バディファイトLoveLive!サンシャイン!!   作:ヤギリ

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沈む太陽

千歌、曜、梨子、サツキ、真柴はグリスを奪還するために 冥府の巣窟 に乗り込み、それぞれの戦いを制して、真柴は遂にグリスとの再会を果たした。

 

その間、千歌は冥府龍王 ギラ とファイトをするが結果は敗北………、ギラにドラゴンフォースの力の大部分を奪われるも、当初の目的のグリス奪還を果たした事でなんとか千歌達5人は冥府の巣窟から脱出する。

 

ーーー

ーーー

 

一方、千歌の実家の旅館「十千万」の前にある浜で千歌達の帰りを待っていたAqoursの6人………。

 

 

ダイヤ「あれからもう2時間くらい経ちましたわね。」

 

ルビィ「うん………」

 

花丸「みんな無事だと良いずら………」

 

果南「時間ばかり気にしてもどうにもならないよ?」

 

鞠莉「イェス、私達はただ信じて待つの。」

 

善子「………ん?ねぇ!あれ見て!」

 

 

善子が空を指差す。すると、背に太陽の光を受けた4つの影が徐々に6人の元に向かってくる。そう、その影は千歌達5人と4体のモンスター達の影だった。

 

 

千歌「おーーい!みんなーーー!」

 

 

 

果南/ダイヤ「千歌(さん)!」

 

ルビィ/鞠莉「曜(ちゃん)!」

 

花丸/善子「梨子ちゃん(リリー)!」

 

 

バルソレイユ、ジャックナイフ、アビゲール、アポカドラシオンは浜に着地して、千歌達が降りたのを確認するとデッキに戻った。そして真柴のデッキからグリスが現れる。

 

 

ダイヤ「皆さん、無事でなによりです。」

 

果南「どうやら、グリスを奪還できたみたいだね。」

 

グリス『皆、心配をかけてほんとにすまなかった。』

 

 

グリスは皆に礼をして謝る。

 

 

鞠莉「無事に帰って来れたんだもの。謝る必要はないわ。」

 

花丸「むしろ喜ぶずら!」

 

グリス『………ああ。』

 

 

千歌(あれ………?なんだろ、この感じ………、なんだか……身体がふわふわして……、立ってられ……な……い……)

 

 

千歌は、まるで空に浮かぶ雲になったような、地に足がついていないような、風にそよぐような感覚を覚える。

 

 

千歌(どうしちゃったん………だろ………う?)

 

 

果南「え⁉︎冥府龍と戦ったの?」

 

梨子「うん。凄く強かったけど、なんとか勝てたわ。」

 

ルビィ「大変だったんですね………、みんな。」

 

梨子「あ、そうだ千歌ちゃん!」

 

 

梨子が千歌に振り向いた時、千歌は座り込んで眼を閉じていた。

 

 

梨子「千歌ちゃん………?」

 

果南「きっと疲れたんだね。」

 

梨子「最後は、千歌ちゃんが一番頑張ってたからね。」

 

 

千歌はヴレンを相手にした後、ギラとも激しいファイトをしていた。そのファイトの疲れが今になってドッと出たんだろう。

 

 

梨子「千歌ちゃん?こんな所で寝ると風邪ひくよ?」

 

千歌「………………」

 

 

梨子は千歌に話しかけるが反応がない。

 

 

梨子「ちょっと?千歌ちゃ………」

 

 

千歌を起こそうと梨子の指先が少し触れた瞬間、千歌はそのまま仰向けで倒れてしまった。

 

 

梨子「千歌……ちゃん……?……千歌ちゃん⁉︎」

 

千歌「………………」

 

梨子「千歌ちゃん………!」

 

7人「ん?」

 

サツキ「なんだ?」

 

真柴「梨子?千歌?」

 

 

梨子は千歌の口元に手をかざした後、千歌の胸に耳を当てる。

その時、梨子の顔が青ざめ、涙目になる。

 

 

ダイヤ「梨子さん?どうかしたのですか?」

 

梨子「………うごいて……ない………

 

善子「え?」

 

果南「動いてない……って、何が?」

 

 

梨子は震える声で答える………

 

 

梨子「千歌ちゃんの……心臓………動いて………ない………、千歌ちゃんの心臓が……止まってるの!」

 

7人「⁉︎」

 

サツキ/真柴「⁉︎」

 

曜「ちょっと梨子ちゃん、退()いて!」ドン!

 

梨子「きゃ!」ドサ

 

 

曜は梨子を押し退けて千歌に呼びかける。

 

 

曜「千歌ちゃん!千歌ちゃん!!」

 

千歌「………………」

 

曜「………っ!千歌ちゃん!眼を覚ましてよ!悪い冗談やめてよ!千歌ちゃん!千歌ちゃん千歌ちゃん千歌ちゃん千歌ちゃん!!!」

 

 

曜は何度も何度も千歌の身体を揺する。

 

 

ダイヤ「曜さん!そのくらいで………」

 

曜「うるさい!!黙ってて!!!」

 

ダイヤ「⁉︎」ビクッ!

 

曜「千歌ちゃん!起きてよ!!」

 

 

曜は千歌をさらに強く揺する。

 

 

『おやめなさい!』

 

全員「⁉︎」

 

 

皆、声をした方を向く。そこには十千万の長女、千歌の姉である 高海 志満 が歩いて来た。

 

 

果南「志満姉………」

 

梨子「志満さん………こ、これは………!」

 

志満『よろしい、分かっています。』

 

善子(ねぇ、志満さんさっきまでと雰囲気違くない?)

 

花丸(まるにも分かるずら。)

 

 

志満は千歌達を待っているみんなにお茶を出したり、お菓子を出したりしていた。だが、今の志満はその時までとは雰囲気がまるで違う。

 

志満?は、静かに千歌に歩み寄る。

 

 

志満『曜ちゃん、退いてください。』

 

曜「志満姉………でも、千歌ちゃんが!」

 

志満『良いから退きなさい。』

 

曜「…………はい。」

 

 

志満は千歌の胸元に手を当てて、何かに納得する。

 

 

志満『少し衝撃が走ります。皆、離れてください。』

 

 

言われた通り、皆少し離れる。

 

志満が力を込めた時、千歌の身体が少し浮くくらいの衝撃を与える。

そして、志満は千歌の胸元に耳を当てる。

 

 

千歌「………………」

 

志満『もう少し強い衝撃が必要ですね。』

 

 

そして志満は今より少し強い衝撃を千歌に与える。

千歌の身体はさらに少し高く浮く。

 

そして千歌の胸元に耳を当てる。

 

 

千歌「………………」ドクン ドクン ドクン

 

志満『ふぅ………』

 

梨子「千歌ちゃんは………?」

 

志満『はい。なんとか千歌ちゃんの心臓の回復に成功しました。ですが長くは持ちません。』

 

善子「そんな⁉︎」

 

志満『これはあくまで応急処置にすぎません。持って24時間程度です。』

 

サツキ「いったい、どうすれば………」

 

志満『方法はあります。』

 

曜「ほんとに⁉︎志満姉!」

 

志満『ええ、それにはドラゴンフォースの力が必要になります。一先ずは、千歌ちゃんを部屋に運びましょう。』

 

梨子「あ、はい!」

 

 

梨子達は千歌を千歌の部屋まで運び、ベッドに寝かせた。

 

 

千歌の部屋………

 

 

曜「それで、ドラゴンフォースの力でどうするの?」

 

志満『まずは曜ちゃん、千歌ちゃんの手を握ってください。その状態でドラゴンフォースを解放してください。』

 

曜「こ、こう?………ドラゴンフォース"追悔の型"解放‼︎」

 

 

曜がドラゴンフォースを解放すると、握っていた千歌の手を伝ってドラゴンフォースの力が千歌を包み込む。

 

 

志満『あなた方のドラゴンフォースの力で、千歌ちゃんの心臓の鼓動を維持するのです。』

 

梨子「なら、2人同時にやれば!」

 

志満『それは成りません。ドラゴンフォースの長時間の解放はあなた方の体力の消費が激しいはずです。頼みの2人が倒れてしまえば千歌ちゃんの心臓の鼓動を維持できず、千歌ちゃんは死んでしまいます。』

 

梨子「そんな………」

 

志満『時間は掛かりますが、千歌ちゃんの命を繋ぎ止めるには、1人ずつ、交代でドラゴンフォースの力を送り込むしかありません。後は、千歌ちゃんの生命力次第です。』

 

梨子「分かりました。」

 

真柴「俺のフシリュウフォースも使ってくれ!多分、そのドラゴンフォースと同じ力があるはずだ!」

 

サツキ「フォースと言えば、炎斬君のエンリュウフォースも力になれるはずだ。あれもドラゴンフォースの力がベースになっているからね。」

 

志満『助かります。』

 

ーーー

ーーー

 

サツキはパトカーに乗って、炎斬の元に向かった。

 

ーーー

ーーー

 

ダイヤ「さっきから気になっていましたが、あなたは本当に志満さんなんですの?」

 

花丸「雰囲気も口調も別人ずら。」

 

志満『そうですね。確かに、この身体は志満の物です。が、意識は違います。』

 

ルビィ「あなたは、誰なんですか?」

 

志満『私は志満のバディ………〈武装竜帝 エンデュミアス〉です。この『』の時はエンデュミアスが話しているものと思ってください。』

 

果南「志満姉のバディ………」

 

梨子「なら、さっきの事も納得できるかも………」

 

志満『次は私の番です。いったい何があったのか、話していただけますか?』

 

梨子「そうですね、お話しします。」

 

 

梨子、曜、真柴は 冥府の巣窟 で起きた事をみんなに話した。

 

 

志満『なるほど。千歌ちゃんのドラゴンフォースの力が、冥府龍王 ギラ に奪われてしまいましたか。』

 

果南「じゃあ、千歌がこうなったのは………そのせいなの?」

 

志満『おそらく、そうでしょうね。さっき千歌ちゃんに触れた時、いつも感じていた力をあまり感じませんでした。ですが奪われた力は「ほとんど」……、「全て」ではありません。ならばまだ望みはあります。』

 

梨子「望み………?」

 

志満『はい。………そろそろ私も休ませていただきます。』

 

 

そう言うと志満の中からエンデュミアスのカードが現れ、志満の意識と入れ替わる。

 

 

志満「ご苦労様、エンデュミアス。」

 

ダイヤ「志満さん………?」

 

志満「ええ、今の私は志満よ。話しは大体聞いていたわ。曜ちゃんも梨子ちゃんもお疲れ様。千歌ちゃんの事、頼んだわね。」

 

 

そして志満は部屋を出て行った。

 

 

曜「……梨子ちゃん、さっきはごめんね、突き飛ばしたりして………。」

 

梨子「ううん、いいの。曜ちゃんの気持ち分かるから。」

 

曜「千歌ちゃん、大丈夫だよね?」

 

梨子「大丈夫だよ、そろそろ代わろう。」

 

曜「ありがとう。はぁ………結構キツいかも………これ。」

 

 

千歌の手を離した瞬間、曜はドッと疲労感を感じる

梨子は曜に代わって千歌の手を握る。

 

 

梨子「ドラゴンフォース"喜跡の型"解放‼︎」

 

 

握っている千歌の手を伝ってドラゴンフォースの光が千歌を包み込む。

 

 

梨子「頑張って、千歌ちゃん………絶対に生きて!」

 

千歌「………………………」




今回も感想を是非‼︎


投稿日の本日、無事に稲刈りや出荷準備全部終わりました。
疲れた〜〜………

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