる事だ。冥府の世界に「死」の概念など存在しない。その気になれば、死した者達とも再会できるのだ。』

 

グリス「………………⁉︎」

 

 

ーーー回想 了ーーー

 

 

サツキ「不思議だな。僕にはギラの言ってる『生きとし生けるもの全ての肉体から魂を解放する』って言葉が、「虐殺」を宣言しているようにしか聞こえない。」

 

ダイヤ「同感ですわ。私もそうとしか聞こえません。」

 

グリス『そうだ。奴は(てい)のいい言葉を使っているが、様は、冥府の世界に転生させる為にあえて全ての生物を殺す。そして、転生させた冥府の世界とは、言わば死後の世界………』

 

真柴「すでに死んだ後の世界に居るから「死」の概念は無い………か、メチャクチャだな、正気じゃない。」

 

グリス『まったくだ。』

 

サツキ「とにかく、ギラはロクでも無い事を考えてるって事は分かった。けど千歌ちゃんの事もあるし………、悔しいが、あっちから攻めて来るのを待つしかない。」

 

炎斬「指咥えて待ってろってのか?」

 

サツキ「言ったろ?千歌ちゃんの事もある って、梨子ちゃん、曜ちゃん、真柴君、炎斬君は、千歌ちゃんの命を維持する為にも必要だ。」

 

梨子「確かに、千歌ちゃんがいつ目を覚ますか分からないもんね。」

 

曜「このまま千歌ちゃんを放っておいて戦えないし……」

 

グリス『いつ冥府龍達が攻めて来るかは分からない。だが、………結局、君達を巻き込む戦いになってしまった………。』

 

ダイヤ「今さらですわよグリスさん。」

 

鞠莉「イェス!今までいろんな事を経験して来たんだもの。」

 

果南「面倒ごとにはもう慣れっ子………かな。」

 

善子「くっくっくっ………堕天使達に魅入られたAqoursにとって、この戦いは宿命なのです。」

 

花丸「宿命かは分からないけど、やる時はやるずら。」

 

ルビィ「ルビィも………頑張ります。」

 

炎斬「みんな腹は決まってんだ。確認なんて必要ねーだろ。」

 

梨子「それに、私達にも戦う理由ができちゃったしね。」

 

曜「うん。」

 

グリス『みんな、ほんとにすまない………感謝する。』

 

 

ギラの目的を知ったAqoursとサツキ、炎斬、真柴は改めて、『冥府龍』と戦う事を決心する。

 

 

千歌「………………」




今回も感想を是非‼︎

『不死龍 vs 冥府龍 編』第2節………始動!


ーーーイメージ CMーーー

Aqours『バディファイトLoveLive‼︎サンシャイン!』


真柴「俺のキャラクターデッキが登場!」

グリス『冥府龍どもは必ず消滅させてみせる!』

真柴「散り行く亡者達の叫びと共に 紫炎を纏て転生せよ!『不死転生』!〈不死龍王 ヴァイオレット・グリス〉」


バディファイトLoveLive‼︎サンシャイン!

キャラクターデッキ『不死の龍団』

24月24日 発売!


ブ○ロード‼︎

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